アンタレス

星名 学名 星座 バイヤー符号 フラムスティード番号 赤経 赤緯 実視等級 絶対等級 距離 スペクトル型
アンタレス Antares さそり座 α星 21番 16h29m24s −26゜25’55” 1.07等 −5.27等 604光年 M1

※2005年3月31日のアンタレス食は、観測ガイドの3月31日 アンタレス食をご覧ください。

アンタレスの位置位置

 夏の宵の南天で、天の川が一番太くなっている辺りの西岸にアンタレスがあります。アンタレスは赤く光る1等星なので、すぐそれとわかります。アンタレスは美しいS字型のカーブを描いたさそり座の中にあり、ちょうどさそりの心臓部に位置しています。

火星とアンタレス

 アンタレスは天の黄道近くにある星です。ですから近くを惑星が通過する場合がありますが、火星がそばを通る時には興味深いものがあります。アンタレスが赤い星として代表的な1等星なら火星も燃えるように赤く光る惑星。なにか両者が赤さを競い合っているようにすら思えてきます。そもそもアンタレスはギリシャ語ではアンチ・アレース。つまり、火星に対抗するものという意味です。地球に大接近した頃の火星は−3等近くまで明るくなるので、明るさの点では火星にはかないませんが、赤さという点では、若干火星よりもアンタレスの方が赤いそうです。

赤色巨星

 ではアンタレスがどうしてそんなに赤い色をしているのかというと、それはもちろん表面温度が低いためです。アンタレスの表面温度は3千度ほどしかありません。また、アンタレスは600光年も離れているのに、明るい1等星として輝いて見えます。仮に太陽をアンタレスの距離まで遠ざけたとすると11等星という哀れな姿になってしまいます。

 アンタレスは恒星の一生の最終段階を迎えた赤色巨星です。その直径は太陽の230倍にも達します。これを太陽系に置き換えたとすると、火星の軌道付近までくる大きさですから大変なものです。

 不思議なことに、アンタレスの表面付近の密度は地球の空気の1万分の1くらいしかないそうです。いってみれば、ほとんど真空状態。これが太陽の5000倍もの光を放っているのですから本当に不思議です。タネあかしをすると、アンタレスの中心部付近では極めて超高密度で超高温に達しています。ですから、これほどのエネルギーを放つことができるのです。

変光星

 多くの赤色巨星では星自体が不安定になり、変光する場合があります。アンタレスの場合はあまり大きな変化はありませんが、それでも4.8年ほどの周期で、0.93等星から1.21等星まで明るさを変える変光星です。

2重星

 アンタレスは2重星でもあります。アンタレスから2.6秒(1秒=3600分の1度)離れたところに5.4等星の緑色の伴星があります。両者の光度差が大きいので、分離するのは案外と難しいようです。大気の安定した夜に、天体望遠鏡で高倍率をかけて、2つの星に分離できるか挑戦してみましょう。

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