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■□水処理倶楽部通信■□第212号 2005/10/17(月)■□
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△△水処理の情報交換と交流誌△△編集発行:通信編集委員会
 【発行ページ】http://homepage2.nifty.com/watertreatment-club/
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    目  次
      ★ お知らせ
      ★ こんな研究あんな研究 その3

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■■ お知らせ ■■
●通信208号にてお知らせしました、水処理倶楽部のブログ「くじら13号と水処
理倶楽部」が開設されました。通信+αの情報を発信して行きたいと思います。
 http://wave.ap.teacup.com/whale13/
●水処理倶楽部のホームページに、高崎浄水場見学会の写真を掲載しました。
 http://homepage2.nifty.com/watertreatment-club/
●くじら13号さんが、高崎浄水場見学会のレポートを公開しています。
 http://olive.zero.ad.jp/〜zbi74001/newspage1.htm
●水処理倶楽部の掲示板にBODの定量下限値についての質問が寄せられています。
 http://hpmboard2.nifty.com/cgi-bin/thread.cgi?user_id=QZE12431&disp_no=490&log_no=490&msg_per_page=50&def=10
●「こんな研究あんな研究 その3」 今回は、農業環境工学関連7学会2005年
合同大会にて発表された報告から、水処理に関連するものを紹介します。


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■■ こんな研究あんな研究 ■■

その3
農業環境工学関連7学会2005年合同大会
(2005年9月12日〜15日)
              報告者 長峰
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 今回は、金沢大学にて開催された「農業環境工学関連7学会2005年合同大会」
から紹介します。この大会は、日本農業気象学会,日本生物環境調節学会,日本
植物工場学会,生態工学会,農業機械学会,農業情報学会,農業施設学会の7学
会が合同で開催したものです。規模が大きくなったため、4日間の開催と長くなり、
発表会場が11もありました。要旨集はまるで電話帳のようです。

 この大会についての情報は、下記のサイトにて見ることができます。「プログ
ラム」の項目では、発表された演題の一覧を見ることができます。
http://web.kanazawa-u.ac.jp/〜jm2005/index.html

 合同大会のおかげで、システム系、物理系、シミュレーション系など、異分野
の人たちとの交流ができました。懇親会は人が多すぎて(1000人近くいたのか
な?)、会いたい人を探すのに一苦労する(会えずじまいの人もいた)有様でし
た。金沢の酒造メーカーが、自慢のお酒を供出していて、いや〜おいしかった。
でも、種類が多すぎて全部を味見できなかったのが残念。

1.汚泥の熱分解による肥料化(栗田工業)
 し尿処理場は生ゴミ、汚泥などの有機性廃棄物を処理する施設としての位置づ
けに変わりつつある。建て替えの際には、そのような施設でないと補助金が出な
くなってきている。
 汚泥の処理としては、堆肥化、炭化、熱分解の3つがある。堆肥化は、たとえ
1ヶ月で処理を終えるようにしたとしても、汚水処理施設よりも大きな施設にな
ってしまう。製品の安定性も悪い。炭化は、処理の過程で窒素成分を失ってしま
う。運転管理も専門の技術者を必要とする。このような理由から、第3の方法、
熱分解を開発した。熱分解は、200℃の油で加熱したドラムの中でかく拌するだけ
の処理方法である。
 熱分解処理では、15時間で水分がほぼ0%になり、このときに温度が100℃以上
に急速に上昇する。18時間で150℃を超え、処理が完了する。1/5に減量され、指
で簡単に壊れる軟らかい粒状になる。1日で処理できて、保管性もよい。臭気はな
い。
 この処理によって、元の汚泥に比べて、植物に対する発芽、生育阻害が弱くな
った。また、病原菌や雑草種子が死滅する。
 処理時間の長さで、窒素肥料としての即効性と遅効性の割合をかえることがで
きる。既に、油かすの代替品として葉タバコの栽培に利用されている。
 100℃から150℃に上昇する間に、アンモニアを主体とした悪臭が出るので、燃
焼脱臭をしている。

2.筑波大と筑波バイオ・エコロジー協同組合による一連の発表
2−1.小規模バイオガスプラントの設置と運営(筑波バイオ・エコロジー協同
組合)
 処理量が5tを超えると環境アセスメント法の対象となって面倒になる。なので、
これ以下の小規模処理施設でできるバイオガスプラントの開発をしている。

2−2.低コストバイオガスプラントの開発(筑波大生命環境 前川孝昭氏)
 水素発酵は微妙なpHの調節が必要なため、実現するのにまだ時間がかかる。そ
こで、メタン発酵について、イニシャルコスト1000万円/t(メタン発酵の部分で
600万円)のプラントの開発を目指している。モデルプラントとして、筑波バイ
オ・エコロジー協同組合の施設を作った。
 農水省の委員会で「バイオマス変換施設」に対して補助金を出すように言って
おり、そのようになりそうだ。
 会場からの意見:生ゴミを加えたメタン発酵消化液は、施設野菜に使うと病気
の元になることがあるので使ってはならない。

2−3.メタン発酵消化液の物理化学的浄化法の開発(筑波大生命環境 島田敏
氏)
 消化液を、石灰凝集法→アンモニアストリップ→鉄系凝集剤処理→電気化学処
理によって浄化した。この処理によって、CODは6400から61、全リンは730から
0.76、全窒素は2400から25(単位は全てppm)になった。処理コストは1912円
/tであった。

2−4.低コストバイオガスプラントの開発(筑波大生命環境 島田敏氏)
 イニシャルコスト1000万円/m3、ランニングコスト1000〜2000円/m3のバイオ
ガスプラントを目標としている。
 建設は、廃材を利用するなどして低コストにつとめた。消化液の浄化コストは、
1912円/tだが、電解処理の電気代が約1000円かかっているので、バイオガスで
発電することで、コストを下げる試みをしているところである。発電機に、自動
車のエンジンを流用した自作のものを製作中である。

3.バイオガスプラントの問題点(北大農 松田從三氏)
 北海道の湧別町にある集中型バイオガスプラントは、操業を停止することにな
った。NEDOの研究助成金で北海道にいくつもの試験プラントが稼働している。し
かし、試験期間の終了すれば、稼働をやめると多くの農家が言っている。
 バイオガスプラントの装置的な問題としては、入り口で原料が詰まる問題があ
るくらいで、他に改良するところはない。それよりも、ソフト的な問題が大きい。
バイオガスは熱源として多少は使えるが、他の用途がない。発電しても電力会社
に安くでしか売れないので、収支が赤字になる。つまり、バイオガスプラントは、
農家にメリットがないことが問題点となっている。
 メタン発酵後の消化液については、ふん尿スラリーより臭わず、雑草種子が死
滅していることから、北海道では人気があり、処理に困る状況はない。
 自治体主体で運営するバイオガスプラントでは、生ゴミ等の一般廃棄物と、事
業所から出る産業廃棄物を同一に施設で処理することが、法律上の規制によって
容易にできないことが問題となっている。欧米には、このような一廃と産廃を区
別するような法律はない。
 会場からの意見:自治体が産廃業者を巻き込むことで、一廃と産廃を混ぜて処
理しているところもある。

4.乾式メタン発酵消化物の炭化処理(栗田工業)
 乾式メタン発酵消化物を炭化処理したものは、土壌改良剤や家の床下の調湿剤
に使える。予想外なことに、リンとカリの濃度が高いので、肥料としても農家に
喜ばれている。

5.メタン発酵消化液からのアンモニアの回収(北大農 白藤沙織氏)
 消化液を硫酸でpH6以下にすれば、加熱濃縮してもアンモニアが飛ばないので、
臭気が少なくなる。濃硫酸を0.5%加えることで、pH5にできるが、農家での濃硫
酸の利用は現実的でないため、この方法は使えないと判断した。
 そこで、減圧乾固を行うことにした。消化液を25kPaに減圧して68℃で蒸発さ
せ、66℃で凝集した後のガスを、15℃で凝集させると、後の方にアンモニアが高
濃度で回収できた。しかし、実際のところ、微妙な調節が必要なため、うまく回
収するのは難しい。

6.効率の良いスクリュープレスの開発(生研センター 原田泰弘氏)
 スクリーンの編み目の形を斜めにすることで、乳牛ふんスラリーを効率よく固
液分離できるようになった。凝集剤なしで、回収固形分の水分75%以下、固形分
回収率65%以上、処理能力3m3/h以上を達成できた。この能力があれば50頭規模
以上のスクレーパー回収スラリーでも十分処理できる。スクリーンの目の大きさ
は1mm。この目の大きさを0.75mmにしても性能に差はなかった。
 摩耗については、まだデータがない。
 平成17年9月から販売している。同能力の他の装置は600万円(実売470万
円)であるのに対し、この装置は400万円(実売価格については販売しているク
ボタに聞いてください)と、割安になっている。

7.固液分離後の液のばっ気処理(生研センター 皆川啓子氏)
 「6.」で開発したスクリュープレスで、乳牛スラリーを固液分離した液分は、
TSが4〜7.4%と、低くなっているので、通常のばっ気ができる。(固液分離なし
だとエジェクターポンプ等の特殊な装置が必要:筆者)
 ばっ気中は、泡立ったので消泡剤を使った。ごく少量で効いた。
 pHは7.0付近から2日間で8.5近くなり、14日で9.0付近になった。BODは
20000から直線的に下がり、10日で5000程度になった。臭気は1週間程度でかな
り下がった。ばっ気によって、アンモニアは揮散して減る。アンモニアはほとん
どがそのままで、亜硝酸や硝酸になるものはほとんどない。

8.メタン発酵消化液による水耕栽培(東京農工大 東城清秀氏)
 給食残渣を55℃4日間のメタン発酵した後の消化液を、そのまま希釈して水耕
栽培した。通常の溶液栽培用の溶液と比べて、Naが多く、K,Ca,Mgが少ない液に
なる。また、無機の窒素はアンモニアのみである。これでサラダ菜を栽培したと
ころ、収量が低く、硝酸態窒素が高くてビタミンCが低い作物になった。使用後
の水質は、BODは少し下がったがまだ高く、大腸菌の増殖が見られた。
 そこで、消化液を光触媒で処理したところ、BODと大腸菌群が低下した。これで
栽培すると、作物のビタミンCと硝酸濃度が高くなった。

9.豚舎汚水のばっ気処理水の栽培試験(北里大獣畜 皆川秀夫)
 CSZ法、BMW法、ばっ気のみ、みのる、化学肥料(標準液肥)、水を、小松菜の
栽培とクロレラの培養で比較した。
 CSZは、モミガラ燻炭、ホタテ貝殻、ゼオライトを入れてばっ気する方法で、特
許のあるBNWの代わりになる方法として開発した。出来上がった液肥は、BMWより
も効果が高い(らしい:筆者)。みのるは養豚排水をBMWで処理した製品である。
 CSZ、BMW、ばっ気のみ、みのる、化学肥料に肥効が見られた。CSZは小松菜には
良くなく、クロレラには良かった。他は逆である。化学肥料は、他よりも低かっ
たが、肥料成分が薄いためである。
 CSZはリンが除去されており、BMWは窒素が除去されている。CSZは硝酸態が多
い。(つまり、アンモニアが少ないために小松菜には良くなく、硝酸が多いため
にクロレラに良かったということだろう:筆者)
 小松菜とクロレラの乾物重量は、多少でこぼこがあるが、有為差はない。(こ
の発表全体を通じて一部有為差があったらしいが、基本的には、CSZ、BMW、ばっ
気のみ、みのるの間には差はなかったとのこと)

 筆者は、以前に紹介したユーグレナの仕事を発表しました。まだ基礎研究の域
を出ていないところまでの発表だったこともあって、反響は今ひとつでした。

 あまりに発表会場の数が多くて、聞きたい発表が重なって、聞くことができな
かった発表がいくつもありました。一方で、これまで接したことがなかった研究
分野を、かいま見ることができたのは、良かったです。期間が長かった分、金沢
を知ることもできたように思います。来年も合同(さらに一学会増えるかもしれ
ない)で、北海道での開催だそうです。


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 連絡・投稿先:長峰 nagt@shirakawa.ne.jp
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【編集後記】さて、金沢で出会ったいいもの、その3。金沢の近江市場は有名で
すね。ところが、これまでに何度も行ってみたのですが、いつも閑散としていま
した。実は、日曜日は休み(土曜日と祝日もか?)で、17時頃には閉まってしま
うためだったのです。仕事の合間に行ったので、閉まっていたのでした。今回は、
ちょっとだけ日中に空きができたので、にぎわう市場を見ることができました。
にぎやかです。安いものもあります。でも、ついつい観光客向けの安くないもの
まで買ってしまいました。どじょうの串焼き、イカスミ塩から、いしる、いしり
等々・・・どれもおいしかったです。(長)





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