校舎裏
「なんじゃこりゃ?」
下駄箱を開けると上履きの上に丁寧に置かれた封筒が一つ。
一瞬ラブレター!?と心ときめかせてみたものの・・・
「その場合もっとファンシーな封筒だよな」
間違っても長方形型の真っ白な封筒にはいれないだろう
もしかしたら意外性を狙ってコレにした!
という可能性がなきにしもあらずなのだが、
この場合は思ったことをそのまま受け止めた方が良いような気がする。
とりあえずと、封筒をその場で開けてさかさまに振ってみると
中からペランとした便箋一枚とカッターの刃が軽い音を立てて落ちた。
「うわー!!なんて分かりやす!」
今時こんなの入れるか?
なんて小さな声でぶつぶつ言いつつ・・・
なんとなしに置かれていた上履きを取り出してさかさまにしてみる
が、そこからは何も出てこなかった。
「うーん。ある意味良い奴だよな」
こおゆうの出す場合、こっちにも何か嫌がらせしてそうなものなのにな
で、拾った便箋を開いてみる
「何々?今日の放課後に校舎裏にて待つ?」
うわー、またしても基本に忠実な!!
「でも、どの校舎の裏だ?」
こいつ、青学にはいくつ校舎あると思ってんだろ
ただたんに”校舎裏”とだけ書かれても該当する場所は多々あるってのに
一つ一つ全部行って見ないとダメなんだろうか?
「面倒くせー!!」
おもいっきし本心がペロッと出てしまった。
呼び出しを無視しようか。。。とも思ったけど
放っておいたらそれはそれで面倒だよな?
やっぱ行くしかないっすか?
ま、最近退屈してたからもしかしたら少しは紛れるかもしれない!
と考えて俺は便箋を封筒に入れなおすと丁寧に鞄の中に収めた。
カッターの刃に関しては危ないからゴミ箱直行で
で、そのままふつーに教室に行って授業を受けて、何事もなく終了
さて、呼び出しの場を探すとしますか
鞄を持って教室を出ようとした所、肩をがしっと掴まれた。
「、何処行くの?」
「何処って・・・帰るに決まってんじゃん」
「、今日は教室の掃除当番じゃなかったっけ?」
その言葉と同時に力を込めて肩を掴まれる
「いてっ!!痛いってば不二!!」
「さぼるつもり?」
「えーと・・・・そのつもりデスッ!!」
一瞬考えるフリをして、不二の手が緩んだすきにバッと振り払って教室を飛び出した。
「ちょっ!?!!」
「不二、ごめん!!今度代わるから今日はよろしく!」
それだけいうとまだ何か言ってる不二を置いて廊下を走った
「うー、明日辺り何か報復されそうだな・・・」
明日は朝一番に謝り倒すしかないか
いや、素直に謝らせてくれるはずないよな・・・
こうなったら呼び出し掛けて来た奴らで一足早い明日の為の憂さ晴らしでもさせてもらいましょう!!
そして今俺がいる場所。それはとある校舎裏にある体育用具倉庫の屋上にいたりする。
あれから、俺はあちこち走り回って、やっと呼び出し場所になってた場所を見つけた。
で、そのまま正面から乗り込んでいくのはどうなんだろう?と考え
ふと思いついた。
高い所から奴らを見下ろしてやろうと。
で、なんとなく目をやった先が今いる場所だったり。
そこから下を見下ろすと、
「うわぁ・・・怖そうな先輩がたくさんいる!!」
5人くらいが集まって何か会話していた。
見下ろしてた頭をひっこめて・・・・さて、どう登場するかを考えてみる。
が、それを考える前になんとなく素朴な疑問がわきあがった。
・・・・俺、何で呼び出されたんだ?
手紙にカッターの刃を入れられて呼び出される程のことを俺は何かしたっけ?
考えても心当たりなんて全くない!
「それなら直接聞けば良いだけ・・・かな?」
よしっ!と気合入れて俺は立ち上がって、屋上のキワに仁王立ちして
「こんにちはー♪」
爽やかな挨拶なんぞ送ってみたりした。
いきなり頭上から掛けられた爽やかな挨拶に俺を呼び出した先輩達はぎょっとした目で俺を見てる。
で、今注目浴びてる俺はまたもや爽やか〜に手を振ってみたりして
ここに来てやっと我に返った先輩達は
「降りて来い!!」だの「ふざけんな!!」だの、口汚い言葉を叫んできた。
まあ、呼ばれたからには行ってやりましょう!!
と俺はニヤリと笑って勢いつけて下に飛び降りた。
・・・・・・・・・・用具倉庫の高さをまったく考えもせずに
ただ格好良い登場の仕方!!というかバカは高い所が好きー♪てのを実践した形で下に飛び降りて
見事にすっころびました。
てか、上手く着地できたと思った瞬間よろけて倒れてゴロゴロと・・・
お陰で俺の制服はドロだらけ、顔とか手とかは転がった時にできた擦り傷らだけと
まあ、悲惨な姿になってしまいました。
そんな俺を先輩達はただただ呆然と見守っていて、その次の瞬間!
「!!!」
少し前に教室で別れた奴の声が聞えた。
あー、なんか首痛いし、なんて思いながらとりあえずその声のした方に顔を向けてみる。
そこには何やら滅多に見ることができないような真っ青な顔をした不二と手塚と大石の姿があった。
その3人の姿を認めた途端、3年の先輩達は青ざめてあっという間に立ち去ってしまって・・・
「、大丈夫なの!!」
今だ真っ青な顔をしたままの不二と大石が倒れてる俺の側まで来た。
手塚は立ち去った先輩達の方を今までに見たことないくらいの怖い顔で睨みつけてた。
「んー、体中痛い」
「顔とかすり傷だらけだよ。保健室に行こう」
「サンキュ。ところで・・・」
肩を貸してくれる不二と大石に礼を言って、疑問に思ったことを聞いてみる。
「なんでお前らここにいんの?」
呼び出されたこと誰にも言ってない筈だけど?
「掃除中にの机を動かしてたら中から封筒が出てきたんだよ」
あー。。。朝、鞄から荷物出す時に一緒に移しちゃったんだな。
で、明日ある教科は置いてきたから残ってしまったのか
「で、なんだか気になったから悪いと思ったんだけど中を見させてもらったんだよ」
なるほど。で、慌てて手塚と大石に話して探してくれてたのか
にしてもすごい勘!!
「、大丈夫なのか?」
保健室に向おうとした俺達に手塚が近づいてきて声を掛けてきた。
「ん。大丈夫だよ」
自分で飛び降りて勝手に転んだ傷だしね。そんなたいした事ないさ・・・傷だらけの理由は話せないけど
「手塚」
「あぁ、全員の顔と名前は分かっている」
「誰の顔と名前って?」
「を呼び出した3年達のだ」
大石と手塚の会話を何気に聞いて、たった瞬間見ただけで顔と名前が一致って凄くないか?
「誰?」
「その話は後だ。とりあえずを先に保健室に」
「わかった。」
けど、後で絶対に教えて・・・と、俺の横で殺気だってる不二さん。お前、怖いよ?
教えてもらって何するつもりなのさ。。。。いや、聞かなくてもわかるんだけどね
で、保健室に連れて行ってもらって手当てしてもらって、やはり擦り傷以外は怪我はなかった。
まあ俺としては呼び出された理由はわからないままだけど、勝手に怪我したのがたいしたことなくて良かった
一件落着♪みたいな気持ちでいたのだけど
次の日の朝。
妙に爽やかな不二が楽しそう(?)な声で挨拶してきた。
「なんか上機嫌?」
「上機嫌だけど不愉快なのも混ざってる」
それって一体どんな状態だよ。。。聞かない方が良いかと思ったのだけど
気になるし、と聞こうとしたのを遮って先に不二が話してくれた。
「昨日のことだけど」
「おう、何かわかったのか?」
「あの人達、僕達テニス部が目立ってるのが気に入らないって以前から周りに言ってたらしいんだよね」
「へーえ・・・・で、何で俺が呼び出されにゃならんわけ?」
一応テニス部所属だけど目立つようなことは何もしてないはず!!
てか、サボリまくってんだから目立つもなにもしようがないんだけど
不思議に思って聞いてみたら
「僕達と仲が良いでしょ」
と、物凄く不愉快そうに言われた。
なるほど、あの先輩達が気に食わないと思ってる奴らと俺が仲が良いから狙われたわけね
「関係ないを呼び出して怪我させるなんて。。。腹の立つ!!」
うわっ、不二がご立腹!!
てか、あの怪我は自分が勝手に・・・・・言えない。言えないよ!!
「で、ご機嫌だった理由は、何かしてきたわけね」
「あはははは。何をするっていうのさ(^^)」
その笑い声に笑顔。何かしましたっていってるようなものじゃないか
「僕達はただ話をしてきただけだよ?」
「”達”?」
「手塚に大石」
「あの二人も一緒にいったのか?」
「うん」
マジで!?あの先輩たち、これからの学園生活終わったな
俺がバカな真似したためにすまんよ!!でもあのままだと怪我させられてたのは間違いないからな・・・同情の余地なし?
でも大石。大石だったらいくら怒ってても二人を止めようとすると思うんだけど・・・
あぁ、でも不二に手塚、止められるわけないよな。胃に穴開いてなけりゃ良いんだけど
「ところで」
「何だよ」
「呼び出しになんでひょいひょい行くの!!」
げっ!?怒りがこっちに回ってきてしまったか?
「君が行かなければそんな怪我することなかったでしょ!」
そりゃ確かに。行かなければあんなバカな真似はしませんでした。
ということで不二の言葉に俺はただ頷くしか出来ない。
「今度からは絶対に行かないこと!もしまた呼び出しが来たら僕達に話すこと!・・・いいね?」
「・・・・・はい」
「約束だからね。守れなかったら・・・・・・わかってるよね」
「・・・・・・・・・・・はい」
暇つぶしになるかもーと思って行ってしまった呼び出し
結果はとんでもない結末となってしまって、もう絶対に行くのは止めよう
ていうよりいくら奴らが気に入らなくても喧嘩売るなら直接奴等の方にいった方が良いと思う
平和に学園生活を送りたいならな。
ということで、俺を呼び出した先輩らは現在、行方不明となってるらしい・・・・・うわぁ(汗)