2000年8月のトークページです。

1999年 4月/5月/6月/7月/8月/9月/10月/11月/12月

2000年 1月/2月/3月/4月/5月/6月/7月/8月/9月/10月/11月/12月

2001年 1月/2月/3月/4月/5月/6月/7月/8月/9月/10月/11月/12月

2002年 1月/2月/3月/4月/5月/6月/7月/8月/9月/10月/11月/12月

最新のトークはこちら。

8/1 オイラ 「シンバルマニアックトーク2」 8/18 オイラ 「楽器の動物園」
8/4 オイラ 「シンバルマニアックトーク3」 8/24 JOL 「9/5、デュオコンサートやります」
8/7 オイラ 「シンバルマニアックトーク4」 8/25 オイラ 「発見カツゲン!」
8/10 オイラ 「平野とインプロ」
8/17 オイラ 「モンノスケ」

top |Schedule | Profile | Listening room | Talk | Repertory | Report Guide | Communication| Links


2000.8.25 オイラ 「発見カツゲン!」

とうとう見つけました!

7月にN響で札幌に行きましたが、その時のトークで北海道限定ドリンクを紹介しました。しかし雪印事件のために入手できなかった「カツゲン」、手に入れました\(^o^)/。

今日はN響の本番で、ホールに行くと植松さんがおもむろにカバンをゴソゴソ。出てきたのはなんとカツゲンでした。正確にいうと「ソフトカツゲン」。

植松さんの北海道の知り合いの方が送ってくれたそうで(それも大量らしい)、おすそ分けを頂戴した次第です。

取り急ぎのご報告。この夏の胸のつかえがひとつ、クリアです!!


2000.8.24 JOL 「9/5、デュオコンサートやります」

大変御無沙汰しております。じょるです。トークは3度目、いや2度目でしょうか‥?

今回書かせて頂きますのは、私事で恐縮ですが、演奏会のお知らせでございます。
来月9月5日(火)に、うんざりのSSMであります石崎陽子とデュオの演奏会を行います。
曲目は、チック・コリアの『セレナード』、そしてブスの『Back to Square One』、そして前半最後に秋 透さんの『楕円幻想』というマリンバ2台の為の曲。
後半はなんと1曲のみ(無謀だ!)。ゼウスキーという方の『不屈の民』というピアノ変奏曲を右手と左手をマリンバ2台に分けて演奏します。いずれも、かっこいいと思う曲ばかりです。

場所は、大塚の「萬YOROZUスタジオ」という、普段は演劇で使われる事が多い、無機質な面白い空間です。
もし御興味ありましたら是非是非御来場下さいませ!!

それでは、まだまだ暑い日が続きますが、皆様お身体に気を付けてお過ごし下さいませ。

日時:2000年9月5日(火) 18時開場、19時開演
場所:「萬YOROZUスタジオ」 
エ(03)5394-6901
全席自由¥3,500
お問合せ:和田(03)3550-4514


2000.8.18 オイラ 「楽器の動物園」

今年の夏は残念ながらうんざりライヴができず、どうにものんびりというか、実際には忙しいんですがどこか物足りない感じを持っています。

去年の今頃はマイカル本牧での野外ライヴをかわきりに代々木公園、妙高高原と野外ステージを満喫している真っ最中で、そこで得た感動や喜びは色褪せることなくその後の音楽活動に大きな意味を持っています。

自主ライヴは乱暴にいってしまえば簡単なことで、やりたいことをやりたいように伝えればいい。この伝え方で死にものぐるいの試行錯誤をすることにはなるけれど、どんな結果も全て自分たちに戻って来るという意味で簡単なんです。よければ自信を持ち、悪ければ反省し、改善していく。

それに比べ、野外ライヴはもっと複雑です。演奏する以外にたくさん混じりものが入ってくる。例えば雨が降る可能性や、ステージ上に楽器が乗らない可能性や、お客がいない可能性も考慮しなければいけません。更に予測できる事態なら考慮もできるけど、実際には想像以上のことが起きることも野外ライヴの常識。特にイヴェント参加の野外ライヴは、主催者がどのくらい情熱を持ってイヴェント成功に向けて尽力しているかが大きなカギを握っているわけです。つまり僕らがどうがんばってもダメかも知れない。そんなこともあるわけですが、そこで諦めずに、主催者の意図さえも塗り替えるほどの情熱やパワー、そして音楽の力が必要なんだと思います。

通りすがりのお客に対して、何を感じとってもらえるのか?うんざりを知らない、買い物帰りのお母さんにも足を止めさせる執念は、去年の夏、多くのお客様に鍛えてもらうことで多少は体得できたと思っています。

今年は8/19,20と、新潟の長岡リリックホールで「楽器の動物園」という企画に参加します。

「マジカル・サウンズ」という10名による吹奏楽団を結成して、リリックホールの中を動物園にしてしまおう!という企画です。つまりオイラ達プレイヤーは動物。オリにはさすがに閉じこめられないので、動物園というよりはサファリパークかな?

日中はメンバーが各部屋で練習しているのを、お客さんが覗きに来たりするわけですね。多分。するとメンバーは一生懸命さらってたり、練習もせずに昼寝していたり、「エサを与えないでください」とか「凶暴ですので触らないでください」とか入り口に張ってあったりするんでしょうね、きっと。

お客さんはそんなプレイヤーを見て、「あら、フルートのお姉さんは練習していても優雅だわ」「サックスのお兄さんは真面目なのね」「トロンボーンのおじさんは動物そのものじゃん」などとこの特殊技能集団の奇異な日常行動に触れ、音楽は好きだけど演奏家は危ない人という印象を大脳新皮質のニューロンにしっかりと記録し、子供達からは演奏家に対する夢と希望を奪い、しごく真面目で立派なニッポンのサラリーマンはなんて素晴らしいんだと、そう思わせるのが今回の企画の主旨だとオイラ勝手に解釈しながら今、長岡に向かっているわけです。

あ、もちろん夜はコンサートがあります。
動物が一同に会し、演奏するサマは水族館のアシカショーか、日光猿軍団が当面のライバルになるわけです。
数年前に千由紀のリサイタルのために描いたパーカッションデュオ「Make Time」もプログラムに入っていて、どうやらそこら辺がオイラの曲芸の見せ所、おひねりのもらいどころでしょうか?

明日、明後日が本番です。やってみないとわかりませんがこの企画、よくないです。アイディアは面白いと思うけど、主催者の情熱がオイラにはみじんも感じない時点で厳しい企画です。

うんざりだったら、主催者の情熱がマイナス100度でも、30分後には沸点にまで上昇させるだけの苦労と希望と手のマメを武器として持っていたけど、マジカル・サウンズは所詮寄せ集めのアンサンブルであるということに関して、気付いていない企画に明るい見通しは残念ながらありません。

でもね、こういうときってオイラ燃えるんだよね (^_^;)。怒りやストレスは一番他人に伝わりやすい感情だからなのか、感情がすぐ顔と音に出てしまうオイラの幼稚さがそうさせるのか?いずれにしろ、今回の企画、主催者の想いが弱い分、オイラはオイラの想いを武器に、動物園の動物として、お客さんに対面して来たいと思っています。

さて、どうなることやら?もしリリックにいらっしゃる方いらっしゃいましたら、どうかオイラにはエサを存分に与えてやってください。噛みつきませんからm(__)m。


2000.8.17 オイラ 「モンノスケ」

ある日の夕方、風が強く今にも夕立がおちてきそうな気配のとき、部屋でダラダラしていたら窓の外で「バシャッ!」と大きな音がしました。「大雨か?それとも風で何か飛んできたか?」とちょっと恐々としながら窓に近づくと、「す、スズメだ!」。

ベランダの物干しのところに茶色い物体。オイラはミニ興奮していたのでスズメと信じて疑わなかったけど、後から母親にバカにされました。どうやらムクドリらしい。でもそんなことはどうでもいいこと!

慌ててデジカメを持ってきて撮ったのがこれ。ダメだQV-10じゃ画素数低くてよくわからん。しかも窓と網戸が映りこんでしまう!

悶之助(ムクドリ・オス・仮名)は丸くうずくまるように首をひっこめ、眠くて仕方ない様子。ここで休んでいけばいいけど、写真は撮りたい。人のエゴはオイラを人たらしめる由縁でもあるので仕方なし。オイラは悶之助の機嫌を損ねないように、細心の気を配りながら網戸と窓を開ける。無事成功。

そしてさっきよりも接近して撮ってみるものの、フラッシュのないQV-10じゃ暗くてよくワカラン (:_;)。

悶之助はオイラが見悶えながら真横でパチパチ(デジカメだから音はしませんけど)撮影しているのに、知ってか知らぬかじっと目を閉じたまま、風に揺られて気持ちよさそう。「どうにかして悶之助に明かりをあてられないか?」そこで譜面台を照らすためのクリップライトを引っぱり出し、再挑戦。

んでさらに接近して撮ったのがこれ。悶之助との距離約10cmのマクロ撮影に成功。これでどうにか写真っぽい。ブレるのは揺れているから仕方ない。全身を不思議な満足感が包み込み、小さな夏の想い出ができました。

さすがに照明が当たると悶之助も無視できず、何度かこっちを振り向いたり、「ッキャピョー!」と訳の分からない叫び声をあげたりしていましたが、バテバテだったんでしょう。逃げようとはせず、じっとしていました。

今考えるときっと飼われていた鳥なんでしょうね、悶之助は。野生の鳥があれじゃ、すぐ他の動物の餌になってるよ。しかもブクブク太ってるし。

悶之助はその目を離したスキにいなくなりました。もっといい寝床を探してどこかに飛んでいったんでしょう。彼が今でもどこかで生きていればいいけれど。

☆★☆★☆

悶之助が訪れてきてからよく考えるのが『窓』。あの日以来窓は今年の夏のキーワードとなっています。

外の光を取り込んだり、風をいれたり、洗濯物を干したりと、窓は人それぞれに生活の中に溶け込んでいて、それこそ「ああ、これは窓だなぁ」などと再認識することも少ないパーツです。
そして窓は都合のいいもので、外の世界と繋がる空間でありながら、どこかで守られている印象があります。窓の外で交通事故や酔っぱらいのケンカがあったとしても、窓から見ている自分はどこか他人事。もし道ばたに自分もいて、目の前で交通事故が起こったら避難するとか、通報するとかケガ人助けるとか行動を伴うでしょうが、窓から眺めていると「蚊帳の外」という立場を貫いてしまうこともめずらしいことではありません。皆さんも車運転してると、「何タラタラ走ってんだよ!」と窓の外の出来事に対して厳しくなることありませんか?

窓から眺めるという行為は、扉を開けるほど労力もかからず、しかし外界との接点を保ちたいという非常に自己解決性のつよい画面です。

そして今もっとも注目を浴びているのはこのインターネットという世界を眺めるための窓。この窓の先にナニがあるのか?無記名で特定の人物を攻撃したり、人の汚れた心のひだを淫らに放出するこの窓の恐さは、これが窓であるからなのかもしれません。本当の意味での双方向が実現されたときにこの窓は、『扉』になるんでしょう。

ステキな景色を映し出す窓には、人に扉を開かせ外の空気を胸いっぱい吸う活力を与えてくれます。このページもそんな景色が映し出せるようになりたいと思います。

水深100mの海底で、窓も何もない状態は想像もしたくないほどの恐怖でしょう。ロシアの方々が助かるといいなぁ。

皆さん、夕立が降った夜はエアコン切って、窓を開けてみませんか?


2000.8.10 オイラ 「平野とインプロ」

先日サックスの平野とメシ食ってきました。

オイラは平野のCDをこのページでベタ誉めし、平野のHPでは、このページのことにも触れていてくれたりしたために、なんだか照れくさいような変な雰囲気の中、吉祥寺のトルコ料理屋さんでメシ食ってきました。 平野はホントに最近昇り調子みたい。CDは売れるわ、ナベサダさんとセッションやるわ、雑誌には毎月インタビュー載るわ。スゴイね。

メシを食ったのは9/16に行われるコンサートの打ち合わせだったんですが、なんというか、あんまり進まなかった (^_^;)。
そりゃ当然でしょ!だってさ、インプロのコンサートなんだからさ。曲決めるわけにはいかないし、「なにやりたい?」と振られても「いんぷろ。」としか応えられないじゃない!

トルコ料理屋さんの店内。本当はもっと暗い。ちょっと不気味で、ほかには不思議な雰囲気を醸し出す年輩のグループが1組。入った店がよくなかったかも。

9/16のコンサートは、サックスとピアノ、それにオイラのパーカッションでインプロビゼーション(即興演奏)を中心としたコンサートをやるわけですが、いってみれば即興演奏なんてのはなにも決めごとがないままにはじめてもなんとなくカタチになってしまうわけです。しかし今回はオイラとピアノの中川さんが初対面でもあるという事で、ある程度の決めごとがあった方がいいんではないかと、平野が言い出しまして。あ、ちなみにオイラはインプロ苦手ではありません。譜面がないだけでも得意分野といえるでしょう。うんざり一番の大曲「野性的な七面鳥」では最初10分弱のコンガフリーソロで始まります。いつかはドラ1枚だけでリサイタルやりたいとも画策しているくらいであります。・・・・しかし打ち合わせは遅々として進まず、口からでまかせなオイラと平野が黙々とトルコ料理食べて、時間ばかりが過ぎていきました。

「・・・・・10個決めよう!」平野が先に我慢できなくなったようです。

要するに10個(またはそれ以上)タイトルだったりリズムだったり、コード進行だったり、1曲の中での最低限の取り決めを10個つくろうと、そういう事のようでした。

オイラは無責任実現不可能観客激怒演者戦意喪失なアイディアをトルコ料理の雰囲気に任せてぶちまけ、平野は明らかに困った顔をしながら「おっ!それイイねぇ!?!?!」などと応えながら、ほとんど進展のない打ち合わせ。いつのまにか2人とも疲れ、コンサートの話題は終了していました。そんな実現不可能なアイディアを10個絞り出し、その後はエロの話や芸大時代の仲間の話に終始。そういえばどんな楽器をセッティングするのか、いつもは頭の中にセッティング図が浮かんで来るんだけど、それさえもない打ち合わせでした。大丈夫か?

テーブルにあったロウソクを飲もうとボケている(つもりらしい。)平野。コイツもアホではあるが、忙しすぎて疲れも溜まっているんだろう。

しかし、である。大丈夫なんである。半分やけっぱちなんである。逃げ出したくても泣きたくても、チラシは世間に出回っているのである。
段取りやコンセプト、哲学や生き様、そんなものは必要ではあるけれども、なくてもいいのである。お客がどう感じるか?それはきっと後の祭り状態になる頃は明らかであって、それでいいのである。ウハハハハ!!

少なくとも今度のコンサート、失敗に終わることは決定的であり、それこそ平野のコンサートにオイラが進入する、唯一最大の存在意義なのかも知れないわけであります。

聞けばピアノの中川さんも相当にアブない人種らしく、平野の話を聞けば聞くほど、9/16にいらっしゃったお客さんたちが可哀想に思えてきました。お客さんが目を点にして沖合い50キロまで、サァーッとひいていく姿が目に浮かんできました。よし、やっとコンサートのイメージが具現化してきたぞ!!

というわけで、おすすめするところがナニもみつからないコンサート (^_^;)。オイラとしてはうんざりを聞きに来てくださったお客様にぜひ足を運んでもらいたいです。サックス界で今もっとも脚光を浴びている平野を見に、サックス業界の人たちが大挙してくるのはちょっとイヤだな。「彼のサウンドには『命』が宿っている」とか「高度なテクニックを駆使しながら、新しい世界を切り開いた!」そんな評が飛び交ってしまったら、オイラみじめ(でも飛び交いそうな気がする)。それよりも子供たちが来て「お母さん、恐いよぉ〜!」と泣き叫びながら連れ出されたり、「もうヤメロー!」と激怒するお客さんにプレイヤー3人が「ゴメンナサイ!!あと1曲だけ。せめてあと1曲だけぇ〜〜〜」と 土下座して懇願するも静かに照明は落ちてしまう。そんなコンサートになったらいいなぁと、オイラの中では確実にビジョンが動き出していることを実感しています。

勇気のある方、オイラたちと心中覚悟の上でお越しください。それとなにかアイディアのある方、ぜひ掲示板に書き込んでください。ピンときたら採用させていただきます、っていうか採用させてください、お願いします (^_^;)。また、連絡くださればチケットお売りいたしますm(__)m。 キャパ100ちょっとのスペースですのでお早めにね。(詳しくは、平野のHPにてご確認ください。)


お待ちしてます。


2000.8.7 オイラ 「シンバルマニアックトーク4」

東京は暑い日が続いています。イヤになりますね。しかし先日まで滞在していた札幌も36度を記録したようで、あの涼しくて快適だった札幌が東京並の暑さになっていることを考えると、ちょっとだけ涼が取れてしまうオイラです。

今回がシンバル最終回です。オイラが考えていること、もうひとつだけお付き合いください。
シンバルは発音体にして共鳴体であるけれど、更にいうならばお互いのシンバルはお互いの発音体にして共鳴体でもあります。

一休さんのとんちにもあるじゃないですか、「パンッ」と手を叩き、「今の音は右手で、したでしょうか?左手で、したでしょうか?」ってやつ。つまりお互いがお互いの発音体として補完し合っているわけですね。マレットの役割をかねているともいえます。

また、お互いの響きがお互いのシンバルに干渉し合い、シンバルによって作られた空間の中で共鳴し合うので、お互いの共鳴体としても存在しているわけです。スネアドラムのトップとボトムの関係だと思ってください。だから2枚のシンバルが貝のように閉じるギリギリの状態がもっとも共鳴しあい、響きを豊かにします。また離れれば離れるほどお互いのシンバルへの干渉は少なくなり、観客席に向けて開いたとき、ゼロになります。

シンバル同志の距離が近い場合、お互いの振動がお互いを共鳴させ、響きを豊かにします。サウンドは丸く、柔らかくなる傾向があります。

シンバルの距離を徐々に広げていくと、お互いの干渉が少なくなり、オープンなサウンドに変化していきます。

また、実際の場面では下図のようにV字型に開くことで、指向性や音色変化をコントロールすることが可能になります。開く方向(上・前・下など)も重要です。演奏会場の響きの特性などを考慮してベストを探します。

フルオープンは明るい印象と音色が得られます。ただしあまり広いホールでは音が散ってしまう可能性があるので、注意した方がいいと思います。まぁ、それでもクライマックスの一発は大きく開きたいですよね!。爪先立ちになっちゃったりしてさ。

また、シンバルを開くにつれ、音色は「オ」から「ア」へ明るくなっていきます。つまり閉じる寸前の状態は響きが豊かな反面、音は暗くこもりがちになります。しかし響きが豊かなのでBDやオーケストラとのブレンドには適する場合が多いです。オープンにするということは発音が明るくなり、ソリスティックなサウンドになります。見た目にも輝かしい効果を得ることが出来ますが、共鳴しあうことがないのでサスティンは短くなります。演奏の中ではクローズからオープンの動きの流れの中で、音色の変化や処理をしていくことになります。音の方向(指向性)をイメージすることで聴くものに音色変化を伝えることが出来ると思います。伝わりましたでしょうか?言葉足らずですがこれ以上はオイラが教則本を出版するまでおあずけってことで (っていつのことだか (^_^;))。

最近の作品に出てくるシンバルはサスペンドが非常に多いです。ラヴェルなどのフランスもの以降、ジャズ・ロック・ポップスなどでは非常に効果的ですよね。もちろんサスペンドにはサスペンドの豊かな表現方法があるけれど、合わせシンバルはその数倍の表現能力がつまっていると思います。だって楽器が2倍なんだもんね。お猿のおもちゃよろしく、カラオケ屋で手拍子するのとおなじ線上でイメージするだけではもったいない楽器だと思います。オーケストラに興味のある方はシンバルの音色に耳を傾けてくださいね。

シンバルはトルコを中心に長い年月職人さんの手によって創られ、守られてきた楽器です。未だに日本のメーカーには手も足もでない楽器(金属組成はメーカーごとの極秘事項)です。各時代の職人さんとプレイヤーの歴史がぎっしり詰まったシンバル。そのシンバルで今生きている僕らが唄いあげないのはもったいなさすぎです。他の楽器が必死に演奏して盛り上がったクライマックスに、感動的な判決をくだすのはシンバリストであるアナタです。大きな音楽、唄いましょう。

アナタにその気持ちがあるなら、日々の生活の中から唄う(楽器を演奏する)ためのヒントはいくらでも見つけることが出来ます。コンサートに行ったりレッスンを受けるだけでなく、ヴァイオリンのピチカート、オーボエのブレッシング、飛行機の離着陸、水の中の抵抗、絵画の色彩、川の音、稲妻.....。音は何かが動いた証拠であり、摩擦によって生まれた波にほかなりません。目に見えない波を感じとる感性こそ、唄うために必要な最高の栄養ではないかと思います。

思いもよらず4回にもわたる長い話となりました。なにかお気付きの点やご質問などありましたら、オイラまで御連絡ください。次回はマリンバの6マレットについての持論です。乞うご期待!!    ←<ウソだからね!やったことないからね!>


2000.8.4 オイラ 「シンバルマニアックトーク3」

前回の「シンバルマニアックトーク2」に引き続き、書きたい放題でまいります。お付き合いのほどを。

シンバルはその形態と構造から、あえて分類すれば鐘の仲間になります。サスペンドシンバルはまさに除夜の鐘と同じですね。つまり吊るされているところを支点にして自由に揺れるのが本来のシンバルの姿であり、そこから無数の響き・倍音・うねりを生み出す楽器です。これは手で持っているときもなんら変わることはありません。

ブランコを思い浮かべてください。ブランコに乗って遊んでいるとします。このときブランコに乗っている自分がトップスピードになるのはどこでしょうか?答えは一番地面に近づいたときです。重力加速度を十分に受けきった瞬間はブランコのくさりが垂直になった瞬間です。打楽器を演奏するときは常にこのトップスピードの瞬間を感じていた方がいいと思います。除夜の鐘をたたく丸太ん棒も(ほぼ)このトップスピードで鐘をヒットしますよね?もちろんこれが全てではありませんが、例えばピッチャーは身体と腕の振りを一点のヒットポイントに集め、トップスピードの瞬間にボールをリリースすることでスピードと球威のあるボールを投げるのと同じです。

ブランコでのトップスピードは垂直になった瞬間です。鐘はまさにトップスピードで打ち鳴らすように出来ていますね。バチで楽器をヒットするときもこの通りです。

合わせシンバルにおきかえた場合、このトップスピードを3次元上のいたるところで再現する必要があります。しかも左右同時に究極のヒットポイント上でトップスピードになることが理想です。

それにしても左の図、今回の中で一番のオイラのお気に入り。なくてもいい図なんですけどね (^_^;)。

シンバルに置き換えてみれば、円周の交点、ヒットポイントがトップスピードになったとき、コンサートホールの隅々にまで行き渡る球威のあるサウンドが生まれるわけです。両手に持ったブランコをコントロールしながら、くさりの先に乗っている子供をヒットポイントでトップスピードにのせたとき、左右の2人の子供は満面の笑顔をたたえながら天高くどこかに飛んでいってしまうでしょう (^_^;)。これがシンバルですわ。特に小さい音で演奏するときにこのイメージを持っているとサウンドが活きてきます。蛇足を書いておくと、トップスピードは速ければいいというものではありません。一連の動きの中でのトップスピードの話です。ヒットするときのスピードは音色や音価に関わることですから、曲や唄い方によって決定されるべきです。

オイラは実際に演奏するときには大きな大きな観覧車を思い浮かべます。想像できる2つの最大の観覧車のバスケットが、だんだん近づいてきて、オイラの目の前でヒットポイントに到達する。その軌道上にシンクロしてシンバルをコントロールしたいと、そう考えて演奏しています。大げさにいえば大空や宇宙からあつめたエネルギーを身体全体で感じながら、その全てをヒットポイントに集約する。そんな感覚で音が出せたときは「オイラって天才。」ってことになります。まぁそんなに理想通りにコントロールできるのは、良くて1年に1度ないかないかですけどね (じゃぁないじゃん(^_^;))。でも続けることで死ぬまでに経験できるかも知れない。いや、絶対に出来るじゃんやれるじゃんその気持ちだけが大事じゃんミュージシャン。

<つづくっ>


2000.8.1 オイラ 「シンバルマニアックトーク2」

これから数回に分けてシンバル演奏上の基本的持論を書かせていただきます。持論ということはもちろん、オイラが独自に考えついた奏法論(概念)で、これは20歳の頃から進化はすれども、なんら変わることなく抱き続けている考えです。ですから他人から見たら意味のない文章かも知れないし、おそらく野球選手が試合前に靴下を右足から履く、みたいにジンクス的な意味あいも多分に含んでいると思いますので、そのことは念頭に置いて読んでいただきたいと思います。

また、下の文章はオイラオリジナルの持論ではありますが、ここにいきつくまでにはたくさんのコンサートから影響を受けました。また、オイラの師である先生のレッスンや、一緒に演奏をさせていただいた先輩や仲間のプレイも大いに刺激となり、オイラの栄養となっていることは明白ですので、ここで改めて感謝の気持ちを述べておきます。

持論とは、言い換えれば僕らプロがメシを食うための企業秘密でもあるわけで、だからこそなかなか情報として出てこない部分です。オイラがここで述べる持論ももちろんそういう側面を持っているので、オイラの中にある持論の1割弱を公開したと思ってください。この文章はオイラ自身のこれまでに培った奏法論の整理・明文化という目的と、読んでくださった方がオイラの文章から、オイラが多くの先輩方から刺激を受けたように何かヒントやそれぞれの持論をもつための参考となっていただければとの想いから掲載いたします。

打楽器で音を出すときに、もっともエキサイティングで神経を集中するのは、音が出る瞬間です。ヒットポイントのことですね。ヒットポイントをどれだけ緻密に意識できるか?またそれを無意識にこなせるか?これは全ての楽器にあてはまることでもあるけれど、シンバルにとってはことさら重要だと思います。音色や音質をうんぬんする前に、そこのセンスがどれだけ研ぎ澄まされているか。寿司職人が刺身に包丁をいれるのと同じきめ細やかな神経が必要だと思っています。

シンバルにおけるヒットポイント、アプローチの仕方は大別すると2つに分かれます。仮にこれを垂直アプローチ水平アプローチと呼びます。シンバルのエッジ(面)に対して直角にアプローチすることを垂直、これに対し2枚のシンバルがすべる方向を水平とします。これを両極端として考えます。

垂直アプローチ。拍手をするような感じですね。シンバルの面に対して直角にアプローチします。

水平アプローチ。シンバルをスライドさせるような状態です。

この2つのアプローチを対極にして、シンバルコントロールを考えていきます。

また人間の手は肩を支点に回転することを考えると、シンバルのヒットポイントは2つの円周が交わった部分になります。

線幅がゼロの円2つが交わった部分、ここは面積ゼロの点になります。こここそが究極のヒットポイントです。2つの円の直径を拡大・縮小したり、円をつぶして楕円にしたり、もっとつぶして直線にすることで水平ポイントと垂直ポイントの中を自在にコントロールすることが出来ます。下の図を参考にしてください。

先幅がゼロの円は見えないし書けません (^_^;)。この円周軌道上でシンバルをコントロールしていきます。面積ゼロの点とは、「大体ここらへん」というアバウトなイメージではなく、究極の1点ということです。究極の1点をイメージし、そのイメージをシンバルに伝えることにより、繊細なサウンドを自在に創り出す能力が養われていきます。

円をどのように動かしてもヒットポイントはひとつになるようにイメージします。

また、左右の円の大きさを変えていくこも可能です。半径がゼロの円周軌道上を動くとき、シンバルは止まっていることになりますね。左右どちらかのシンバルを静止させて、もう一方のシンバルをコントロールする場合も、変わることなくヒットポイントをイメージすることが重要です。静止しているシンバルにもはっきりと移動エネルギーを与えます。

ちなみに両方とも静止していると、音が出ません。

あ、知ってた?

円を潰すことで、移動するシンバルに加速度を与えることが容易になります。シンバルがトップスピードでヒットポイントに到達するようにイメージするといろんな音色が得られるようになります。円周をコントロールすることになれてきたら、楕円でのコントロールにトライしてみてください。

イメージする円を楕円にしていくと、最終的には直線的移動になります。メリーゴーランドを真上から見ると円ですが、真横から見ると直線運動をしているのと同じ感覚で、直線移動をするシンバルにも円周軌道を動くイメージを持つことが大事だと思います。これはそのままスティックコントロールにもあてはまります。

このポイントが把握できれば、シンバルが円周上でどのような軌道を描こうともポイントをイメージすることが出来るようになります。もちろんこれは机上の論理です。実際にはシンバルは長さ(直径)をもっているのでヒットポイントに達する前にエッジ同志がぶつかってしまうし、シンバルには吸盤と同じ弾力があるので、演奏上は2つの円は重なり合い、2点のヒットポイントを持つ(2点のヒットポイントの間にヒットポイントをイメージする)ことになりますが、あくまで流れの中でシンバルが発音する瞬間をとらえる精度をあげることが目的です。

実際には円を重ね合わせないといけません。2つの赤いポイントの中シンバルは接触していることになります。このときにどこまで正確なヒットポイント(左の図で青い点)をイメージできるか?その精度をあげていくには、頭と身体両方のトレーニングが必要です。

また、本当は3次元の世界の出来事なので、演奏中は無数の円周上を流れながらヒットポイントをイメージすることが可能になります。手のひらを合わせた状態で腕が稼働する部分内で、上下前後左右の空間を自在に使うことで無限ヒットポイントをイメージできます。ネッ、おもしろいでしょ?静止した楽器を叩く他の打楽器から比べたら、夢のようにエキサイティング!!ナイスシンバル!!果てしない可能性を感じるよ。オイラわ!!。

<つづくよ>


top |Schedule | Profile | Listening room | Talk | Repertory | Report Guide | Communication| Links