2004/11/30 updated

Escaflowne -lovers only- story of vision 22

■ Vision 22 黒きの天使

 ドルンカークと訣別し、轟沈するヴィワンからエリヤ機で脱出を果たしたフォルケン。彼が向かったのは、みずからの手で滅ぼした故郷ファーネリアだった。

 ドライデン主導の会議で、アストリアはザイバッハへの経済制裁を決めた。しかし、ひとみへの風当たりは強い。また、バァンはそんな悠長なことではザイバッハにやられると、主戦論を崩さない。フォルケンを殺す、というバァンを止めようとするひとみ。そんな彼女に、不安を覚えるアレン——。

 その夜、狼人の遠吠えがバァンを呼び出した。ルムからの伝言で、フォルケンがファーネリアで彼を待っているというのだ。呼び声に気づいたひとみを連れ、バァンはエスカフローネで故国へ向かう。罠なんかじゃないよ、と必死に説得するひとみに、心配しなくてもお前はかならず無事に帰してやる、と答えるバァン。

 ファーネリアに着いたバァンたちを出迎えたのルムは、兄弟の問題だから俺はかかわらない、と姿を消す。フォルケンはあらためてバァンと語り合おうとするが、バァンは怒りに凝りかたまり、話になりない。そこへ、地竜が姿をあらわす。やはり罠だったのか、と叫ぶバァンに、剣を捨てろと諭すフォルケン。

 バァンに先立ち、ゴオウの後を襲うべく竜狩りに赴いたフォルケンは、倒したと油断したその瞬間、竜に右腕を噛みちぎられてしまったのだ。死を覚悟したフォルケンの前から、静かに竜は姿を消し、気がついたときはザイバッハにいた。機械の腕を与えられ、ドルンカークの語る完全なる運命、争いのない世界の理想に共鳴していた。フォルケンの過去を透視して、あなたもナリアと同じ、と看破するひとみ。勝手に身体をいじられて——しかし、フォルケンは反駁する。ドルンカークの理想は間違っていない。ただ、方法が間違っていただけだ。

 地竜に囲まれ、ついに進退窮まったバァンの前に、フォルケンは翼をひろげて舞い降り、剣を捨てろ、と激しい口調で命じる。争いの心が竜を呼ぶのだ——。

カバー・タロット:太陽
達成、成就、充実など、とことんポジティヴなイメージを持つカードで、この回にあてはめるとなると解釈が難しい。兄弟の対話が実現したといっても、かれらは合意に達したとは言いがたい。人や場所自体を象徴すると読むのも困難で、なぜこの回にこのカードが、と考えるほどわからなくなる。ごく初期のタロット・カードのセットでは、太陽の図柄はまったく一定していなかったらしいことから、見た目上は変転が激しいフォルケンの運命の暗示と無理矢理解釈できなくもないが——ともあれ、フォルケンにかかわるカードであることには間違いないだろう。
この曲が聴きたい!:ARCADIA(作曲:菅野よう子)
シリーズ終盤に至ってなぜこんなにどんどこ新曲が出てくるのか、と放映当時ファンをおどろかせていた曲のひとつ。一滴の水から波紋が広がるように、清澄な響きをたたえた導入部から入り、のびやかなカウンター・テナー(ARTUR STEFANOWICZ)が歌い上げる旋律が、題名通りの理想郷を想起させる。哀切味を帯びた曲の展開は、理想の素晴らしさではなく、その手の届かなさ、果たせぬ平和への想いを表現しているようで、実は誰よりも理想家だったフォルケンの真情が語られる場面に、まさにあつらえたようにはまっている。とはいえ、全曲が流れるわけではないのでCDであらためて聴いてほしい一曲。サウンドトラック第三巻『天空のエスカフローネ 3』およびサウンドトラック・ベスト盤『天空のエスカフローネ lovers only』に収録されている。
視聴ガイドjacket
Broadband:【バンダイチャンネル】→「天空のエスカフローネ
DVD:『天空のエスカフローネ Vision 6』(ジャケット→)
DVD-BOX:『天空のエスカフローネ PERFECT VISION
VHS:『天空のエスカフローネ Vision 11
スタッフ
脚本:山口亮太
絵コンテ:近藤信宏
演出:武井良幸
作画監督:逢坂浩司

prev here! next