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3日前にナイロビに帰ってきました。
2週間の留守中にカテンベがとてもしっかりした足取りになっていて、びっくりしました。目を疑うほどです。体重も順調に増えていて、どんどん元気になって いっていることを自分でも実感できることがとても嬉しいようです。動きたくてたまらないけれど、疲れたら休むということを自分で気をつけています。
手術後1ヶ月がたちましたが、まだまだ安心はできないものの、そろそろ次の目標を・・・ということで、今日はカテンベと一緒に候補の学校のひとつを見学してきました。カテンベは大喜びのおおはしゃぎ。車の中でもずっと鼻歌を歌い続け、弾丸毒舌トークが止まりません。
学校内を見て回るときも、興味深そうにあっちキョロキョロ、こっちキョロキョロ。何度も「疲れた?大丈夫?」と聞いたけれど、そのたびに、「大丈夫!」と 言い、もっと見たそうにしていました。ところが、しばらくの間とても元気に(ゆっくりとだけどしっかりした足取りで)歩いていたのだけれど、ふっと突然、 ぐったりとした様子になり、すぐに足に力が入らないようになっていることに気付きました。本当に突然の変わりようで、私も慌てました。すぐに車に戻り、横 にして休ませ、水を飲ませて一息ついたら、またかわいい毒舌トークがはじまったのでほっと胸をなでおろしました。
それにしても、突然様子が変化したことに、私は冷や汗が出るほど焦りました。元気なように見えても、まだまだなんだということを思い知らされました。長年 病気に蝕まれた体なのだから、簡単ではないのは当たり前なのだけど、イキイキと輝く表情を見ていると、「もうすぐすべて普通の子供たちのようにできるよう になるんだ!」と錯覚してしまいそうになります。急にぐったりとしたとき、さっきまで何ということもなかった小さな段差でさえ、やっと越える、というかん じになり、足が一歩一歩どんどん重くなって、体の向きを変えるのも思うように体が動かない、鉛のように重くて硬い体になってしまいました。すぐそこに止 まっている車までの距離が、ものすごく遠くに感じました。私の体まで急に重たくなってしまったように感じました。足におもりがついているようでした。
体が自由に動かない、ということが、どれほどつらいことか、思い知りました。カテンベの様子が急に変わった瞬間に、周囲の景色も急に違って見えました。 さっきまで「広々として気持ちのいい庭」に見えていた景色だったのに、急に、遠さが苦痛になりました。ふだん何気なく踏み越えている段差も、急に、大きな 障害物に見えます。
学校に復帰するということも、普通の生活をはじめるということも、カテンベにとっては簡単ではなく、ひとつひとつが大きなチャレンジになるのだということをひしひしと実感しました。今後の学校選びや生活の場の設定は簡単ではなさそうです。
それでも今は、楽しい今の時間をゆっくりと大切にしていっぱい笑っていてもらいたいなと思いました。
車に戻ってしばらくして、また元気にしゃべりはじめたカテンベが、「あの先生が僕を見て、かわいそうな子だと言ったんだ」と言いました。
「僕は何も言わなかったけどね。かわいそうな子じゃないんだけどな。まぁでも言ってもしょうがないから、黙ってたんだ」
と言って、カテンベは笑いました。
現在カテンベと、カテンベの腎臓仲間?のジェニア親子、クレアちゃんが暮らすナイロビ病院のホステルは、ある意味、一般の世間からは隔絶されたような空間 だけれども、ここにいれば安心で、ゆったりした暖かい空気に包まれているようなところです。いずれはここから離れて生きていかねばならず、手術を終えた ジェニアちゃんやカテンベには、そのときは目前にあります。もうすぐルワンダに帰るジェニアちゃんにも、より良い状況がありますようにと祈らずにはいられ ません。
今日はクレアの誕生日でした。夕方にみんなで集まり、ささやかながらクレアの21歳のバースディを祝いました。ケーキと、少しのお菓子と、小さなプレゼン トと、みんなで書いたメッセージを前にして、みんなで歌って、手を叩いて、笑って、とても楽しいひとときでした。ひとつひとつに目を輝かせるクレアと、み んなの笑い声に、幸せってこんな時間の中にあるんだなぁと思いました。
クレアは腎臓提供者である妹の到着を待っているところです。どうかクレアの手術もうまくいきますように。
雨のナイロビより。早川千晶
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