課題 38 ローンを組んでまで一戸建てを購入するべきか
   

    この回答は するべきではない としておこう
    
    個人の投資としての住宅建設(あるいはマンション購入)が
    いかに まちがっているか は
    以前にも紹介した
    think or die
    というサイト
    http://homepage1.nifty.com/masada/life/myhome.htm
    で論理的に語られており
    基本的に彼の意見に同感であるのでそちらに譲ることにして
    違った観点からここではアプローチしたい
    
    不動産業者の方には誠に申し訳ないが
    同僚や後輩に対して
    私は
    借金してまでも自分の家を持った方がいいよ
    なんてとてもアドバイスできない
    
    狭いながらも楽しい我が家を建てることが
    ダンシたるものの本懐である というのは明らかに幻想である
    
    狭いながらも楽しい我が家 の 「我が家」 とは
    物理的な 「家」 ではなく
    「家庭」 のことである
    我々の目的は 楽しい家庭を築くことである
    そこに マイホーム は 果たして必要であるか?
    
    家賃を払うことを考えれば
    それにちょっと足すだけで マイホームが手に入る
    という話をよく聞く
    おそらく多くのサラリーマン諸氏はこの考えのもとに
    ローンを組んでマイホームを手に入れていると思う
    しかしこれには マヤカシがある
    この住宅ローンのキャッシュフローがサラリーマン世帯の
    キャッシュフロー全体を大きく制限することになるのだ
    多くの企業の場合
    社宅制度や住宅手当の制度がある
    サラリーマンの福利厚生制度としてこれを利用しない手はない
    いわずもがな この制度を利用する限りにおいて
    サラリーマンの実質所得は増額する
    一方で住宅ローンの支払いは確実に
    サラリーマン世帯のキャッシュフローを圧迫する
    
    要は そこまでしてなぜ マイホームを求めるのかという
    動機にある
    
    ある先輩が
    子供の教育をして さらに一軒の家が残れば
    サラリーマンとしては成功だ
    と言っていたが
    人生 そのために働くのであればそれでいい
    人生の目的やいきがいなんてもともと幻想である
    ここで おじさんがいいたいのは
    それだけが 人生ではなく
    それだけが 目的ではない
    よって
    万人のサラリーマンに
    ローンを組んでまで一戸建てを建てるべきである
    なんて とても言えない
    ということである
    
    一戸建てを建ててまで手にいれる住環境が
    多額のローンを組む価値があるかどうかということだ
    
    たとえば
    このサイトでも何度か登場した書斎
    あるいは
    セッションをするためのスタジオ
    あるいは
    食生活を彩るワインセラー
    あるいは
    ガーデニングをするための庭
    などなど
    借家やアパートではどうしても手に入らない
    自分が求める自分だけの価値(住環境)
    そういうものが どうしても欲しいなら
    ローンを組んで手にいれればいい
    
    ローンを組んで手に入れた住環境が
    賃貸でまかなえた住環境と同じ あるいは 劣る
    となれば
    それこそ 幻想のために 毎日働いているようなものである
    30年のローンが済んだ後
    わずかばかりの不動産を残すために
    せっせと支払いを続けるなら
    その差額を消費に回すほうが
    人生のにおける日々の生活は より幅が増す
    
    私は毎月10万円の家賃を払っています
    会社から3万円の補助があるので実質7万円の支払いです
    年間84万円払い続けて 退職時には何も残らず
    それどころか 毎月10万円の家賃全額が即自分の負担となります
    ところが ローンを組んで一戸建てを購入すれば
    年間100万円の支払いで 退職時には自分の不動産が残り
    当然家賃の支払いの心配もありません
    これでも 賃借すべきですか
    
    はい それが マヤカシ なのです
    
    まず この議論は 10万円の家賃を払っている現在の
    住まいに30年以上住み続けることを前提としている
    そこに一生住むなら自己所有に切り替えた方が絶対得だ
    そうでなければ 大家はメリットがない
    しかしながら 借家のメリットは 
    長い年月の間に変わり行く ライフスタイルに合わせて 
    その時々のマッチした
    物件を探しだせる選択権を持つことにある
    割高な家賃はその権利料といっても過言ではない
    現代人のライフスタイルを勘案する時
    この要素は大きい
    リースやレンタルが注目される昨今で
    住宅についてのテナントメリットが強調されないのは
    日本人の自己所有住宅神話が
    根強く底流にあるからだと思う
    
    次に自己所有の場合の試算であるが
    年間100万円の負担は あくまでローンの支払額であり
    メンテナンス費用が算入されていない
    固定資産税 火災保険料 等はもとより
    今の家屋は 10年もすると
    100万円から200万円のリフォーム費用が必要になる
    さらに 20年から30年目においては
    建替えすら必要になる
    
    30年のローンを組んで購入した「我が家」に
    書斎はなく
    防音設備完備のスタジオもなく
    地下のワインセラーもなく
    広い庭もなく
    通勤時間は長くなり
    日々の経費の節約を余儀なくされる
    ・・・・・・・・
    
    何のための住宅建設なのでしょうか??
    
    PS 本論は
       借地借家法等の消費者保護法制が前提であり
       低成長経済が前提となっています
       30年前のような給料倍々経済成長下での
       個人投資としてなら 
       別の観点で投資妙味もでてくるとは思いますが・・・・
    
                         (AUGUST 14, 2001)