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水処理通信へちまや編
《過疎地域での流域下水道への疑問 関連》
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目 次
□過疎地域での流域下水道に疑問 植木 康太
□今回の提言への感想 山さん
□葉山町の事例 ささき
□農集排を合併浄化槽に 長野市、3地区で見直し(信濃毎日新聞記事要約)
□いくつかの質問 かにクリーム。
□質問への回答
●山さんさんの回答 00/02/21
●植木さんのコメント 00/02/24
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■過疎地域での流域下水道に疑問
植木 康太
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1.いつまで産炭地でいるのか
昭和39年に日本最大の炭坑、三井鉱山田川鉱業所が閉山して35年の歳
月がたった。 閉山の苦難を乗り越えるため失業対策事業を中心とした公共
事業が実施され、そのまま現在に継続され、その事業量は今までに1兆円と
もいわれている。
人心の荒廃の鏡ともなる環境問題についても、豊かな自然を湯水のごとく
浪費し、切り売りし、住いの周りはアスファルトとコンクリートのジャング
ル化しつつある。
諸先輩方の努力が結果として自立心を曇らせる風潮を育てたことが非常に
残念であるが、過去に拘ってはいられない、今この時も同様の動きが執拗に
連綿と続いているのだ。
その代表格として、以下、田川地区において計画が進んでいる流域下水道
についての危険性を指摘せざるを得ない。
2.田川地区に於る流域下水道の概要
まず、この計画の概要を、平成10年6月に田川市議会政策推進協議会が
発行した協議録より第1表に転記する。おおざっぱに述べれば、赤村を除く1
市8町と県が共同で、田川市郡のほぼ全員の147,300人が使える巨大な下水道
を建設する。下水管の総延長は、添田から赤池まで7ルート、推計数十q、
処理場は赤池町に日最大73,000m3、それにかかる総事業費 1,253億円、
完成は30年後である。
3.田川地区に於る流域下水道の問題点
まず第一に指摘をしなければならないのは、そもそも建設省管轄の下水道
と言うものは、大都会、人口密集地域で有効な環境保全システムだと言うこ
とである。
田舎の人口密度の低い場所での下水道はこのシステムが不向きだと言うこと
だ。田川地区には人口密集地域(DID地区)が川崎町、田川市、赤池町の
それぞれ、140ha 、640ha、130haが4km、7.5kmの間隔を置いて
位置し、その合計人口は37千人で、流域下水道に適している地域ではない。
147千人を下水道化すると言う事は、極端に言えば山の上の一軒家に公費
でパイプを引くようなものである。
第2の問題は、計画人口の過大設定である。(財)日本統計協会が公表して
いる田川地域の人口推計では、現在の約15万人が2025年には11万人
と大幅な人口減少が見込まれており、別のシンクタンクの推計では産炭地の
助制度切れのため10万人を割り込むとも言われている。人口が半分になれ
ば、建設負担金と使用料金は倍になるのは明白である。例えば、100坪の
家で4人家族の場合、人口が半減すれば建設負担金は30万円、下水使用料
金は月7千円程度になるであろう。たとえ市町村負担を増やしてこれを軽減
しても最終負担者は市民以外にありえないのだ。
第3の問題は、道路の下に埋められた延々20数キロ、直径40p位の下水
管である。炭坑鉱害による地盤沈下は管渠の維持管理費を増大させ、かつ、
延長が長いため不明水が多量に流入することが予想される。そこで問題にな
るのが、処理場に流入する水の量と家庭のメーターでカウントされ料金を徴
収される水の量との差、いわゆる多量の不明水の処理費負担である。こんな
費用まで家庭にしわ寄せをされてはたまりませんが、最終的には住民負担で
しかありえないのだ。
第4の問題は、行政並びに住民の財政力である。全国唯一の赤字債権団体を
抱え、財政力指数0.3以下の超貧乏市町村のどこにこの莫大な財政負担の
財源が有るのか。多分、首長さんたちは産炭地の特別立法切れの代償として、
特別な補助制度を獲得しようとしているのでしょうが、交付税措置が少し有
ったくらいで負担できるような額ではない。
4.身の丈に合う身近な下水道を。
まず、この様な論議をしなければならない現状の情けなさを批判したい。
もう20年も前から、元東京大学の中西準子氏は過疎地方での流域下水道の
不合理性を指摘し、行政も農集排、浄化槽なども採用した下水道普及を目指
すと言う一定の結論が出ているのだ。
流域下水道採用の最大のメリットは、大規模化によるスケールメリットで
あるが、これはあくまでも人口密集地域における話しである。私の試算によ
れば、流域で実施したほうが単独でやるより高くなる町村もある。その上、
各市町村間の調整は難しく、建設期間も格段に長期化し、以下に述べるとお
り30年後の人口は半減する中で、まったくフレキシブル性を欠いた田川に
相応しくない下水道なのだ。そこで、水環境を保全し、財政的にも出来る限
り少ない負担で出来る下水道を提案したい。
第一に、全県域下水道等整備構想にのっとって、人口密集地域には小規模公
共下水道、その他の郊外部では農業集落排水施設やコミプラと言った類似下
水道と各戸合併処理を採用すべきである。特に、農村部においては、土壌処
理システムなどの最新技術も採択し、集落ごとに新たな下水道システムを試
みるなど、企業・大学と連携しながら環境自治体としての取り組みを促進す
れば良い。
第2、第3の問題は、計画人口の見直しと適正規模の下水道計画の再構築で
ある。人口推計を現実的なものに見直し、農業集落排水施設やコミプラと言
った類似下水道と各戸合併処理とに人口割り振りを行い、下水道総体として
の規模を格段に縮小すべきだ。その結果、処理場も小規模化が可能になり、
同時に管渠の総延長は一挙に縮まり、不明水量も激減する。家屋の張り付い
ていない郊外・農村部にパイプを建設する巨大流域下水道に取り組んではな
らない。
第4の問題は、行政並びに住民の財政力です。小規模化、分散方式を採用し
ながら、設計の共同発注、水・汚水処理の共同化を実施する船団方式の採択、
田川地区での維持管理体制の共同化など、広域行政でのメリットを生かすこ
とで財政負担並びに住民負担を少なくすることが出来る。
5.自立した地域づくりを
産炭地の今後のあり方を検討している通産省の審議会の流れは、住民の創
意工夫による自主・自立こそ産炭地の最大課題であると結論づけている。内
発的な起業による町の再生を目指すときだと言うのに、まだ、産炭地を繰り
返すのか?と問いたくなる。莫大な公共事業投入によって作られたアスファ
ルト道路にカヤやぺんぺん草が生い茂り、殺伐とした風景の広がり始めた田
川にこの様な財政支出は止めるべきです。
起債償還と管理費負担地獄を生み出し、市税を食いつぶし、行政サービス
を不可能にする流域下水道は自殺行為に他ならない。
沖縄の久茂地川では沖縄テレビ放送の10年にも及ぶ河川クリーンキャン
ペーンによってBODが50から5に下がっている事実が有る。これは住民
一人ひとりの心がけ、生活行動によって川や環境は美しくなることを実証し
ている。汚れは水に流さず、生活環境・水環境の改善を心がけることによっ
て水環境を守る、この姿勢の上に立った身近で親しまれる適正規模の「おら
が町の下水道」を、六法切れ前に作ることが必要である。
情報を公開し、開かれた論議の中から本当に田川に相応しい下水道、住民
意識の高揚を図ることで環境を保全する『心の下水道』を作る事こそもっと
も重要な田川再生の道ではないでしょうか。
田川市番田町 植木康太
環境カウンセラー・技術士(下水道)
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第1表
施工主体 赤村を除く1市8町と県が共同
計画人口 147,300人 市郡人口 150,336人(平成10年10月)の
98%
計画区域 3,874 ha 市郡面積 36,365 ha
計画処理水量 73,000 m3/日最大
処理場の位置及び面積 赤池町春日地区 10万6千u
幹線計画 添田から赤池まで7ルート 推定数十q
事業費 1,253億円
事業期間 30年
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【植木 康太(うえき こうた)さん】
田川未来塾事務局、福岡県立大学と共に歩く会事務局として活躍。
田川市役所勤務。環境カウンセラー、技術士(下水道)。
田川未来塾ホームページは、http://www.chikuhou.or.jp/t-mirai/
植木さんのE-mailは、k.ueki1@crocus.ocn.ne.jpです。
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植木さんの流域下水道批判についての感想、ご意見を是非お寄せください。
その際、編集人あて(この通信にメーラーの返信機能で送れます)の場合、
メールの本文は植木さんにお送りしますのであらかじめご了承下さい。また、
毎度のことですが、公表掲載の可否、範囲について明記してください。ハン
ドル、匿名でもどうぞ。
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■今回の提言への感想 山さん
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熟読していないでこの種の事に何か言うことに恥じらいがあるが敢えて言っ
てみます。(今多忙で熟読していられないが一言)
提言の要旨
問題点
1.流域下水道は人口密度の低い地域には不向き
2.計画人口の過大設定
3.不明水を処理
4.財政力
対策
効率の良い水処理
今回の提言は効率的な水処理は如何に? ということと拝読した。
この意見について概ね同感である。
ただ、計画の詳細がこれだけでは読みとれない面が多々あるように思う。
筆者のキャリアから水処理についてはエキスパートであるので理論的にはこ
のようなことであろう。そうであるにしても筆者の論の処理方式を採用した
場合の問題点も書いてほしかった。それは汚濁の除去率とか個々の処理場の
運転上の問題等。又処理コストの比較なども。
現在の処理方式でこれが最良というものが無い現状を踏まえ、地域にマッチ
した処理方式を選定することに腐心すべきだということは同感です。
そのことは方式選定、決定の際にそれぞれのメリット、デメリットを洗いざ
らい情報を公開して総意を得ることが肝要。
従来、役所が採用する将来人口には落とし穴があるので要注意。
それに14万人程度の処理人口であれば、そのことだけでも流域下水道とい
う方式に問題がありそうだ。
それ故、この種の意見を発表する場合は植木氏自身の説によるイニシャルコ
スト、ランニングコストを資料として添付してほしい。
何故なら、もう少し具体的数値を示さないと一般人の判断が出来ない。総論
は良いと思うが具体的でない。
この種の事業の採択に委員会とか諮問委員会の報告というのには充分注意を
要する。それは委員の選定が、多分に事業計画者がすることに起因する。
初めから結論が決まっているのである。(御用学者の登用)
もう一つの問題
この事業の性格(公共事業は地場産業)
単に水処理事業のみではないこと。この地域の振興という名の補助事業。
各首長は如何にして公共事業を誘導するかで腐心している。
公共事業さえ誘導できれば特にこの流域下水道でなくても良いのである。
全国皆同じパターンでこのような公共事業が実施されている。
地域ではこれが地場産業なのだ。これは来年度予算案でも踏襲されている。
このようなことをいつまで続けるのでしょうか?誰か良い解決方法を発表し
て下さい。
前例に頼らない新しい事業を!!
筑豊の筑豊による筑豊のための公共事業を!!(活力ある地域作りを)
とり急ぎ。
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■葉山町の事例 ささき
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こんにちは、ささきです。神奈川県三浦郡葉山町の下水道事業と浄化槽の比
較という資料があったので多少まとめつつ、書いてみようと思います。資料
はちょっと古くて、平成10年12月ごろのものです。
◎葉山町の現状人口 約30,000人 所帯数 約10,000世帯
浄化槽使用人員 約10,000人
◎下水道事業計画葉山町下水道整備事業費 440億円
葉山町内の一部(230ha)の汚水を海岸に集め、ポンプにて標高5〜60m、
距離5km離れた下水処理場へ搬送する計画。
◎浄化槽で整備した場合の事業費
浄化槽での整備事業費
59億円(住民一人当たり29.5万円)=88万円×6700世帯
小型合併処理浄化槽(注1)と既存の単独処理浄化槽(注2)の合併化による
整備その他もろもろで合併浄化槽にて整備した場合、100億円程度。
ただし、既存の合併浄化槽を残せば、70億円程度で済む。
◎これに対する町民の反応
(1)生活環境改善の効果がない。むしろ環境が悪化する。
(2)事業費が過大(住民一人当たり約150万円)で町財政が破綻する。
(3)既設の合併浄化槽、コミプラ(注3)を廃棄するのは不合理。
(4)汚水を山中までポンプアップするのは不合理、費用もかかりすぎる。
これらの疑問について有志が町に対して説明を求めたが、納得のいく説明が
なされなかった。そこで、町民オンブズマンおよびオンブズマン会員有志に
て葉山町監査委員会に対し、葉山町長に下水道事業の中止とこれに関する違
法支出の返還を求める監査請求を平成9年6月30日に申し立てた。
◎監査委員会の反応
「下水道事業は法律に基づいて決定された一般行政上の行為であり、住民監
査請求の対象となる財務会計上の行為ではない」との理由で却下した。
県についても同じで門前払いであった。
◎住民訴訟平成9年9月に上記のような経緯を経た後、葉山町長を相手に住民
訴訟を起こした。
訴えの内容は上記の監査請求と基本的には同じである。
(1)葉山町の公共下水道計画は、町民の30%がすでに合併浄化槽を利用してい
るのにこれらをすべて廃止することを前提としている。
(2)「廃棄物処理法」では、既存の合併浄化槽などの活用を十分に考慮して生
活排水処理基本計画を自治体毎に立てることが決められているのに、この法
律を全く無視している。
(3)生活排水の処理に合併浄化槽を積極的に活用するように、厚生、建設、農
林三省の共同通達が出されている。
(4)葉山町の生活排水処理を合併浄化槽で行うとすれば、建設費は100億円以上
であり、全町で440億円と見積もられている下水道事業計画は、地方財政法に
定めてある「最小の費用で最大の効果を」に明らかに違反している。
町側はこれに対して全面対決の姿勢をとった。
◎裁判の争点と途中経過
結局、裁判は現在も継続している。現在までの主な争点は、
(1)「監査委員会の決定の通り"財務会計上の問題ではない"ので住民訴訟には
ならない」という町の主張を裁判長は認めなかった。
(2)「合併浄化槽と公共下水道は、まったく異質な施設であり、それらを比較
することはできない」との町の主張に対し、裁判長はその根拠を明らかにす
るように求めた。
町は下水道法と浄化槽法の差異について説明したが、環境改善の機能という
点ではむしろほとんど差がないことが印象付けられた。そこで裁判長は、
「どうしても公共下水道を設置しなければならない法律的な根拠」を町に質
問したが、明確な答えは出なかった。
この他にも争点はあるが、「町の下水道建設計画の内容が適切であったか、
これ以外に経済的で効率的な方法がなかったか」が主要な争点であるとの見
解を、裁判長は出している。現在のところ、町の反論が裁判長にはほとんど
認められていない状況である。
この後、町側は上記2項目への回答はなく、「公共下水道の集合方式、浄化
槽の個別処理方式のいずれを採用するべきかの選定基準を直接定めた法令は
なく、各自治体の裁量に委ねられている。」ことを認めた。
公共下水道建設の可否を問う裁判は、軽井沢町でも行われている。
岐阜県北方町でも提訴されたらしい。
また静岡県でも住民有志が提訴を検討している。
以上
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■農集排を合併浄化槽に 長野市、3地区で見直し
信濃毎日新聞(1月25日)の要旨
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長野市は、山間部の信更の二地区で農業集落排水事業計画を取りやめ、一地
区で縮小、いずれも合併処理浄化槽整備に切り替える方針を決めた。
理由は、
1、農業集落排水事業は、排水管の敷設などで多額な費用がかかる
2、全国で希望が集中し補助金の獲得に時間がかかるため
「高齢化が進む地域からは十年以上も先にならないと水洗化されないなら、農
業集落排水計画から外してほしいとの要望も出ていた」と説明。財政負担の軽
減とともに、水洗化を早められる利点を強調しているようだ。
今回の見直しで、農業集落排水事業の計画面積は同市全体で四百七十一ヘク
タールから四三五・九ヘクタールに減り、総事業費は二十六億円少ない二百八
億円となる。
長野県内では、九八年度に飯田市、上田市などでも同様の動き。
県下水道課は「財政状況が厳しい中、従来よりシビアに見直すよう市町村に求
めている」と話しているそうだ。
(さらに詳しくは信濃毎日新聞ホームページからどうぞ)
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■「流域下水道への疑問」に関連して質問 かにクリーム。
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こんにちは、いつも頭をより多く回転させて熟読させていただいています。
(^O^)
私は某大学3年生で、2年次に「多摩川の水質調査と着色金属成分」について
研究してから、水処理について関心を持っております。このメルマガは、と
ても専門的かつ水環境について考えをひろげる機会になり、勉強になり、頑
張って読ませていただいています。いくつかわからないこともあるので、質
問のメールを送らせていただきました。
2月9日の記事の中で、「14万人程度の処理人口であれば、そのことだけでも
流域下水道という方式に問題がありそうだ」というのがありましたが、単純
に、人口だけで処理方法を決めるのはダメであるということでしょうか。そ
うならば、どんなことを考慮して行く必要があるのでしょうか?漠然とは浮
かびはするのですか、相関関係がはっきりとわかるこたえがないものかと思
って、思いきって質問しました。
また、公共事業の誘導をすることばかりを考えて、適切な方法を取り入れよ
うとする考えを怠っている、と言うお話ですが、下水道を整備しようという
話が持ち上がって準備を進めていく際に、専門の方が関わっていないのです
か?政治関係は(も)全くわからないのですが、お役所の方々だけで決めて
しまうものなのでしょうか。
市民が、行政に突発的に「こんなことしますよ」、といわれたことについて
大慌てで行政に反論をしているような印象を、記事からは受けるのですが、
本当にそんなことが横行しているのでしょうか。
裁判が沢山行われているようですが、裁判でも起こさないと行政がその地域
の環境などを考慮しない不適切な判断で下した事業がどんどん勝手に行われ
てしまうのですか?
最近、可動堰の問題が取り沙汰されていますが、中央、地方に関わらず行政
への不信感が大きくなるばかりで、今から老後を心配する私でありました。
一介の学生の私が水質調査をしていて感じたのが、同じ多摩川でも全くその
地域によって水の扱われ方が異なるんだなあというとても基本的なことでし
た。そして、自分の地域を流れる水について、関心を持っておられる方が思
ったより多かったことでした。
( 中略させてもらいます )
水処理・トイレ基礎用語集、潮風だより、いつもとても楽しみにしています。
一学生でも気構えずに読めてます。
長ったらしいメールですいません。多分、読者のうちの学生の方も、同じよ
うな疑問を持っておられるのではないかと思いますので、質問の件、よろし
くお願い致します。
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かにクリームさん。の投稿は、スペースの関係で質問項目以外は割愛しました。
河川調査の話題はまた別の機会にお願いします。
植木さん、山さんさん、ささきさんの記事・投稿への質問ですが、それぞれ
の方、またそうでない方も意見をお寄せ下さればうれしいです。(あ)
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■「過疎地の流域下水道への疑問」、質問への回答
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●山さんさんの回答 00/02/21
かにクリーム。さんからの質問にお答えします。
その前に、今回のように学生から質問をいただくことは、このWebにとって大
変有意義なことだと感謝申し上げます。(へちまやさんに代わって一言)
さて、質問の要旨
1.人口で処理方式を決めるのか
2.公共事業誘導問題
3.下水道整備計画に専門家は何をしているのか
4.計画を役人だけで決めてしまうのか
と整理させていただきました。
1.人口と下水道種別
コストからの検討
人口は重要な要件です。植木さんが書いておられるように「流域下水道は
大都会、人口密集地域で有効……」です。
流域下水道方式はスケールメリットを考えているのです。人口がある程度集
中している地域(以後市街地という)がどのような位置関係に点在している
か? これがポイントです。
ひどく離れてバラケている場合は要注意です。市街地毎に処理場を造って処
理した場合と、流域下水道で結合して集中処理した場合とで、どちらの方が
より効率的か?
適度の市街地の点在しているような地域では流域方式は有効です。
大市街地で有れば流域方式にする必要はないのです。単独で大処理場を造れ
ばいいだけです。つまり流域方式というのは中途半端に市街地が点在してい
て、それぞれで処理場を造るよりも、市街地同士を結合することにより、よ
り効率的な下水処理が出来るところにポイントがあります。
コストを比較するときには建設費と維持費を総合的に比較しなければなりま
せん。
単独処理(団地内だけの処理場、1つの町1つの市だけの処理場、小さくは
集落廃水処理場)は見掛けの建設費が少額で、建設期間も短く処理開始(立
ち上がり)が早いというメリットがあります。今、各地の小規模処理場では
デメリットとして汚泥の処理、処分問題があります。
なお、下水道についてあまり詳しくない人のために一寸アドバイス。
*流域下水道 : これは処理方式ではありません。下水を処理場にどのよう
に集水するかという集水の方式です。また処理場の運営方法です。
流域下水道は県営が基本。その幹線下水管に各市町村の下水道(流域関連
公共下水道)を接続して処理する方法。
流域というのは、例えば利根川の周辺の都市を結合して下水を終末処理場
に集める方式。なお流域下水道でなくとも大処理場はたくさんあります。
*処理方式 : 現在中級処理、高級処理、高度処理のように区分をして、そ
れぞれにいろいろな処理方式があります。そのほとんどは好気性バクテリア
を活用したものをべース(エアレーション)にしています。
処理水質の目標値により、更に高度な水質を造るための付属施設をいろいろ
具備しています。
前回「14万人程度の人口…」と書いた理由は、1市8町で計画人口が14
万人(将来人口)というので、問題がありそうだと言ったのです。
ただどのようなバラツキかというのが問題です。
だから人口だけでは決められないのです。流域が良いか単独が良いかを決め
るためには、単独処理と多面的に比較をしなければなりません。そのこと
(流域と単独の比較)を前回植木さんにも要望しました。きっとデータの整
理が出来れば掲載してくると期待しています。(まとめるのは大変な労力です)
長くなりますので今回は此処までとさせていただきます。
この事を論じても、まだまだ序論のみです。1回ではなく、何度も会話を重
ねることに此処のWebの趣旨があると私は思っていますので、どしどし、
何でも質問して下さい。(浅学で薄っぺらでごめんね!)
それでは又。
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●植木さんのコメント 00/02/24
お騒がせの主です。責任がありますので、少しコメントさせていただきます。
山さんさんの回答へのコメント
>流域と単独の比較 、どのような 位置関係に点在しているか? これがポイ
>ントです。
A:1.おっしゃるとおりで、基本的にどのくらいの集団が、どの距離関
係に存在しているかが重要です。戸別に言えば、30−40mで隣接してい
る家を結び、その集団を管渠で結んだ方が良い場合が集合処理区となり、こ
の考えを拡大したモノが流域下水道となります。
> コストを比較するときには建設費と維持費を総合的に比較しなければなり
>ません。
A:2.当然1を分析する上では、コレを考慮しないでは出来得ません。下
水道協会の出している費用関数、私の都での分析−下水道施設建設・維持管
理費用関数−に基づいて50年間の総合財政構造を算出した上で提案をさせ
てもらっています。
かにクリーム。さんの質問へのコメント
>また、公共事業の誘導をすることばかりを考えて、適切な方法を取り入れ
>ようとする考えを怠っている、と言うお話ですが、下水道を整備しようと
>いう話が持ち上がって準備を進めていく際に、専門の方が関わっていない
>のですか?政治関係は(も)全くわからないのですが、お役所の方々だけ
>で決めてしまうものなのでしょうか。
A:当然、コンサルなど専門業者も入ります。逆に田舎の役所はほとんど下
水道はわかりません。
トップや議員の要請によって、コンサルが田舎の実体も知らずに東京並の
絵を描き、それを追認する形が一般的です。
>市民が、行政に突発的に「こんなことしますよ」、といわれたことについ
>て大慌てで行政に反論をしているような印象を、記事からは受けるのです
>が、本当にそんなことが横行しているのでしょうか。
A:諫早湾、長良川、いかがでしょうか・・・? と言っても、ごく最近は
国も少し変わりつつありますが。
>最近、可動堰の問題が取り沙汰されていますが、中央、地方に関わらず行
>政への不信感が大きくなるばかりで、今から老後を心配する私でありまし
>た。
A:心配せずに勉強と行動をして下さい。
>一介の学生の私が水質調査をしていて感じたのが、同じ多摩川でも全くそ
>の地域によって水の扱われ方が異なるんだなあというとても基本的なこと
>でした。そして、自分の地域を流れる水について、関心を持っておられる
>方が思ったより多かったことでした。
A:懐かしく思います。多摩の流域下水道計画をやっていました。八王子、
浅川処理場は息子みたいなモノです。
公共事業でしか食えない日本の貧しさはどこから来るのでしょう?
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