第26号・27号議案「指定管理者の指定について」
佐藤ひろこ賛成討論 2月23日
保育園の指定管理者制度の導入については昨秋以来、区民委員会で何日も集中的に議論してきました。はじめは「なぜ?」「どうして?」と抵抗があった、指定管理者制度による保育園運営の民間委託ですが、区長も出席した地域センター部保育課による幾度にもおよぶ説明会を経て、保育サービスの水準を下げるものではなく、さらに充実させていく方法なのだと理解されてきていると思います。「保育園がなくなるというから、頼まれて署名に協力したけれど、そうじゃないんですか?」と、おっしゃる方も多く、私も地域の方や保護者の方から質問を受けるたびに私の考え方や思いを伝えてきました。また、保育園の民間委託について考える会も開いてきました。近頃は、「変るのも仕方がない」から積極的に「民間の力で保育サービスを増やすよう変えなければならない」と意見を言ってくださる方が増えてきたのが実感です。
民間が運営している認可保育園もいくつか見学してきました。直営で運営されていた野方北保育園の時と、現在民営化された野方さくら保育園と両方を見せていただいた時も、集団で遊ぶ保育のやり方から、子どもたちの個性を大切にした保育のやり方にかわりつつあると思いました。本を読むコーナー、つみきをするコーナーなど、家庭に近い落ち着いた環境をつくろうとする姿勢が私立保育園のやり方にはみられました。「中野区はまだ延長保育をすべての園で実施していなかったのですね。」「給食の食器はまだ陶器を使っていなかったのですね。」など言われたときには、中野区は鎖国状態だったなーとつくづく思いました。区立直営が一番いいんだと思い込んでいたことが、民間導入を実際に図ることにより、民間による保育から学ばなければならないことがたくさんあることがわかってきました。
地域センター部長を委員長とした7人の選定委員が保育園の調査にあたった現場職員もオブザーバーとして意見を聞きながら、条例、募集要項、選定基準の条件を満たしているかどうか細かく審査し、それに基づき区長が、宮園保育園は社会福祉法人高峰福祉会を、宮の台保育園はコンビチャチャ株式会社を指定管理者の候補者として選定しました。選定された事業者が指定管理者として適切かどうか、私たち議員が判断するものです。議会も指定管理者に対して責任をもつことになります。
応募事業者5社の中から、なぜこの事業者が選定されたのか、資料と答弁をもとにチェックさせていただきました。4月からの実施にあたって引継ぎに無理がない事業計画であること、パート職員の賃金も現行を下回ることなく、職員の雇用条件も比較的に良いこと、職員配置数も延長保育時も含めて、現行以上の配置がされる計画であることがわかりました。また、最低10年間にわたり安定的な事業運営が可能かどうかを判断するための財務状況の診断結果については、選定された2事業者は自己資本比率も高く、借入金もなく支払い能力も高いとのことで、他社と比べても財政基盤は安定しているということです。保育の質を担保する大事な要素の一つが研修計画です。両事業者とも、研修回数や内容において現在区で行なわれている研修を上回っているとの答弁でした。障害児への対応や給食におけるアレルギー対応、地域への子育て支援の提案もされています。視察既存園の評価結果は、区営保育園の水準と同等、またある項目についてはそれ以上の水準であるという評価でした。「苦情への対応」については各園で苦情受付担当者を置くこと、中野区の福祉オンブズマン制度の対象になることの他、さらに保育課に苦情処理担当を置くことが確認されました。保育の質を担保する主な項目について比較検討の上、この2事業者への指定管理者としての指定は妥当だと判断します。今後、定期的に保護者アンケートをとって保育サービス向上のため自己評価をしていくこと、さらに、民間委託園だけではなく中野区内の認可保育園を評価するしくみを検討することも確認しました。
事業者から提出された申請書類については個人情報を除き情報公開できるということも確認しました。ですから、選んだ事業者がどういう事業者かもっとわかるように資料を出すべきだと思います。資料が十分ではないので、委員会では答弁で確認させていただきましたが、保育の質を担保する事柄で、問題になっているポイントについては、聞かれてから答えるのではなく、聞かれる前に、率先してきちんと資料をつくって説明するべきであると思います。職員の雇用条件・職員の配置数・職員の研修体制・事業評価の方法・苦情処理の方法・事故防止と安全対策、安全な給食への取り組みなど、今後、保護者の方々への説明にあたっては、よりわかりやすい資料をつくってきちんと説明するべきです。今後、行政、保護者、事業者による3者協議の場をつくるということです。安心できる移行と運営のためにも、情報の共有と話し合いを尽くすべきだと考えます。
保育は子どものニーズから出発します。最善の保育のありようは子ども一人一人にとって違います。一人の子どもと向き合う保育士から、その子どもにとってのオンリーワンの保育園がつくられるのだと考えます。多様で豊かな保育サービスが展開できる基盤整備に私たちはもっと取り組まなければならないと考えます。この議案を保育サービスを豊かにする新たな一歩と考え、賛成討論を終ります。
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