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差別大国ニッポンの記録2
第1回 緊急転載声明(2004/02/22)
第2回 緊急転載声明2(2004/04/15)
第3回 福岡県警HPに対する質問状(2004/08/09)
第4回 「警察比例の原則」と、熊本県警HPに対する質問状(2004/08/09)
第5回 「罪刑均衡の原則」と、熊本県警動く!(2004/08/11)
第6回 相変わらずの福岡県警(2005/08/11)
第1回(2004年2月22日)
昨日の
うきうき書房ニュースでもお知らせしたように、法務省が運用を開始したウェブ密告制度に対して、アムネスティ・インターナショナル日本が、
「人種差別撤廃条約」違反であり人種差別を助長するものだと非難する声明を発表した。
そして、このウェブ密告制度の中止を求めて、
移住労働者と連帯する全国ネットワークが発表した声明を、「転載大歓迎」とのことなので、以下に転載する。
まったく、立憲主義国家において監視すべき対象は、外国籍者なんかではなく、政府のはずなのだが、この不気味な倒錯は何を意味するのか?
チクリ合いが横行する暗黒時代の到来を拒み、人が人として尊重される多文化・多民族・多重国籍社会を実現するためにも、ぜひ、ご賛同を!
よろしくお願い申し上げまする! ぴょん、ぴょん!
(以下、転載)
声明「入国管理局のホームページ上での情報提供募集の中止を求めます」
団体・個人賛同のお願い
移住労働者と連帯する全国ネットワーク
2月16日より法務省入国管理局がホームページ上で「不法滞在等の外国人情報」の受け付けを始めました。
移住連では、「生活と権利のための外国人労働者一日行動実行委員会」と共同で、即時中止を求める下記声明を発表し、2月19日に法務省へ要請を行いました。19日の要請の場で法務省は、「メールでも情報提供できるようにしてほしいという要望があり、提供者の利便性のために、実施した」という趣旨の回答が出されました。回答の中には、利便性の追求が人権侵害を引き起こすこともあるという認識は全くありませんでした。このような情報提供の奨励を即刻中止させるためには、引き続き、法務省へ働きかけを行う必要があり、本声明への団体・個人賛同を集めます。
本声明にご賛同いただける団体・個人の方は、下記にご記入の上、移住連事務局宛にファックスもしくはメールにてご返信頂けますようお願い申し上げます。多くの皆さまのご賛同をお願い致します。
集約先:移住連 FAX 03−5802−6034
メール fmwj@jca.apc.org(半角文字にして送信ください)
第1次集約日 2月29日
――――――――――――――――――――――
声明「入国管理局のホームページ上での情報提供募集の中止を求めます」に
○団体賛同します。
団体名:
連絡先:
担当者名:
※連絡先・担当者名は公開致しませんが、今後の連絡のためにご記入下さい。
○個人賛同します。
名前:
名前の公表について:( )可 ( )不可
所属:
連絡先(公開致しませんが、今後の連絡のためにご記入下さい。):
―――――――――――――――――――――――
法務大臣 野沢 太三 殿
法務省入国管理局長 増田 暢也 殿
入国管理局のホームページ上での情報提供募集の中止を求めます
法務省入国管理局が、2004年2月16日より同局のホームページ上で「不法滞在等の外国人情報」の受け付けを始めました。これは、ホームページ上の受付書式に従い「違反者だと思われる人」の名前や国籍、住所、電話番号、職場、人物を特定できるものなどの個人情報を入力すれば、自動的に管轄の地方入国管理局に電子メールで送信され、情報提供者の名前や住所、メールアドレスなどの個人情報は全く明かすことなく、誰でも気軽に情報を提供できるというものです。私たちは「外国人狩り」とも言えるこのメールによる情報募集に強い怒りを感じ、すぐさま中止するよう求めます。
日本には現在200万人を越える外国人が暮らしています。在留資格の有無にかかわらず、地域で働き、学校に通い、同じ市民として、働く仲間として地域で生活しています。中小零細企業や工場、建設現場などで働く外国人労働者たちは、日本の産業、そして経済を支えています。それだけではなく、外国人労働者の持つ高い権利意識は日本人の権利意識も高め、労働組合活動や人権・平和の取り組みが活性化しています。人種・民族・宗教など様々なバックグラウンドを持つ外国人が地域に暮らすことで、日本社会が互いの違いを尊重しあう、多様で豊かな多民族・多文化共生社会に向かっています。法務省入国管理局のメールによる情報募集は、この流れと逆行し、市民に外国人を監視させ、排外主義を煽り、外国人=「犯罪者」という風潮を増幅させるものです。私たちの良き隣人であり、働く仲間である外国人労働者を「犯罪者」として監視し、密告する制度は、外国人の人権を踏みにじるものです。私たちはこのような制度を決して許すことができません。
メールによる情報募集という「手軽な」密告を奨励することは、地域住民相互の信頼を損ない、疑心暗鬼の社会をつくるものです。これは、民主主義を破壊する以外の何ものでもありません。
私たちは、法務省に対し日本で暮らす外国人の人権を侵害するホームページ上による情報募集を直ちに中止するよう申し入れます。
人権を侵害しないで非正規滞在者をなくす最善の道は、日本で暮らす人々の生活の実態に合わせて正規の在留を認めることです。私たちは、日本政府が多民族・多文化共生社会にむけて政策を転換するよう求めます。
2004年2月19日
移住労働者と連帯する全国ネットワーク
東京都文京区小石川2-17-41 TCC2-203
電話:03-5802-6033 FAX:03-5802-6034
共同代表 大津恵子 丹羽雅雄 村山敏
もりきかずみ 由井滋 渡辺英俊
生活と権利のための外国人労働者一日行動実行委員会
東京都台東区上野1-1-12新広小路ビル5F
全統一労働組合気付
電話:03-3836-9061 FAX:03-3836-9077
(転載以上)
第2回(2004年4月15日)
前回紹介した「ウェブ密告制度」。昨日、なんと「兵庫県」が運用中止を申し入れたとかで、自治体としては初の動きではなかろうか。見直したぞい、兵庫県!!!!
また一昨日には、
移住労働者と連帯する全国ネットワークが、3月以降の事態の小さな変化を受けて、「ウェブ密告制度」の中止を求める新たな声明を発表していた。以下に、その新たな声明を転載するので、ぜひ、ご賛同を!
よろしくお願い申し上げまする! ぴょん、ぴょん! ぴょん、ぴょん! ぴょん、ぴょん!
(以下、転載)
*******
院内集会
STOP!メール通報
〜移住労働者の声を聴いて下さい〜
日時:4月20日(火) 午後4時〜4時50分
場所:参議院議員会館第二会議室(1階ロビーにて通行証をお配りします)
内容:市民グループからの問題提起
国会議員からのアピール、議員署名の集計結果
移住労働者からのアピール
その他、メール通報制度中止を求める今後のアクション
ゲスト:辛淑玉さん
一部「改正」ではなく、入国管理局のメール通報制度そのものに反対し、市民グループ、国会議員、そしてさまざまな国籍の移住労働者が集まります。
*******
入国管理局メール通報制度の一部変更ではなく中止を求める共同声明
法務省入国管理局は、ウェブサイト上での「不法滞在等の外国人情報」を受け付ける記入フォームを一部変更した。2月16日の開設以来、多くの市民団体から強い批判を受け、国会でも野党議員から追及されたことを受けての変更である。
変更はまずトップページに、このメール通報制度が出入国管理及び難民認定法(以下入管法)第62条(通報の範囲)と第24条の規定を挙げ、「不法滞在者と思われる外国人に関する情報を受け付けるものであり、適法に滞在している外国人に対する誹謗中傷は固くお断りします」と説明している。また、「近所迷惑」「不安」をはじめとする「通報動機」の選択項目は削除され、自由記述となった。
しかし私たちは、以下の理由により一部変更ではなくメール通報自体をただちに中止するよう強く法務省入国管理局に求める。
1. 最も批判を浴びた「通報動機」の選択項目が削除されたとはいえ、依然として匿名での通報を奨励しており、単に感覚的に「違反者」「不審者」と思われる外国人に関して、手軽な通報を奨励している点は変わりがない。これは差別行為の助長である。
2. 「不法滞在等の外国人」にのみ限定して情報を求めているものの、外観からでは判断できず、適法な在留資格を有する多くの外国人も監視と通報の対象となる恐れがある。こうした場合、最終的な摘発には結びつかなくとも、当局の調査対象となることによる様々な圧迫や在留上の不利益を受ける可能性が予想される。このような不利益を生じさせるような手続きを、メール通報という手軽な手段によることは、軽率のそしりを免れない。
3. たまたま知り得た外国人の私生活に関する情報を積極的に入管当局に通報することによって、本来、プライバシーとして保護されるべき領域まで侵す可能性が否定できない。また、通報のための詮索の過程で、故意にプライバシー侵害行為がなされるおそれも大きいと考えられる。インターネットを利用したプライバシー侵害は、法務省当局も再三にわたって注意を喚起している問題である。今回のメール通報は、まさにそのような侵害行為を法務省自身が奨励していることになる。
4. 以上のような取り扱いは、外国人に対して日本人とは異なる視線を向けることを前提とする措置であり、人種差別を助長する行為と言わざるを得ない。これは、「あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約」第2条本文、同項(a)および(e)、さらに第4条(c)に抵触する行為である。
市民団体からの批判に対し、入国管理局は「人権侵害にはあたらない」としている。しかし国連の人種差別撤廃委員会は、その一般的勧告の14(1993年)で、「人種差別」か否かの判断について、「ある行為が条約に反する効果を有するか否かを決定しようとする際、委員会は、人種、皮膚の色、世系又は民族的若しくは種族的出身によって区別される集団に対して、その行為が正当化されない異質の影響を有するか否かを検討するよう意を払うであろう」としている。入国管理局によるメール通報制度は、まさに「正当化されない異質の影響を有する」ものと言える。
私たちはまた、このような通報の奨励によって、日本社会における異質なものを密告・排除しようとする風潮がさらに広がることを危惧している。そのような社会が進行することは、今日まで築かれてきた人権保障を重大な危機に陥れることになるだろう。
私たち市民団体は、法務省当局が直ちにこのようなメール通報制度を中止するよう、改めて強く要請するものである。
2004年4月13日
「STOP!メール通報」連絡会
参加団体
社団法人アムネスティ・インターナショナル日本/移住労働者と連帯する全国ネットワーク(移住連)外国人と共に生きる大田市民ネットワーク(OCNet)/外登法問題と取り組む全国キリスト教連絡協議会/カトリック市川教会(社会福音部)/カトリック東京国際センター/在日アジア人労働者と共に闘う会(在ア共)/社団法人自由人権協会(JCLU)/生活と権利のための外国人労働者一日行動実行委員会/全統一労働組合/難民・移住労働者問題キリスト教連絡会(難キ連)/ネットワークユニオン東京/日本カトリック難民移住移動者委員会(JCARM)/反差別国際運動日本委員会(IMADR-JC)/hand in hand ちば(滞日外国人と手をつなぐ千葉の会)
連絡先:移住労働者と連帯する全国ネットワーク
東京都文京区小石川2-17-41TCC2−203
TEL:03-5802-6033 FAX:03-5802-6034
<参考>
あらゆる形態の人種差別撤廃に関する条約(人種差別撤廃条約)
1969年発効 1995年日本加入
第2条本文:締約国は、人種差別を非難し、また、あらゆる形態の人種差別を撤廃する政策及びあらゆる人種間の理解を促進する政策をすべての適当な方法により遅滞なくとることを約束する」
第2条(a):各当事国は、個人、個人の集団又は公益団体に対する人種差別のいかなる行為又は慣行にも従事しないこと、並びに国及び地方のすべての公的権力及び公共団体が、この義務に従って行動することを確保することを約束する。
第2条1項(e):各締約国は、・・・人種間の分断を強化するようないかなる動きも抑制することを約束する。
第4条(c):国又は地方の公的権力又は公共団体が、人種差別を助長し又は扇動することを許さない。
(転載以上)
第3回(2004年8月9日)
福岡県警のHPに、「外国人犯罪」「来日外国人組織犯罪」の情報提供を呼びかけるメール通報ページがある、との話を聞き、七月二一日、その通報ページのフォームを利用して、下記の質問を送ってみた。
話題になっているその通報ページの他にも、かなりトンデモないページがあって、そちらへの怒りもちょっとごちゃ混ぜになった感じ。もうちょっと整理して送るべきだったかも。修行が足りませんでした、はい。
七月中に返事をお願いします、と勝手ながら添え書きしておいたが、今のところ回答はない。ちょっと答えづらい質問だったのかも知れないが、何とか答えてほしかった。対話を期待していたので。
ともあれ、本日現在も、問題のサイトはイキていた。先月二〇日頃には、九州のNGOグループ「移住労働者と共に生きるネットワーク・九州」が福岡県警に通報制度の中止を求める申し入れをし、それに対して福岡県警国際捜査室は「外国人犯罪が増える中で必要性を感じて設置しているが差別の意図はない。批判は真摯(しんし)に受け止め、差別と受け取られない表現も検討したい」(毎日新聞)などとコメントしていたにもかかわらず。怒怒怒怒怒っ!
ご担当者さま
まだ7月というのに猛暑が続いていますが、皆さま、ますますご清栄のことと存じます。
さて、私は今、「21世紀日本社会における人種差別主義拡大と政府・官公庁とマスメディアの役割」というテーマで研究を進めています。貴署ウェブサイトの「来日外国人組織犯罪通報ページ」に興味を抱き、メールを差し上げた次第です。
いくつかお教えいただきたいことがあります。
1.このページは、何年何月にスタートしたのでしょうか?
2.このような「外国人犯罪」に特化した通報ページは他府県警にはないようです。貴署のみが設けているのは、何か理由があるのでしょうか?
3.私は、このような「外国人犯罪」に特化した通報ページを警察署が設けることは、人種差別撤廃条約の第2条(e)、第4条(c)、第7条に違反し、「人種差別につながる偏見と戦い、諸国民の間及び人種又は種族の集団の間の理解、寛容及び友好」を「促進」ではなく「破壊」することに他ならないと考えています。そこで、人種差別撤廃条約に関して、以下の質問があります。
3−1.人種差別撤廃条約が日本国内で発効したのは、1996年1月14日です。それ以降、このページの責任者は歴代、何名変わられましたでしょうか?(責任者の方の役職名もお教えいただければと思います。)
3−2.歴代責任者の方は人種差別撤廃条約の存在をご存じだったのでしょうか? また、現在、この条約について、貴署内で署員・職員に対する教育は行われていますでしょうか?
3−3.もし歴代責任者の方が人種差別撤廃条約の存在をご存じだったとすれば、「外国人犯罪」に特化した通報ページを設けることが、いかなる理由で、人種差別撤廃条約に違反しないと考えておられた、あるいは考えておられるのでしょうか?(私の上記の条約解釈に誤解があるかも知れませんので、詳しくご説明いただければと存じます)
4.「来日外国人犯罪」の検挙人員は、ここ10数年間、全検挙人員の2%程度に過ぎません。にもかかわらず、警察庁は「来日外国人犯罪」の増加を治安に対する脅威としてとらえ、国民の不安をいたずらに煽っているように思えます。貴署でも、警察庁と同じく、この2%への恐怖感を煽り、これに対応するために人員および予算を集中させることが治安の改善に役立つ、国民のためになると、確信を持っておられるのでしょうか?(中央官庁である警察庁と、より現場に近い地方警察とでは、実感に違いがあるのではないかと考え、お尋ねしています。)
5.このような「外国人犯罪」に特化した通報ページに対して、抗議も来ているのではないかと推察します。抗議の数はどのくらいありますでしょうか?
6.逆に、この通報ページが事件の解決につながったケースもあると推察します。そういうケースは、これまでにどのくらいありましたでしょうか?
7.私は、「外国人犯罪」という括りと用語自体が、外国人差別を助長し人種差別を助長するものではないかと考えています。犯罪は国籍が犯すものではありませんし、日本人犯罪とか福岡県人犯罪、九州人犯罪などという言葉を使えば、ただちに問題になるでしょう。この点、貴署ではどのようにお考えなのでしょうか? 差別を助長するものではないと考えるなら、その理由をお教えください。
以上、不躾ではありますが、どうかお教えください。
また、勝手なお願いではありますが、今月中にお返事をいただければと思います。
なにとぞよろしくお願い申し上げます。
(参考資料)
「あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約(人種差別撤廃条約)」
第2条 1 締約国は、人種差別を非難し、また、あらゆる形態の人種差別を撤廃する政策及びあらゆる人種間の理解を促進する政策をすべての適当な方法により遅滞なくとることを約束する。このため、
(e)各締約国は、適当なときは、人種間の融和を目的とし、かつ、複数の人種で構成される団体及び運動を支援し並びに人種間の障壁を撤廃する他の方法を奨励すること並びに人種間の分断を強化するようないかなる動きも抑制することを約束する。
第4条 締約国は、一の人種の優越性若しくは一の皮膚の色若しくは種族的出身の人の集団の優越性の思想若しくは理論に基づくあらゆる宣伝及び団体又は人種的憎悪及び人種差別(形態のいかんを問わない。)を正当化し若しくは助長することを企てるあらゆる宣伝及び団体を非難し、また、このような差別のあらゆる扇動又は行為を根絶することを目的とする迅速かつ積極的な措置をとることを約束する。このため、締約国は、世界人権宣言に具現された原則及び次条に明示的に定める権利に十分な考慮を払って、特に次のことを行う。
(c)国又は地方の公の当局又は機関が人種差別を助長し又は扇動することを認めないこと。
第7条 締約国は、人種差別につながる偏見と戦い、諸国民の間及び人種又は種族の集団の間の理解、寛容及び友好を促進し並びに国際連合憲章、世界人権宣言、あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際連合宣言及びこの条約の目的及び原則を普及させるため、特に教授、教育、文化及び情報の分野において、迅速かつ効果的な措置をとることを約束する。
人種差別撤廃委員会による一般的勧告(市民でない者に関する一般的な性格を有する勧告XXI、1993年、第42会期)
3.委員会は、さらに、第1条第2項が、その他の文書、特に「世界人権宣言」、「社会権規約」、「自由権規約」において認められ、規定されている権利および自由を減ずるように解釈されてはならないことを確認する。
第4回(2004年8月9日)
数年前、滋賀県に住んでいた友人から、交番の電光掲示板に、
「不法滞在者を見かけたら一一〇番通報を!」
などと呼びかける文字が踊っていると聞いたことがあった。
「どーやって見分けるねん、このタコ!」
と一蹴するのがふさわしい呼びかけだ。
今回、ウェブ・サイトを使って、同様のことが始まっている、との情報が入ってきた。
場所は、熊本県警のHP。
そこに、「密入国者」「不法入国・不法滞在・不法就労」犯の通報を呼びかけるメール通報ページがあり、そこでは「不審な外国人を見かけたら通報を!」と呼びかけられている、のだという。覗いてみると、たしかにその通り。八月一日、その通報ページのフォームを利用して、下記の質問を送ってみた。
前回分にアップした、福岡県警への質問をアレンジしたものだ。
それにしても、刑事手続には「警察比例の原則」というのがあって、犯罪に対して取られる警察側の措置は、対象となる犯罪の重大性に比例するものでなければならない、とされているはずだが、ただ普通に働き暮らしているだけの超過滞在者や未認可就労者に対して現在の警察庁や日本政府がとっている措置は、その行政犯の性質と均衡を欠き、あまりにも常軌を逸するものではないか。「警察比例の原則」っていうのは、警察権力の横暴を抑えて、つまるところ、人間存在の自由、市民生活の自由、を守るためのもののはず。この原則が破られれば、やがて、市民生活は窒息させられていくのが確実で、つくづく浮かんでくる疑問は、すなわち、こうもたやすく、蹂躙させてかまわぬものなのか?
熊本県警に送った質問では、回答の期限を指定しなかったためか、今のところ回答はない。職業のところに「文筆業」なんて書いてしまったからだろうか。
ともあれ、本日現在も、この問題サイトもイキていた。怒怒怒怒怒っ!
ご担当者さま
まだ8月に入ったばかりというのに猛暑が続いていますが、皆さま、ますますご清栄のことと存じます。
さて、私は今、「21世紀日本社会における人種差別主義拡大と政府・官公庁とマスメディアの役割」というテーマで研究を進めています。貴署ウェブサイトの「不法入国・不法滞在事犯に関する情報通報ページ」に興味を抱き、メールを差し上げた次第です。
いくつかお教えいただきたいことがあります。
1.このページは、何年何月にスタートしたのでしょうか?
2.「不審な外国人」をどうやって「不法入国・不法滞在者」と見分けるのでしょうか。一般市民にも可能な方法をお教えください。
3.私は、「不法入国・不法滞在事犯」という形であれ何であれ、このように「外国人」という要素を鍵として犯罪情報の提供を公的組織たる警察署が呼びかけることは、「外国人差別」を助長するものであり、人種差別撤廃条約の第2条(e)、第4条(c)、第7条に違反し、「人種差別につながる偏見と戦い、諸国民の間及び人種又は種族の集団の間の理解、寛容及び友好」を「促進」ではなく「破壊」することに他ならないと考えています。「不審な外国人を見かけたら通報を」などと呼びかけることは、なおさらです。
そこで、人種差別撤廃条約に関して、以下の質問があります。
3─1.人種差別撤廃条約が日本国内で発効したのは、1996年1月14日です。それ以降、このページの責任者は歴代、何名変わられましたでしょうか?(責任者の方の役職名もお教えいただければと思います。)
3−2.歴代責任者の方は人種差別撤廃条約の存在をご存じだったのでしょうか? また、現在、この条約について、たとえば浜松市の宝石店入店拒否事件などで民事判例に適用例が出ていることなどを含めて、貴署内で署員・職員に対する教育は行われていますでしょうか?
3−3.もし歴代責任者の方が人種差別撤廃条約の存在をご存じだったとすれば、「不審な外国人を見かけたら通報を」と呼びかけることが、いかなる理由で、人種差別撤廃条約に違反しないと考えておられた、あるいは考えておられるのでしょうか?(私の上記の条約解釈に誤解があるかも知れませんので、詳しくご説明いただければと存じます)
以上、不躾ではありますが、どうかお教えください。
なにとぞよろしくお願い申し上げます。
(参考資料)【以下、福岡県警への質問と同じ】
第5回(2004年8月11日)
熊本県警のHP、内容が変更されていた。
一昨日の午前中、前回分をアップロードする前に確認がてら、以前のページをダウンロード保存して成功しているので、おそらく更新は昨日か、一昨日の午後だったのではないかと思う。予想外に迅速な対応で、熊本県警を見直してしまった。私なんかと違って非常に丁寧な説明付きで抗議した方なんかもいるそうなので、そのあたりが効いたのではあるまいか。
というわけで、私が熊本県警に送った質問の対象になったページをご覧になれなかった方は、申し訳ない。まあ、そんなページがあった、これからも他の警察署でそういう呼びかけが行われるおそれがある、ということを、どうか心に留めておいて、何かあったら文句を言ってやってください。
熊本県警の以前のHPをどうしても見たいという方には、保存したデータをメールでお送りする、なんていう方法もありはするが、同県警の迅速で的確な対応に敬意を表して、今回は、そういう真似は控えさせてください。何とかの情けというやつで。
ところで、新しくなったページは、「どうやって不法滞在者や密入国者を見分けるか」など、かなり丁寧な内容になっている。しかも、ページのトップの見出しに、
「見たバイ!聞いたバイ!知っとるバイ!」
という大文字が踊っていて、このノリに私は粉砕され押し切られてしまった。こういうセンスにどうも弱くて、困った私。
今回のページ刷新と、おそらくは時を同じくして、「来日外国人の不法滞在・不法就労防止のご協力を」なるページが、目立たぬようにこっそりできていて、見出しや項目を眠い目でざーっと斜め読みしたときに、
「わりといいじゃん」
などと、一瞬なりとも思ってしまったのも、きっとあの「見たバイ!聞いたバイ!知っとるバイ!」の勢いに呑み込まれていたせいだろう。不明を恥じます。
新設された「来日外国人の不法滞在・不法就労防止のご協力を」のページでは、やはり冒頭部分がいけない。警察庁のプロパガンダ手法そのままで(警察署だから当たり前、という突っ込みはナシ)、どうも刑法犯と入管法違反をごっちゃにしてるようだし、極めて悪質なフレーム・アップの手法が用いられているようだ。この辺は、中島真一郎氏が、今年四月初めに
「コムスタカ─外国人と共に生きる会」のサイトにアップしてくれた分析が、ビシリと当てはまるはずなので、未読の方は、そちらをどうぞ。
外国籍者の犯罪を数えるときに、入管法違反をいっしょにまとめてカウントしてしまうのは、呆れるくらいに古くさい手法なのだが、見た目のインパクトがあるので、頻繁に使われている。
この手法をちょっとひねれば、
「刑法が定める特別公務員陵辱暴行罪で捕まっているのは、なんと公務員だけ! 公務員はかくも危ない存在なのだ! 皆で公務員を日本から追い出して半減させよう!」
などという論理も、つくれちゃったりする。
あるいは、警察庁のやり方をそのまんまに、
「この10年ほど、刑法犯の検挙人員は増加しており、その約97〜98%が、来日外国人(警察庁の定義による)以外である。この数字から見られるように、来日外国人でない者たちが、治安対策の重点を置くべき対象であり、危険な存在なのだと言える。来日外国人でない者たちがいなくなれば、日本で起きる犯罪は、97〜98%なくなるのだ。来日外国人でない者たちを見かけたら、ただちに110番を!」
といった呼びかけも、可能になる。
何とおそろしい話であろうか。
ところで、「不法滞在者」の話をするときに、ぜひ思い出してほしい刑法上の原則が、前回紹介した「警察比例の原則」の他に、もう一つある。
「罪刑均衡の原則」が、それだ。
どちらも、刑法関係の教科書でも、詳しく触れられていない原則のようだが、じっくりと噛みしめるべき意義ある原則だと、私は思う。
犯した罪と均衡のとれた刑罰が与えられなくてはならないというこの「罪刑均衡の原則」は、刑事司法に対する社会からの信頼を確保するうえで不可欠なものだ。
仮に、この原則が踏みにじられると、どうなるか。軽い罪ほど重罰、人殺しなど重い罪ほど軽い罰、だったりしたら、どんなことになるか、あれこれ想像してみると、まず言えるのは、社会のモラルが崩壊し、重い罪を犯す者が増えるのでは、ということだ。
そこで思うのが、「不法滞在者」を目くじら立てて追い立て、日本から追い出すこと、すでに築いてきた、あるいは築きつつある生活基盤を、根こそぎ奪い、捨て去ってしまうこと、それは、ただ単に行政上の許認可がなかったという瑕疵に過ぎない特別刑法違反に対し、均衡を失した重罰に過ぎるのではないか、そして、そこに現れている酷薄な精神こそが、この社会を奈落へ向かって突き落としつつも蝕み続けている元凶ではないか、ということだ。
この、均衡を失した重罰にこだわるのは、単なる外国人嫌い(ゼノフォビア)だけではない、神国思想、単一民族幻想が根底にあるから、に思えてならないのだが、それはまた別の機会に。
今回は、熊本県警のホームページに更新があったということを、
「見たバイ!聞いたバイ!知っとるバイ!」
と大声で告知して、ひとまず筆を置きたいと存じます。ことん。
第6回(2005年8月11日)
あれから1年。
相変わらず福岡県警のHPのみが、47都道府県警のうち唯一、「外国人犯罪」なるタイトルを使って「来日外国人組織犯罪に関する情報提供にご協力を」のページを設け、メール通報制度を続行中である……。
との情報を聞き、確認してきたところ、まさにそのとおり。
ただし、以下の点が、去年8月のものとは変更されていた。
1.タイトルが、「来日外国人組織犯罪に関する情報提供にご協力を」から、「国際組織犯罪に関する情報提供にご協力を」に変更。
2.「近年、一部の不良来日外国人等が関係する組織的な犯罪・事件が全国的に多発しています。」が、「近年、暴力団と一部の不良来日外国人等が関係する組織的な犯罪・事件が全国的に多発しています。」に変更。「暴力団」が出現!
3.どんな犯罪・事件かについて、「出身(国籍)が同じ来日外国人を狙った、同国人被害の緊縛強盗事件等の凶悪事件」が例示として追加。
4.「※ 当コーナーは、来日外国人を差別視するものではありません。」との注意書きが追加。
4番目がなかなか大笑いで、「差別視するものではありません。」としても、「しかし、差別を煽るものであります。」と補足をつけたいところだ。一つ上のディレクトリにあたるページでは、相変わらず「外国人犯罪」などという差別を煽る効果しかありえない言葉が「殺人・強盗、窃盗、暴力団、身許不明者、指名手配」などの中に混じって踊っているのだから、悪質極まりない。「外国人犯罪」の代わりに「警察官犯罪」とか「福岡県人犯罪」とか「京都府人犯罪」とか入れたらいいのに。
てなわけで、相変わらずの福岡県警のウェブサイト担当者が施す今後の修正に、まだまだ注目が必要のような、蝉時雨。。。暑い!
うさちゃん騎士団ここにあり!
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