2001年2月のトークページです。

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最新のトークはこちら。

2/18 オイラ 「スネアドラム」 2/26 オイラ 「エクササイズ指南」
2/20 オイラ 「スティックオイラの選び方」 2/28 オイラ 「最後は我が身」
2/23 オイラ 「スティックオイラの選び方-実践編」

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2001.2.28 オイラ 「最後は我が身」

SDについて書き始め、スティック、教本ときた勢い、今月はこの路線で攻めていきます。しかしそんなにネタがすぐにまとまるわけではないので内容は濃くないのが悲しいところではありますが、それでも気分はパーカッションの専門サイト (^_^;)。

今回は腕の動きを知るということについて書きたいと思います。

オイラは肘から指先までのマッサージをよくします。これは疲れをほぐすということも大きな理由ですが、もうひとつ、自分の身体について知りたいという欲求からです。

手首を動かすときに使われる筋肉がどれか、皆さんお分かりですか?外側に動かすときと、内側に動かすときで緊張するときの2種類が(少なくとも)あります。ゆっくり動かす場合と瞬発的に動かす場合で、どうやら違う筋肉が使われている(もしくは使用している筋肉は一緒でも動くバランスに違いがある)ようです。オイラも専門家でないので詳しく分かっていませんが、だからこそ自分の腕を触っていると毎日のように何かしらの発見があり、面白いです。
また、疲れ目胃弱ストレス食欲不振性欲減退etc.の症状について反射帯(ツボ)があるのは、足のひらだけでなく手のひらも同様です。押してみて気持ちよきゃそれでよし。

腕をまんべんなく触ったり、もんだり指圧したりすると、気持ちいい部分があったり、あまり感覚がない部分があったりします。そういう所を「ンムギューッ!」とやると、寝ぼけ眼(まなこ)だった腕が完全覚醒するようで。こころもち手のひらも大きく開くようになりますよ!

また、各指から伸びている筋をゆっくりと押すと、自分の指が閉じます。ちょっと気持ち悪いけど面白い。みなさんもやってみてください、腕が高性能なマシンだと感じることが出来ます。腕をテーブルに乗せ、手のひらを上に向けます。力を全部抜いてくださいね。手首のあたりの筋(探してください。すぐ見つかります)をゆっくりと押してみてください。指が閉じますよね。多分親指と人差し指とか、小指と薬指とか2本くらいが一緒に動くと思います。で、押す部分をゆっくりと肘の方へずらしていくと、独立した1本1本が動くポイントを見つけることが出来ます。多分この筋は大事なので決して無理な力で押さないでくださいね。

オイラが意識している筋肉は4つです。この4つはパーカッションをやっている人なら重要でしょう。

ひとつ目は手首を持ち上げる筋肉。この筋肉には瞬発力とパワーの両方が求められます。スポーツで手首を鍛えるという場合、主にこの筋肉を太くするでしょう。剣道少年だったオイラは左手1本で竹刀を持ち、上げては下ろす稽古をしましたが、この筋肉がヒクヒクしたのを覚えています。
この筋肉に瞬発力を覚えさせることはタイコを叩く上で非常に有効です。オイラの昔やったトレーニングは、机の上に腕を乗せ(さっきと逆で手の甲を上にします)、手首を持ち上げます。そこから力を抜くと当然手が机に付きますが、机に触れた瞬間にギュッと引き戻します。これを授業が終わるまで左右続けました。

二つ目は手を内側に引く筋肉。これは日常そう使われないので一般の人は自分の手で確認することが難しいかも知れません。タイコ叩いていて確認が難しい人はよかったね!またひとつ鍛える場所が発見できました。この筋肉には何て言うのかなぁ。優しさみたいなのが必要だと思います。パワフルではいけないし、瞬発力は必要だけどブレーキングも必要という感じかな?必要以上に鍛えられていると楽器に対して無駄な力がかかってしまいます。力を逃がしたり、音楽で求められている音のスピードをコントロールする柔軟さが求められます。ドアをノックするときにこの筋肉が使われますが、急いでいるときのノックと、遠慮しがちなノックが使い分けられないといけないと言うことです。ドアが木のときと鉄のときでも違うだろうしね。

みっつ目は人差し指と親指の間にあります。写真のように何か小さい物を強くつまむようにするともりあがります。握力のひとつだと思いますが、この筋肉はないよりあったほうがいい。オイラがSDのトレーニングをして一番疲労が溜まるのがこの筋肉です。この筋肉を触るたびに「うまそうだなぁ。ケンタより絶対美味しいだろうなぁ」と感じるオイラにはまだまだハングリー精神が宿っているようで (^_^;)。

よっつ目は小指の下にある一番外側の筋肉。ここはふだん使っていない(バチが当たらない)ところですが、演奏中にはバランスを保つために細かく複雑に仕事をしていると思います。実際ここは疲れが溜まります。手にとって小指というのは非常に大事なものです。足の小指もないと大変だといいますよね?歩けないらしい。繊細なパッセージの時に小指を立ててバランスを取る人も多いですが、実は小指が手の動きの支点になっているのではないかと最近考えています。
ゴメン。ピント合ってなくて。ひとりでここを撮影するのは至難の業 (:_;)。

で、上に上げた筋肉はトレーニングや本番ステージ上で疲労物質をため込み、むくんだり次の日なまぬるい感覚に陥ってしまいます。そこでマッサージをしますが、マッサージをおこなうのも当然自分の腕でしょ。タイコ叩いてクタクタの手を他の仕事に使うのがもったいなくて、いままではスティックなどでグリグリしていましたが最近、いい物見つけました。そりゃ手で指圧するにはかなわないけれど、「揉み疲れ」がおこらないのが気に入って、毎日持ち歩いています。ちなみに東急ハンズで購入。800円くらい。

発見したときは迷って買うのをやめました。家でペンチとか持ち出して替わりになるような器具を試したりしたけどうまく行かず、1ヶ月経っても忘れられなかったので購入。

もうひとつ、参考になる面白い本を紹介します。『音楽家ならだれでも知っておきたい「からだ」のこと』(誠信書房、2000円)。バーバラ・コナブルさんという女性の著書です。「アレクサンダー・テクニーク」という自分の身体を知る方法に沿った本です。これを読むと、自分の骨の構造がよくわかり、演奏中に身体に無理をさせている場面を予測したり、もっともいい状態で演奏するための身体の置き方などを考える手助けになります。なお、アレサンダー・テクニークに興味のある方はこちらをご覧ください。


身体の動きに関しては、オイラなりの持論はたくさんありますが、それは気が向いたときにでも、また書かせていただきます。これにて今月の専門特集、おしまい。

あ、そうそう。ご報告が遅くなりましたがスティックの『ティ』のところ、無事「THI」と入力できるようになりましたよ。ウハハハ!


2001.2.26 オイラ 「エクササイズ指南」

今月は打楽器の基礎として多く用いられているSDを中心としたトークを書いています。

楽器・スティックと来たので次は教則本を1冊紹介させていただきます。

今回一連のトークを書き始めるとオイラ自身の中で、いろんなことがまとまってないことに気付かされることばかりです。書きたいことは山ほどあるのに、筆が進まない。確信を持って書くことが出来ないあかしです。おかげで半月も更新する事が出来ませんでした。スティックは見た目あんなにシンプルなのに、そこに含まれるファクターの深さは、オイラ自身もトークを書いてみるまで気付かないことがたくさんありました。パーツに分ければ重さやバランスやチップ・テーパー形状など、いくつもないのに、それらのファクターが複雑に絡み合い、ひとつのスティックを形作っていることに愕然とさせられるほどでした。国、歴史、イメージしているサウンド、コストなど、創り手の想いをくみ取るための情報がオイラにはまだ足りないことが判明しました。

音楽において「何だか分からないけど、面白い!」という発想はとても重要且つ必要ですが、己の手足となり、ツールでもありパートナーでもある楽器に関しては「なんとなくフィットする」というだけではその楽器を鳴らすには理由が足りない。全てのパーツにはいろんな意味が含まれているから、それを理解しようとする姿勢だけはいつも無くさないようにしなければいけないと痛感している昨今です。

まして自分の身体ということになれば、「どう動いているのかよく分からない」ままに演奏してうまく行くはずがありません。世の中にはそれでも素晴らしい演奏をする人がいますが、彼等はすでに手足の動きでさえ心臓や胃袋のように不随意筋の仲間のように動く。彼等を天才と呼びます。しかし彼等のほうが実は毎日のトレーニングをこなしているのは事実です。そして自分自身の身体について、またはそのコントロールについて知る助けとなるものが教則本です。

教則本を使ったことがない方は、打楽器をやっている人の中にいないと思いますが、教則本にもいろんな目的のものがあります。

・初めてスティックを持つ初心者に手とり足とり本
・テクニックをマスターするための教本
・毎日のエクササイズ用
・曲集(初見トレーニング)
・曲集(音楽性トレーニング)

もちろん1冊で上のいくつかを網羅しているのが普通です。初心者用はよほど本人に合った本でない限り誰かに教わるべきです。ほんのちょっとでも上級者に教わったらあとは独学の方がいい。第一初心者に自分にあった本を見つけだすのは不可能だしね。

これらの内容の本を一通りこなすのは有意義ですが、中から1冊を徹底的にマスターすることもまた重要です。オイラも芸大受験前にはとことんやり尽くした教則本が数冊あります。1冊でも徹底的にやった本があると自身にも繋がりますよ。困ったときに戻れる場所が出来ます。

その中から1冊紹介します。『スティック・コントロール』です。


STICK CONTROL
(George B Stone & Son,Inc 1200円程度)

JPCなどで簡単に入手できます。
オイラも高校生の頃のものは書き込みやらでボロボロになり、表紙も取れちゃったので今は2冊目。


この教本は上記の分類からすると、・テクニックをマスターするための教本・毎日のエクササイズ用にあてはまると思いますが、特に日々のトレーニングにおけるエクササイズ用として、オイラが今でも愛用しているものです。

この本は同じリズムで2〜4小節のパターンがページにぎっしりあり、手順が少しずつ違っているという、何とも単純なものです。シンプル故に飽きない。オイラがやるのはこの本の最初の3ページと、これにフラム(飾り打ち)がついた16ページからの8ページ。合計11ページだけ (^_^;)。

1ページが2段になっていて、それがズラーッと並んでいます。1冊まるごとこんな感じ。


しかしこれがムズか楽しい!ひとつのパターンをくり返し(本には最低20回止まらずにリピートしろと書いてあります)、テンポをあげてもう一度などとやっていると、半ページで1時間かかることもあるくらい深い内容です。だからその日の体調や時間によってフレキシブルに応用できるとも言えます。

これは最初のパターン。左右交互で誰でも出来ちゃう。ここからパラディドルを含む72のエクササイズが始まります。8分音符16個の組み合わせということは16bitといっしょで65,536通りあるんだよね。ホントは (^_^;)。そう考えるとこれでも微々たるものなんだと気付かされます。


毎日のエクササイズとして使用しているので、最初の20分はウォームアップとして使用します。身体の力が抜けるように、なるべくやる気なくおこなうのがオイラ流。手順が難しくなると詰まってスティックが止まってしまいますが、そうすると身体もどこか力み始めるので、そこでその手順をくり返します。力みが消えたら次のパターンへ。このくり返しで身体がほぐれてきます。メトロノームはオイラキライなのでほとんど使いませんが、ホントはあったほうがいいでしょう。

このエクササイズでは左右のサウンドを整えるためによく耳を使うことが重要です。耳を使う=自分の音をよく聞くということですが、これが出来ているひとが非常に少ない。出来てるつもりでも出来ていない場合をよく見かけます。耳が使え出すと自然に身体の力みも消えることになるので、是非試してみて欲しいです。

うまくできないパターンにぶち当たったときは、まずテンポを落としてみる。出来るテンポよりゆっくりの所でしつこいほどくり返し、無意識に出来るほどになったらテンポをあげていきます。しかし無意識に出来るには実は無意識ではいけなくて、右と左がどういうリズムを叩いているか、理解していないといけません。右手だけ・左手だけをくり返し、それを合わせてやってみる。同じリズムで手順が違うだけで、右手左手の演奏するリズムが大きく変わっていることに反応することができないと、いつまでたっても無意識には演奏できません。

大体人間の身体は『右の次は左。その次は右』と動くように出来ているんです。何の気なしに歩いている僕らですが、「今日から右・右・左・右・左・左と歩きなさい」といわれても困るじゃないですか!しかし演奏上はそういう手順が必要な場合がいくらでもあるし、そこから生まれるニュアンスの面白さもかならずあるんですね。そういうことに瞬時に反応(しかも無意識に)出来るトレーニングが、スティックコントロールでは可能です。

教則本をこなすと言うことはいってみればリハビリです。手を中心とした身体のに新しい動きを可能にする筋肉をつけることと、それを制御する脳味噌のシナプスを育てる作業に他なりません。その二つが出来るまでは絶対に無意識にはこなせない。日々の生活になかなか出てこない動きをたもつには、毎日のエクササイズの質が問われます。

他の楽器にはいろんなエクササイズがあり、それを地道にこなすことは常識になっています。パーカッションはそれ以上に身体を使うことが多いのにエクササイズをおこなわないのは理不尽です。しかしパーカッションは楽器やスティックがなくても、教本さえなくてもエクササイズが可能なのも事実。自分自身の全ての感覚を敏感に意識しながら毎日の暮らしを送ることを忘れずにいきたいです。

要するに教本はやった方がいいけど絶対じゃないよ。という訳の分からない結論 (^_^;)。ゴメン。


2001.2.23 オイラ 「スティックオイラの選び方-実践編」

今回は実際に演奏する場面で、手持ちのスティックから何をチョイスすればいいか、そのためのオイラの考えを書きたいと思います。

これらは現在もっとも使用しているスティック達です。主にクラシック用(ドラムやパーカッション・アンサンブルの時にはあまりシビアに選びません)のもので、これらの中から使う楽器や作品に合うものをチョイスしていきます。

あ、その前に先日のページで書き足りなかった木目について、ちょっと書いておこうと思います。

スティック選びではよく木目のことが出てきます。一般的には『まっすぐなものがいい』とされていますが、一概に言い切れないとオイラは感じることがあります。木目がまっすぐな方が反り返りにくいといわれていますが、それも定かではない気がします。注意深く観察すると、スティックごとによい木目というものがあると思います。節があるスティックはやばいですが、ものによっては多少木目が波打っているものの方が使いやすいこともあるし、まっすぐすぎる木目はスティックの寿命が短いことが多いです。だからオイラはあんまり木目にはこだわりません。

木目というのは木の年輪の一部分ですよね?木目1サイクルで1年ということです。1年間で気候の変化が激しい地域の木材は、木目がはっきりしてきます。仮に年中気候が変化しないならば木目がないことになります。

木目が気になる材質は特にヒッコリーですが、最近は木目の幅が広いものが増えました。短期間で成長させている証です。よって木材自体も弱くなっているので、反り返る前にダメになることが多いのも、オイラが木目にそれほど厳しくない理由のひとつです。反り返るのがイヤなら木製のスティックを使うこと自体がナンセンスだと思いませんか?反り返ってきたスティックも手や指で微調整をしてあげればいいわけですから、木目にこだわるよりは質にこだわる方がいいスティックに巡り会えます。

一カ所だけあえて注意するならば、チップ上の木目です。丸いチップにまっすぐな木目が走っていると、使用している間にはがれてしまう場合が多いので、多少斜めだったりゆがんでいるものを選ぶことがあります。また、あまりにまっすぐだと、チップの部分で音色に差が出てしまうことがあります。弾みにも違いが出てきます。

一番左のチップにリング状の木目がありますよね?あそこが剥がれてきてしまいます。剥がれても使っていると、最後には一番右のようになります。こんなになっても彼はときどき使われてしまう。

スティックをチョイスする場合の要素は多くありますが、その中からいくつか紹介します。

1.チップ
バチ先の玉状の部分です。無理矢理分けると、丸形・四角形・三角形かな?その中間みたいなものもたくさんありますが、大体この3つに分類できます。あんまり分類しても意味はないけれどね (^_^;)。

左は三角チップの仲間かな?これらは材質も形状も全然違うので、三角の仲間といっしょくたにすることはナンセンスだけどね。まぁ見た目の話です。

チップは直接ヘッドに接触する部分ですので、発音に大きな影響を持っている部分です。チップが小さいほどヘッドとの接触面積が小さくなります。また丸形より三角形の方が接触面が直線的になります。三角や四角のチップはスティックがヘッドに当たる角度によってその面積や接触面の形状が変化することも覚えておいた方がいいでしょう。その上で楽器も鳴るし曲相に最も合った音色が得られるものをチョイスします。

2.バランス&長さ
持って構えたときに、どう感じるかということです。バランスとは重心の位置と言い換えてもいいかも知れません。持ったときにバランスが前(チップ、バチ先)にあればスティックの重さを利用した演奏をすることになります。これはトンカチといっしょですね。トンカチの重さを利用して叩く感じです。逆に手元にあれば手首でのコントロールを必要とします。トンカチを逆に持てば、手元が支点となりバチ先は手首でコントロールするのが妥当になりますよね。場合によっては自分でスティックをカットして、理想のバランスにすることもあります。

カットしたスティックと元のスティックです。型番『7A』の位置が違いますよね。
両方とも使用していますが、使用する場面は全く変わります。
カットすることでバランスが前に移動し、粒立ちのよいサウンドが得られるようになりました。そのかわりコントロールが非常に難しくもなりました。


全体図です。長さにして約2cmほどカットしました。


長さについても重要です。菜箸(さいばし)で味噌汁飲むのはいやでしょ?長いとコントロールするのにパワーも神経も無駄に必要になります。トップギア見たいな負荷がかかりますから。スティックはどうしてもドラムセット向けに製造されていることが多いので、オイラには長すぎることが多いです。長すぎると表現の幅が狭くなったり、音色のピントが甘くなりがちです。逆に短かすぎると音楽の重さや流れを捉えにくくなります。細かいパッセージには向いていますが、楽器やホール全体を鳴らすにはパワーが足りないかも知れません。

長いスティックを短く持つというのは、あまりいいことではありません。持つところを支点としてスティックがシーソーのようなバランスになると、非常に中途半端な音色になってしまいます。バランスが前にあるスティックの時には持つところを変化させることで、大きな音色変化が望めます。これは是非試してみてください。

3.テーパー
Taperと書きます。「次第に細くなる」と言う意味で、日本語では「肩」と呼ばれる部分です。今回のこの一連のトークでは、この項目が目玉ですよ!テーパーについてはほとんどの人が多くを語っていません。わかりにくい部分でもあるのは事実ですが。
スティックをお持ちの方は確認してみてください。スティックをつまんで、バチ先に向かってテーパーの掛かり具合を感じてみると、丸みがあるものや直線的なものなどがあることに気付きます。また、テーパーがかかり始める場所もスティックによって千差万別なことも分かるかな?

スティックによってテーパーに違いがあることが分かります。左のスティックは標準的なものでなだらかなテーパー。

右のスティックはテーパーが2種類かかっているのでクセのあるものに仕上がっていますが、オイラの好きなスティックです。コルベルグのZ1Z。


テーパーのかかり具合はチップ形状以上にスティックの命ではないかと、オイラ思っています。ティンバレスや和太鼓のバチはテーパーがありません。テーパーを持つバチの方が世界中のバチの中では異例でしょう。テーパーはロールという奏法があるSDだからこその加工だとおもいますが、そこから派生した音色創りにも多大な影響を与えています。

基本的にテーパーは先に行くに従って細くなります(トム・ゴーガーのBDビーターやティンパニマレットには最後に膨らんだテーパーを持つものもあります。)。細くなっていって、その延長線が交差する部分が僕らがイメージするバチ先です。だから、その交差する部分にチップがあるスティックは、素直なバチと言うことになります。わかるかな?

(A)は素直で自然なテーパーです。テーパーが細くなっていったポイントにチップがある状態。(B)はチップが手前にあるため、演奏してみると短く感じます。(C)は上で紹介したコルベルグのテーパーをイメージ化したものです。テーパーの角度が途中で変化することで、ヒットポイントをコントロールしています。


閑話休題。
ちなみにスティックは左右同時にダメになることよりも、片方が折れたりチップが割れたりすることの方が多いですよね?このときまだ使える方を『未亡人』とオイラは呼んでいます (^_^;)。彼等(あ、彼女らか)は通称「ねるとんケース」に身をおきながら、新たに相性の合う未亡人がいらっしゃるまでお休みします。未亡人同志のスティックは使いこなれたものなので、多少違いがあっても新しいものより格段に使いやすいことが多いです。

話戻しますよ。テーパーの延長線上よりも手前にチップがある場合、短く感じることになります。ヘッドと当たる瞬間が、自分のイメージよりも一瞬遅くなる感じかな?うまく言えませんが演奏に「タメ」を作りやすくしてくれる感じですね。

テーパーの延長線上よりも先にチップがある場合(こういうスティックは実は皆無です)はイメージしているヒットポイントよりも先にヘッドに当たることになるので、タイミングはシャープになるでしょう。しかし楽器を鳴らすとか、コントロールするという大前提がうまくいかなくなるでしょう。


これは全部コルベルグのZ1Zです。それぞれ重さと材質の違いで6セット。見分けをつけるために印を付けました。前述しましたがコルベルグはクセのあるスティックです。使いこなせないとヘッドをへこませたり本皮を破いてしまう危険性の高いスティックです。初心者の方にはおすすめしませんが、オイラはこのスティックと自分のSDからたくさんのことを勉強させてもらいました。

なかなかうまくできなくて困っているときに、スティックを替えてみるとピンとひらめいて出来るようになる。オイラは今までにそういう経験をいくつもしてきました。「スティックが教えてくれる」自分勝手にただ一生懸命に叩きまくっていても説得力のない演奏になってしまいがちです。スティックのことを考えるということは、道具を操る意識ではなく、自分とスティックの本来の力を導き出しあえる相棒を想うことだと思います。


2001.2.20 オイラ 「スティックオイラの選び方」

今回はスティックについて書きたいと思います。皆さんのご参考になりますかどうか?

しかしその前に先日発見してしまいました!今までオイラは『ティンパニ』とか『スティック』とか『パーティー』の『ティ』のところを、ローマ字入力で T-E,L-I と、テを入力してからその後に小さい、ィの字をいれ続けていました。THI で入るのに気付いたのは去年の29日頃。6年近くパソコン使っていて初めて気付くこの裏ワザ(ぢゃないよな (^_^;))に、感動するも、「スティック・スティック・スティッ・・・・」と練習してみても THI とは指が動かないことが判明。今回のトークは、スティックと出てくる度に指が一瞬つまりながらのトークであることをここに暴露しておきます。またこのトークが終わる頃には THI と入力できるようになっているのがひとつの目標でもあります (^_^;)。 でわ本題。

スティックとは打楽器の世界では主にスネアドラム用のバチをさします。一般的にスティックとは『棒』のことですから、お箸もスティックになります。ちなみにマリンバのバチは「マレット」、トライアングルのバチは「ビーター」といいます。ナゼユエ呼び方が違うのか、オイラも良く分かっていません (^_^;)。スティックは木でできた棒状のもので、マレットはバチ先に玉がついているもの、ビーターは1本、すなわち片手で演奏する(ことが多い)場合に使用する言葉という分類は、あながち間違っていないと思いますが。もしかしたらその楽器発祥の国、あるいは発展した国の呼び方が関係しているかも知れません。 全部日本語だとバチなのにね。

中学に入学し、吹奏楽部に入って最初に自分のお小遣いで買ったのはスティックでした。近くのレコード屋さんでビニールに包まれているのを買いました。あの感動は今でも忘れないほどの出来事でした。初めてクラスの友達が持っていない専門的な道具を、自分のお金で買った経験。嬉しさと愛着が入り交じったそのスティックは、3日後には折れてしまいましたけど (:_;)。それでもあの日からオイラはどれだけのスティックを使ってきたのかと思うと、彼等への感謝も生まれてくるというものです。

スティックの選び方については、人それぞれ多くのノウハウを持ち合わせていると思います。アマチュアの皆さんは「何を買ったらいいのか?」迷っている人もたくさんいらっしゃるでしょう。FPSThe Room Cactusのページでも紹介されていますが、ここではオイラの持っているスティックをいくつか紹介させていただきながら、何かの参考になればと思っております。

楽器屋さんでスティックを選ぶ際に、オイラがおこなっていることを書いておきます。

1.ズラっとならんでいるスティックから、好みのものを選び出す。
このときには、「こういうサウンドが得られるスティック」と目的のある場合と、「一目惚れさせてくれよ」とニュートラルな気分で探す場合があります。好きな女性に「付き合ってください!」と言いに行くのか、可愛い娘を探してナンパするくらいの違いかな?まぁスティックの場合お金を出せば必ず手に入るところが全然違うけどね (^_^;)。また、売れているスティックは在庫も豊富だし、新鮮なスティックのことが多いので、選びやすいです。いかにも売れていないスティックがオイラを呼んでいることもよくあるけどね。

2.見た目で木の善し悪しを見る
大量生産されているスティックなので、見るからに木が悪いものが多数存在します。これらをはねておきます。それにしても15年以上前のスティックは良質なものが多かったなぁ(これはマリンバの鍵盤やテンプルブロック・ウッドブロックなどにも言えることです。)。以前は木材の良質な部分のみを使用して作られていましたが、木材の不足や早期育成・伐採などで確実に質は落ちています。

3.反りのないものを選び出す。
平らなテーブルや床の上で転がしてみます。バチ先が揺れるものをはねていきます。このときに、転がるサウンドも注意して聴いていると楽しいよ!反っているスティックが続くと転がるサウンドがうねって気持ちよくなってたりして (^_^;)。1.で触れましたが売れていないスティックは当然反り返っているものが多く、質の悪いものが多いです。質のいいものは買われた後ですから。しかしその中で、もしまっすぐなものが見つかったら、それは永くオイラに尽くしてくれるスティックかも知れません。

4.重さ別に仕分けしていく
必ずはかりのあるお店で購入しますが、この時点で、同じ重さのスティックがないものもはねます。たまに「なんでェェェェ!」とシャウトしてしまうほど極端に重いものがあります。これが駄菓子屋なら大当たりだな。

5.同じ重さの中で、鳴り(音程)が同じものを選び出す。
スティックの鳴りを見る理由は、重さが同じでさらに音程まで同じならばほぼ同一の質感を持ったスティックと判断できるためと、演奏中の左右のムラをなくすためです。ピアノでのロールや、シンバルロールの時にスティックの鳴りが違うと、温泉街のゲタみたいに聴こえてしまいます。また、どんなに同じ鳴りのスティックを揃えても、全く同じように聴こえることはありえないので、両手の違いを見るトレーニングにもなりますね。


写真のように、頭を叩く方法がベストだと思いますよ。スティック同志を叩くのが一般的ですが、これだとどうしても両方の鳴りが聴こえたり、叩く部分で鳴りが変わってしまいます。楽器屋さんでスティック同志をぶつけるのは店員さんも気分を悪くするし、頭を叩くと多少まわりがうるさくても関係ありません。また、なるべく音程の高いものをチョイスするべきです。音程が低いと言うことはそれだけ木の密度が薄いことになります。注意点は頭の一カ所を叩き続けると痛くてサウンドどころではなくなること。後頭部周辺をまんべんなく叩くことで、血行促進効果をもたらし気持ちよさと育毛に効果が望めます。

6.一服して、直感を待つ。
ハハハ。ここが大事(笑)。
スティック選びは神経を使います。ナンパも長時間に渡ると美的センスも狂ってくるというものですわい。ここまできたら休憩して財布にいくらあるか確認したり、今持っているスティックを思い出したりしないと、あとで悲惨な現実に直面しなければいけなくなります。
上のオーディションをしても多数残っている場合は、木目や色合い(左右で色合いが極端に違うと言うことはこの先の経年変化が替わってくる可能性が高い)のほかに、「こいつとうまくやっていけるか?」なんてものすごくB型なイメージがオイラを支配しているのです。

以上の作業でスティックを揃えます。時間は30分で終わることもあれば2時間以上かかることもあります。いずれにしろオイラにとってスティックは道具以上で、ほとんど身体の一部のようなものなので、ワクワクして使えるか?あるいはどこまで無意識に使えるか?そういう気持ちを大事にしています。初めて買ったスティックの感激をまた味わいたい、その気持ちがオイラのスティック選びの根底にあるようです。



2001.2.18 オイラ 「スネアドラム」

長い間更新を怠り、申し訳ありませんでした。久しぶりの更新になりますが、今後ともよろしくお願い申し上げます。

今日はオイラの相棒である楽器の中から、SDを紹介します。このSDには、楽器との付き合い方の多くを教えられました。

SD(Snare Drum)は小太鼓のことです。裏の皮に響き線(スネア)がついていることからスネア・ドラムと言われます。つまりエフェクトドラムの一種です。 SDといえばやはり行進曲、マーチです。野外で行進する軍隊にリズムを届かせるために先人が工夫したんだと思います。だから多くの作品で「戦争」を表す場面になるとSDが活躍することが多いんですね。

これがオイラのスネア。プレミアのブラス胴です。


エフェクトドラムとは、あるサウンドを加工したという意味です。その昔は音をマイクで拾ってリバーブをかけるとか、ディストーションで歪ませるなんてことはできませんから、楽器達はいろんな工夫によりサウンドを獲得していきました。皮をはっただけのタイコにスネアをつけることで歯切れよくさせていることがエフェクトですね。スネアをつけたことで野外での更新の時でもリズムが聞き取りやすい楽器になりました。タンバリンはエフェクトドラムのもうひとりの代表選手です。ほかにもマリンバの前身であるバラフォンやシズルシンバル、またティンパニの上にリン(仏壇の『チ〜ン』の鐘)乗せたりすることなどありますが、どれもピュアな楽器のサウンドを加工しているものです。

この楽器は中学生の時にあるプロの演奏を聴いて「こんな音がするスネアがあるんだ!」と衝撃を食らったメーカーのもので(それは有名なイギリスのメーカー「プレミア」だったんですが)、それが欲しくて欲しくて高校の時にやっと手に入れました。

日本製の楽器ではまずあり得ないことですが、この楽器、いい値段したにも関わらず楽器がやや楕円形で、リム(枠)を外すともうはまらなくなるようなシロモノで、随分と苦労しました。リムを平らな床に置いてみるとゆがんだ机のように『ガタガタ』。力尽くでなおそうをすると一層ひねりが加えられどんどん有機的に変化してしまう (:_;)。結局多くの部品を取り替え、いろんなチューニングを試すことでオイラはこの楽器の良さを少しずつ知ることが出来たんです。そう、この楽器からオイラは多くのことを教えてもらいました。

今この楽器はオーケストラ用にチューニングされています。具体的に言うとヘッドは表裏牛皮で、スネアはワイヤーが張ってあります。本皮ヘッドは一般的なプラスティックヘッドに比べ難しい点がたくさんありますがもっとも難しいのは楽器を鳴らすことで、ヘラヘラした叩き方では全然応えてくれません。練習台でいつも練習しているだけでは絶対に身に付かない「楽器を慣らすためのトレーニング」は打楽器を志す人皆さんに体験して欲しい練習です。一旦鳴り出すとプラスティックヘッドでは得られない豊かなサウンドをもたらしてくれます。それだけでなくこれが身に付くとどんな楽器(スネア)でも自分のだしたい音に近づいてくれます。

ヘッドに色ムラあるのが分かるかな?やや黒っぽく見えるところは皮が多少薄くなっているところです。普通骨盤の当たりが薄くなります。湿気の多いときにチューニングすると、リムがヘッドより落ちてしまう(コンガやティンパニのように)こともあります。

裏(ボトム)ヘッドです。これはソナーというメーカーから出ているスキンヘッドです。多少コーティングされているため、表よりはチューニングがしやすいです。

これは響き線のアップです。グローバーというメーカーのワイヤーです。このワイヤーいいところは柔軟性があるのに歯切れがいいので、楽器の鳴りを消さずに響き線が反応してくれるところです。でもちょっと柔らかいので、そろそろ違うものに変更しようと考えている最中です。

ロールをしているときにスネアが持つ響きの根音がまるで、合唱のバリトンのように鳴り響くには、楽器が最高の状態にあるだけでなく、プレイヤーに目指すサウンドのイメージと技術が必要です。

そして何よりも大事なのは楽器にとっていいパートナーであること。楽器が無償で奉仕してくれるところまで楽器に無償の愛を注ぐことがサウンドに命を吹き込むことになると思います。管楽器や弦楽器の人たちがごく普通にやっていることを、パーカッションでもごく普通におこなうだけです。

楽器のことを考えることは口でいうよりずっと難しいけれど、応えてくれたときの喜びはひとしおですよ!決して磨いたり、清潔にするだけが楽器の望むことではありません。楽器だって鳴りたくて仕方ないんだからね。

木造住宅は、住むほどに住人の影響を受け、なじんできます。魚を焼いた煙が木の小さな穴を埋め断熱効果を発揮したり、夏場は湿気を吸収し冬場は吐き出す。時が経つほどに柱同志はなじみ、強固でしかもしなやかに住人を包む。本皮と楽器も張り立ての時はなじむまで長い気持ちで見守らなければなりません。決してチューニングをぐちゃぐちゃいじってはいけない。その環境の湿度の中で叩き込んでいく。パートナーとの信頼関係を積み重ねるにはお互いを思いやり、感じ合う力が不可欠です。

オイラを理解してくれたこの楽器、オイラに楽器の鳴らし方を教えてくれたこの楽器。尊敬に値するパートナーです。それでも未だにコントロールしきれない (:_;)。オイラにはまだまだ足りないものがあるようです。


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