2004/11/30 updated

Escaflowne -lovers only- story of vision 24

■ Vision 24 運の選択

 自分を守ろうとするバァンの想いの強さ垂れ——戦いを楽しんでいるようにすら見える彼に、耐えきれなくなったひとみ。「もとの世界に帰して!」絶叫とともに、光の柱が出現する。

 気がつくと、ひとみは保健室のベッドに寝ていた。見守っていたのは天野だ。ペンダントに興味を示す彼にそれを手渡したとたん、ひとみはこの先の展開を自分が知っていることを思いだして、愕然とする。事実、天野やゆかりはひとみの記憶通りの言動を見せる。

 ひとみは、おそらく幻の月へ戻ったのだろう——アレンはひとみへの愛情は、失った妹に対するものだったと気づく。そこに、成長し、記憶を失ったセレナがあらわれる……。だが、セレナは墓参の最中、突如としてディランドゥに姿を変え、ジャジュカを呼び、彼のガイメレフに連れ去られる。フォルケンは、ザイバッハの魔導師たちが、さらった子供で運命改変実験をおこなっていたことをアレンに告げる。

 ゆかりとの会話で、ひとみははじめて気がつく。ゆかりもまた、天野が好きだったのだと。夜の街をさまよい、思い悩むひとみ。自分も天野が好きだと思っていた……でも。

 ひとみが消えたことで、戦は楽になった、とバァンは皆に告げた。ザイバッハの運命を変える装置も完全には動かなくなる。だが、誰よりもひとみとの再会を願っていたのはバァンだった。メルルはバァンに彼の本心を指摘する。彼の想いは、きっとひとみに届くだろう、と。空に浮かぶ幻の月を見上げ、バァンは決意する。

 ひとみもまた選択を迫られていた。もうあの日と同じことはくり返さないと念じていたはずなのに、窓から吹きこんだ風でタロットがめくれ、崩壊の塔が舞い落ちる。意を決してめくった次のカードは、竜のA。今ならそれが告白の勇気ではなく、バァンを示しているとわかる。そして、痛切に感じた——自分がバァンに会いたいと願っていることを。

 放課後、暗くなったグラウンドでひとみはスタートを切った。あの日と同じように。そして、走りはじめたひとみの前に光の柱が立ち、エスカフローネが姿をあらわした。ひとみの名を呼ぶバァンに、迷わず彼女は飛びついた——。

カバー・タロット:隠者
知恵、知識、自分を見つめ直すことを示すカードは、その名前の通り、孤独に引きこもることをも暗示する。すなわち、ガイア界に耐えきれず現実、あるいはそれに近似の自分の夢のなへかと逃れたひとみの状態をあらわす。逃げるというと、人はすぐに悪いイメージを抱くが、一概に否定すべきものでもないのだ。耐えきれないときは一歩退き、そこで自身を、状況を、みつめ直すことも肝要である。ここでも、ひとみは逃げることによって逆に、逃れようもごまかしようもない自分の気もちに気づくのだから。
この曲が聴きたい!:ANGEL(作曲:菅野よう子)
vision 9 の、バァンの両親の湖での邂逅シーンでも流れる曲。そしてこの回では、バァンを乗せたエスカフローネがひとみの前に再臨し、ふたりが互いの想いをたしかめあう場面で流れている。聖らかさを象徴するピアノのアルペジオと鐘の音、合唱で彩られた賛美歌調の曲は、やがて流れるようなオーケストレーションへと移行し、低音域から高音域までフルに使って、壮麗なバリエーションを展開する。さして長くはないが非常に印象的な曲で、劇中でほぼ全曲が使われている。サウンドトラック第一巻『天空のエスカフローネ』及びサウンドトラック・ベスト盤『天空のエスカフローネ lovers only』に収録されている。なお、夜の街をひとみが彷徨うシーンで流れる挿入歌は「光の中へ」で、こちらはサウンドトラック第三巻『天空のエスカフローネ 3』、及び坂本真綾のファースト・アルバム『グレープフルーツ』、シングル・コレクション『ハチポチ』で聴くことができる。
視聴ガイドjacket
Broadband:【バンダイチャンネル】→「天空のエスカフローネ
DVD:『天空のエスカフローネ Vision 6』(ジャケット→)
DVD-BOX:『天空のエスカフローネ PERFECT VISION
VHS:『天空のエスカフローネ Vision 12
スタッフ
脚本:北嶋博明
絵コンテ・演出:赤根和樹
作画監督:工原しげき

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