ケニア大統領選挙1
2007/12/30
皆さん、こんにちは。CNNのニュースでもケニアの選挙のことが流れていて、ご心配くださっている方々からいくつもメールやお電話が届きました。
キベラのみんなは大丈夫ですか、とご心配いただいてありがとうございます。
ちょっと現在の状況をお知らせしますね。
12月27日朝から平和に投票が行われたのですが、その日からすぐに開票がはじまり、12月30日のナイロビ時間のお昼の現在でもまだ大統領選の結果が発表されていず、昨日の午前中からケニア全土で荒れ模様になっています。
開票がはじまってから直後は、ルオのライラ・オディンガ氏が優勢だったのですが、その後、現大統領のキクユのキバキ氏の票がどんどんあがっていき、昨日の午後の時点でその差はわずか約38000票となり、まだ発表されていないいくつかの選挙区での結果の発表を保留にした常態で国民が待たされている状態になっています。
昨日の時点で、キスムの市内で暴動が起きて火の手があがり、いくつもの店が略奪にあい、厳戒態勢になりました。
それから、エルドレット、ケリチョーなどの地方の町、それとキベラやマザレなどのナイロビのスラムも荒れ模様になりました。
ナイロビも市内にすごい数の警察が出ています。
私も昨日、外出先で暴徒が暴れはじめ、全員が棒を手にした群集が候補者の看板を叩き割っているところに遭遇しました。一瞬にして爆発というかんじで異様な雰囲気でした。
キベラでは、昨日の朝から騒ぎがはじまり、マゴソでは長屋の中にリリアンたちみんなが立てこもって、トイレに行くために外に出ることもできません。不安な夜を過ごしましたが、とりあえず全員無事ですので安心してください。
騒ぎになっている理由は、発表されている開票結果が怪しいということで不正があったという訴えと、結果が出るのが遅いということで不満が爆発していることです。
ケニアの大多数の国民は、平和を愛する穏やかな国民ですから、早く結果が出て平和にとり納められて欲しいと願っています。
ですがやはり、そもそもはあまりにも拡大している貧富の格差の中で、鬱屈している貧困層にとっては一発触発の飛び火で一気に騒ぎが燃え上がるという危険性が根底にあるのだと思います。昨日、私が遭遇した暴徒たちも、その多くは鬱屈したスラムの青年たちのようで、叫んだり棒を振り回したりしている形相が、普段の穏やかなケニアの人々の顔ではなくてとても恐ろしい形相になっていて、とても怖かったです。集団真理というのは本当に怖いものです。騒ぎがはじまったらそれに便乗して次から次に暴れはじめ、暴れているうちにどんどん興奮が増してわけがわからなくなっていくというかんじです。
ニュースではそこまで報道されていませんが、実際にはキベラでは昨日の午前中から一般住民による殺戮がはじまっていて、パンガ(手斧)で他民族同士で殺し合うということが起こっていて、私たちのマゴソスクールの近所の人も殺されてしまいました。
以前、2001年にキベラで大暴動があったときも、実際にはニュースで報道されたよりももっと多くの殺戮が行われ、マゴソの近所の私たちの友人たちも何人かが被害に合い、パンガで首が飛ばされるところを目撃した子どもたちはその後もしばらくその光景のトラウマに苦しまされました。
この一般住民たちは、普段はすごく微妙な危ういバランスの中で何とか平静心を保ってがんばって生活している人々ですが、その危うさというのはこうやって何か正常ではないことが起きるときに思い知らされます。
今朝の記者会見では、ライラ氏がみずから、これは不正があったとしか思えないので数えなおしを求めるという発言をしたり、キバキ氏はすでに負けが明らかなのだから負けを認めてさっさとこの状況をとりおさめるべきだというような発言をしていましたが、こういう発言が彼のサポーターたちの心理をあおることになってしまうんではないでしょうか?
国民は微妙な心理状況にいるのですから、リーダー自らがこうして火に油を注ぐような発言をしないでもらいたいと思うのですが。
いずれにしても、誰が当選したとしても、当選がゴールなのではなくてそこから先の長い道のりに平和な国づくりへの大仕事があるわけなので、こうしてかろうじて平和な国であり続けたケニアという国を一瞬にして火の海に巻き込まないでいて欲しいと思います。
各方面から、ケニア国民に対しては、冷静であるように、忍耐強く静かに結果を待つようにという呼びかけがさかんにされています。
ケニア人は、忍耐強く、平和を愛する国民だということを、ケニア人はみんな誇りに思っています。ほんとに、これだけ腹立たしいことが山のようにある世の中で、ケニアの人々はよくもまぁ辛抱してがんばってきたと思うのですよ。
この誇りを大切にしようという気持ちが、今の多くのケニア人を支えていると思うので、どうかこの選挙も無事乗り切ることができますように。ほんとに祈りながら結果を待っているところです。
今か今かという待ちの時間ですが、どうか皆さんも祈っていてください。
ご心配メールやお電話をくださった皆さん、ほんとにありがとうございます。また報告しますね。
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