2004/11/30 updated

Escaflowne -lovers only- story of vision 16

■ Vision 16 かれし者

「殺させない!」バァンの危機を救ったのは、エスカフローネを庇って飛び出したメルルだった。双子の姉妹はメルルの姿に自分たちの子供時代を思いだし、興を削がれて飛び去った。

 ナリアとエリヤは、竜撃隊の全滅以降、まともに戦えなくなったディランドゥの交代要員としてヴィワンに赴く。彼女らはフォルケンに見いだされ、彼に仕えることを至上の喜びとしていた。「安定しない」状態になったディランドゥは、魔導師の手によって本国へと送還された。

 アレンの父レオンの日誌から、アスガルド大陸——竜神人の里として知られる幻の谷への道を読み解いたドライデンに導かれるまま、一行は海を渡る。途中、ドライデンは解読したレオンの日誌を読み聞かせるが、アレンの父が幻の谷で追い求めていたのは、ふしぎな少女の姿だった——。

 家族を捨てた理由が女だったとは、と席を立つアレン。ひとみは彼を追い、父を許すことができないというアレンに、お父さんを許したいはず、と指摘する。自分の弱さを認めつつ、アレンはひとみに、君なら自分を許してくれるだろうか、と問うのだった。

 そのころ、地球でひとみの家を訪れた天野とゆかりは、ひとみの母から古いアルバムを見せられる。浴衣を着た、ひとみにそっくりの少女。若い頃、夏祭りの晩にふしぎな体験をしたという、それはひとみの祖母の写真だった。彼女こそ、レオンが探していた少女だったのだ。

 ようやくクルゼードはアスガルド大陸に着いたが、そこにはなにもない。そんなはずは、とドライデンが日誌を確認すると、肝心のページが破り取られているではないか。ザイバッハの浮遊要塞が迫っており、捕まるのは時間の問題と思われた。だが、バァンも、アレンも、そしてドライデンも、それぞれの理由で幻の谷へ行くことを望んでいた。

 想いはかならずかなう、という祖母の言葉を思いだし、形見のペンダントを手に、ひとみは念じた——。

カバー・タロット:運命の輪
チャンスや幸運、そしていろいろな意味で大きな動きが訪れることを暗示するこのカードだが、『天空のエスカフローネ』を考える上ではずすことのできない「運命」という名前を持つカードとして、ことさら重要な一枚であることは論を待たないだろう。カードの図像自体、「運命」の概念を図示したものと考えてよさそうだ。この回では、アレンの父とひとみの祖母がかつて出会ったことが明かされる。アレンとひとみの出会いが偶然ではなく、数奇な運命の導きによるものだった、と考えたくなる展開だ。車輪はまた「くり返し」の象徴でもある。人の意のままにならぬ、くり返される運命の象徴と見ていいだろう。
この曲が聴きたい!:FAREWELL(作曲:菅野よう子)
レオンとひとみの祖母、そしてアレンとひとみの会話のシーンにまたがって背景で流れる曲。ピアノが奏でるせつない旋律が、ふれられる距離にいるようで心は遠い、あるいは遠くても心は近い、そんな人の想いの儚さと強さ、弱さへの許しを求める——かなり人間臭いともいえるシーンに、透明な雰囲気を与えている。サウンドトラック第三巻『天空のエスカフローネ 3』でしか聴けない曲のひとつ。
視聴ガイドjacket
Broadband:【バンダイチャンネル】→「天空のエスカフローネ
DVD:『天空のエスカフローネ Vision 4
DVD-BOX:『天空のエスカフローネ PERFECT VISION』(ジャケット→)
VHS:『天空のエスカフローネ Vision 8
スタッフ
脚本:稲荷昭彦
絵コンテ:渡辺信一郎
演出:吉本毅
作画監督:しんぼたくろう、柳沢哲也

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