HugeWheel2




HugeWheel2 概要

・ドラッグカー・ロボット第2作。JMCR2006 横須賀に出場、棚ボタで 3位となる。
・PSDセンサ式スタートゲートセンサ、アナログ・固定式ラインセンサを装備
・大型タイヤを後輪に、小径タイヤを前輪に使用。
・第二世代昇圧電源システム (パワー系昇圧+ロジック系昇降圧)
・CFRPダブルデッキ曲線シャシー。




HugeWheel2 スペック
サイズ 全長 300mm, 全幅 145mm, ホイールベース 232mm
重量 423g (ニッカド電池×4搭載時)
タイヤ ラジコン用リヤホイール+スポンジ+シリコンシート
走行モータ 指定モータ(RC260RA18130)×1
駆動方式 RWD, ギア比10:1
転舵方式 センターピボット式 ラジコンサーボ BLUEBIRD BMS-306BB 使用
使用センサ 赤外反射センサ(アナログ)×4, シャープPSDセンサ×1
使用マイコン H8/3048F-ONE
バッテリー ニッカド電池×4 (昇圧15V、昇降圧5V)
その他

EEPROM、ロータリーエンコーダ搭載




ロボットの履歴と解説

2005年初頭のJMCR全国大会で大きな落胆を生んだ前作 HugeWheel の後継ロボットとして、完走と設計性能の達成を期して製作したロボットが、この HugeWheel2 です。

前作よりも長い 3週間程度の開発期間を取り、ハードウェアに関してはホイールベースの拡大、軽量化、ギア比の最適化、そして電源回路、モータ駆動の作り替えを行いました。細かいスペックについては

HugeWheel2開発レポート (ZIP圧縮、MS-WORD形式、185KB)
※マイコンカーラリー公式サイトに出場者レポートとして送ったファイルと同一の内容ですが、
  PDF化してい ないため軽くて見やすいです。(PDF化を考慮していなかったともいえる)

を参照いただくものとして、このロボットの構成ブロック図と特徴的なところを以下に示します。

構成ブロック図:

特徴的な要素 選択理由、コメント
電池4本、昇圧式15Vモータ電源
+昇降圧5V電源
前作 HugeWheel の 5V系電源は、バッテリー電圧を昇圧した電圧をリニアレギュレータで落として得るという、かなり無駄な(熱が出る)ことをしていました。また 5V系が15V系と絶縁されていないため、無負荷でモータを回したりすると5V系にノイズが入り、ラインセンサが誤検知出力を生じて舵角が動いていました。どちらも避けるべき要素です。

これらの問題を大元から改善すべく、HugeWheel2 では電源回路を2つに分け、両者をGNDを含めて完全に絶縁しました。流石に熱も出なければノイズも乗りませんでした。

5Vの回路は MCX-03 と同様の流用改造系手法なのであまり語ることはありませんが、15Vの回路に関しては、単に1V上げたものではなく、電源ICを見直し、スイッチングFETが外付けにでき、かつスイッチング周波数を上げることができるようにしました。この変更で、前作で結構な重量増を招いていた 50uH のコイルをインダクタンスの小さいものに変更・軽量化でき、さらに外付けFETによるスイッチング電流の増大、つまりピーク出力電流の増大を図ることが出来ました。
※電源ICは LM3478 を使用しています
固定式
アナログセンサ
(1) 車両自体の直進安定性が良好である
(2) コースが曲がっておらず、ライン上からスタートできる
(3) ラインと車体の微妙なズレを検出できる
(4) 舵角を微小な単位で早く更新できる

この4条件が揃うとき、センサを動かす必然性は無いと考えました。
一気にライン検出状態が変動する状況が生じなければ、固定でも充分追従できるという考え方で、軽量化もでき、(3)の精度も向上します。

実際には (4) にサーボ由来の難があり、泣きを見ました。
上のレポートでは制御が原因かも、としていましたが、主因はサーボの動きにあり、単に

(1) センサは微小ズレを検出しているが、サーボは小さく動いていない
(2) ズレが大きくなった時点で、サーボが一気に動く
(3) 大蛇行開始

のメカニズムで破綻したようです。サーボの劣化が状況を悪くしました。
結局、制御周期も含めて単にラジコン用サーボを使うのではダメで、俺サーボで緻密に動かせるものを載せるべきだという結論に達しました。

もしドラッグカーレースがあれば、また固定式でいきます。
またロボスプリントはスタートが (2) を満たせないので、使えません。
巨大なリアタイヤ プロテン用ホイール(?)という、前作と同じ F1ラジコンのハブで大きなホイールを履けるモノがあったので、6ミリカーボンシャフトとあわせて採用しました。前作より重いですが、ギア比が高いので慣性の影響もほとんどないようでした。
小型モータ
駆動基板
絶縁回路を簡単にするために、2信号でモータを回せるICを、ということでこの時点で選んだのが HIP4080 でした。現時点では

・外付けFETが4個必要 (大型化・重量増)
・PWM制御信号に連動したブートストラップ回路
 (モータの都合に合わせてPWMを選べない、全開に出来ない)

という欠点を問題視しているため、最善の選択とは思っていません。
右寄り
ゲートセンサ
前作と全く同じです。
厚い
CFRPシャシー
曲線カット
前作では製作に薄いCFRP板を使用しましたが、今作では厚いCFRP板しか在庫がありませんでした。これは一番最初に買ったCFRP板で、端を少し切ってみたものの、ロクに真っ直ぐに切れずに放置したものです。

その後のCFRP素人手加工ノウハウの向上で、曲線で切れる確信が持てていたので、忌避してきたこの板もようやく有効に使うことが出来ました。

ポイント: CFRPに適した道具を使う

‥ノコはハンズその他ホームセンターで良く見かける ”フリーウェイコッピングソー”とこの製品用の”ダイヤモンド刃”を使っています。会場で常連超人の竹○さんに「コレ作るとき刃を何本ダメにした?」と聞かれましたが、1本もダメになっていないというのが答えです。この刃の断面は丸いのでどの方向にも切っていけますが、刃の半径分だけ残したい部分の外側を切る必要があります。このとき役に立つのが 3Mの黄色いマスキングテープ。軽くて配線の固定にも一部で活躍しているこのテープですが、残したい側に貼ってから切ると、直線も綺麗に切りやすいです。あとは刃に書いている通り、変に焦って力をいれず、軽く地道に切ること・・・

‥ドリルや皿もみ刃も専用品が仕上がりも綺麗で、刃も長持ちします。最近の加工手順は

(1) 図面を印刷して貼り付け、穴位置にオプティカル・ポンチ打ち
(2) 図面を貼ったまま切断 (随時マスキングテープ使用)
(3) 切断後に穴あけ、皿加工

という感じです。この際、信頼できるマスクや掃除機も欠かせません。

上記のほか、ソフトウェアも進化して良い具合に一定加速度でスピードを上げたり、減速したりできるようになった点も前作からの進化ポイントです。前作はゴールライン検出センサで 2センチ走行を実現しましたが、安定した減速度で止まれて、速度も距離も正確に把握できるとなると、ゴールラインの検出センサ自体が要らないようで、実際に大会ではセンサ入力を使いませんでした。2センサで充分であるようです。またレポート中の加速カーブは曲がっていますが、これは無理に直線で上げるとモータに余力が出来て損なので、加速では出力を開放していることの影響です。

大会予選では見事完走を果たし、ポリシー優先度(1)は達成できました。しかし優先度(2)の設計性能の達成は、サーボで手を抜いたせいで果たせず、真面目に(3)を狙う気も無くなりました。こんな状況で表彰状がもらえたというのも低人数のおかげですが、いつかは自分で満足できる形で表彰を受けたいと思いました。

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大会参加後で、車検合格シールが貼られている。タイヤはワイド仕様(無加工ホイール)で走行した。

ひっくり返すと、エンコーダ配線が汚い。 (会場でFETを焼いてしまい荒療治したため)
センサ基板取り付けRENYネジはクラッシュで破断している。