A107それではさっそくですが…。
 「中出しされた」と書いていますが、そういう状況でセックスをしたということですね。お互いになぜもっと話し合わないのですか?ということをまず書いておきます。
 月経周期の定まっていない若い頃は、毎日が危険日と考えるべきです。妊娠しやすい日とか、妊娠しにくい日とかいうのはないと思ってください。
 いわゆる安全日とか危険日というのは、ホルモンの巡りのよい、すなわち月経の周期がきちんと確立していて、少々のことでは排卵日がくるわない女性のために言われ出したことです。それでも、安全日といっても、排卵日が終わって、体温が高温期に入ったのを確認して、4〜5日後から、月経までのとても少ない日数の間だけのことです。
 まだ若くて、ホルモン状態が確立していないころは、何かの拍子に排卵日がくるうということは、とてもよくあることです。だから、毎日毎日が、妊娠しやすい日と考えるべきです。
 また、セックスの後に膣内洗浄をしても避妊とはいえません。
 月経が始まらなければならないのに、まだない…。1日でも、予定の日より遅れてしまったら…。絶対に産むことができない人にとっては、本当に不安なものです。そこで、妊娠の徴候について書いておきましょう。
 妊娠すると、まず何よりも月経が止まります。順調に毎月ある人であれば、2週間も遅れてしますと確定的と言ってもいいかもしれません。でも、気をつけてください。出血があったから、もう安心と思っていたら、数日でなくなってしまったとか、量がいつもより少ないということもあり得ます。これは、妊娠性の出血といって、月経があるころに少量の出血をみることは、半数くらいの人にあります。ですから、期間と量に注意が必要です。
 それから、ずいぶん遅れて出血が始まって、それがいつまでも止まらないで何日も何日もずっと続く…。これも、妊娠していて、流産しかかっているということかもしれません。さらに、これまでの月経痛とちがう、猛烈な腹痛が出血とともにある…。これは、もしかすると、子宮外妊娠や流産ということだってあり得ます。とにかく、出血があったら、もう安心というのではなく、いつも通りの量と期間かどうかを気をつけて観察することが大切です。
 ふつう月経が止まって2週間くらいたつと、吐き気がしたり、ものが食べられなくなったりという“つわり”の症状が始まります。しかし、これはずいぶん個人差のあるものですから、まったくない人もありますし、月経が遅れるかどうかというころから吐き気がはじまり、ほとんど食べられない、食べてもすぐ吐いてしますというようにとても重い人もいます。お乳が張る、おりものがなんとなく増えるという現象も見られます。
 もしあなたにこんなことが起きていたら、はやく病院に行って確かめてもらいましょう。ぐずぐず悩んでいないで、何よりも事実はどうなのかと確かめることが先決です。若いうちはちょっとしたことで、ホルモンの分泌が狂ってしまい、排卵や月経が遅れてしまうということもあります。なにしろ、悩んでいるよりもはやく、どちらなのかスッキリさせた方がいいのです。
 悩んでいたり『自分は単なる月経が遅れているだけ』と思い込んでいたりして、妊娠の診断がついたときは、うんと妊娠月数が進んでいたということが一番こわいことです。
 こんなことがあったら、すぐに病院へ行きましょう。
 そして、今回妊娠はしていなくても、これから2人で、避妊についても真剣に話し合ってください。そして、あなた自身の性行動についても反省するべきです。
 つづいて、人工妊娠中絶についてです。
 もしも、産めない妊娠をしてしまったら…、とてもつらいことだけど…、でも、セックスをしている人ならだれでもあり得ること。特に、避妊をいいかげんにしている人なら大いにあり得ることです。人工妊娠中絶は『男は逃げられる。でも、女は決して逃げられない。人工中絶は、みごもった女の最後の救済手段なのだ』と思います。
 人工中絶なんて、一度受ければ十分です。あんないやなことは、一度で懲りてしまうはずです。
 人工中絶についてもう少しくわしく書いて、終わりたいと思います。
 初期の人工中絶(妊娠11週まで)と11週を過ぎての人工中絶はまったくちがうものになります。
 11週までならば、麻酔をかけて眠っている間に「掻爬」(そうは)による手術ができます。11週を過ぎてしまうともう「掻爬」による人工中絶はできません。中期中絶といって、子宮口を人工的にうんと拡げ、薬で陣痛をおこして、「産む」形で人工中絶することになります。陣痛はとてもつらく、長時間かかり、心身の負担はとても大きく、また、何日もの入院を要します。また、役所に「死産届」も出さなければなりません。
 そして、その中期中絶ができるのも、妊娠23週(6ヶ月)の終わりまでです。現在日本では法律でそう決められていて、それを過ぎると、どんなに事情のある人でも、人工中絶はできず、出産しなければなりません。
 病院の選び方。妊娠の診断と同時に、すぐにでも手術をしてしまいましょうという病院では、決して手術を受けないようにしましょう。ちゃんと、同意書(あなたと彼の署名、押印をする用紙)を渡してくれ、手術日の予定をするところ。そして、どんな初期でも、前日から入院をすすめるところ。お産をしたことのない人の子宮口は、とても小さくかたいのです。
 今後のために、また今後、同じような立場に立たされた友だちのために、以上のようなこともおぼえておいてください。
 妊娠をしたら、産むか産まないかを決めるのは女性であるあなた自身です。
 それから、最後に、男として彼女が妊娠したかもわからないときに、彼女の不安と悩みをともに考え、どんな事態にもいっしょにぶつかっていくのが、男性の義務ではないかと思います。そこから逃げ出すような男は、しょせんそれだけの人間だったということになります。あなたの彼は大丈夫ですか?
 これにこりずに、どんなことでも質問してくださいね。