裁縫
チクチクチク・・・・プスッ
「あいよっ」
「、ありがとう」
「どう致しまして・・・・やろうか?」
「あぁ、お願いできるかな」
すまなそうにさっき俺が渡したバンソーコを大石から受け取って
俺は間違って針で刺してしまった指に綺麗にペタッと貼り付けた。
「いやー、まさか大石が裁縫苦手だとは思わなかったよ」
「そうかな」
誰だったかに大石は”マザー”と呼ばれてる!!とか聞いたことがあるから
当然裁縫とか家庭科は得意なものとばかり思ってたんだけどな
この言葉に大石は苦笑して”マザー”は止めてくれとぼやいた。
「そういえば前にボタン付けしてるのを見たような気がするけど・・・結構うまかったよな?」
「ボタン付けはね、できると便利だから覚えたんだけど」
”パーカーを作れ”はね。。。そういって溜息落とす大石に俺も「まあな〜」と相槌をうって
家庭科室の黒板に書かれた文字を見た。
そこには”パーカーを作る手順”が書かれている。
「裁縫苦手な奴からしたら大変な作業だよなー」
俺的には裁縫は得意な方だから楽といえば楽な作業んだけど
というわけで俺はすでにパーカーは完成して提出してたりする。
「本当にが通りがかってくれて助かったよ」
「あれにはちょっとびっくりした」
「すまない(^^;)」
たまたま家庭科室を通りがかった時、
中からドアが開かれて情けない顔をした大石が出て来たときは本当どうしようかと思ったよ。
あまりに情けない顔をしてたので思わず「どうしたのか?」と尋ねて
一向に進んでない大石のパーカーになる予定のものを見た時
思わず無意識に「手伝おうか?」と申し出てしまった。
その時の心の底からの”助かった!”みたいな顔は当分みることはできないくらいのものだった。
「にしてもさー、家庭科の先生いつ戻ってくるんだろうな」
「そうだな。。。出て行ってもう30分は立ったか」
「すぐに戻ってくるって言ってたんだろ?」
「そうだけど」
んー、じゃああれだな。きっと今頃職員室で賑やかにおしゃべりしてると思う。
あの先生良い先生なんだけどしゃべり好きな所があるからな
「ま、戻ってくるまで手伝ってやるよ」
「ありがとう。。。部活の方は良いのか?」
「いーのいーの。サボル予定だったし」
「・・・」
サボルって言った途端大石の顔が困ったような表情になった。
真面目な大石の前で”サボリ”の言葉はまずかったか?
と思っても言ってしまった後じゃどうしようもない。
誤魔化すように笑ってから止まってる手を動かすように言って
とりあえずトチル前まではぼへーっと頬杖ついて大石の作業を見てた。
「・・・・手塚も困ってそうだよな」
「何が?」
「奴も、てか奴は家庭科全般ダメじゃん」
「あぁ。そうだな。俺以上に苦労してるんじゃないかな」
「やっぱ大石もそお思うんだ」
俺達は思わず顔見合わせ笑ってしまった。
この場に手塚が居たら額の皺が増えてただろうな(笑)
「奴もどうしようもなくなったら”手伝ってくれ”とかって連絡してくるんじゃないかな」
それか学校で俺と会ったその時にでもいってくるかも
「ははははは」
「んー、これは貸し1だな」
「俺もだな」
「だね。取立ては厳しいからな!」
「お手柔らかに頼むよ」
了解。とりあえずまた止まってる手を動かしてくれ。
じゃないと何時までたっても部活に行けないぞ?
とりあえず今日の参加は諦めた方が良いだろうけどな
「ところでさ」
「ん?」
「なんでミシン使わないんだ?」
使ったほうがさっさと終わると思うんだけど
「・・・・・それは、ちょっと(汗)」
・・・・・・・・・・怖いのか(笑)