課題 10 現代のビジネスマンは愛社精神を持つべきか
   

    しゅうおじさんの回答は
    どちらでも勝手にどうぞ である
    
    そもそも愛社精神などというものは
    もつべき もつべきでない の議論の範疇ではない
    感情の問題だ
    
    例えば
    どうしても好きになれない会社でどう働くか
    とか
    会社のためなら死んでもいいと思う会社にどう献身するか
    とかならまだ回答のしようがあるが
    愛社精神をもつべきか
    に対して
    持つべきです
    と答えたところで 好きになれないものは好きになれないし
    持つべきでない
    と答えたところで
    好きなものはどうしようもない
    
    仕事をちゃんとやってる限りは
    その会社を愛していようと憎んでいようと
    各人の勝手である
    

    そもそも自分が働いている会社については
    一般的に愛着があるものであるし
    少なくともそこを志望した時点では
    興味があったことは確かである
    
    会社を愛しているからそこで働くもよし
    会社自体は好きではないが中の仕事が好きで働くもよし
    会社は嫌いだがキャリアアップのために一定期間そこで働くもよし
    である
    そのへんは個人差があって当然のことである
    
    最近ベストセラーになっている
    某ビジネス書によると
    仕事ができる人は
       社内に友達がいなくて
       手柄をひとりじめにして
       愛社精神のない人  であるそうだ
    つまり自分のため(だけ)に仕事をする人なんだそうだ
    
    ただし ひとつ混同してはならないものがある
    一般に愛社精神として考えられているものは
    職場環境であったり
    職場にいる人間であったり
    職場の規律であったりする
    A社そのものを愛しているわけではないのではなかろうか
    仮に
    今の職場の人間そのままが
    今の職場環境のままで
    B社に移れば給料が20%アップするという条件が提示されれば
    誰もが移籍するのではないかと思われる
    
    会社は法人である
    法人に心はない
    あなたがいくら愛しても
    相手の法人はあなたを愛してはくれない
    そこにいるのはあなたでなくてもよいのである
    あなたがいなくなれば別の人間を使うだけのことである
    それでもあなたは会社を愛していますか?
    
    これまでの数十年間
    高度経済成長を支えてきた日本企業は
    従業員の
    衣・食・住すべてをまる抱えしてきた
    終身雇用制の下で従業員の生活そのものを企業が包みこんできたのだ
    必然的に
    従業員の中には(というより従業員のほとんどが)
    今の自分があるのは会社のおかげだ
    といった隷属的な感覚が法人である会社に対して生まれてきた
    
    今の自分があるのは自分が勝ち取ってきたものだ
    と考える者は
    自己中心的とか言われ
    労働条件に関してそういう者は
    アカと呼ばれ会社の中で左派と見られてきた
    (嗚呼、何たるマインドコントロール!!)
    
    しかし
    終身雇用制度が揺らぎつつある今日
     会社のおかげで今の自分がある
     だから会社のためなら多少の犠牲は厭わない
     身体をはって献身するのだ
    と 本気で考えていた者に
    突然リストラの波(日本ではレイオフではなくリストラなのだ)が襲いかかる
    そのとき 愛は憎しみに変わる
    架空の人(法人)である会社への忠誠心が裏切られた形となってしまう
    これは会社から自立できていないサラリーマンが悪い
    と 私は思う
    
    これまでの日本企業では
    従業員があまりにも会社に依存しすぎてきた
    一方欧米では
    レイオフなんて当たり前のことで
    一般に一生一社でのみ働く人はそう多くはない
    だからキャリアアップしない者は給料も上がらない
    日本企業では
    会社の言うとおりにやっておけば
    程度の差こそあれ みんな給料が上がっていった
    だから サラリーマンなんていう英語みたいな日本語ができているのだ
    日本では会社で働くホワイトカラーを
    ビジネスマン(ビジネスパースン)とは呼ばない
    サラリーマンなのだ
    
    蛇足ながら
    いまだに サラリーマンはサラリーパースンになっていない
    なぜか女性は OL と呼ばれる
    日本社会は
    特に日本企業で働く女性従業員たちは
    なぜこれを許すのだろう・・・・???
    閑話休題
    
    基本的に
    我々の会社での労働は
    個人と法人との雇用契約に基づくものである
      一定の労働力を供給しますよ
      給料を払いますよ
    という ギブ・アンド・テイク のものであって
    あなたに忠誠を尽くしますという
    主従関係によるものではない
    
    私個人は
    なんでもかんでも欧米のモノマネをするのは好きではないし
    なんでもかんでも欧米が優れているとは思わない
    だけど
    欧米の雇用関係は確かに優れている
    日本のビジネスが欧米化されているのに
    日本の企業業績が
    極めて日本的な

    ジャパニーズビジネスマンの愛社精神に
    支えられているとすれば
    それは あまりにも アンマッチ!!
    
    ねえ
    ジャパニーズビジネスマン
    もっと 自立しようよ
    もっと自分を大切にしようよ
    もっと主体的に生きていこうよ
    環境はこれまでの数十年間とは違ってきているんだよ
    なーんちゃって
    
    と ここまできたら
    なんだ お前、結局
    「愛社精神を持つべきではない」派ではないか
    といわれそうだが
    「愛社精神」がこれまでに述べた主従関係の
    隷属的忠誠心であるなら その通りである
    ただ
    自分の会社の職場やそこで働く人間や
    日々の会社での生活 を愛しているということが
    「愛社精神」で
    それらを守るためなら自分は献身的に何でもやるぞ
    というのであれば
    それは賛成で
    個人の自由ではないか と思う次第であります
    ハイ
    
                     (FEBRUARY 10, 2001)