課題 49 健康増進のためにはどういう運動をすべきか
  
  
  かねてより この種の課題には疑問がある
  健康増進のために運動をする
  これは ある程度わかる
  しかし 昨今 いささか 行き過ぎのケがあるのではないかと感じる
  いつの間にか本末転倒が起きていて
  そのひっくり返ってしまった本末に
  万人がドーッと 流れ込んでいるように思えてならない
  
  健康維持面 と スポーツ面 において
  日頃感じていることを この際 ぶちまけてみたい
  
  まず 健康維持
  そもそも 健康を維持する目的は何か
  生命を維持することにより
  人生を楽しむためである
  楽しい人生を少しでも長く維持していくためである
  健康を維持するために生きているのではない
  人生を楽しむために健康を維持するのだ
  健康に悪いからといって人生の楽しい面を避ける必要などない
  あれは健康に悪い これも健康に悪い
  といい始めればきりがない
  要は 度をこさないことである
  案外 健康に悪いことが 楽しかったりする
  楽しいことはやりましょう
  ただし やりすぎないように
  
  昨今 サプリメント が流行っている
  平常の食生活で不足しがちな栄養分を人工的に補給しましょう
  ということらしいが
  これが 正しいようで実はまちがっている
  これまで 人類はサプリメントなしで生き延びてきた
  それぞれの環境に適応できるように
  自然の食品の中から 必要な栄養を摂取できるよう
  体のほうが変化してきた
  そして その情報は DNA によって子孫に引き継がれてきている
  これは大事なことだ
  毎日の食生活がビタミンが不足しているから
  ビタミンを錠剤で補給する
  肉体にビタミンが豊富にあると
  例えば食品にビタミンが含まれていても
  肉体はそれを吸収しようとしない
  それが続く
  すると 何世代か後の子孫は 自然食品からのビタミンを吸収できなくなる
  ってのが 私の持論だ
  ビタミンが不足している状況では
  体が ビタミン欲しいよー って反応しなけりゃだめだ
  そして 食べた食品の中に わずかでもビタミンが含まれていれば
  それをむさぼるように 吸収する ノウハウを会得すべきだ
  体がそれを覚えてなけりゃあダメだ
  体に 不足しているものを 要求させることが大事だ
  たしかに サプリメント は 病気の時などには有効だ
  しかし 健康時にそれを供給しつづけると
  体に 「飢え」 がなくなってしまう
  自分の体はそれでいいかもしれないが
  自分の何世代か後の子孫は大変なことになる
  だから 健康のため バランスのとれた食事をしましょう
  ってのは 大賛成だが
  健康時からサプリメントで栄養補給しましょう ってのは
  どうも 好きになれない
  
  このまま 突き進んでいくと
  将来は 人類の食事は 錠剤 あるいは 点滴 へと変わってしまう
  生きるための栄養補給
  たしかにその通りだが
  体に不足しているものを食した時
  うまい と感じる
  それこそが 大事なことではなかろうか
  だから ただの水がすごくうまいと感じる瞬間があるのである
  
  次に 本課題の運動について
  動物にとって運動は必要である
  と いうか ホントは運動しなくても生命は維持できる
  極端な例だが 一羽が立つだけのスペースで生活するブロイラー
  人間にあっては 病院で生命を維持する植物人間
  環境が整っていれば 運動をしなくても
  人間は生きていけるのである
  (ここでいう運動とは 呼吸や心拍のことではなく
  跳んだり走ったりする いわゆる「運動」 のことです)
  何が言いたいかというと
  健康増進のために運動するのではなく
  運動をしたいために健康を維持する のが本来の姿である
  ということである
  
  例えば 室内歩行器
  動く舗道みたいなレールの上を逆に歩く アレ である
  一定のリズムで歩き 一定の運動量を確保するものらしいが
  あれを見ていると 何のための運動か 全く疑問になる
  どーせ 歩くなら 何で外を散歩しないんだ
  人生の大事な時間を
  人工のベルトの上を一生懸命足を動かしているだけで
  むなしく ならないのかしら
  散歩するってことは 外界の刺激を受け入れることだ
  自然の変化を肌で感じることだ
  それこそが 人間が本能的に持っている運動に対する欲求であり
  それを満足させることが 「こころ」 にいいのである
  副次的に それは 一定の運動となり 当然カロリーを消化するのである
  カゴの中の ハムスターが くるくる回る ドラム の中で
  必死に駆け上がろうとする 姿がオーバーラップして見えて来て仕方ない・・・・・
  
  それとも 外界の空気は 吸い込めないほど汚染されているのでしょうか
  としたら それこそが健康を阻害するものではないでしょうか
  
  例をあげればきりがないほど
  こっけいな 健康増進器具を多くの方が使用している
  もっと自然な運動で自然に健康をいじできないものか と思う
  
  よく スポーツを科学する というけれど
  せっかく体を動かすのに実にもったいない
  バーベルを挙げるのなら 米俵を担いで運びましょう
  車で通勤して 帰宅してからジョギングするのなら
  ジョギングで通勤しましょう
  車に乗ることが多くて運動不足といいながら
  車の通勤をやめないで 別にジョギングして
  いやあ 私は運動不足をジョギングで補っているのですよ
  なんて のうのうという人達が信じられない
  スーツを会社のロッカーに入れておいて
  ジョギングで通勤するだけで エコロジーにも貢献できるし
  省エネにも貢献できる
  なんで フィットネス産業が栄える方向にみんなでもっていくんでしょうか
  
  ・・・・・・・・・・
  それが 今の経済だからです
  ムダ を 創造し ムダを消費する
  それによって 2次産業 3次産業 は栄えてきている
  しかし この パラドックスには誰もメスを入れようとはしない・・・・・
  ・・・・・・・・・・・
  
  人類の歴史はながいけれど
  健康維持のために なにか運動をしなければならない なんて
  いっているのは ほんの近時だけである
  これまで 人間は意識的に運動することなしに 健康を維持してきている
  だから 原点に戻って
  基本的な 生命活動をしていけば そこそこ必要な運動をするはずである
  
  むしろ 運動を科学するなら
  偏った運動 (職業病 等) をどうバランスとらせていくか
  こちらの方がだいじなことではないかと思う
  
  みなさん
  運動不足であると 感じているなら
  なぜ運動不足になっているのかを考えてみて
  人間の動物としての本能を阻害している要因を
  ひとつひとつ  除去 あるいは 補完していく ことを 考える
  これが 健康増進のための運動の第一歩であると 思いませんか?
  
          
                 (DECEMBER 6, 2001)