カラス






珍しくヌイと帰る途中

俺は気になるものを発見した。

「あっ」

小さな声あげて急に立ち止まった俺をヌイは2・3歩歩いてから立ち止まって俺を振り返った。

、どうしたんだ」

「あれ」

”あれ”と指差す方を見たヌイは”なるほど”と頷いた。

のカラス好きは健在か」

「カラス好きって・・・好きだけどさ」

小学生の時から言ってたからな

”カラスを一度飼ってみたい!!”って

あの綺麗な艶のある羽に触ってみたい!というのが一番の理由

昔はよく落ちてたカラスの羽を集めて宝物にしてたもんだ。

さすがに今はそんなことしてないけどな

それを触った感触的には硬そう。かな

なかなかしっかりとして頑丈だし?でもそれでも一度は触ってみたい!

それにあの目!!大きくとキョロっとして可愛いこと!!

ホント、飼う機会ないものかね?

とか今も真剣に思ってたりするわけだけど、ヌイよく覚えてたな

いや、覚えてたというよりもデータにとられていたという方が正しいかもだけど

「良いよなぁ」

うっとりと見る俺を見てヌイは苦笑してる

「本当に好きなんだな」

「おうよっ!!いくら不吉とか言われようとも好きなものは好きさ!」

よくカラスが飛び立った家からは死人が出るなんて話があるけども

確かに、過去の記憶をひっぱりだすとそんなことがあったなーと思うこともありはするんだけどさ

「そういえばカラスは昔は白かったそうだ」

「へっ、何、そうなの?」

白いカラス?

先の方にいるカラスからヌイに顔を向けて、再びカラスに視線を戻した。

で、頭の中で白いカラスを想像してみる。

「・・・・・・・!!」

なかなか、綺麗ではないだろうか♪

「けど、今は黒だぞ、どうやって白から黒に変わったんだ?」

CMで見る美白の薬でも飲んだか?

なんてバカな考えが浮かんでしまった俺にヌイが説明してくれた。

それによるとカラスってのは昔は神さんの使いをやっていた鳥で

その時は真っ白で、しかも人間の言葉が喋れたらしい!!これは驚きだ!!

で、人間の言葉を喋れるくらいだからかんなり賢い鳥だったらしいよ

でもその時のカラスは困った癖というか習性?があってそれが”嘘をつくこと”だったらしい

それである時その嘘で神さんを怒らせてしまったカラスは

”嘘をつく”鳥に相応しく色を白から黒に変えられ人間の言葉も取り上げられてしまった

でも、その時の名残から今も悪知恵が働く鳥になっている

という話だった。

「それってなんていうか・・・昔話?」

いや、昔話というよりも神話とかそんな感じ?

「そうだ」

「てことは本当に白かったわけでも人間の言葉をしゃべれてたわけでもない。と?」

「そんな記録はないんじゃないか?」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

くそっ!!一瞬信じてしまったぞ!!なんて俺は素直なヤツなんだぁ!!!

、それは素直じゃなくてバカなだけだ」

「んなこというのはその口かぁぁ!!」

ムカッときて口をつまんでやろうと手を伸ばしたけど高すぎる奴の背のせいで結局摘むどころか

奴に頭を抑えられてただジタバタするしかできず。。。さらにむかつき度がましてしまった

なんて無駄な体力の浪費!

さあ、カラス君!疲れてしまった俺を癒してくれ!!

と、先程まで居た場所を見ると、いつの間にやらカラスはその場から姿を消していた。

「・・・・・ヌイ!!」

お前の話を真面目に聞いてしまったせいでどこかにいってしまっただろ!!

と文句言おうと振り返れば先程まで居た場所に奴の姿はなく、

さっさと家路につこうとしている姿があった。

「おっまえー!!先に行くんじゃない!!!」

一緒に帰ってるのに置いてくな!!薄情者が!!!

・・・・・結局、先行くヌイに追いついたのは俺の家の少し手前

なんで今日は一緒に帰ろうと思ったんだろうな

と、つくづく不思議に思う俺だった


 

戻る