- G−6.コメント (H.11.8.22) 水力は1/3も過小評価されている(エネルギーの単位換算) NEWEST
貴ホームページの1頁第2節に「表−1に示すとおり」とあるが、その表−1は電源別であって一次エネルギーを示していない。又別の資料によると、例えば世界の一次エネルギー(1992年BP統計)では原子力6.8%、水力2.4%で、計9.2%で約10%にはなっているが、半々ではない。これらの統計資料の整合性はどう解釈したら良いか教えて欲しい。
- A.筆者所見 (H.11.8.22) NEWEST
大変重要で基礎的なご指摘です。以前ある大学の先生から意見があり、議論したことがありますが納得されなかったようです。この際曖昧な表現を改め明確にし、その根拠を明らかにしたいと思います。この問題は水力の過小評価の一つでありもっと議論して欲しい。
文章を改め、「表−1に示すとおり」」を次行の「−−−しかも」と「半々で−−−」の間に挿入する事としたい。
【1】.先ず引用する関係諸表を列記してみる。
(表−A) 世界の一次エネルギー(1992年BP統計)
|
石 油
|
天然ガス
|
石 炭
|
原子力
|
水 力
|
合 計
|
備 考
|
|
3128.4
|
1781.0
|
2164.2
|
531.9
|
188.6
|
7794.2
|
石油換算百万トン
|
|
40.1
|
22.8
|
27.7
|
6.8
|
2.4
|
100
|
%
|
|
(258.8)
|
(50.4)
|
(77.9)
|
(56.7)
|
(7.2)
|
(451.0)
|
(日本−内数)
|
(表−B) 日本の一次エネルギー(1992年日本政府)
|
石 油
|
天然ガス
|
石 炭
|
原子力
|
水 力
|
新エネ他
|
合 計
|
備 考
|
|
314.9
|
57.3
|
87.1
|
54.1
|
20.6
|
7.0
|
541.0
|
石油換算百万KL
|
|
58.2
|
10.6
|
16.1
|
10.0
|
3.8
|
1.3
|
100
|
%
|
|
270.8
|
49.3
|
74.9
|
46.5
|
17.7
|
6.2
|
465.5
|
石油換算百万トン *
|
*筆者換算 石油1KL=石油0.86トン
(表−C) 世界の発電別電力量(1991年国連統計)
|
水 力
|
火 力
|
原子力
|
地熱等
|
合 計
|
備 考
|
|
2285.8
|
7681.4
|
2078.0
|
39
|
12034.1
|
10億KWH
|
|
19
|
63.4
|
17.3
|
0.3
|
100
|
%
|
|
514.3
|
1728.3
|
467.6
|
8.8
|
2707.7
|
石油換算百万トン *
|
|
(105.6)
|
(567.3)
|
(213.5)
|
(1.8)
|
(888.1)
|
(日本−内数)10億KWH
|
*筆者試算 1000KWH=0.225トン=0.26KL(石油換算)
(表−D) 日本の発電別電力量(1991年日本政府)
|
水 力
|
火 力
|
原子力
|
地熱等
|
合 計
|
備 考
|
|
105.6
|
567.3
|
213.5
|
1.8
|
888.1
|
10億KWH
|
|
11.8
|
63.9
|
24.0
|
0.3
|
100
|
%
|
|
23.8
|
127.6
|
48.0
|
0.4
|
199.8
|
石油換算百万トン *
|
(表−E) 日本の発電別電力量(1992年日本政府)
|
水 力
|
火 力
|
原子力
|
地熱等
|
合 計
|
備 考
|
|
89.6
|
580.7
|
223.3
|
2.0
|
895.3
|
10億KWH
|
|
10.0
|
64.9
|
24.9
|
0.2
|
100
|
%
|
|
20.2
|
130.7
|
50.2
|
0.3
|
201.4
|
石油換算百万トン *
|
【2】.先ず、BP統計(British Petroleum)の表−Aと日本政府の表−Bを比較してみる、表−Aの( )内が表−Bに対応する数字だが、大違いであることが判る。
(石油換算百万トン)1992年
表−A 表−B 表−E
水力 188.6 (7.2) 17.7 20.2
原子力 531.9(56.7) 46.5 50.2
その最大の理由は、電力量を熱量換算するときに厄介な問題がある。電力を発生するために必要とされる投入熱量と(インプツトベース)と、電力を利用して得られる熱量(アウトプツトベース)には大きい違いがあるからである。
即ちアウトプツトベースでは1Kwh=860Kcalは何処でも共通であるが、インプットベースでは発電効率によって異なるので、効率が良くなれば必要カロリーは少なくて済む。我が国では最近の熱効率の向上を考慮し、昭和28年頃の熱効率20.7%の時は4150Kcalとしていたものを、昭和46年以降は熱効率を38.1%として2250Kcalと定めている。
ところが、IEA(国際エネルギー機関)のエネルギーバランス表では、1991年から水力860Kcal(100%)、原子力2600Kcal(33%)、地熱8600Kcal(10%)としている。水力が著しく過小評価されている。即ち水力は原子力の860/2600=1/3の価値しか認められていない。IEAが何故そのように定めたのか判らない。
又、BP統計では非商業エネルギー(薪・廃棄物・一部の泥炭など)を含まない。日本政府資料の新エネ等は提要・黒液・薪炭を含む。
【3】.表−Cは国連統計だがKwhの生の数字なので、水力と原子力の比較は間違いなく半々だと言うことが判る。参考のため石油換算をしてある。尚、日本政府の表−DのKwhと比較すると同じである。政府資料には水力は一般水力のみと脚注している(出水率で毎年変化する)。日本政府の数字は発電実績と考えられる。(UP DATEした数字を入手して検討たい)
【4】.以上総合勘案して、一次エネルギー全体から見れば水力と原子力は合計して、ほぼ10%を占め、生のKwhの数字から見れば量的に半々だと解釈できると判断して、私のHPの筋書きとしたのである。
参考資料 「エネルギーデータの読み方使い方」 松井賢一著 1994年 電力新報社
目次に戻る ホームページの表紙へ