2004/11/30 updated

Escaflowne -lovers only- story of vision 9

■ Vision 9 根の記憶

 ポケベルに届いた天野からのメッセージで目覚めるひとみ。でも、そこはまだガイア界。なつかしい地球ではない。そして、かたわらにあるのは——くり返し訪れたヴィジョンでひとみを救ってくれていた天使の姿。地割れに落ちたひとみを助けたのは、その背に白い翼をひろげた、バァンだった。

 バァンの父ゴオウが娶った女性は、アトランティスを滅ぼした魔族と伝えられる伝説の種族、竜神人だったのだ。背に翼があることこそ、バァンが竜神人の血をひいているしるし。翼を人に見せてはならないと母に言い含められたバァンの幼い日の姿を、ひとみは幻視し、そしてまたバァンの昔語りで知ることになる。ゴオウの死後、王位を継ぐために竜の棲む森へ入った兄が帰ってこなかったこと。そしてその兄を追って母もまた、帰らぬ人となったこと……。

 呪われた翼は、しかし、ひとみにとっては哀しくも、美しいものに感じられた。

 フレイド公国に通じる森を進んでいるとき、ひとみは妙な気配を察知した。ザイバッハの見えないガイメレフが、襲って来たのだ。積極的に透視の力を使い、バァンに敵の居場所を告げるひとみ。しかし、このままでは埒があかない。バァンは河へ逃れ、ひとみの透視力にたよらず戦うことを選ぶ。

 バァンの思惑は当たったが、多勢に無勢で敗色が濃厚になったとき、突如加勢があらわれた。クルゼードで難所を抜け、ザイバッハに気取られぬようにフレイドを目指していたアレンの操るシェラザードだ。一気に形勢は逆転し、ディランドゥ率いる竜撃隊のガイメレフは戦闘不能に陥っていく。しかし、ディランドゥ渾身の一撃をバァンがはじいたとき、その尖った爪の先端が、岸辺に立つひとみの方へ向かってしまった。

 とっさに身をもってひとみを庇って直撃を受けたアレンは、ガイメレフの装甲越しに重傷を負ってしまう。運良くその場を通りかかったフレイドの商船隊に拾われ、ザイバッハ側は動けなくなった一機を残して退却するが、アレンの傷は深く、血はとまらなかった——。

カバー・タロット:鳥のA
数少ない、小アルカナからの採用例。おそらく「羽根」や「翼」を強く前面にうちだすために、このカードが選ばれたのだろう。マーリン・タロットにおいては「風」のエレメントを象徴するスートで、一般的なタロットではおそらく「剣」にあたる。よい意味でも悪い意味でも活力、変化、ものごとの大きな動きを表象するカードといえるだろう。この回ではおそらく、鳥という姿から有翼人である竜神人を示し、アレンが生死にかかわる重傷を負う事件を暗示していると解釈するのがいいかもしれない。
この曲が聴きたい!:FLYING DRAGON(作曲:菅野よう子)
タイトルからしてエスカフローネかバァンを表現した曲……といいたいところだが、どうしても「すっ飛んでくるシェラザードのテーマ」という印象が拭えないこの曲。この回でも、シェラザードの颯爽とした登場と同時に流れている。最初に金管で高らかに奏でられるモチーフの晴れやかさが、非常に印象深い。戦闘シーンでよく使われる曲の筆頭でもある。サウンドトラック第一巻『天空のエスカフローネ』ならびにサウンドトラック・ベスト盤『天空のエスカフローネ lovers only』に収録されている。
視聴ガイドjacket
Broadband:【バンダイチャンネル】→「天空のエスカフローネ
DVD:『天空のエスカフローネ Vision 3』(ジャケット→)
DVD-BOX:『天空のエスカフローネ PERFECT VISION
VHS:『天空のエスカフローネ Vision 5
スタッフ
脚本:山口亮太
絵コンテ:赤根和樹
演出:吉本毅
作画監督:小森高博

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