どうやって習うか

 感染教育

 放送やネットなどの媒体が発達した現代社会においても、なお学校が無くならないのはなぜか?その答えの一つに、媒体は「人と人と」にしくはないからである。
 何事においても、優れた人に接することが重要である。

 一番良いのは、アイルランドやアメリカで基本的な講習を受ける事である。NPUなどでは講習会を開いている。NPUのWEBを参照されたい。
 現在では結構良いチューター類が出されているので、それらの利用も可能である。例えば、NPUから取り寄せられるチュ−ター類は、

   NPU 'The Art of Uilleann Piping' Vol.1-3(ビデオ)
   H.J.Clarke 'The New Approach to Uilleann Piping'(教則本)
   Seamus Ennis 'The Master's Touch'(教則本)
   Eddie Climo 'A Handbook for Uilleann Pipers'
   Danis Brooks 'Irish Union Ppies'


などがある。パイプのために何週間も外国に行けるような恵まれた境遇の人はそう多くはないだろう。これらは何れも、パイパーにとってはバイブル的な存在である。

 パイプのホールディング

 パイプの演奏でよく注意されるのはふいごにたよるなということである。2オクターブ目を出すために空気圧を上げるのは、バッグを押さえることによるが、ついついふいごに頼ってしまうことを戒めたものである。
 プラクティス・セットではあまり気にならないが、ドローンが付くとバッグが引っ張られるようになってバッグのコントロールがうまくいかないと感じることがある。
 パイプを支えるために、メイン・ストックやバッグカバーにストラップを付けて肩にかけているパイパーがいる。メイン・ストックに固定するのがいいようである。メイン・ストックに最初から金具が付いている場合もある。


 フィンガリング

 伝統音楽の楽器は、指を伸ばして演奏するものが多い。イリアン・パイプスも例外ではないが、親指対向性に反した楽器の持ち方なので苦労する。
 フィンガリングには、クローズド・フィンガリングとオープン・フィンガリングとがある。前者は膝にチャンターを立て、後者は膝からチャンターを離し(立てることもある)ノートホールより下の穴を開けて演奏する。
 チューターなどの運指表の、同一の音で異なるフィンガリングは、音程・響きなどが異なる場合がある。例えば、バックDで左人差し指(右利きの楽器の場合、以下同)を開けるのは、次に来る音のピッチが下がらないようにするためである。しかし、実際の効果はチャンターによって異なるようである。
 ボトムDは、同じ指使いで、ソフトDとハードDの2種類がある。ソフトDはハードDに比べて若干ピッチが低い。ハードDは、チャンターを膝から離す直前に左薬指を開け、Aで装飾音を付けるようにすると出る。チャンターによっては、出にくい、または保ちにくい場合がある。その際は、折ったプラスチックなどをベルに入れるとよい。
 オープン・フィンガリングは、基本的に、D#以外は右小指を閉じ、下から順番に開けていく。(ホイッスルとほぼ同じ)ただし、ちゃんとした音程が得られるとは限らない。チャンターによっても様々のようである。
 音程の高低は、その原因の多くがリードに起因する。初心者にリードの調整は不可能であることは前に書いたとおりである。下にあげたように、リードをいじらないで音程を調整する方法もあるが、詳しくは、Eddie Climoのハンドブック及び下記の書などを参照されたい。ただし、チャンターの穴をちゃんと押さえていないために、音程が不安定になる場合もあるので、先ずこの点をチェックすべきである。

  参考文献:Dave Hagarty 'The Uilleann Pipe Reedmaker's Guidance Manual'
  (Reedmaking Made Easyの増補改訂第三版)



 チャンターのチューニング

 イリアン・パイプに限らずダブルリードの楽器はチューニングがやっかいである。一応まともな楽器とリードが手に入っても、音程で悩むことは普通である。音程がふらつく場合はリードがしっかりと挿入されていないか、隙間ができているかのいずれかの可能性が高い。まっすぐ隙間無く差し込むことが肝要である。
 リードに触らないで、初心者でもできる簡単なチャンターのチューニング方法は以下のとおり。ただし、音量や音色も変わる場合もある。

○リードをチャンターに深く差し込めばピッチが高くなり、逆に抜けば低くなる。
○リードの管に細い針金(真鍮線など)を挿入すると音程・音量が下がる。針金は管の長さより若干短めで、落ちないように端を曲げておく。
○ノート・ホールの上部にセロ・テープなどを貼ると、音程が下がる。溶かしたワックスを付けて、内径を小さくする方法もある。後者の方が効果が大きい。
○チャンターの内径を狭くすると音程が下がる(ラッシング)。材料は、真鍮の棒・竹ひご・焼き鳥の串など。私は、ステンレスや真鍮の棒を使っている。太いほど音程が下がるのは言うまでもない。ラッシュをチャンターに挿入すると、ラッシュが達したノート・ホールまでの音程が下がる。落ちないように、ラッシュの下部を三角に折っておく、または折った針金をくっつける必要がある。楽器によっては、音程が不安定になるなどの影響があることもある。(画像)
○ボトムDの音程を下げるには、紙を巻いてベル(チャンタ−下端開口部)に挿入する。または、長さ2.5cm位のセルロイドの板などを「ヘ」の字に曲げてベルに挿入する。ハードDを出すのにも有効。プラスチックのトランプ、フィルムのケース、クレジットカードなども可。(画像)

 パイパーの悩み〜気候〜

 イリアン・パイプは、気候、とりわけ湿度に敏感な楽器である。特にチャンターのリードは湿度の影響を受けやすい。湿度が低いとリードが開かない。ブライアン・マクナマラは、60%くらいが最適と言っていた。私もそのくらいだと思う。異常に乾燥する日本の冬は、パイパーにとって厳しい季節である。夏期のクーラーも難敵である。自宅では加湿器を使う人が多い。ただ、過度の加湿は楽器だけでなく家にもダメージを与えるので注意。
 演奏環境をいつも自分の都合のいいように保つことは、不可能であろう。乾燥しすぎている場合は、濡れた布をベローズの空気取り入れ穴にかぶせるなどの工夫をしている人もいる。新宿の日本ダブルリードでは、オーボエなどのケースに入れる小型の「加湿ケース」という商品を売っている。湿度を50%くらいに保ってくれるそうである。ケース内の容積や密閉度によって効果は異なると思うが、試したところ、たしかに幾分か湿度が上がった。
 私の経験では、食器洗いをした後演奏するとよく鳴る。(ホント!)したがって、パブのセッションではパイパーに皿洗いをさせるといい。しかし、熱いお湯だと手が荒れる。
 乾燥対策として、旅行用の湯沸かし器をそばに置いておくという方法を試している。(おすすめする気はない)下の画像の左下で湯気を立てているのがそれである。