『 熱中症 』


予防のポイント

薔薇

●梅雨明け前後は特に注意を

熱中症は、体内の水分と塩分の不足で起こります。

人間は、36度前後の体温を保つために、筋肉で熱を作ったり、汗をかいて調整しています。
汗をかく反応は早く、周囲の温度が上がったり、運動で体温が上がると、すぐに汗をかいて体温を下げます。

一方、基礎代謝と呼ばれる熱をつくる機能は、徐々にしか変化しません。
時々刻々と変化する周囲の温度をとらえながら、体を環境に順応させていくので、平均気温の変化に対して、約2週間ほど遅れて、つくる熱の量が変化するといわれています。

暑さに体が慣れると、体がつくる熱が少なくなり、汗が出やすい体になります。
しかし、体が暑さに慣れていない梅雨明け前後は、塩分の多い汗を多くかいて体温を下げるため、水分と塩分が失われて、脱水状態になり、熱中症になりやすいのです。

●熱射病は20分以内に病院へ

熱中症は、軽症、中等症、重症の3段階に分けられます。

軽症では、「熱けいれん」や「熱失神」といった症状が表れます。

熱けいれんは、突然、足や腹筋がけいれんして激しく痛みます。
ジョギング中に足がつったり、水泳中のこむら返りも、熱けいれんのことが多いです。
多量の汗をかいたあとに、水分だけを補給した時に起こりやすい。

熱失神は、数秒間の短い失神のことです。
運動中よりも、運動が終わった直後に起こりやすい。
そのほか、「顔色が悪い」「呼吸や脈が速い」「めまい」などが見られます。

のどの渇きを感じたときには、すでにかなりの水分と塩分が失われています。
この段階でスポーツドリンクなどで補給して休養すれば、熱中症は予防できます。
しかし、我慢したり、仕事やスポーツの練習中などで補給できないと、わずかな時間で中等症に進行してしまう可能性があります。
帰宅後に悪化することもありますので注意しましょう。

中等症になると、熱疲労という状態になります。

強い疲労感、虚脱感、頭重感があり、失神、吐き気、おう吐などの症状が表れます。
早急な水分、塩分の補給が必要になってきます。
自力で対処できそうにないときは、すぐに助けを呼びましょう。

意識がはっきりしなかったり、汗が止まって体が熱い場合は重症です

すぐに救急車を呼んでください。この状態が熱射(日射)病です。
血液が固まり始め、多臓器不全を起こしかけています。
発症から20分以内に、病院で適切な処置をしなければ、死亡する危険性が高い。


軽症から重症まで、わずか数十分で進行することもあります。炎天下での草刈の作業、激しい運動をする時などは、こまめな休憩と水分補給をして、十分に注意したいものです。

●のどが渇く前に水分と塩分を補給しましょう●


疲労感・頭痛・吐き気は危険信号です!

●補給の仕方

▼熱中症予防の基本は、水分と塩分の補給にあります。
中程度の運動量では、1時間に約600ccの汗が出るといわれています。気温が高い場所や、炎天下ではさらに増えます。
補給には、スポーツドリンクが塩分のバランスもよく、吸収されやすいのでいいでしょう。

▼屋外での作業やスポーツの場合は、事前に水分を補給しておくほうが賢明です。
一人で作業やジョギングなどをする場合は、飲み物を携帯しましょう。
まとめて飲むと吸収が悪く、下痢をしやすいので、こまめに補給するのが望ましいです。

▼高齢者や乳幼児は脱水状態になりやすい。
特に運動をしなくても、室温が高いと、気付かないうちに脱水が進んで中等症になっていることがあります。
ポットやペットボトルなどを置いて、十分に水分が補給できているか、家族などが見ても客観的に分かるような工夫をしましょう。

●体調の管理

▼睡眠不足だと熱中症になりやすい。
夜間も気温が高く、寝苦しくて睡眠不足を感じる場合は、短時間の昼寝をするなどして良性しましょう。

▼風邪・下痢・発熱時は、特に水分が失われます。
かぜ薬、解熱剤、頭痛薬など服用している場合は、体温が上昇することがあり、熱中症の引き金になることがあるので注意しましょう。

▼軽症の熱中症でも、体の細胞の水分が回復するのに1週間ほどかかります。
脱水状態になったり、熱中症にかかったら、しばらくは激しい運動や作業は控えましょう。

●意識の改革

▼「これくらい大丈夫」という意識を変えることが、危険回避への第一歩です。
痛ましい事件に「車中に置き去り」による死亡例があります。
車には、短時間でも、絶対に子どもを置き去りにしないことです。
冷房をかけていても、輻射熱(ふくしゃねつ)が大きく、脱水状態になりやすいのです。

▼アルコールは体温を上げ、利尿作用によって水分不足を招きやすい。
ビールなどは、水分補給にならず、逆に飲んだ分量以上に水分の補給が必要です。
晩酌後、就寝前に少なくとも水を。1杯飲む習慣をつけるといいでしょう。

▼日常生活で水分を奪われやすい場面は入浴です。
高温多湿の環境下で、体を洗うなど、かなりの運動をして汗をかいています。
入浴の前後、特に入浴前の水分補給を心がけましょう
散策/気になる木
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