A241それではさっそくですが…。 
 マスターベーション、オナニー、自慰行為などの言い方があるが、どれも暗いイメージがあるので、この頃はセルフ・プレジャーという表現も使われはじめています。
 男子にとって射精やセルフプレジャーは誰でも経験することなのに,その成長過程で正面きって一度も大人から語られない。しかも、それらは快楽をともなうゆえに驚きとともにある種のうしろめたさを感じ,なかなか人にたずねにくいのです。
 昔から大人たちはこの行為をいやらしいものとして子どもたちに伝えようとしてきました。「生殖」につながらず「快さ」のみを求める行為と思っていたからです。
 そのための理由として、大人は子どもにこんなに伝えていました。
  ・体力やエネルギ−を消耗して早死にをする。
  ・記憶力が悪くなる。
  ・大人になったとき元気な赤ちゃんができなくなる。
  ・身長が伸びない。
  ・髪の毛が薄くなる。
  ・インポテンツになる。
  ・ズボンのポケットを縫って手が入らないようにしたり,寝るときは布団の上に手を出すようしつけたり。

 やがて、以上の有害論に根拠がないとなると…。
  「わるいことはないが,過度におちいらないほうがいい」
  「男はやむおえないが,女はしないほうがいい」というふうに伝えられてきました。だから何かセルフ・プレジャーは悪いものではないかという考えがうえつけられているのではないでしょうか。
  
 わたしは、セルフプレジャーとは、「自分のからだとの対話」「自分の性欲や性の感覚とのつきあい」だと考えています。自分のからだのどこをどうしたら快いのか。
どうすればいやなのか。そして性欲を高めたり静めたりするにはどうしたらいいか。そんなことを自分のからだと対話しながら学んでいくんだと思います。これは、何才になっても同じことではないでしょうか。
 セルフプレジャーというあまりなじみのない言葉に込められた意味は、今まで述べてきたような、いっさいの罪意識や後ろめたさから、私たちを解き放ちたいと考えているということなのです。
 そして、するかしないかは自分で判断して、したければする、したくなければしないということでしょうね。