夏祭り






「楽しかったねー!」

「だにゃ!!」

「来年も来たいっすねー」

「よしっ、決まり!来年も皆で行こう!」

「みんな、夜なんだから静かに・・・」

「これ以上騒ぐなら明日、走らせるぞ」

「そりゃ勘弁してください!」

わいわいと会話を交わしながら俺達は夏祭り会場を後にして家路に着く途中だった。

夏祭り、メインイベントの花火大会も終了し

俺達の気分は高ぶっていて、そんな中での帰り道となると

やはり自然に声が大きくなっていってしまうのは仕方ない。

だからある程度のことは仕方ないと諦めていた手塚だけど

さすがに”ある程度”を超えてしまったらしくて注意を受けてしまった。

「とーころでさ♪今からちょっと寄り道しませんか?」

「何、、急に」

「何処行くの?」

「あまり遅い時間になると心配するんじゃ・・・」

「大丈夫!んな遅くなるようなことじゃいから」

多分、30分かかるかかからないかくらいじゃないか?

と言えば”それくらいならば”と心配してた大石や河村が安心したように頷いた。

「それで何をするつもりなんだ」

まだ頷いてくれないのは手塚で 

俺はごそごそと手に持っていた袋の中をあさった。

「さっきから気になってたんすけど、先輩、何持ってんですか?」

来る時は何も持ってなかったですよね?

と不思議そうにリョーマが聞いてきた。

「いやー、あちこちの屋台寄ってたらなんか”サービスだ、持ってけー!!

て押し付けられちゃってさ・・・」

気づいたらどこぞの屋台のおばちゃんが袋をくれるまでに大量に貰ってしまってました。

で、中に何が入ってるかというと

「線香花火!」

一つを取り出して手塚の目の前に翳す。

「どうせだから今全部使いきっちまおうぜ!」

このままじゃ確実に来年まで持ち越すことになる。

それで湿って使えなくなったらもったいないだろ?

「・・・・・わかった」

不承不承ながらも許可がとることができ、早速俺達はそのまま近くの公園まで行って

、水はどおする?」

「あっ、それはこれに入れたら良いよ」

と、線香花火を入れてたビニールの袋から中身をとりだし財布なんかはジーンズのポケットにしまって

水を汲みに行こうとすればそれを横からスッと取り上げられた。

「ん?」

「行ってきます」

「サンキュ、海堂」

水飲み場の方に入っていく海堂を見送った

「それにしても見事に線香花火ばかりだな」

「そうだなー、ちょっと寂しい感じだよな」

「もっとパーッと派手なのあればよかったのにね」

「そうっスね!!」

残念だー!と騒ぐ英二と桃君は置いておく。

先輩、火はどおするんスか?」

やる気なさげながらも実はあったのかもしれないリョーマがしゃがんで花火を広げている俺の上から声を掛けてきた。

「心配するな!何故かポケットにこんなものが!!」

と取り出したのはマッチ

、お前・・・」

「怒るなよ!!さっき屋台のおっちゃんに貰ったんだ」

そうそう、火遊びしよう!と家から持ち出してきたものじゃないのさ

だからそんな怖い顔して睨むな

これがなかったら花火もできなかったんだからさ

そうして始めた今年最後のしんみりとした花火大会

「・・・・・寂しいっスね」

珍しくしんみりとした声を出す桃君に俺達は黙って頷いた。

線香花火、綺麗のだけどじっと見てるとなんか寂しく悲しくなってくるよな

「今年の夏も、終わりって感じがするね」

「あっという間だったな」

「お前ら部活で忙しかったからなー」

「本当忙しかった!でも楽しかったよ」

「想い出に残る夏ってヤツですな」

「そうそう!!」

静かにそんな会話をしながらとうとう最後の一本になった。

「これで夏の行事終了!あと数日で学校が始まるな」

「英二、宿題終わった?」

「うっ!?」

「写させてくれ!ってのはなしだからな」

ニヤリと笑っていうと英二は”そんにゃー”と泣きついてきた。

その調子からどのくらい残ってるのか想像できるな

「リョーマ達も当然終わらせてるよな?」

黙って花火を見ていた1年2年に声をかけると・・・

おいおい、リョーマに桃君、不自然なくらい顔を背けるなよ

「こりゃ・・・手塚、2学期早々に走らせる必要あるかもよ?」

「のようだな」

先輩!!部長ー!!」

嫌な顔するリョーマに泣き縋る桃君、そんな走るの嫌なら今からでも遅くないから

さっさと終わらせろ♪

「あっ、終わった」

最後の一本の火の玉が下に落ちて消えた。

「しゅーりょー!!」

さ、帰るか?

ビニールに入れた水を花火をした辺りに少し巻いて

余計な水は捨ててからゴミを入れて捨てて

俺達はまた家路へのコースに戻った。

今年最後の夏祭りも終わって、花火もして、本当に夏は終わったなって気分。

明日からは新学期に向けて気持ちを切り替えなくちゃな

とりあえず残ってる休みは休み明け早々に行われる実力テストの準備に費やすことにしよう。


 

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