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SPECIAL_REVIEW
「palmOne WI-FI SDIO Card」レビュー 


 palmOne, Inc.(アメリカ)の、Palm Tungsten T3/Zire 72用のSDカード型無線LANカード「palmOne WI-FI SDIO Card」です。

 Tungsten T3には、通信用の機能としてBluetoothが搭載されています。しかし、Bluetoothに対応している携帯電話やPHSは、まだまだ国内では少ないですし、ハギワラシスコムの「F-accsess」や「B-port II」、ソニーの「BTA-NWP」といったアダプタを使い、既存の携帯電話やカード型PHSでBluetoothが使えるようにするという方法も、アダプタによって対応する携帯電話やPHSが限定されていますし、そもそもいずれのアダプタもTungsten T3は動作保証の機種に含まれていません(私が試した範囲ではいずれもT3で使用できましたが、あくまで動作するか否かは自己責任の範囲になってしまいます)。またソニーの「BTA-NWP」は既に生産が完了していますし、Tungsten T3本体よりも大きいというサイズの問題もあります。

 現状、日本国内では、ホットスポットが急速に増えてきているなど、Bluetoothよりも無線LANの方が普及しているといえます。また、通信速度が速いのも魅力の1つで、この無線LANカードの登場を心待ちにしていた方も多かったのではないでしょうか。

 というわけで、そんな1人である私も実際にこのカードを購入しましたので、インストールの手順や接続の設定方法、その使い勝手などをまとめてみました。


【購入店・価格】
 海外の某ショップから個人輸入しました。購入にかかった総額はおよそ15000円です。
 日本国内のショップでも取り扱いが行われており、pocketgamesでは19800円(送料無料)、Vis-a-Visでは17850円(送料別)、モバイルプラザでは17640円(送料無料)となっています。
 価格に開きがありますが、輸入品のため保証条件やサポートなどがショップによって異なります。その点も十分考慮に入れて選択するといいと思います。


【対応機種】
 Palm Tungsten T3/Zire 72専用です。


【ファーストインプレッション】
 最初にも書きましたが、最新のCLIE PGE-VZ90やPEG-TH55などでBluetoothではなくWi-Fi機能が採用されていることからもわかるように、日本では、Wi-Fi(IEEE 802.11b規格)を使った無線LANの方がBluetoothよりも普及してるのが現状です。また、無線LANは、携帯電話などのようにどこでも使えるというわけではありませんが、このところホットスポットの増加のペースは加速しており、利用できる場所も増えてきています。
 そういった状況の中で登場した、このカード、実際の使い勝手はどうなんでしょうか。インストールと接続の手順、簡単な使用感などをまとめてみました。

 なお、私の母艦はPowerBook G4ですので、「詳細レビュー」の(3)〜(5)まで、導入手順の部分はMacOS Xでの手順となります。
 Windowsの場合は、インストールがウイザード形式になっているようで、モバイルプラザのホームページ、「Tips&FAQ」のコーナーに詳しい解説が掲載されています。そちらを参照して下さい。

 また、ネットワークの設定については、インストールして導入される「Wi-Fi Setup」が、Tungsten Cに付属のものとほとんど同じですので、既にレビューを掲載している「Tungsten Cレビュー〜通信編〜 フリーホットスポットでWEBにアクセス〜FREESPOT編」や「Tungsten Cレビュー〜通信編〜 フリーホットスポットでWEBにアクセス〜Yahoo! BBモバイル編」も参考にして下さい。


【詳細レビュー】
 では順番に詳細をレビューしていきます。写真をクリックすると大きめの画像で見ることができます。

(1)
 中央が「palmOne WI-FI SDIO Card」です。通常のSDメモリーカードと並べてみました。
 サイズは、縦54×横24ミリ、厚さはスロットに挿入する部分が2.1ミリ、写真ではpalmOneのロゴや製品名が書かれている本体から飛び出す部分の厚さは3ミリ(いずれもホームページの表記参照)となっています。
 通常のSDメモリーカードは、縦34×横24×厚さ2.1ミリですので、縦方向にはおよそ20ミリ飛び出すことになります。

wfcard01s.jpg
(2)
 その20ミリですが、Tungsten T3のSDカードスロットに取り付けてみるとこんな感じになります。数字以上に外に飛び出してしまっているような印象です。
 SDカードとメモリースティック、BluetoothとWi-Fiの違いはありますが、以前使用したことがある、ソニーの「Bluetoothモジュール」(型番:PEGA-MSB1)をCLIEのメモリースティックスロットに挿した際と比べると、かなり大きく飛び出していますね・・・。
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(3)
 ということで、ハード的な紹介はこの程度にして、さっそく実際に使うための手順を見ていきます。
 この「palmOne WI-FI SDIO Card」には、CD-ROMが付属しており、それを開くと、使用言語ごとに6つのフォルダに分かれています。
 残念ながら、日本語用のフォルダはありません・・・。
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(4)
 とりあえず「English」のフォルダを選択してみました。
 Read Meファイル(テキスト形式)、ユーザーガイド(PDF形式)、Acrobat Readerのフォルダ(中にはインストーラが入っています)と、「WiFi Installer.prc」というファイルが入っています。
 インストールするファイルはこの「WiFi Installer.prc」1つだけのようですね。

 ちなみに他の言語のフォルダも同様の構成だったのですが、なぜかPortuguese(ポルトガル語)のフォルダにはユーザーガイド以外にもう1つPDFファイルが入っていました(バーコードが書かれているだけのファイルだったのですが詳細は不明)。
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(5)
 さっそく、「WiFi Installer.prc」をHotSyncで導入します。

 なお、Read Meファイルによると、このファイル自体は2.2MBですが、インストールには内蔵メモリに4MB以上の空きが必要とのことです。
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(6)
 HotSyncが完了すると、Tungsten T側で自動的にファイルのインストールが始まります。
 (画面キャプチャアプリが使えず、この画面だけデジカメで接写したものなので。あまりきれいではありませんが)
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(7)
 インストールが終了すると、ソフトリセットをするようにという表示が出ますので、「OK」をタップします。
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(8)
 ソフトリセットが終わり、ホーム画面を開くと、「Wi-Fi Setup」と「VPN Setup」の2つのアプリケーションがTungsten T3に追加されています。
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(9)
 また「Preference」の「Communication」カテゴリには「Wi-Fi」というメニューが追加されています。
 先に(8)で書いた2つのアプリケーションとこの「Wi-Fi」メニューは、Tungsten Cにデフォルトでインストールされていたのと同じもののようです(既に手元にTungsten Cがないのでバージョンなどの比較はできていませんが)。
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(10)
 では、さっそくセットアップしていきましょう。
 以前、Tungsten Cでの設定として「Tungsten Cレビュー〜通信編〜 フリーホットスポットでWEBにアクセス〜FREESPOT編」、「Tungsten Cレビュー〜通信編〜 フリーホットスポットでWEBにアクセス〜Yahoo! BBモバイル編」の2つを既に紹介していますが、基本的にはほとんど同じ。CLIEに搭載されているWi-Fi設定用のものと比べても簡単です。

 まず、(8)のホーム画面で「Wi-Fi Setup」をタップするとこのような画面が出てきますので、「Next」ボタンをタップします。
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(11)
 この際に、「palmOne WI-FI SDIO Card」がSDカードスロットに挿されていないと、このようなアラートが表示され、先に進めないようになっています。
 この画面はTungsten Cにはありませんでした(Wi-Fi機能が標準搭載なので)。
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(12)
 SDカードスロットにカードが挿されている場合は、すぐにネットワークの検索が始まります。
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(13)
 しばらく待つと、見つかったネットワーク名(ESS-ID)の一覧が表示されます。
 ちなみに今回も実際に接続してみたのは、Tungsten Cでの接続レビューの際と同様に、大阪・梅田にあるヨドバシカメラ・マルチメディア梅田の店内です。一部、登録ユーザーのみに知らされるネットワーク名もあるので、今回も画像は加工しました。

 ここで、「FREESPOT」と表記されているネットワーク名を選択し、「Next」をタップします。
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(14)
 接続を開始しました。この後、引き続いて「IPアドレスを取得しています・・・」の表示が出て・・・。
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(15)
 FREESPOTのネットワークに接続が完了しました。
 「Done」をタップするとセットアップは完了。このあとWEBブラウザやメーラーを起動して、ネットを使用することができます。
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(16)
 (13)のネットワーク検索後の画面で、ネットワーク名の右に鍵のマークがあるもの、例えば前回も試した「Yahoo! BBモバイル」の場合、そのネットワークにはWEPキーが設定されています。
 この画面で「Next」ボタンをタップすると・・・
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(17)
 すぐに接続を開始したFreespotの場合とは異なり、まず、WEPキーの入力する画面が出てきます。
 以前レビューした「Tungsten Cレビュー〜通信編〜 フリーホットスポットでWEBにアクセス〜Yahoo! BBモバイル編」で、詳細な設定を紹介していますので、ここでは省略しますが、キータイプを選択し、WEPキーを入力した後、「OK」をタップすると、(14)〜(15)と同様の画面が出てネット枠に接続が完了します。
 WEPキーは、 64ビットまたは128ビットに対応しています。
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(18)
 「Yahoo! BBモバイル」の場合は、この後ブラウザでの認証作業がありますが、ここでは省略。
 認証後、当サイトのトップページに接続してみました。PHSなどで接続した場合は、やや読み込みのスピードが遅いなあと思うこともありましたが、やはり無線LANでの接続だと快適ですね。

 あくまで記憶と体感速度による印象なので、かなり不正確な感覚ですが、Tungsten CやCLIE PEG-TH55の無線LAN機能を使って接続したときよりも速いような気がします・・・(この辺はしっかりと具体的な数字が取れるようであれば追記します。あくまで「印象」ということで)。
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(19)
 さて、気になるのがバッテリーの持ちですが、(9)で紹介した「Preference」の「Wi-Fi」メニューを開くとこのような画面が出てきます。
 この中に「Timeout」という項目があります。この項目はTungsten Cの「Wi-Fi」メニューにはありませんでした。
 で 、ここをタップすると・・・。
wfcard19s.gif
(20)
  このような設定画面が出てきます。デフォルトの「Default」設定では、Wi-Fi接続を開始してから3分後または液晶画面が消えた際に自動的にカードの電源がオフになり、消費電力を低く抑えるようになっています。
 それ以外の5分/10分/15分の設定にした場合は、指定した時間内でWi-Fi接続をしている場合は、自動的に液晶画面がオフにならないような設定になっています。
wfcard20s.gif
(21)
 省電力のためのメニューがあるとはいえ、実際に接続した際にバッテリーがどの位持つのかやはり気になります。高スペックのCPUを搭載していることもあって、通常の使用でもどちらかというバッテリーの持ちがあまりよくないTungsten T3ですが、ちょっとした実験をしてみました。

・バッテリーをフル(100パーセントまで充電)
・「palmOne WI-FI SDIO Card」を使い、無線LANで当サイトのトップページをブラウズ
・読み込みが完了したら、すぐにブラウザのリロードボタンを押し、再読込
・これを10分間繰り返して、バッテリーの減り具合を見てみることにしました

 いい方法が思いつかなかったので、何だかいい加減で原始的なテストですが、さて・・・。
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(22)
 結果はこの通り。2回試してみましたが、80パーセントまでバッテリーが減ってしまいました。
 ちなみに、Bluetooth接続したauの携帯電話「A5504T」を使い、同じやり方で10分間ブラウズを続けた場合は、バッテリー表示は100パーセントのままでした。

 もちろん、接続速度の違い(11Mbpsと128kbps)でリロードできる回数が全く違いますので、当然CPUへの負荷やメモリへのアクセス回数といった部分の条件も異なり、単純比較はできないと思います。また、実際に今回試したように、何度も同じサイトを続けざまに読み込むといった使い方をするようなことはあまりないでしょうから、比較になるのかどうか自体よくわかりません。

 ただ、接続速度が速くなれば、ついついあのサイトも、このサイトもと、ブラウズするページ数も増えてしまいがちになると思いますので、やはりバッテリー残量には注意が必要のようです。
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【まとめ】
 詳細レビューで書いたとおりですが、改めて感想を含めてまとめておきます。

 カードを使用するのに必要なアプリは、付属CD内にあるファイル1つをHotSyncで導入するだけで、自動的にPalm側でインストールが開始されます。また、インストールされるネットワーク設定用のアプリ「Wi-Fi Setup」も、CLIEに搭載されている設定用のアプリと比べてもネットワーク名(ESS-ID)の探索も早く、設定も簡単です。カードを挿していない時にはアプリの起動時にメッセージが出るなど、細かい使い勝手もなかなかいいと思います。
 街中で試した「FREESPOT」や「Yahoo!BBモバイル」といったホットスポットのほか、自宅やオフィスなどで使用しているAirMacベースステーションやNECのWARPSTAR WR7600Hとも、手順に従ってやればスムーズに接続できました。

 速度については、Palmデバイスでは最もスペックの高いCPUのおかげもあって、CLIE PEG-TH55やPEG-UX50での無線LAN接続よりも速く感じました。また、同じCPUやOS、メモリを搭載しているTungsten Cとの比較ですが、現時点で手元にTungsten Cがないため、あくまで体感速度の話で極めて不正確な印象ですが、Tungsten T3+このカードの方が電波の受信状況がよく、若干速度も速いかなという感じがしました(搭載されているブラウザが異なることや、「palmOne WI-FI SDIO Card」の方が本体の外にはみ出しているため受信感度がよいのかもしれません)。
 携帯電話やPHSと違ってどこでも接続できるわけではありませんが、カード1枚で通信環境を手に入れることができ、荷物も少なくて済みます。

 逆に問題はバッテリーの持ちでしょう。テスト環境や条件、その方法が適当か、またバッテリーの残量表示がどのくらい正確かといった問題もありますが、少なくとも、詳細レビューで紹介した方法では、Bluetooth搭載の携帯電話を使った場合に比べ、圧倒的に大きくバッテリーを消費してしまうようです。
 元々Wi-Fi機能が搭載されているTungsten Cは、その消費に見合うようにバッテリー容量が強化されていますし、CLIEの各機種では消費電力の少ない自社CPUが採用されるなどの対策が取られているのですが、Tungsten T3では、そういった部分はありません。もちろんその代わりにTungsten T3が優れている部分も数多くあるのですが、バッテリー消費に関していえば、厳しい結果になってしまうようです。

 また、携帯電話やBluetoothアダプタなど他の通信手段と比較するとコンパクトとはいえ、SDカードスロット外に飛び出してしまう部分が大きく、常時挿したままにしておくというわけにもいきませんし、取り外してケースのSDカード用のポケットに入れて持ち運ぶにも、特殊な形のために収納できない場合もあると思います(実際、私が使用しているVAJAのケースも、SDカード用のポケットはありますが、通常サイズのカードしか入りません。また、クレジットカード用のポケットには入りますが、フリップカバーを開いた時にポケットが下向きになるため、落下する可能性が高く、どうやって本体と一緒に持ち歩くかが難しいところです)。

 ただ、元々搭載されている機能かそうでないアドオン機能かで、こういった部分に差が出てしまうのは仕方ないところ。そうしたマイナス部分を考慮しても、その手軽さや通信速度は魅力です。
 後は、1万円台後半という投資に見合うだけのメリットがあるかどうか、各ユーザーの判断ということになるのではないでしょうか・・・。




  

Last Review 2004/09/29


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