現職議員、大学院で学ぶ 
政策立案の力つけたい

2006年09月02日21時53分

 「政策立案の力を付けたい」「色々な立場の人と交流したい」。自治体の議員を中心に、在職中に大学院で勉強する人が現れ始めた。勉強する議員たちは、議会を変えるのか。
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立教大大学院の講義で発言する佐藤浩子・中野区議(中央)。左は斎藤直子・埼玉県戸田市議

 「昨年の総選挙での自民党の勝利は、テレビ報道によって演出された」

 20代の学生の中で、東京都中野区議の佐藤浩子さん(54)が研究成果を発表した。向かいの席では、埼玉県戸田市議の斎藤直子さん(45)が、真剣な表情でメモを取っていた。

 2人が学ぶのは、東京・池袋の立教大大学院21世紀社会デザイン研究科。無所属で現在4期目の佐藤さんは、障害者など福祉施策の充実を訴えてきた。「要望したり人数の力で政策を実現させたりするのでなく、きちんと政策を提案する必要を感じた」と、大学院での勉強を志した。

 斎藤さんは今年4月に入学。無所属で現在2期目。フリーのリポーターから転身し連続でトップ当選したとき、「こんなに支持されているのに、何も実績がない」と不安にかられた。ホームページで偶然に同研究科を見つけて受験した。

 ほかの主な大学院だけ見ても、明治大大学院ガバナンス研究科で15人、同志社大大学院総合政策科学研究科で4人、大阪市立大大学院創造都市研究科で2人の現職地方議員が学ぶ。

 公共政策や社会デザインなどをテーマとする大学院が最近次々と生まれた。少子化で社会人学生の獲得をめざす大学側も、通常2年の修士課程を1年に短縮し、夜間や週末に授業をするなどの取り組みを始めたことも追い風になっている。

 佐藤さんが大学に通うのは平日の夜と土曜日。集会などへの参加を減らしたため、「地域で顔を見なくなった」と言われることもある。それでも「私の勉強が区の役に立つことが見えてくれば」と話す。

 講義で他の自治体の進んだ施策などを学ぶと、一般質問に盛り込んだり、区の職員に情報を伝えたりして役立ててきた。現在修士2年。「自治体における障害者の福祉政策」をテーマに修士論文の準備中だ。

 早稲田大大学院公共経営研究科では、「非常に著名」(同大広報課)な女性国会議員と、4人の地方議員が学ぶ。その一人、昨年7月に初当選した山口拓都議(34)=民主党=は、少子化問題などを勉強する。「今の行政を『変えたい』という考えは同じでも、議員、公務員、会社員と立場によって様々な意見が出る。『視野が広がるぞ』と、同僚議員も何人か誘っているんですよ」 
                        朝日新聞9月3日号より転記