top |Schedule | Profile | Listening room | Talk | Repertory | Report Guide | Communication| Links
2002年5月のトークページです。
1999年 4月/5月/6月/7月/8月/9月/10月/11月/12月
2000年 1月/2月/3月/4月/5月/6月/7月/8月/9月/10月/11月/12月
2001年 1月/2月/3月/4月/5月/6月/7月/8月/9月/10月/11月/12月
2002年 1月/2月/3月/4月/5月/6月/7月/8月/9月/10月/11月/12月
最新のトークはこちら。
5/11 オイラ 「むっちゃんコンサート、まずは....」 5/23 オイラ 「そしてむっちゃんコンサート!」
2002.5.23 オイラ 「そしてむっちゃんコンサート!」
先日のお詫び文掲載から随分と日が経ってしまいました。
その後オイラの所に当日入場できなかった方からの連絡は入りませんでした。少しホッとしたような気持ちです。
今回のむっちゃんコンサート、オイラはステマネを担当させていただきました。『ステマネ』とは、ステージ・マネージャの事で、ステージ上の流れを統括する係です。舞台監督とも同義ですね。当日のステージ上ではプレイヤーよりも権限を持つ立場に立つことになりました。
今回オイラは軽い気持ちでむっちゃんに電話をしました。
「リサイタル楽しみにしていますよ!もし何かお手伝いすることあるようでしたら、何なりとおっしゃってくださいね!」
電話をした次の日に「じゃ、お言葉に甘えて舞台監督お願〜い!」
むっちゃんというプレイヤーがどのようにコンサート当日を迎えるのか、どんなモチベーションをステージ裏で見せてくれるのか、オイラならずとも興味のある方はたくさんいらっしゃるでしょうから、この申し入れは嬉しいに決まっているんですが、やはり重責を感じる毎日でした。何と言っても石の楽器である『サヌカイト』にオイラは直接触れた経験がなかったもので、しかもコンサートの中では最も重要な位置を占めているこの楽器の知識がないということが、ずっとプレッシャーとなっていました。
サヌカイト(に付随する音響装置も含む)、共演者の皆さん、楽器のセッティング転換に照明と、プレイヤーだけでなく周りのスタッフとの信頼関係を築くことがこの仕事の大きな鍵を握るので、とにかくなるべくむっちゃんのリハーサルに足を運び、オイラの頭の中にステージがイメージできるようになることで、自分の不安をひとつずつ消していく作業をしました。
結果、多くのスタッフのお力を借りながら、なんとか滞り無くステージを終えることが出来ました。オイラの力が役に立ったのかどうか分からないんですが、舞台裏から感じとれた客席の皆さんの集中力や空気感は、むっちゃんの演奏とともに高揚していきました。スタッフとして最高に嬉しい瞬間でした。
今回むっちゃんから教わったことのひとつが「楽器に対する接し方」でした。自分が身を委ねる、自分の代わりにメッセージを具現化してくれる楽器に対する思いとこだわりは、非常にシンプルで逆に強烈に新鮮にも感じました。
今回のステージではこのマリンバと奥にあるサヌカイトが重要な楽器でした。 むっちゃんの使用するマリンバは、うんざりと同じ日本が世界に誇るこおろぎ社のものです。マリンバの音色を決定づけるのはまさに鍵盤の質によるんですが、むっちゃんはこの一台の鍵盤を3年かけて選び出し、しかもこのマリンバで、この作品というコンセプトでマレットも全て作っていました。このマリンバはどの音域も肉厚で柔らかい音色をもっていて、客席に伝わるときにはホール全体を響かせる強い力を持っていました。
吊るされたサヌカイト(これは『そう』と呼ばれていました)は2オクターヴの音域を持っています。左下に見えるシロフォン(木琴)の様な物もサヌカイトですが、『石琴』といいます。 サヌカイトは石にスリットを入れただけのものから、そこにトリガーをつけ、電気的に音を増幅するものや、吊るされた『そう』、シロフォンのような『石琴』など、たくさんでした。
中でも吊るされた『そう』はその演奏姿勢から音が客席に放射状に伸びていくような清らかさを感じました。共鳴体を持たないために音量は弱いんだけど、どんなに小さい音でも空間をまっすぐに飛んで客席に届いてくるような、透明感と光を感じさせてくれる楽器です。 今回のコンサート、プレイヤー・楽器・共演者、そして三善晃さんの作品と、どこを取ってもクォリティの高いコンサートでした。むっちゃんは楽器を愛し、三善作品を愛し、また三善さん(当日リハ・本番ともいらっしゃってました)もむっちゃんに全幅の信頼を傾け、共演者はむっちゃんを慕って集まりなし得ることが出来た、貴重な時間だったと思います。
本番ギリギリまでステージ脇で演奏に没頭する姿は、そこに集まったスタッフ全員に改めて「いいコンサートにしよう!」との決意をもたらしてくれました。 音楽が人にもたらすもの、それは人と人が繋がっているということなのかも知れないとつくずく感じます。むっちゃんという1人の人間が放つ音楽は、そこにいる全ての人を思いやり、そこからまた新しい実をつけるような優しくて、ゆっくりだけど確実に流れて行く生命力に他なりません。
コンサート後のレセプションでむっちゃんが言った一言がオイラに勇気を与え続けてくれています。
「生きていることが素晴らしいと、呼吸していることだけで幸せと感じられる、そんな演奏をしていきたい。」
素敵な時間に携わることが出来ました。むっちゃんありがとうございました!
2002.5.11 オイラ 「むっちゃんコンサート、まずは....」
何だか肌寒い毎日が続きます。衣替えしちゃった方々もいらっしゃるに違いないのに、急いでトレーナーなんぞ引っぱり出してきて着込んでしまいたくなるような毎日です。
先月のトークでご紹介しました、『藤井むつ子 マリンバ・サヌカイトコンサート』は大盛況の内に幕をおろしました。本日はオイラの行動を中心にレポートさせていただきます。
・・といきたいところですが、今日はまずお詫びから。
当日は大変な入場者数で、開場前から長蛇の列ができるという、マリンバのみならずリサイタル・現代音楽コンサートとしては想像を絶するお客様に足を運んでくださいました。そして非常に残念なことに、会場に足を踏み入れることなくお帰り頂いたお客様が相当数いらしたそうで、深くお詫び申し上げます。
当日券はとうとう1枚もでなかったようです(詳細はわからないけど、出たとしても10枚以下です)。開場前から受付に並ばれた方の多くは当日券をお求めになろうと、1時間近くも並んだ挙げ句に門前払い。東京文化会館の小ホール受付は長いスロープの果てにあるので、当然皆さん上り坂の途中でずぅーっと待たせた挙げ句にお帰り願ったと、コンサート後に聞きました。
さらには前売券・チケット予約をなさったかたも、開演直前におこしいただいた方は席がなかったり、前半ロビーでモニタ観賞となったそうです。本当に申し訳ありませんでした。
チケットや受付に関しては、音楽事務所がなさっていたようで、オイラがここで謝罪するのもおかしな話ですが、先月のトークをお読みいただき、お越しくださった方がいらっしゃったとしたら、こんなに悔しいことはありませんので、でしゃばりますが謝らせていただきます。ごめんなさい。
当日券やキャンセルチケットを求めて入場できなかったことは、仕方ないことかも知れません。しかし一旦チケットをお買い求め頂いた方が、コンサートを全部気持ちよくお聞きいただけなかったとしたら、これは演奏家・主催者として決して招いてはならない状況です。
もし、このページをお読みくださった方で、チケットを前売ないし予約したのに会場にはいれなかった方、いらっしゃいましたら是非御連絡ください。御連絡いただいたからと言って何も出来ないかも知れませんが、主催事務所にお伝えいたします。また、オイラから心よりお詫び申し上げます。
今回のようなマリンバ、パーカッションのソロコンサートや、現代音楽のコンサートはチケットをタダでばらまいたとしても客席が埋まることがないほどに厳しい現実があります。今回お客様で会場もロビーも溢れかえるなんて、誰も予想していなかったかも知れません。むつ子さんの音楽を待ちこがれていた人がこんなにたくさんいるなんて!!
藤井むつ子さんというプレイヤーの偉大さと、コンサートを開くことに対する辛辣な姿勢を持たなければいけないことを、オイラ自身勉強させていただいた出来事でした。
今回オイラは『ステージ・マネージャ(ステマネ)』として、リハ3日間と本番をむつ子さんのそばでお手伝いさせていただきました。次回は「オイラの感じたむっちゃんコンサート」、レポート形式でお送りする予定です。top |Schedule | Profile | Listening room | Talk | Repertory | Report Guide | Communication| Links