******************************************************************* 処理法のいろいろ、化学などの勉強をかねて 1、物理学的方法 by (SA)      目次             【 】は、おまけ、浄化槽管理士試験問題一口メモ     はじめに スクリーニング 沈降分離(沈殿) 【流入管と流出管の問題】 沈降分離(沈殿)つづき 【水面積負荷】          浮上分離 【ヘンリーの法則】 【圧力の単位】          ろ過           ********************************************************************    はじめに 汚水処理の方式には様々な種類の方式がありますが、 特に浄化槽では、大きくわけて次の3つに分類することが出来ます。 1.物理学的方法 (スクリーニング 沈殿 濾過 浮上 攪拌) 2.化学的方法 (凝集 活性炭吸着 pH調整 酸化還元 消毒 イオン交 換) 3.生物学的方法 (好気処理 嫌気・好気処理 嫌気処理) 通常、これらを組み合わせた方法で水処理は行なわれます。 浄化槽以外でも基本的には同じような処理方式が利用されています。 浄水場などは専門外なのであまり詳しくは分かりませんが、 多少特殊な部分があるにせよ、大きな違いはないはずです。 1.の物理学的方法では水との重さの違いや、除去すべきものの大きさを 利用した処理方式です。 2.の化学的方式は分子間の引力や電荷、また化学反応を利用した 処理方式です。 3.の生物学的方法は汚水中の有機物をえさとして生活することの出来る 細菌などを利用した処理方式です。 この次からは順番にそれぞれの処理方式について説明していきます。 *****************************************************************  その一:スクリーニング これは一般的に流入の一番最初のほうに設置される。 スクリーンと呼ばれていて、水中にバーとか網目なんかを設けて 目幅より大きく、後段の工程で邪魔になったり、 (ポンプ、配管に詰まる、攪拌機にからまる等々) 生物などでは処理することの出来ない夾雑物を除去します。 具体的には、荒目スクリーン(目幅50mm)、細目スクリーン(目幅20mm) 微細目スクリーン(目幅1〜3mm程度)、水中ばっ気型スクリーン(網目1〜2) なんかがあります。 荒目スクリーンは浄化槽に入ってくる一番最初についてるのが一般的。 それで、生物処理の直前に微細目スクリーン、水中ばっ気型スクリーン などの細かい目のスクリーンがついてます。 これらは結構まめに夾雑物を除去しなければ、詰まってしまって、 結局スクリーン部から夾雑物があふれだしたりしてしまいます。 また、逆に夾雑物をすりつぶして破砕して処理する 破砕機、コミニューターなんてものもあります。 これは、かなり後のほうで書くことになると思いますが 脱窒という処理を行なうときの有機物源を確保するという点で 有効な設備です。 現場の感想的補足。 汚い話で申し訳ないんですけど書いちゃいます。 スクリーンは処理の一番はじめなんで、そのまま、生、の状態で いろんなものが引っかかってます。 う○こ、生理用品、コ○ドーム(新設物件、特にマンションに多い) たまぁに、タオルとか靴下、ストッキングなんかもあったり、 膨らみきってなんだかよく分からなくなったねずみちゃんとかもいます。 目の細かいスクリーンには、とうもろこしの皮が特に目に付きますね。 最近では、「ディスポーザー」なる装置が開発されていて、 生ごみを発生段階で破砕して、汚水といっしょに処理するなんてものも 出てきています。これだと、そういったとうもろこしの皮とかも いっしょに汚水処理されるようになります。 *****************************************************************           その二:沈降分離(沈殿) --------------------------------------------------------------- 排水処理を行なうとき、まず水に不溶性のものを水と分離するのが原則です。 前回のスクリーンも同じ考え方となります。 沈降分離とは重力の作用を使い、水中の固形物と分離液を分ける操作です。 砂・石などを分離する沈砂槽。 スクリーニングした後、生物処理の負荷を低減するための沈殿分離槽。 生物処理した後、汚泥(微生物)と処理水を分離するための沈殿槽に大別され ます。 また、沈殿操作は普通沈殿と凝集沈殿とに分けられます。 普通沈殿とは凝集操作を施さずに静置し沈殿分離を行なうもので、 自然沈殿とも呼ばれます。 凝集沈殿(操作)については化学的方法の中で触れたいと思います。 沈殿分離槽は貯留した汚泥を定期的に引抜いたりする管理を行なわないと 腐敗したり、汚泥が次の槽(例えば生物処理を行なう槽)に移行してしまった りと、処理機能に支障を及ぼしてしまいます。 生物処理の後の沈殿槽は、汚泥(微生物)と処理水を分離するのが目的です。 後で生物学的方法の中で詳しく述べますが、沈殿槽が必要な生物処理は 基本的には活性汚泥方式と生物膜方式になります。 もちろん沈殿槽にも汚泥(微生物)が貯まるので、引抜いて返送します。 活性汚泥方式では基本的にばっ気槽へ常時返送をします。 生物膜方式では1日に数回、タイマーなどを利用して沈殿分離槽などへ 返送するようになっています。理由は生物学的方法の中で。 ただSAは変てこな沈殿槽をたまに(いや結構)見ました。活性汚泥法で処理し た後、さらに生物膜法を利用して処理する方式があります。 このとき当然、両方に沈殿槽がつくのですが、なぜか活性汚泥方式用の沈殿 槽にタイマー付きの自動引抜き装置がついていて、生物膜法のほうには手動 でしか引抜けない装置が付いているのでした。 これすごく変なんですよ。普通は逆についててほしいんですけど・・・。 昭和50年代中盤に作られてる浄化槽、特に学校なんかについてるコンクリー トの現場打ちの浄化槽に非常に多いと思うのですが・・・。 この理由を知ってる方、いらっしゃいましたら教えてください。 あと、生物膜法なのに常時返送されていたりする浄化槽も見ました。 生物膜法と活性汚泥方式では、生物膜法のほうが沈殿槽がちっちゃいです。 そうすると沈殿時間を十分に取れなくて処理水が悪化します。 これは結構あるそうです。 沈殿槽の管理は浄化槽管理上とても大切なことです。(つづく) *********** おまけ、 浄化槽管理士試験一口メモ 【流入管と流出管の問題】 沈殿分離槽に関するところでたまに出る、槽への【流入管と流出管の問題】。 両者の開口部をどこにすればよいかって問題が出たことがあるみたいです。 基本的に水面の高さで横引きの配管は引かれますが、槽の下に向かって配管 を伸ばし、槽の上と下に汚泥をうまく貯めるような構造にするのが一般的です。 汚水が入ってくる配管と同じ高さに直接水が入ってくると、うまく沈降、また は浮上分離ができません。流出部に関しても同様です。 流入部は水面から水深の1/3程度、流出部は1/2程度の深さに開口部を 設けることとする、となっています。 *******************************************************************    その二:沈降分離(沈殿)、つづき ---------------------------------------------------------------- 沈殿操作は水の中にある粒子が重力を受けることによりはじまるので 沈降の初期において、その速度は次第に加速されます。 このとき、粒子には上向きに、速度の2乗に比例する抵抗力が作用します。 したがって最終的には重力と抵抗力がつりあうようになるので 速度は一定となります。このときの速度は次の式で導くことができます。 v=g(ρs−ρ)d^2/18μ (ストークスの式) v:沈降速度、g:重力の加速度、ρs,ρ:粒子および水の密度 d:粒子の直径 μ:水の粘度 この式から何が言いたいかというと、固形物は、大きさが大きいほど、 比重(密度)が大きいほど沈降しやすいということです。 ただ、この式は粒子を球形として扱い また、大きさとか形とか必ずしも一致してるはずがないので、 実際の排水処理装置の設計を行なったりする場合、 どれくらいの沈降速度になって、どれくらいの沈降時間を取ればいいかとか はこの式からはちゃんと知ることはできません。 浄化槽なんかでは槽の大きさとかは基準があって、それにあうようなものを 設置する必要があります。(建築基準法、構造基準) ***************** 【浄化槽管理士試験一口メモ】 --------------------------------- 【水面積負荷】 --------------------------------- 沈殿槽の単位面積あたりの処理できる平均汚水量のこと。 通常、1日あたりの量で示します。(m^3/m^2・日) 1日の流入量を沈殿槽の面積で割れば出ます。 この値は沈殿槽の中での水の上昇する速度を平均的に 表したもので、沈殿する汚泥の沈降速度よりも小さくなるように設計します。 沈降速度より大きいとあっという間に汚泥は流れていきます。 ただ日平均値と瞬間値はかなり異なることが非常に多いので 一度に流入してくる量も考えなければいけないので 家庭であれば朝とか夕方、事業所とかだと休み時間とかが多くなる。) 流量を調整する機能がない場合は 「どうしましょ?」ってときもあります。 *****************************************************************  その3:浮上分離 ------------------------------- これも沈降分離と同じように重力の作用を利用して 水中の固体などを分離する方法です。 水の密度より小さいもの、または水の密度とほぼ同程度であるが 大きさが小さいものなどを分離するときに用いられます。 水より密度が小さい物質というと、油脂類が代表的なものです。 オイルセパレーター、グリストラップ、油脂分離装置などと呼ばれるもの で分離します。 グリストラップは、浄化槽と接していると避けては通れないもので 油の多い施設では必ず浄化槽の前に設置してあります。 食べ物を出すところではほぼ確実についてます。 ただ、どうしても油は浄化槽まで流れてきてしまって、 まん丸になったグリスボールとか、 大陸のようになった油ばっかのスカムなんかが浮いてます。 水深2mくらいあったりするんですけど、なんか乗れそうなときもある・・・。 (乗ったことはない) 以前、水処理・トイレ基礎用語集で「加圧浮上」について書きましたが、 あれも浮上分離のひとつの方法です。 圧力をかけた圧縮空気を水に溶解させ、 減圧すると、非常に細かい気泡が発生します。 これは炭酸飲料の蓋を空けたときにシュワシュワと 気泡が発生するのとおんなじ要領です。 この細かい気泡が水中の固形物等に付着し、 その浮力によって水中のSSを除去しようという方式。 通常、凝集剤を添加して効率を上げています。 凝集を行なった後の処理に加圧浮上を使うのか沈殿を使うのかは 建設費運転費を比較する必要もありますが、 一般的に次のように比較されます。 ・浮上速度は沈殿速度よりも速い(処理時間は浮上のほうが早い) ・所要動力は加圧浮上のほうが大きい(空気を圧縮する装置が必要) ・処理水の濁度は凝集沈殿のほうが低い(沈殿のほうがきれい) ・汚泥の水分は加圧浮上のほうが低い(汚泥が少なくなる) ・原水温度の変動に対しては加圧浮上のほうが安定している ************ おまけ 【ヘンリーの法則】 「液体に溶けこむ気体の量は温度上昇とともに減少し、 圧力に比例して増加する。」 要するに圧力が高いほうが、また、温度が低いほうが 水に溶ける気体の量は増えるということ。 固体や液体の場合には、温度が高くなるほど溶ける量は増えますが、 気体の場合は逆なので注意する必要があります。 例えば、夏と冬でばっ気槽の溶存酸素量(水中に溶けこんでる酸素の量) はどっちが多いかというと「冬」です。 ****************** 【圧力の単位】 これまで圧力の単位で一般的だったのは 「kgf/cm^2」とか「mmHg」とかでした。 最近、Pa(パスカル)とかMPa(メガパスカル)とか出てきてます。 Pa、もうちょっと詳しく書くと、N/m^2(ニュートンパー平方メートル) 1N(ニュートン)ってのは、 1kgの質量の物体に1m/s^2の加速度を生じる力と定義されます。 「kgf/cm^2」であらわされた圧力の値を「MPa」で表すには 9.8を掛けて100で割ってください。要するにだいたい1/10くらい。 9.8ってのは重力の加速度、m/s^2。 ちなみに 1mmHg=1.333224hPa=133.3224Pa 1MPa=1000000Pa です。 *******************************************************************  その4:ろ過 ------------------------------------------------------------ 沈降や浮上で除去できなかった微量の懸濁質を、さらに除去して きれいな水を得る方法です。 ろ材として一般的に砂が用いられることが多いので「砂ろ過」と呼ばれる。 砂ろ過の方法として代表的なものは重力式砂ろ過と圧力式砂ろ過です。 重力式はただ水を上から下に流れるだけでろ過を行なうもので、 圧力式は密閉構造としたろ過装置にポンプの圧力で水を送りこみ ろ過する方法です。 最近では、ろ材として、アンスラサイト(有効径1.0mm 比重1.5)や 柘榴石(ざくろ)の細砂(有効径0.18mm 比重3.5)などを用いて 上層にアンスラサイト、中層に砂(有効径0.35 比重2.7)、 下層に柘榴石を用いるような、複数のろ材を利用する方法があります。 これは、理想的なろ層の構成として、上に上層に粗粒、下層にいくほど 細粒となり、しかも洗浄(通常、逆洗という)するときにこれが逆転しない ことが重要になるからです。 砂ろ過は機械的な篩い分けのほかに、 (空隙よりも大きい物質が引っかかって除去される場合) ろ材間の空隙に捕捉抑留される凝集作用も大きいと考えられています。 捕捉される粒子の大きさは空隙の大きさに比べて遥かに小さいです。 凝集性のないコロイド粒子はこの方法ではほとんど除去できません。 ろ過を続けていくと、空隙が詰まって抵抗が上昇し、 よりきれいな水が出るような気もするが、逆で処理水の濁度は上昇します。 これは凝集作用が低下するためです。 ろ過抵抗またはろ過水の濁度が設定値以上になった場合、 ろ過を中断して、洗浄する必要があります。 ろ過は基本的には上から下に水が流れるような形になります。 逆洗時には下から上に水を送りこむことによってろ材を洗浄します。 (だから逆洗) ろ材の砂などは粒子径が必ずしも均一でないので 逆洗を繰り返すと成層化されてしまい、上層に細かい粒子層が出来てしまい ここで懸濁質のほとんどが捕捉され、ろ過抵抗の大部分が集中して 中層以下のろ材には、捕捉抑留の機能を発揮しないままになります。 (これが上に書いた理想的なろ層の構成の理由です) 圧力式ろ過装置の場合、逆洗時の流量はろ過流量の3倍程度が ちょうどいいそうです。(SAの先輩談) 逆洗流量が多すぎるとろ材が流れ出してしまうので注意が必要です。 ここ2〜年くらいでSAがみた浄化槽で10年以上前に 作られているろ過装置のほとんどが詰まっているのが、許せません。 8割くらいは詰まってます。ろ材の交換、大変です。 詰まってなくても、逆洗してなかったりして、「もうすぐ詰まります」 って言ってるろ過装置もいっぱいあります。 (最近、最後のコメントが妙に批判的ですいませんm(__)m) ちなみにSAはまだ重力式ろ過装置をみたことがありません。 下水処理場とかに行けばあるようです。 (この項終わり)

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