雅楽について



雅楽とは
青海波(せいがいは)雅楽というと小難しそうですが、神前式の結婚式で流れる曲(=雅楽の中の唐楽の「越殿楽」)といえば、「あぁ、あれね」と実感される方も多いかと思います。

また、源氏物語フリークの人はもちろん、源氏物語を読んだことのある方なら、「紅葉賀」の巻で、朱雀院の前で光源氏と頭中将が舞い、女官達に、この世のものとは思えぬ美しさと賞賛された舞楽である「青海波(せいがいは)」を思い浮かべるかもしれません。

雅楽は日本で最も古い伝統を持つ音楽であり、日本古来の歌と舞、古代アジア大陸から伝来した器楽と舞が日本化したもので、平安時代中期頃に今日の形に完成したといわれます。「雅楽」とは、元々「俗楽」に対する言葉で、「正当な音楽」を意味しており、また、雅楽と呼ばれる音楽は中国や朝鮮にもあったようですが、音楽そのものは日本の雅楽とは異にするようです。

狛桙(こまぼこ)かつては、宮廷をはじめ、有力社寺などで各々行われてきましたが、現在では宮内庁の樂部が伝承する雅楽が基準となっています。



雅楽の種類
雅楽は、その起源系統から「国風歌舞(くにぶりのうたまい)」、「大陸系の楽舞」、「歌物(うたいもの)」の3種類に分かれます。
分類 内容 種類
国風歌舞 日本古来の原始歌謡と舞踊を基に平安時代に完成した歌と舞。「上代歌舞」、「日本固有の歌舞」とも呼ばれる。 ・神楽(かぐら)
・東遊(あずまあそび)
・大和歌(やまとうた)
・久米舞(くめまい)
大陸系の
楽舞
5〜9世紀にかけて中国や朝鮮等から伝来したアジア大陸諸国の音楽舞踊を基に平安時代に完成した器楽と舞。伝来当初は本来の形で演奏されていたが、平安時代には整理統合されて、日本化された。中国以西が起源の「唐楽」と、朝鮮・満州が起源の「高麗楽」とがある。 ・唐楽(とうがく)

・高麗楽(こまがく)
歌物 大陸系の音楽の影響を受けて平安時代に作られ、唐楽器等の伴奏で歌われるようになった声楽。なお、宮中の歌会始の儀などで行われる「歌披講(うたひのこう)」は朗詠と同時代に完成された音楽の一分野だが、全く楽器を用いないので、雅楽には含まない。 ・催馬楽(さいばら)

・朗詠(ろうえい)
東遊(あずまあそび)



雅楽の楽器
イ)管楽器 ・篳篥(ひちりき)龍笛

・笙(しょう)

・龍笛(りゅうてき)

・高麗笛(こまぶえ)

・神楽笛(かぐらぶえ)
ロ)絃楽器
・琵琶(びわ)琵琶

・筝(そう)

・和琴(わごん)
ハ)打楽器 ・鉦鼓(しょうこ)太鼓

・太鼓(釣太鼓)

・鞨鼓(かっこ)

・三ノ鼓(さんのつづみ)

・笏拍子(しゃくびょうし)




雅楽の演奏形態
雅楽には、「管絃」、「舞楽」、「歌謡」の3つの演奏形態があります。
い)管絃

大陸系の雅楽器で演奏する器楽合奏で、現在は専ら唐楽を演奏し、高麗楽は殆ど演奏されない。「三管両絃三鼓」の楽器編成で演奏される。管絃では、管楽器が主な役目を果たし、篳篥が主旋律を演奏し、龍笛が同じ旋律をやや装飾的に演奏し、これに笙が和音を奏でる。打楽器と絃楽器がリズム楽器として使用される。

※「三管両絃三鼓」・・・「三管」は笙と篳篥と龍笛、「両絃」は琵琶と筝、「三鼓」は鞨鼓と太鼓と鉦鼓を、各々指す
迦陵頻8かりょうびん)ろ)舞楽

音楽と共に舞を演じるもので、歌に伴なって舞う「国風舞(くにぶりのまい)」と、唐楽の伴奏で舞う「左舞(さのまい)」、および高麗楽の伴奏で舞う「右舞(うのまい)」とがある。


国風舞 ・装束も簡素で、舞も素朴だが、高雅で荘重なもの。
・歌の伴奏に和楽器と外来楽器を併用する。
左舞 ・舞人が舞台向かって左側から進み出ることから左舞と呼ばれる。
・原則として赤色系統の装束を使用する。
・伴奏は通常絃楽器を使用せず、三管三鼓の編成で演奏する。
・篳篥と龍笛の旋律に合わせて舞う。
右舞 ・舞人が舞台向かって右側から進み出ることから右舞と呼ばれる。
・原則として緑色系統の装束を使用する。
・伴奏は通常笙を使用せず、龍笛と鞨鼓の代わりに高麗笛と三ノ鼓を使用する。
・絃楽器は全く使用しない。三ノ鼓と太鼓に合わせて舞う。
は)歌謡

雅楽器の伴奏で歌う声楽で、日本古来の原始歌謡に基づく「国風歌(くにぶりのうた)」と、大陸系の音楽の影響を受けて作られた「催馬楽」「朗詠」とがある。

国風歌 伴奏に和琴、神楽笛等の和楽器と篳篥のほか、曲目によって神楽笛の代わりに龍笛や高麗笛などの外来の管楽器を併用し、笏拍子を打って、高雅に舞う。
催馬楽 伴奏に三管と両絃を使用し、笏拍子を打って、俗調の和文を拍節的に歌う。
朗詠 伴奏に三管だけを使用し、漢詩文を非拍節的に歌う。
萬歳楽(まんざいらく)敷手(しきで)



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