G.研究・調査・資料・ほか    総目次に戻る        ホームページの表紙
G.研究・調査・資料・他
G-1. kwh当たりのCO2排出権価格             98.1.8 G-2. 直流送電関係資料            98.2.1
G-3. 水力百年の定義 (最古の水力発電所は?)    98.4.27 G-4. 水力計画きぼ決定方法の変遷    98.5.26
G-5.米国の電気料金                     98.12.20 G-6.水力は1/3も過小評価されている  99.8.22  
G-7.学会講演議事録(水力発電の見直し、国際貢献)99.9.6 G-8.学会講演記録を読んで(理論包蔵水力)99.9.13 
G-9.コメント(G-8)に関し今後の進め方 99.9.20      G-10. 学会講演の受講者の感想文集  
G-11.(質問)世界の総発電量の推移    G-11.A-2.再び石油換算係数(難しくなければ面白くない)00.2.8 NEW




  1. G.4  筆者調査・研究;(H.10.6.26) 水力計画規模決定の変遷    表Aを追加修正 H.14.2.25

     最近、エネルギー財団の水力本部長の鈴木巧氏が「水力発電の経済性評価(応用編−その1)日刊電気通信社H.10.4.27)を刊行した。筆者はその推薦のことばを依頼され、執筆したがその中で「−−−元来水力の規模の経済性は時代の要請、技術の進歩に伴って変遷するもので、我が国の過去を振り返ってもみても、明治以来5回にわたる包蔵水力調査が政府により実施され、また時代に対応した水力計画論の主なものは30件以上に及んでいる−−−」と述べ、本書の歴史的意味から見て著者の労を多とした。

     このような経緯もあって読者の参考に供するため、過去の水力計画規模決定の変遷を概略調べてみた。
    1.   発電計画の問題は、古くは電気技術者が主体で研究されていた。土木技術者はどちらかというとトンネルの最経済的断面の決定とか、構造物の経済的設計に関心があり、規模の決定理論は電気技術者がリードしていたと思われる。
       
       即ち、大正12年の本多勘一郎の「発電水力の経済的利用」と言う博士論文は、水・火併用方式の理論的まとめの始めであって、その後の基本となった。これに続く水力の規模決定方法の論文は次のとおりで、殆ど電気技術者によるものであった。
      A.単行本及び小冊子
      番号          著者・発行者        年月              論文題名                                   
      1. 本田勘一郎 S.2 発電水力の経済的考察
      2. 逓信省電気局 S.4.2 発電水力の標準使用水量及び水火併用に関する研究
      3. 榎本卓蔵 S.9. 発電推量の経済的研究
      4. 北 久一 S.25.4 電力生産原価分析の方法について(経本エネルギー部会)
      5. 電気工学ポケットブック S.26.7 水火併用 (第1.7編)
      6. 関西電力(企画部) S.27.1 補給水力及び補給火力の原価比較
      7. 国土総合開発事務処 S.27.3 水力発電所経済効果測定(計算結果)
      8. 関西電力(企画部) S.27.5 水火併用の経済的考察(自流式水力と火力の組み合わせ)
      9. 関西電力(企画部) S.27.11 水火併用の経済的考察(調整式水力と火力の組み合わせ)

      B.学会・雑誌、その他
      10. 大久保 S.7.6 水火併用の経済的効果について
      11. 榎本 S.8.2 汽力を補助する水力発電所の標準使用水量
      に関する経済的研究
      12. 榎本 S.8.5 同上(常用汽力発電を併用する場合)
      13. 榎本 S.8.6 揚水式水力発電所に関する経済的研究
      14. 佐伯 S.15.8 水火併用による場合の電力料金と付加率との関係
      15. 加藤 S.16.1 本邦発電水力利用の現状(附討論)
      16. 小原 S.23.12 発電用石炭の消費量を最も少なくする電力需要の
      地域的配分について
      17. 古賀 S.25.4 水力発電に伴う火力発電の適正比率並びにその
      発電電力量について
      18. 岩崎 S.25.6 連続発電所の運転方式について
      19. 岩崎 S.25.11 2河川に対する負荷分担法について
      20. 古賀 S.27.2 常用火力を有する電力系統の水火比率並びに
      火力発電電力量
      21. 岩崎 S.27.9 N河川に対する負荷分担法について
      22. 高村 S.23.1 発電水力の標準使用水量について(OHM)
      23. 野口・前田 S.27.8 水火力併用による経済的考察(電力)


       1.2.3は、それぞれ今日までこの種論文のBasic Dataとなり、大局的な考え方、方法論上の基本論文となっている。
       2.の方針に準じているものに、5.13.22.がある。
       3.には11.12.13.が含まれており、1.とともに19.21.の参考論文となっている。
       8.9.23.は内容が同一である。

       水火併用の経済性を、特に需要の面からその配分方法について論じたものに、火力につき16.、水力につき19.21.がある。

       専ら設備の運用面から論ずるもののうち、発電原価の最小をもとめ、経済的水火比率を計算しているものに、5.7.8.9.23.がある。これらを用いず、水火合計と需要とのKw、Kwhバランスの等式から水火比率を計算するものに17.20.がある。

       14.は電気料金と負荷との関係を論じ、4.は可変費、固定費を分析している。なおこの4.の論文は、限界増分費用説を日本に紹介した始めてのものではないか。当時はアメリカから輸入されたIncremental Costの理論に振り回されて、経済性至上主義者から、厳密にB-C=最大、即ちΔB=ΔCを守った為、規模を小さくしたり、中には少しの差で没にした計画も多くあった。今日のように地球資源が問題になっている事を思うと、残念な気がする。(ΔB−増分便益、ΔC−増分経費)

    2.  昭和27年電源開発促進法第6条で多目的ダムのコトトアロケーションの基準を定める法律が制定された。これには次のような経緯があった。

       戦後まもなくマッカーサー(GHQ)が、日本の電力近代化のためアメリカに電気事業視察団を派遣した。その中に通産省の電気の吉岡技術長がいた。彼はTVAを見て、この制度を是非日本に導入すべきと思い、出来るだけの資料を集めて帰国し、調査研究を続けながら、虎視眈々と機会を狙っていたところ、電源開発促進法の制定が企画され、早速其の構想を盛り込む事に成功したという。

       しかし実際に此の制度を実際に生かしたのは、通産省土木の開発業務課であった。即ち身代わり妥当支出法はすんなり採用されたが、問題は「妥当投資額」をどう算定するかであった。前記開発業務課が中心になって、電気料金の分析を行って算定基準を作成し局内の調整を経て手法が確定した。これは水力の価値をKwとKwhの価値に分ける画期的な方法であって、水力の特徴であるピークの価値が始めて評価されることになったのである。このとき始めて土木技術者による水力規模決定の理論が採択された訳である。

       その後特定ダム法や水資源開発促進法が制定されたが、コストアロケーションは総て電源開発促進法第6条に準拠している。

       続いて昭和20年代後半は、冬季渇水補給を強く要請され、大ダム技術の進歩もあって、黒部第四、有峰等の大貯水池による重要大発電所が計画され、その規模を理論的に決める方法を確立する必要に迫られた。昭和29年(社)発電水力協会は開発委員会を設け、各電力会社の水力計画担当者による「発電水力の最大使用水量決定の方法」を審議、「最大使用水量算定基準」が纏められた。

       通産省開発業務課はこれを受けて、奥只見、田子倉、御母衣、熊野川系、奈半利、頭地、奥高見、十和田系、高根、黒部第四、有峰、新加計、桜木第一、同第二、耳川系等の地点をモデルにして試算し、昭和31年2月15日に「大規模水力の型式規模決定方法」を提案した。引き続き各方面の意見を聞いて、最終的には昭和31年8月「水力開発規模の決定の基準について」をとりまとめ、発表した。土木技術者によるこの基準が、これ以降の水力発電所の規模決定に適用され、斬新な数多くの計画が着々着工されたのである。

       その後松永安左右衛門の発表した「電力設備近代化構想」により、水火比率の逆転が予想され、今後の揚水を含む水火のあり方を追求するため、昭和33年通産省内に「電源開発方式研究会」が発足したが、上記開発業務課の案は水力の個別地点の最適規模を決定する手法として踏襲され、更に詳細な分析が為された。

               
      戻る   ホームページの表紙

G-5. コメント(H.10.12.)

 在米の知人より、E-mailで10頁程の米国の電気料金に関する資料を送ってきたので、以下諸兄の参考に供したい。


出典は、Energy Information Administration/Electric Sales and Revenue 1997