押し倒し
「、そこ!!」
「へっ?」
突然の不二の注意も空しく、俺は足元にあったらしい石にけつまずいて倒れてしまった。
それもただ倒れただけではなく、注意してくれた不二まで巻き込んで・・・
「・・・いってー!!!」
「は痛くはないでしょ」
上半身起き上がった俺の下から不機嫌な声
びっくりして下を見ればそこには目を開けて俺を睨んでる不二の姿
”こわっ!!”
慌てて起き上がってどこうとした俺に
「にゃぁぁぁぁ!!!!」
絹を引き裂くような猫の声
何だ!?と起き上がろうとした姿勢そのままで俺は声の主の姿を見てしまった。
そいつは、菊丸英二は何やら、えーと・・・ムンクの叫びだったか?
あんな感じで両頬押さえた格好で俺達を信じられないものでも見るように見てる
「一体、どうしたんだ?」
「英二のことだからバカな勘違いしてるんでしょ」
「バカな勘違い?」
「そう」
今の僕達、遠目にみたらどう見えると思う?
聞かれて俺は今の自分らの体勢を見て・・・
「あー。。。。」
「わかった?」
「わかった。」
遠目に見ると、俺が不二を押し倒してるように見えるってか?
英二、よくそんな勘違いが出来るな(−−)
思わず呆れてしまった俺に
「それが英二だからね」
と、言われると
「そうだな」
としか言いようがない
そんな会話をしてる俺達に向って英二はというと恐る恐る側まで近づいてきて
「不二もも何やってるんだよー!!」
「何って・・・」
「なあ?」
「ねえ」
「二人で分かりあうなー!!!!」
そんな近くで叫んだらうるさいって二人して顔を顰めて
「、そろそろ起こしてくれない?」
「あっ、ワリィ!」
いつまでも英二には俺が不二を押し倒してるように見える体勢でいるのは。そろそろ俺もしんどいしな
と、どこうとしたんだけど
「不二・・・」
「何?」
いや、”何”ってんな楽しそうな顔で言われても(汗)
「にゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
ほらっ、また猫が騒ぐだろ?
見れば英二はまたさっきと同じポーズをとって、今度は震えてた
「ふ、不二!?何の首に手を回してるのさ(><)」
「んっ、に起こしてもらおうと思って」
「だからって首に手を絡めるにゃぁぁ!!!」
だから英二、うるさいって。それから不二
「それで起こすの無理だから」
「そうなの?」
「重い」
「ひどいなー」
ひどいというわりにやはり顔を楽しそう
「女子みたいなこと言うよ」
なんか疲れてきたぞ?
やっと首に回していた手を離してくれて俺は起き上がって不二に手を差し出した。
その手に捕まって不二もようやく起き上がって
「不二、サンキューな。でもってすまん!」
「何が?」
お前が下敷きになってくれたお陰で俺は痛いこと一つもなかったけど
巻き込まれた不二は服は汚れるし倒れた痛さもあるだろうし何より俺が上にのっかっちゃったわけだしな
「あぁ、それくらい別に良いよ」
そういってにっこりと微笑んだ笑みに俺は背筋が冷えた。
「いつかこの分の借り返してもらうから(^^)」
「・・・・・・お手柔らかに」
今更ながらとんでもないことをしてしまった!と頭を抱える俺に
今だにゃあにゃあと騒いでる英二。
ちなみに今は体育の授業中
周りはどうしてたのかというと、最初に俺と不二が倒れこんだ時から固まってそのまま動かない
ということで今日の体育の授業は授業らしい授業ができずに終了
後に、このことを知った手塚から「授業中にふざけるな!」ときつく叱られることになったんだけど
好きで転んだわけでなく、ましてや不二を巻き込もうと思ったわけなんて全然ない
それを”ふざけて!!”といわれてしまった俺が数日不機嫌だったことは、仕方ないことだろう