目の前を大石先輩がよろよろと歩いていく
その姿を僕はただ見送るしかなかった。
大石先輩、ごめんなさい!!!
マザー
先にある角を曲がって大石先輩の姿が完全に見えなくなって
僕はその見なくなった姿におもいっきり謝罪の気持ちを込めてペコリを頭を下げた
「・・・・何やってんの」
「ん?」
頭の上からの声に顔を上げるとそこには呆れた顔をした越前君の姿
「えっと・・・」
何ていおうかと悩んでると越前君はちらっと先程大石先輩が去っていた方を見て
「大石先輩がよれってたのはのせい」
「う、うん」
どこから見てたんだろう?と聞いてみると
僕が歩いてる所を大石先輩が呼び止めて・・・
それって最初から全部見てたってことじゃないか!
じゃあ、大石先輩がよれってた理由も知ってるってことじゃないの?
と聞くと
「見てても声は聞えなかった」
なるほど。
声が聞えなかったらわからないか
「で、何を言ったの?」
「・・・言わなきゃ、ダメ?」
「言いたくないこと?」
「そおゆうわけじゃないけど」
じゃあ、いいじゃないか、そういう表情を向ける越前君に僕はどうしようかと悩んだ。
あれは、言ってよいものなのか?
というよりも言えば僕が恥ずかしい思いをするだけなんだよ!!
「が言いにくいなら大石先輩に直接聞いてくる」
「えっ!?」
今なんて言った!?聞き返そうとした時にはすでに越前君は大石先輩が歩いていった方に歩き出していた。
「ちょっと待って!!」
慌てて腕を掴んで引き止めた僕に
越前君は”ニヤリ”その表現がぴったりな表情をしていた。
あぁぁぁぁ・・・うまくひっかかってしまった!!
「誰にも言わない?」
聞いた僕に越前君は頷いて
僕は周りを見回して誰も僕達に気を向けてないことを確認した後に小さな声で呟くように言った。
「・・・聞えないんだけど」
小さ過ぎたためか聞えないという越前君に僕は先程よりも少し大きな声で話す。
が、恥ずかしい!!
「だから、無意識なんだけど大石先輩のこと”母さん”て言っちゃったんだよ!!(///)」
「何で?」
言った僕に即座に切り返されて、これも言わなきゃダメか?と伺って見ると目で”言え!”と言われてしまった。
「えーとね・・・」
職員室に呼ばれた帰り、ぼーっと、自分の世界に入ったまま歩いていた所
いきなりポンと肩に手を置かれた。
びっくりして振り返るとそこには大石先輩が立っていて
どうやら僕はあまりにぼーっとしていた為に持っていた筆箱を落としてしまっていたらしい
けど、それには気づかないで先を歩いていた僕をそれを見ていた大石先輩がわざわざ拾って追いかけてくれた
で僕は「ありがとうございました!」と礼を言ってそれで終わり。なんだろうけど
大石先輩は優しい先輩だから「ぼーぅと歩いてたら危ないよ」とか「何か心配事があるのか?」と
いろいろ心配してくれて、
僕は「大丈夫です。心配掛けてごめんなさい」と言った後に思わず「母さん」とつけてしまった。
無意識にするっと出た言葉に自分でも慌てて口を塞いだんだけど遅くて
おそるおそる大石先輩の顔を伺うと
爽やかな笑顔の中に微妙に頬をひきつらせる先輩の姿があった。
「ごめんなさい!!」
と、慌てて謝った僕に先輩は「いいよ」と言ってくれたんだけど
その後に「次は気をつけるんだぞ」と言って立ち去る時、よろよろしてて僕はなんてことを言ってしまったんだ!!
と罪悪感に包まれて頭下げてた所に越前君が声を掛けて来たというわけだ
話終わった僕に越前君は「ふーん」と答えて顔はあさっての方を向いている。
もしかして、呆れてる?
「だって、前々から思ってたんだけどあの注意する雰囲気とかが母さんと似てたんだよ!!
だから思わず口が滑っちゃって・・・」
「てことはは前々から大石先輩を母親みたいと思ってたんだ」
「うっ!?」
それは(汗)
「えーと、越前君。この話はここだけの話にしてくれない?」
「いいけど。貸しね」
「ファンタ一本で」
「了解」
こうしてとりあえず見られてしまった越前君とは話をつけることができたのだけど
その後、放課後の練習の時、もう一度ちゃんと大石先輩に謝ろうとした所
やっぱり無意識に「母さん」といってしまった理由を話してしまって
部中に僕が大石先輩を「母さんみたいだ」と思ってたということが広まってしまった。
これじゃあ越前君にファンタを差し出した意味がないじゃないか!!
落ち込む僕に英二先輩や桃先輩が笑いを我慢した顔でやってきて
「だけが大石(先輩)を母さんと思ってるんじゃない」
みんな思ってるんだから!それを口にしたかしてないかの違いだよ、気にするな!!
といわれたんだけどその違いは大きいと思います!!
・・・・・あの後の練習中、大石先輩は放心状態になってしまって
明日にでも改めて謝りたいんだけどまた何かいらないこと言ってしまいそうで・・・どうしよう?