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2005年NHK大河ドラマ『義経』 (平成17年1月〜12月放送)
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源義経/滝沢秀明 武蔵坊弁慶/松平健 * 伊勢三郎/南原清隆 駿河次郎/うじきつよし 喜三太/伊藤淳史 佐藤継信/宮内敦士 佐藤忠信/海東健 鷲尾三郎/長谷川朝晴 うつぼ/上戸彩 静/石原さとみ 萌/尾野真千子 千鳥/中島知子 鬼一法眼/美輪明宏 覚日律師/塩見三省 一条長成/蛭子能収 朱雀の翁/梅津栄 烏丸/高橋耕次郎 五足/北村有起哉 お徳/白石加代子 金売り吉次/市川左團次 あかね/萬田久子 * 源頼朝/中井貴一 北条政子/財前直見 * 源範頼/石原良純 北条時政/小林稔侍 北条義時/木村昇 梶原景時/中尾彬 梶原景季/小栗旬 安達盛長/草見潤平 三善善信/五代高之 大江広元/松尾貴史 土佐坊昌俊/六平直政 源義朝/加藤雅也 常盤御前/稲森いずみ 平能子/後藤真希 新宮十郎行家/大杉漣 源頼政/丹波哲郎 木曽義仲/小澤征悦 巴御前/小池栄子 * 藤原秀衡/高橋英樹 * 藤原国衡/長嶋一茂 藤原泰衡/渡辺いっけい 藤原忠衡/ユキリョウイチ 富樫泰家/石橋蓮司 熊野別当湛増/原田芳雄 * 後白河法皇/平幹二朗 * 丹後局/夏木マリ 平知康/草刈正雄 * 平清盛/渡哲也 時子/松坂慶子 * 平重盛/勝村政信 経子/森口瑤子 平維盛/賀集利樹 平資盛/小泉孝太郎 平宗盛/鶴見辰吾 平知盛/阿部寛 明子/夏川結衣 平重衡/細川茂樹 輔子/戸田菜穂 平頼盛/三浦浩一 平時忠/大橋吾郎 領子/かとうかずこ 建礼門院徳子/中越典子 |
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大河ドラマ『義経』の放映が2005年12月11日の最終回をもって終わりました。私がまるまる1年間どっぷり浸かった大河ドラマは、松平さんが石野七郎次役(大石内蔵助に継ぐ準主人公扱い)として出演なさった1982年の『峠の群像』以来です。とは言え、当時私はまだ未成年であり、それほど松平さんに対する思い入れも大きくありませんでした(^^;)。また1999年(『元禄繚乱』)、2002年(『利家とまつ』)の大河出演では中抜けの時期があったため、また(悲しい事ですが)『暴れん坊将軍』シリーズも放映が続いていたので、“ブラウン管で松平さんを拝見できる唯一の機会”という切迫感もありませんでした。 その意味で今回の『義経』に対する期待は異様に大きいものがありました。しかも松平さんの役は義経に対して“弁慶役”です。いわば準主人公というべき役柄です。 ところがところが・・・原作本を聞いてびっくり。宮尾登美子さんの『宮尾本・平家物語』というではありませんか!何故に『義経』が主人公で『宮尾本・平家物語』が原作???宮尾本には弁慶の“べ”の字すら出てきません(>_<)。因みに昭和41年の大河ドラマ『源義経』では村上元三氏の作品を原作としていました。 実は制作側のコンセプトは、「義経は清盛を父親と慕った時期があった。多感な少年期に清盛から精神的な影響を大きく受けている事もありえる」というものでした。清盛の描く理想郷“夢の都”の精神性が、あの屏風を通じて、義経に色濃く受け継がれていく。ある意味斬新な解釈でしたが、大河ドラマでは、平家も源氏も・・・そして当然主人公・義経をも描きこまなければならない。義経を描くには(大変失礼ながら)宮尾本ではあまりに内容不十分です。宮尾さんは急遽『義経』を出版しましたが、残念ながらこれは小説というよりは、資料程度の内容しかありません。結果として大河ドラマでは、村上本を“参考資料”として扱わざるを得ませんでした。ただ宮尾本を原作としてしまったために、肝心の義経サイドが・・特に義経郎党達の個性があまりに、平坦で一辺倒な描写になってしまったのは(予想された事とはいえ)あまりに悲しい事でした。主人公・義経も戦の天才を謳われた大人物ですから、もっともっと明朗快活な元気な姿をファンも見たいと思っていたはずです。それがドラマでは、終始悩み・苦しむナイーブな性格付けがされていて、今の時代に果たしてこのような姿の主人公が視聴者に受け入れられるのか?と疑問に思うこともありました。もちろんタッキー義経の天賦の美しさは、それだけで視聴者を満足させるだけの価値があると思わなくもありませんが、やはり大河ドラマの醍醐味は、魅惑的な主人公の生き様、ドラマチックな展開と、役者同士の重厚な芝居にあると信じている自分には、物足りなさを感じずにはいられませんでした。 さて肝心の松平さんの弁慶役については、どうでしょう?松平健さんが演じる弁慶といえば、歌舞伎や多くの時代劇で描かれた、正統派路線−すなわち従来の弁慶像を踏襲した、豪放磊落、知性と剛胆さに溢れた、豪快な人間像をイメージした方も多いでしょう。ところが脚本の金子成人さんによれば、弁慶や義経郎党たちにはある種落語的な世界を求めていた。弁慶役に松平さんが来たことを“意外”と受け止めるような発言もなさっています。さらに役者さんへの当て書きはしないとも明言していました。 腕っ節は強いけど、きまじめであるが故に不器用で・・・仏門に帰依して女性と接する機会がなかったために女性が苦手・・・山育ちのため海は苦手。弁慶の泣き所は「臑だけでなく、女性であり、泳ぎであり・・・究極は義経であった」という、何とも人間味溢れた、しかも実に可愛らしい人間像でした(*^_^*)。おまけに仲間は都の孤児・喜三太や山賊上がりの伊勢三郎、海の男・駿河次郎・・と一筋縄ではいかない野性味溢れる人間達ばかり。いつも周りのペースに乗せられてしまい、きまじめ弁慶の行動は、まじめであるが故に皆の笑いを誘う・・という、松平さんがこれまでに大河ドラマで演じてきた人物像とはまるで違うものでした。演じる松平さんもさぞかし最初は戸惑われた事と思います。若き主人公を影で支えつつ、時代劇の不慣れな仲間達に囲まれてのお芝居は、松平さんに役者としてどのような精神的影響をもたらしたことでしょうか?私的には多分いろいろご苦労もあったと想像するのですが、ご本人はそれでも一年間の長期の撮影を通じて「勉強になった」と真摯にお答えになっていらっしゃいましたから、本当に忍耐強い方なんだなと思いました。もっとも仕事の後の交流(飲み会(^^;))大好きな松平さんには、案外楽しい現場だったのかもしれませんが。 ともあれ50代にして、役者道をある意味“逆行”(若い頃は血気盛んな役柄から、年輪を重ねるにつれ、次第に落ち着いた人物像を演じるという流れ)するような、人物像を演じるというのは、大きな冒険でもあったと思います。そんな一視聴者の心配をよそに松平さんは、これまでにない新しい魅力に溢れた弁慶像を見事に演じきって下さったと思います。願わくば、主人公・義経に準ずる人物としてもっともっと出番が多かったら良かったのですが。ただ結果として、定番見せ場の「五条の大橋」「安宅の関」「弁慶立ち往生」以外にも、「弁慶の泣き所」「弁慶走る」「涙の腰越状」「堀川夜討」などで、時代劇スターとしての魅力を余すところ無く魅せていただいたので、充分満足すべきものだったと今では思ってはいます。特に「弁慶走る」での原田芳雄さんとの腹芝居、「安宅の関」での石橋蓮司さんとの息もつまるようなセリフの応酬の芝居は、大河ドラマはかくあるべし!の見本のような素晴らしい出来だったと思います。この大河には、これまでの大河ドラマの歴史を担ってきた重鎮の方々が大勢出演されていましたが、そういった方達同士の芝居合戦が、ほとんど皆無に近い状態だったので、ある意味宝の持ち腐れ(ごめんなさいm(_ _)m)のようにも思えたのですが、松平さんに関しては、このような火花を散らすような場面を二ヶ所も作っていただいただけでも(ファンとして)感謝しなくてはいけないのかもしれません。 |