ベテランルシアーによる希少な楽器たち
青木ギター工房のうくれれ&ギター

ギター製作を志す方なら、楽器製作者のための学校
Robert-Venn School Of Luthiery に興味がある方も多いのではと思います

青木ギター工房の青木さんは、この学校を1978年に卒業した
ごく初期のロバート・ベン卒業生にあたります

志茂さん西貝さんも、この学校で製作を学ばれてます)

Luthier(ルシアー)という言葉は、 辞書にもあまりのっていないので
一般の方にはあまりなじみのある言葉ではないと思いますが
弦楽器の修理から製作まで行う、スペシャリストというような意味があり
青木さんはまさにルシアーという言葉が、ぴったり当てはまる方だと思います

そんな青木さんが作るウクレレやギターを紹介いたします


   


青木ギター工房の青木薫さんと "Zorba-U"ウクレレ

とても自然体な雰囲気をお持ちで、話してて誠実さが伝わってくる
青木ギター工房の青木薫さんです

子供の頃から木材を組み合わせて作る工作が好きで
よく、切ったり 削ったりして遊ばれていたそうです
そして、もの心がつく年齢になって手に入れたギターを
自分の好きな形に削ったりしたのが、製作家を志したはじまりだそうです

ロバート・ベンを卒業して以来、ギターの製作
修理を並行して
すでに20年以上になりますが
年間製作本数はギターが約3本、ウクレレは5本程度だそうで
そんな希少な作品と、お仕事の様子を拝見させていただきました


Antar ウクレレ&ギターギャラリー
青木ギター工房の楽器は”ANTAR”というブランド名を持っています
ANTAR(アンタール)とは、古代サンスクリット語で「神秘」の意だそうです



New "TOKYOハンドクラフトギターフェス2009"での青木さんの作品
今回はオリジナルモデル”Zorba”を含む
コアモデル3作品を展示されてました。
どこか玄人受けするような音色・たたずまい!青木さんの作品はそんな風格を漂わせます。

特にZorbaは、やっぱり青木さんならではのサウンドを奏でてくれました。


"TOKYOハンドクラフトギターフェスティバル"での青木さんの作品

2007年5月、東京北とぴあで行われたTOKYOハンドクラフトギターフェスティバルでの作品たちです。
左の二つはスプルース&ハカランダ仕様で、シェルの飾りも豪華なうくれれです。
もともと粒立ちのよいサウンドですが、ロングネック採用でさらに芯のある音色を奏でます。
コアのカッタウェイは、いかにもうくれれ!というコロコロかわいい音色が、
レースウッド製のゾルバは、テナーサイズのふくよかなボディの豊かな音が
魅力的です。



こちらもコア製のうくれれですが、上のコア製カッタウェイとは全く別のサウンドで
サステインがあり、つやっぽい音色が、弾いていてとても気持ちいいです


"Yokohama Hawai'i Festival "での青木さんの作品
2003年7月、横浜大さん橋で行われたYokohama Hawaiian Festivalでの作品たちです
左はうくれれでは珍しいレースウッド製ボディのパイナップルうくれれです
胴深ボディの為大きく、それでいて軽いサウンドを奏でるウクレレでした
中は青木さんのトレードマーク的な、Zorbaモデルのコンサートタイプです
右は貝によるインレイが高級感をただよさせるコンサートカッタウェイです
ともに青木さんらしさを感じされるうくれれです。



"Yokohama Hawaiian Festival "での青木さんの作品たち
2002年7月、横浜大さん橋で行われたYokohama Hawaiian Festivalでの
青木さんの作品たちを紹介します



ANTAR カッタウェイuke コアモデル 

カッタウェイが目を引く、ANTARウクレレのコアモデルです
カッタウェイはハイポジションのプレイアビリティを高めてくれますが
ウクレレのような小さいボディに施す際には、高度な木の曲げ加工技術が求められます
パフリングおよびロゼッタには、シェルによる装飾もほどこされて
見た目のアクセントを演出しています


木目の美しいANTAR uke コアモデル 

とても木目が美しいコアを使用した、スタンダードウクレレです
こちらのモデルはチェッカー柄のパフリング、ロゼッタで装飾されており
シンプルながら品があり、飽きのこないデザインです
コオラウの弦が張られたこのウクレレは
高音域が軽く、心地よいサウンドを奏でてくれました



"GUILD OF JAPAN2002"での青木さんの作品たち
2002年4月、大阪吹田市で行われたギルド・オブ・ジャパンでの
青木さんの作品たちを紹介します

  
”ZORBA”uke ハカランダモデル 

青木ギター工房のオリジナルうくれれである、”ZORBA−U”のハカランダモデルです
トップ、サイド、バックすべてにハカランダを配したこのウクレレの音色は
うくれれらしいかわいらしさと、芯がしっかりした太い音が同居している
とても豊かサウンドを奏でます
カーリーコアによるバインディングと、ハーフへリングボーンによるパフリングで
見た目もとても凝っています

 
鳥をイメージしたANTARうくれれ GUILD OF JAPANモデル 

ZORBA同様、ユニークな形が目を引くこのウクレレは
コア1ピースを贅沢に削りだして製作したボディに、ピックアップを搭載させており
スペック的にも、とてもユニークなモデルです
若干薄めのボディながら、ツブ立ちの良い生音がとてもしっかり前へ出ます
ヘッドの鳥をイメージしたインレイもワンポイントを添えています

  
ZORBAギター コアモデル

青木ギター工房の代表的ギターである、”ZORBA”のコアモデルです
コアは、独特のあたたかな音色を奏でるのと同時に
トップ、バックともマッチングした壮麗な模様が
とても目を引きます
このZORBAは、ネックもコアでできた贅沢なモデルです


ZORBAギターとZORBA−Uうくれれ


ANTARオリジナルギター ”ZORBA”

ZORBA(ゾルバ)もANTARと同じくサンスクリット語で、人の名前だそうです
(作家カザンザキスの小説、『その男ゾルバ』の主人公
のことでしょうか?)
このZORBAスタイルは、青木さんの工房ANTARを代表するモデルです

最初はインパクトのあるデザインに目が向きますが
なだらかなカッタウェイによるハイポジションへの対応と
独特のボディの括れによるフィット感が心地よくて
弾いてて、とても気持ちのいいギターです

右のモデルは、シェルによるインレイがちりばめられたロゼッタの外周、内周を
へリングボーンがはさむ、印象的なデザインをしており
ユニークなサウンドホールの形ともども、センスの良さを感じます


ANTARうくれれ ハワイアンマーケット2001モデル

ハワイアンマーケット2001で展示されたANTARのスタンダードうくれれです
シンプルながらアコースティックギターを意識したフォルムは
ギター好きに受け入れられるうくれれだと思います
製作の工程は、下のコーナーで紹介します



ANTARオリジナルうくれれ ZORBA-U

こちらは上記のZORBAギターをそのままスケールダウンしたような
ANTARオリジナルウクレレの、”ZORBA-U”です
コア製のボディにウッドバインディングが
シンプルながら、とてもいい雰囲気を持っております
音はいかにも”コア”という、カラっとした響きでした
(@ハワイアンマーケット 2000で展示してました)


ワンポイントが映えるウクレレたち

スタンダードのウクレレのなかにも”キラリ”としたワンポイントが光ります

左写真の2本のうくれれのヘッドには
銀製のイルカのモチーフが埋め込まれております
この銀製のイルカは、彫金をされている奥さんの作品だそうで
このうくれれは、いわば夫婦合作の一品ですね

右のうくれれのフィンガーボードには
クチナシの花をモチーフにしたインレイで飾られております
ほかにもアサガオをモチーフにしたインレイを施したこともあるそうです
ハイビスカスなどの”ハワイ的”な花でなく、日本的な花をモチーフにするところが
ANTARうくれれの特徴かもしれません


トラ目の美しいコアうくれれ

ブックマッチしたトップのトラ目模様が美しい、コアウクレレです
ロゼッタのインレイもとても印象的です
これらのウクレレを含め、アントールのギターやウクレレは
シンプルながら味わいがある、独特の存在感を持ってます


豪華なインレイワークのギターたち

ウクレレのようなシンプルな作品をつくる一方で
このような、思わずため息が出るほどの豪華なインレイを施すのも好きだそうです
ここまでくると、もはや芸術作品と呼びたくなります
マーチンのツリー・オブ・ライフモデルのようです

左はウォルナットトップの木目も壮麗で美しいエレキです
右は”鍵”をモチーフにしたインレイが目を引くOMスタイルのアコギです
ケルティックな模様の8フレットに”鍵穴”が見うけられます

インレイワークで有名なラリーロビンソンを彷彿とさせる
緻密で美しい仕事ぶりです



赤いろがキュートな5弦マンドリン

こちらは5弦仕様のオリジナルマンドリンです
赤いカラーリングがキュートなシェイプに映えてます
アーチがつけられたバックに浮かぶ、メイプルのトラ目もとてもきれいです
ウクレレが好きな人にも、ピンとくる一品じゃないでしょうか?



リペアの仕事

青木さんは上記のようなすばらしい作品を製作するのと並行して
全国から集まるビンテージギターのリペアを行っております

左はトラスロッドと指板がはずされたグレッチのようすです
フレットの打ち直しが行われたのでしょうか?
右はギブソンのスタイル0をリペアしたあとの写真です
みごとに、この貴重な楽器が復活しております

このようなビンテージギターの所有者は
たくさんのこだわりをお持ちの方も多いと思います
その方たちを納得させるような、しっかりとした仕事をされてます


工房のようすと、製作中の楽器たち



リニューアルした工房

青木ギター工房は、H12からH13年にかけて移転されました
おじゃました工房はリニューアルされて間もなく、とても整然とされ綺麗でした
こちらは青木さんが作業する机と作業棚の様子です
丁寧な仕事をうかがわせるかのように、きれいに整頓されておりました


製作途中のアコギスタイルうくれれ

ハワイアンマーケット2001に向け、ウクレレが製作中でした
ピックガードやへリングボーンロゼッタなど
アコースティックギターを意識したフォルムです
バックのストライブも、マーチンギターを彷彿とさせます


鼈甲のピックガードとヘリングボーンロゼッタ

ウクレレのストロークは、ネックの付け根あたりでする方が多いので
このピックガードは、どちらかというと飾りの要素が強いかもしれません
でもデザイン的には、この位置にあるほうが”しっくり”きます
ちなみにこのピックガードはイミテーションではなく、本物の鼈甲だそうです


また、ギターでおなじみのヘリングボーンによるロゼッタが施されてます
ヘリングボーンは寄木細工ですので折れやすく
ウクレレのようにサウンドホールがちっちゃいと、加工するのが難しそうです

 
コアボディへのメイプルバインディング

コア製のウクレレボディです
ボディの周りをメイプルによってバインディングしてます
カーリーメイプルによるバインディングは、とてもウッディな感じが出て
アコースティックギターやウクレレの装飾に、とても向いている気がします



ANTARウクレレのヘッドとロゴのシェル

独特のシェイプをしたANTARうくれれのヘッドです
ヘッドのデザインは、その製作家を象徴することがおおいですが
ANTARウクレレも、個性を主張しております
しろくマーキングされたところに、右のロゴがデザインされたシェルが
うめこまれます


ZORBAーU(うくれれ)用のモールド

先に紹介したZORBAウクレレのモールドです
カッタウェイを2つ重ねたようなシェイプは
左のような、上下に分割できるモールドで形作られます

さらに通常のモールドだと、ボディーの外側が確認できないので
鉤型金具で形作られた、右のモールドに入れられ
ボディの外周を確認しながら、しっかりとシェイプが固定されます

このように、独特の工程をたどってZORBAうくれれは作られます


ZORBAギターのサイド&バック

こちらはZORBAギター用のモールドに入れられたサイド板と
バック板のようすです
ZORBAギター用のボディーも、ウクレレと同様の工程を経て作られます


ギター&うくれれ用の木材

作業机の横に設けられた棚には
ギター&うくれれ用の木材が豊富にストックされてます
はたして、この材料で楽器がいくつ作られるのでしょう


アディロンダックスプルースとカーリーコア

左はビンテージマーチンが好きな人にはたまらない(?)
貴重材のアディロンダックスプルースです
白くて詰んだ木目が美しく、奏でられるサウンドも思わず期待に膨らみます

右はうくれれファンに人気の高い、カーリーコアです
まだ塗装していないのに、綺麗なトラの木目がでていました
塗装すればなおのこと、 すばらしい模様で目を引くと思います


リペア待ちのギターとラッカー類

青木さんはリペアのお仕事でも有名です
全国から、ビンテージギターの修理が持ちこまれます
オーナーの思い入れが強い分、こだわりも並大抵ではない楽器を修復するのは
とても気を使うお仕事だと思います
そんないろんなケースの修理に対応できるよう、ラッカーも種類を豊富にそろえてあります


壁にかけられたZORBAギター

ほかの製作家の方と同様、楽器は完成と同時にオーナーに渡るため
工房には、弾ける楽器はほとんどありません
こちらのギターは工房で唯一弾ける、初期のZORBAギターです

シダートップ、マホガニーサイド&バックのこのギターは
単音の芯が太く、かつ、とてもコード感にまとまりがある音を奏でてくれました
指弾きにぴったり!な一本だと思います
年月を経たサンバーストトップが、風格を漂わせてます

青木さんもソングバードの遠藤さんや、夢弦堂の西貝さんとおなじく
横浜で行われるハワイアンマーケットにも出展し
ウクレレを展示しております
ANTARうくれれに興味ある方は、ぜひ横浜へ足を伸ばして
実際に手にし、音を奏でてみてくださいね


■お問い合わせ
青木ギター工房
〒190−0032 東京都立川市上砂町2−22−7 

042−537−0053

*** this page is written 2001.05.10 ***
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