国内屈指のギター製作家

ウチダギター 内田光広さんを訪ねて



ギターの祭典、アコースティック・ファン・フェアでも
毎回圧倒的な存在感で来場者を魅了するウチダギター

そのクオリティを保つため、年間生産本数をわずか10本程度にしぼり
あらゆる技術をそそぎ込んで製作される楽器たちは
完成後、直接カスタマーの手に渡るため、
楽器店で見かけることは、 残念ながらまずありません


そこで、その素晴らしい楽器たちが生まれる
長野県のはるか山奥にある工房を訪ねて
いろいろなお話をお伺いしてきましたので、 ご紹介いたします


uchida guitar 内田光広さん



外観同様とても穏和な、ウチダチターの内田光広さんです
Full Order: Individually: Hand Crafted:をコンセプトにした
素晴らしい楽器の数々を、国内外に送り出している
日本が誇る、屈指のルシアーです
ギタープレイヤーから絶大な支持を受けるウチダギターは
オーダーすると、4年待ちになるほどの人気です

そんな内田さんも依頼により、ついにウクレレを製作されました
ウチダギターの精神性を貫いたウクレレって、一体どんな音を奏でるのでしょう?
きっとアコースティックギター界でも話題になることでしょう

プロフィール

1952年
 東京生まれ
1972年 クラシックギター製作を中出敏彦氏に師事
1975年 独立 オリジナルクラシックギター製作を開始
1979年 河野ギター工房にて研修 (品質管理・修理)
1980年 名古屋にて量産工場数社の品質管理・技術指導
1983年 渡独 (旧西ドイツ) BSAミュージカルインストゥルメンツにて弦楽器修理
1987年 渡英 (英国領 北アイルランド) Lowden Guitarsに技術部長として参加
英国政府よりTeaching officer, Key workerの認定を受ける
1988年 Lowden Guitars工場長として多くのプロフェッショナルモデルの製作に参加
(James Taylor, Bob Dylan, John Renbourn, Elvis Costello,Jackson Brownなど)
1990年 (12月)Lowden Guitarsを退社 オリジナルギター製作のため帰国
1991年 (10月)長野県高遠町に工房を開設



uchida guitar ギャラリー
Full Order: 形、材質、機能、またギターの命である音をも含めた全ての注文に応える。
Individually: 個人製作家が個人に対して個々の楽器を製作する。
Hand Crafted: 手仕上げの良さを最大限に出すように 心がけて製作されている。

まさにそんなコンセプトをもつウクレレ、ギターの数々を紹介します


内田ウクレレ(コンサートモデル)

内田さんは2001年にウクレレを4本製作されました
このモデルは、オールコアのコンサートモデルです
シンプルなルックスと、ウクレレらしくあえて複雑になり過ぎないつくりをしています

ただし音程ピッチを考慮したペグの配列や、複雑な木目をした ヘッドの化粧板など
随所に内田さんのこだわりを見ることができます

ふくよかでコアの素材を感じさせる、いかにもウクレレらしい音ながら
存在感のある、個性的な感じのサウンドでした

内田さんのウクレレは、内田うくれれオーナーである
omatsuさんのweb
omatsu mode でも拝見することができます
コアトップ、ハカランダサイド&バックという、スゴイ仕様!!のうくれれです
内田ウクレレオリジナルのカッタウェイ仕様にも目を奪われます
ぜひ下記URLを覗いてみてください

http://www.hokuriku.ne.jp/t-box/uchida/uchida_ukulele.html

また内田さんのギターやウクレレは音楽生活 雑貨店 Blueridgeさんでも見ることができます
興味がある方は、下記アドレスをご覧ください
(すみません。web作成ソフトの都合で直接リンクできないため、コピー&ペーストなどでご覧ください)

http://www.bekkoame.ne.jp/~blr/


NEW ウチダギターの新作たち(h14.10.27 アコースティックファンフェア)

毎回、アコギファンフェアでは注目をあつめる内田さんのギター作品です
第7回目となる今回も、素晴らしい作品たちに来場者はこころ奪われてました

写真左;
新作デュアルサウンドボードギター&27弦テルツハープギター
デュアルサウンドボードギタースペック ;
表面板;ハワイアンコア、内部表面板;シダー、サイド&バック;ハカランダ
写真右; 奥Style-FShN (#116 July 2002)&新作ウチダギター
新作内田ギタースペック;
トップ;シダー、サイド&バック;アフリカンブラックウッド


デュアルサウンドボードギターの内部

上記コアギターは、内田さんが用いるデュアルサウンドボードシステムを
さらに進化させたものを採用しています
デュアルサウンドボードシステムとは、写真からわかるように
表面板の内部に、さらにもう一枚のサウンドボードがあり
第一表面板が生み出す基本となる音に、その内部サウンドボードのサウンドキャラが加わるという
より深みのある音を生み出すための仕組みです

上記コアギターはこの仕組みに加え、より効果を高めるために
サウンドコーン&ラッパ部を追加しています
とどまることを知らない、内田さんの
ギターに対する追求心が現れた作品です

  
27弦テルツハープギター

ハープギター演奏家として活躍されている、安田守彦さん(右写真)
より深く自らの音楽を追求するために、内田さんにオーダーした一本です


通常のギターより3度高いテルツギターに
6弦のベース部、15弦のハープ部を左右に持つ、大変複雑な構造となっています

とてもメカニカルな楽器ですので、
大変高度な製作技術を要するものと思われますが
それをすっきりとした、とても優れたデザインでまとめ上げる
そのセンスのよさにも脱帽してしまう作品です

この大作ギターの製作工程や
内田さん、安田さん両氏のハープギターに対する思いは
アコースティック・ギター・ブック14に、とても詳しく掲載されております
ぜひ書店などで手にとって見てください

以下はh12.9.30 アコースティックファンフェアでの様子です


FShN-HLTBC no.100

91年にウチダギター工房を開設してから、通算100本目にあたる
ウチダギターの集大成というべき、記念モデル

ギターの音を作り出す、表面板(サウンドボード)が
ボディーの内部にもう一枚存在する、デュアル・サウンドボード構造。
ボディ体積を減少させることなく、プレイアビリティの向上させるため、
ボディ上部をねじったカタチの、ヒールレス・ツイステッド・カッタウェイ。
シングルのスロットタイプの印象的なヘッドストックは
非常に精度の高いギア比を誇る、ロジャースチューナーを使用するなど
ウチダギターの高い技術力、創造性が如実に現れている作品です

またサイド&バックの材料には、アフリカンブラックウッドという
ハカランダ以上の音響効果があるといわれる、超高級材を用いており
豊かな倍音、滑らかなサステインをもつ、素晴らしいサウンドを響かせます


ピッコロ guitar P#1

ピッコロギターは、通常のギターのスケールを1/2にした
とても小さく、可愛いギターです
ギターのオクターブ上にチューニングされるため
同じキーにおいて、同じコードの使用が可能です
サイド・バックはハカランダを用いており
よりきらびやかな音を奏でます



E #004 /SP #007

左のEは、可能な限り軽くすることをコンセプトにしてつくられた
エレクトリック・アコースティックギターです
トップにはハワイアンコア、サイド&バックにはウォルナットという仕様で
ボディ容量は小さいですが、生音でもきれいなサウンドを聴かせます
右のSPは、ギターと同じようにサウンドボードを振動させることで
音楽を聴かせることをモチーフにしてつくられた、ギター型スピーカーです
トップはスプルース、サイド・バックはウェンゲという仕様で
外観と同様ギター的な、ウッディでウォーミーサウンドを響かせます
Eと組み合わせると、強烈なインパクトです


24strings Dual-Soundboad Harp Guitar(1994)

内田ギターの代表作の一つ、24弦ハープギターです
ギター&ティプルなどを演奏される、弦楽器演奏家の安田守彦さん
自らの音楽を創造するべく、内田さんにオーダーした一本です


6本のベース部、6弦のギター部、12弦のハープ部となっており
気になるチューニングですが、それぞれ
E1,G1,A1,B1,C,D E,A,d,g,b,e1 e2,f2,g2,a2,b2,c3,d3,e3,f3,g3,a,b3と
なっているそうです

サウンドボードはベース部分とギター部分が干渉しないよう
ベース部分のサウンドボードは内部に分離してもうけられており
見た目以上にメカニカルな構造となっております

こちらのハープギターや、その他の内田ギターのサウンドは
安田さんのCDで聴くことができます
ぜひ、CDを手にとってその素晴らしい音楽を体験してみてください


ウチダギター工房

紹介した素晴らしいギターがつくられる工房のようすを紹介します


晴ヶ峰の千代田湖

ウチダギターは、長野県上伊那郡高遠町という
東京からクルマで約3時間半くらいのところにあります
標高は約1,100m、晴ヶ峰の頂上付近のため
吹く風がとても心地よく、夏でもカラッとした気候だそうです
千代田湖という湖から数分という、自然に恵まれた場所で
近隣に民家はなく、創作活動にも最適な環境です


工房の屋根裏の様子

楽器にとって命である材が、豊富にストックされてます
アコースティック楽器にとって、材の乾燥は最も重要です
ウチダギターの材は木目が美しく、音響特性に優れたものが選定され
20年以上、自然乾燥されながらストックされてます

、指板用ハカランダ&指板用エボニー
、ネック用マホガニー&ボディ用ハカランダ



製材機器の様子

ウチダギターには大型の機械類はありません
製材するためのドリルなどが3点ほどおかれているだけです
ここがメーカーと大きく異なるところです

真ん中、加工前のネック材:マホガニー&セダー



作業机と工具類

壁にずらっと並んだ工具類は、とてもキチンと整理されており
内田さんの丁寧な仕事ぶりが伺えます
一つのギターを完成させるのに、壁に掛けられてる
ほとんど全ての工具を使用するそうです


カンナだけでもこんな種類があります。びっくりです
これらの全てを、工程に応じて使います

 
ギターの設計図

今製作中のギターの設計図です
内田さんのギターは、とても複雑な造りをしていながら
外観上はきわめてスッキリしているのですが
そのあたりが、抜群のデザインセンスを感じさせます
CADなどを用いず、フリーハンドで描かれるそうです


豊富なギター用の木材

ウチダギターはあまり見かけることのない
貴重な材を使って製作をお願いすることができます
手前からギター材としてポピュラーな、ローズウッド
ちょっとめずらしいウェンゲ、ワシントン条約で制限されているハカランダ
ハカランダを上回る貴重材、アフリカンブラックウッドです

アフリカンブラックウッドは比重が1.02と大変重く
なんと木材なのに水に沈んでしまいます
手で軽く叩くと金属質の音がして、音響特性の良さがよくわかります


インレイ用の貝や木材

楽器は一つの芸術作品として
ヘッドや指板、サウンドホールまわりのロゼッタなどに
インレイと呼ばれる装飾が施されます
左はメキシコアバロン、マザーパール、ブラックパールなどの貝や石で
右はレッドウッド、スネークウッド、フレイムドメイプルなどの木材です
これらをジグソーパズルのようにピースにし、はめ合わせることで
花やツタ、植物や動物などのモチーフを、美しくギターを装飾します


ウチダギターのブレイシングの様子

ウチダギターの素晴らしいサウンドの秘密が、このブレイシングです
アコースティックギターは、弦の張力から表面板を保つため
ブレイシングと呼ばれる、補強が表面板の裏側に施されます
マーチンなどのスチール弦アコースティックギターにはX状に
クラシックギターには、扇のようなカタチに施されますが
ウチダギターは、その両方にマイケル・カーシャ理論を発展させたような
独特の形状となっております

非常に複雑な形状ですが、その音響効果は絶大で
表面板にストレスを与えず、弦の振幅を押し殺すことなく
同時に強度を保つことに成功しています

こういった、見えない部分での確かな技術が
楽器としてのクオリティーを高めています

 雑誌Playerのなかのウチダギター
内田さんがつくるギターについて
11月号(H12)のPlayerに、カラーで18pにわたり
大々的な特集が組まれております

長野に工房を構えて約10年で製作した
100本のギターのうち、50本が紹介されており
ウチダギターの素晴らしさを知ることが出来ます

書店で見かけたら、ぜひ手にとってみてくださいね

*** this page is written 2000.11.20 ***
*** add photo & text 2001.05.03 ***
*** add photo & text 2002.01.06 ***
*** add photo & text 2002.10.27 ***



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