観 劇 日 記
『暴れん坊将軍スペシャル〜唄って踊って八百八町』
(2007年6月11日 於・御園座)

御園座公演行ってきましたよ♪♪平日の観劇だったため、その後仕事が立て込んでカキコがすっかり遅くなってしまいました〜(^^;)。申し訳ありません。

本作品の初演は3年前の梅田コマ劇場でした。もちろんその頃はサンバブームの前でしたし、それまで『不死鳥よ波濤を超えて』や『ジンギスカン』などでのいわゆる“松平歌劇”(これパンプで採用されていたお気に入りのフレーズです(*^_^*))に慣れていたとはいえ、ご存じ時代劇の定番中の定番とも言える『暴れん坊将軍』をミュージカルに仕立て上げるなんて、正直“何て無謀なの!”と思ったものでした(^^;)。事実初見の感想も「ミュージカルとしても時代劇としても中途半端」(ごめんなさいm(_ _)m)というものでしたから。 もっともこの初演の観劇は、今となっては一生忘れることのできない、貴重な時間ともなってしまいました。はりちゃんとの最初で最後の一緒の観劇だったからです。今でも第二幕冒頭の「マツケンマンボ」のデュエットダンスを見ると思い出します(^o^)。はりちゃんのユーモアと愛に溢れたマツケンinマツケンマンボの観劇日記を。宝塚を知り尽くし、マツケンを愛し、サンバブレークを信じて止まなかったはりちゃんだからこその素晴らしいコラムでした。(蛇足:今回(?)マンボのお衣装が替わりましたね。鮮やかグリーンが目にまぶしい!!)

マツケンサンバが世の中に広く受け入れられると共に、この『暴れん坊将軍〜唄って踊って八百八町』はいつの間にか、(真の意味での)時代劇ミュージカルとしての市民権を得、松平さんの代表作として再演を重ねて、多くのファンを獲得するまでになりました。3年前の初演の時とはまさに隔世の感があります。

さてさて本編ですが、再演を重ねている演目ですから、見る側としての興味の対象は、やはり松平カンパニーの新参役者さん達が、初演からの参加組とどのように、チームワークを形成しているかという事でした。中でも汐風幸さんは、松平さんとのお芝居も初共演という事で、見る私の方も緊張していたような気がします(^^;)。 その汐風さん演じる河原者のお咲ですが、お夏を大鳥れいさん一人が勤め上げているのに対して、こちらは再演ごとに役者さんが変わっているのが、逆に芝居に変化を与えていて良かったと思います。汐風さんのお咲は男勝りの中にも、時として魅せる色っぽさが(宝塚男役出身にしては)何とも言えずなまめしかったです(^^;)。とは言っても、汐風さんと大鳥さんのデュエットソング(「正義の味方だ瓦版♪」)を聴いていると、“オスカルとエリザベート”のあり得な〜い豪華デュエットが私の頭の中を渦巻いて仕方ありませんでした(^^;)。

あと個人的に注目していたのが、浦賀奉行安藤甲斐守の磯部勉さんと、真砂さんから役代わりで出た(役名忘れました(-_-)ごめんなさい!)笠原章さん。前者の磯部さんに関しては、昨年の『弁慶』でも素晴らしい富樫を魅せて下さっただけに、今回180度全く違うコミカル悪役をどんな風に演じて下さるか興味津々でした。結果、どこかオドオドした感じの浜畑さん、みるからにシェークスピア演劇を彷彿とさせる立川さんとは、またひと味違う凄味と愛嬌に溢れる役作りだったように思います。特に例の三重唱での「♪だけどホントは怖いのよ〜♪」の時の表情は絶品!!大笑いしてしまいました。

後者の笠原さんについては、また真砂さんとは全然違う役作りで、口にはやした髭のせいもあるのでしょうが、何となく妖気的“いやらしさ”が漂っていたような気がします。上様との花道での一騎打ちシーンの迫力は流石のもの!!殺陣は年を取ると(運動能力が落ちてきて)スピード感が削がれていく〜なんて話も聞いたりするのですが、やはり魅せる殺陣というのは年齢ではなく、“年輪”ではないかと思いました。花道芝居・・・といえば、今回は御園座という事で、上様の登場はもちろん、ありとあらゆる箇所で花道が多用されていましたが、これに関しては多用しすぎかな?との疑問を敢えて呈したいと思います。特に前方の席ですと、首が疲れてちょっぴり苦痛でした(^^;)。

肝心の松平上様♪ですが、これはですね〜。お叱りを受けてしまいそうですけど〜あまりに非の打ち所がなくて逆に拍子抜けしてしまいました(^^;)。それだけ演技的にも歌唱にしても完璧だったわけですが、再演なのですから、もう少し遊びがあっても良いような気がしました。もちろんコミカルシーンはオーバーアクションに多少磨きがかかっていましたが(笑)。あと、上様のお衣装も一新されて、視覚的な新鮮さはありましたけどね。とはいえ、一座の皆さんがあれだけ、ノリノリ、楽しそうに演じていらっしゃるところを見ると、松平さんが創り上げた一座の雰囲気が、かなり居心地が良いのだろうなあ〜ということが舞台から感じられました。

この作品、今回の上演がファイナルという事ですが、いざ最後となると、愛おしさが募り名残惜しくて仕方ありません。初演当初はこれほどのロングランになろうとは思いも寄らなかったのですが、稀代のサンバブームも手伝ってこの作品がロングランに耐えうるものに成長していたのはファンとしては嬉しい限りです。 昨年の『弁慶』の時もそうでしたが、とにかく定番時代劇がミュージカルに大化けするという、スリリングさがファンにはたまらない快感と化している、“松平歌劇”の今後の行く末が楽しみでしかたありません(*^_^*)。


唄う絵草紙♪♪

30分!!短すぎますよ〜〜。あっという間に終わってしまいました〜。90分のサンバコンサートに体が慣れきってしまったからなんでしょうね(^_^;)。松平さんの体力の事も考えず、こんな無理を平気で言ってしまうファンの強欲さが恐いですね〜(^_^;)。でも歌唱はここでも完璧でした!!

「マツケンのええじゃないか」旗は軽量・コンパクトになったんでしょうか?それでも交差回転の素早さ・重量感は全然失われていません!

「恋、二の次に」桜をあしらった薄ピンクのお着物・・・なんて素敵なんでしょ。一回しか見れなかったので、振り付けの詳細はよく分からなかったのですが(>_<)、軽快なスキップジャンプが、何とも言えず可愛らしかったです〜。本来が『遠山の金さん』の主題歌ですから、大阪新歌舞伎座公演の方がより一層盛り上がりそうですが、今後も定番曲の一つとして入れて欲しいです。

「闇に光を」今回これが一番驚いたかもしれません。そしてあの伝説の「愛のさけび」の黒ファーつきのお引きずり衣装!!あのCDで聞いた曲がこんなにもしっとりとした歌謡に化けるなんて信じられませんでした。これも大阪公演で再度聴きたいです〜。そしてウワサのトルネード。あまりに期待を膨らませ過ぎたからでしょうか?思っていたほどの回転速度ではありませんでしたが(^_^;)(後で聞くと最盛期よりは速度を落としていたそうです)それでも引っ込みの神々しいまでの美しさときたら、宝塚にも勝るとも劣らないオーラに満ちあふれていました。ナルシスト松平さんの真骨頂ですよね〜(ごめんなさい!!)。

サンバIIのイントロが聞こえると、高揚感が増すと同時に、ああ〜もう終わりなんだという切なさが胸に込み上げてきます。サンバII+サンバIIIのコンビネーション間奏が出来たのは嬉しい限りですが・・・踊り続ける松平さんの体力の凄まじさには、ただただ感服するばかりです。

こうして見ると「闇に光を」以外は、賑々し曲ばかり(マツケンソングスの占める割合が多すぎるとも言える??)で、まさにカーニバルのお祭りに参加したような錯覚に襲われるのですが、今度「唄う絵草紙」を拝見する時は、緩急メリハリのある従来の型に戻ってくれたら嬉しいなあ〜と、またまた勝手な事を言ってしまいます(>_<)。

今回の『暴れん坊将軍〜唄って踊って八百八町』はファイナル上演・・という意識が、私の根底にあったからかもしれませんが、今回は特別な感慨でお芝居を観ていたような気がします。はりちゃんとの思い出が強くよみがえって来たのもそうですが、もう一つこのお芝居のテーマ「将軍吉宗の亡き母上に寄せる思慕の情」が、松平さんの今は亡きお母様に寄せる思いと強くシンクロしてきたからです。パンフレットにも書いてあったのですが、松平さんの楽屋にはいつもお母様のお写真が飾られています。若い頃苦労し通しだったお母様と過ごした日々が今の松平さんの大きな財産となっているそうです。実はお母様が亡くなられた時の事を、当時中学生だった私も何故かよく覚えているのです。当時(1979年10月)は、『草燃える』の放送真っ最中。しかも10月と言えば、松平さん演じる北条義時が鎌倉幕府執権としていよいよ歴史の表舞台に立つという正念場、まさに主役の出番!というところでした。その絶頂期での訃報だったのです(もっとも『草燃える』の収録はその直前にUPしてしましたが)。当時の芸能記事が今も手元に残っているのですが、息子さんの成功を信じてやまなかったお母様は、入院していた時も(『暴れん坊将軍』はもちろんの事)、大河ドラマを見るのを大変楽しみにされていそうです。松平さんを一躍スターダムに押し上げたこの作品を最後まで見ることが出来なかったのは、さぞかし残念だっただろう・・・と、強く私の心にも残りました。

お母様が亡くなられてもう28年になるのですが、松平さんの心にはいつまでも幼き頃の思い出が強烈に残って、今に生き続けているのだなあ〜と「母上を偲んではいかんのか!」というセリフを聞きながら思い起こしていたのでした。


HOMEShibakoの歴史ドラマの小部屋