━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■□水処理倶楽部通信■□第214号 2005/10/31(月)■□
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
△△水処理の情報交換と交流誌△△編集発行:通信編集委員会
 【発行ページ】http://homepage2.nifty.com/watertreatment-club/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    目  次
      ★ お知らせ
      ★ 手作り生物浄化試験装置見学の報告 その2

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■■ お知らせ ■■
●ブログに掲載された「水処理倶楽部通信第213号」に、手作り生物浄化試験装
置の写真が掲載されています。
http://wave.ap.teacup.com/whale13/17.html
●「手作り生物浄化試験装置見学の報告 その2」は、手作り生物浄化試験装置
を紹介します。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■■ 手作り生物浄化試験装置見学の報告 ■■
その2
              報告者 長峰
=========================================

 その1では、宮嶋氏を宮島氏と書き間違えたところがありました。申し訳あり
ません。

 さて、その2では、宮嶋氏の製作した生物浄化試験装置を紹介します。この装
置は「おいしい水のつくり方」に、写真付きで詳しく書いてあるので、これだけ
でも作れるかもしれません。中本先生のホームページにも、写真と試験データ付
きで紹介されています。
http://water.shinshu-u.ac.jp/j_ssf/myjm.html
これらの情報と重複する部分がありますが、実物を前に、宮嶋氏に説明していた
だいて、いくつかの点でなるほど〜と思ったところがあったので詳しく紹介しま
す。


 まず全体の構成です。原水は、ここの浄水施設と同じものを使用しています。
地下水由来の酸素含有量の少ない水であり(下記サイトを参照ください)、
http://water.shinshu-u.ac.jp/j_ssf/j_ssf_link/jpn/kusatsu.htm
おそらく鉄が多いと思われる着色した水なので(下記サイトを参照ください)、
http://water.shinshu-u.ac.jp/DIY/kinosita.html
前処理として、3段の荒ろ過槽を通した後に、砂ろ過槽を通すようになっています。
流れる順に従って、段差がついており、水は自然流下で最後まで流れるようにな
っています。


 荒ろ過槽は、ホームセンターなどで売られている60cm×15cmくらいの四角い家
庭菜園用のブランターで、深さが25cmほどの深いタイプの物を使用しています。
付属の底網を、そのまま使用して、この上に5〜20mmくらい(だったと思う)の
砂利を10cmほど入れます。底の水抜き穴に、ホースを通したゴム栓でふたをする
ことで、排水側を作ります。水は、排水の穴がある反対側の上から入り、プラン
ターを流れながら、砂利層を通って、底に付けたホースから出て行くようになり
ます。

 この荒ろ過槽を、ホームセンターなどで売られているプラスチック製の3段の
プランター棚に3つ置き、上から順次流れて行くようにします。

 排水側のホースの出口の高さで、プランター内の水位を調節します。次のプラ
ンターには、高い位置から水が落ちることになりますが、気にすることはありま
せん。逆に、空気を取り込むのに有効だと考えます。

 ホースは、100円ショップなどで売っている、粘着テープで貼付けられる小さな
金属製のフック(本来は鍵などを引っ掛けておくなどの用途のもの)で固定して
ありました。1つでは安定しないので、2個以上のフックを使っていました。また、
高さをいろいろかえられるように、プランターの外壁面に、いくつものフックが
貼付けてありました。中本先生のホームページの写真
http://water.shinshu-u.ac.jp/j_ssf/IMG_3726ss.jpg
では、ガムテープで貼付けてありますから、その後に編み出された工夫のようで
す。

 流入側の水量が多すぎたり、排水側のホースの位置が高すぎたりすると、水が
あふれてしまうので、ここは、多少の試行錯誤が必要なようです。プランターの
壁面には、水があふれてできたと思われる茶色いシミができていました。壁面の
上の方に穴を開けて、オーバーフローした水が配水されるようにするといいかも
しれません。でも、水があふれてもいいような場所に設置するのであれば、その
ような手間をかける必要はありません。ただし、この装置に使われていたプラン
ターは、真ん中が大きく膨らんだ状態になっていました。満杯に水が入った状態
が続くと、変形してしまうようです。

 くじら13号さんから、直射日光に当たり続けると、パリパリになって割れやす
くなる材質のプランターがあるとの情報をいただきました。耐久性について店員
に確認したり、厚手のものを選ぶ等、対策をとっておいた方がいいようです。ま
た、プランターには、底が網状になっているものもあるので、必ず底の壁面に1
カ所だけ穴があるものを選ぶようにします。

 中本先生によると、下から上に流れるようにした方が、溜まった汚泥を引き抜
く作業が容易になるとのことでしたが、そうするためには、プランターに穴をあ
ける作業が必要になり、ちょっと面倒です。もし、良い方法を考えついた人がい
ましたら、教えてください。

 私が見学したときは、プランター内の排水側の管を砂利よりも上の部分まで伸
ばして、砂利を通らずに、表層を流れた水が出て行くようにして、試験している
状態でした。1番目の荒ろ過槽には、流入側に赤茶色の藻か汚泥か分からないよう
な層が砂利の上にできていました。排水側には、5cmくらいの長さで水流にたなび
いている緑色の藻が繁殖していました。

 荒ろ過槽を乗せた3段の棚は、ビールケースの上に乗せてあります。こうする
ことで、次の砂ろ過槽への自然流下を可能にしてあります。


 砂ろ過槽は、120Lくらいのゴミバケツです。塩ビ管に、横方向にいくつもの切
れ目を入れたものを集水管にします。(下記の写真を参考にしてください)
http://water.shinshu-u.ac.jp/j_ssf/IMG_3725ss.jpg
これをバケツの底に入れ、排水側のホースを差し込んだ状態で、上に砂利をかけ、
不繊布を被せた上に砂を入れます。そのホースは、砂利や砂の中を通して、その
ままバケツの上から出し、バケツの外で下にたらします。私は、バケツに穴をあ
けて配水管を付けなくてはならないと思っていましたが、サイホン状にすれば、
水はバケツの縁を越えて出て来るわけです。ただし、いったん水の流れが止まる
と、ホース内の水が抜けて流れなくなる可能性があるので、注意が必要です。後
は、バケツの縁に、幅1cmほどの切れ込みを入れて、オーバーフロー水の出口に
すれば出来上がりです。

 荒ろ過槽から来た流入側のホースは、バケツの縁に、粘着テープのついたホー
スバンドを使って固定します。水面に横向きに水が流れ入るようにすることで、
砂に水流が直接当たらないようにします。浄化した排水側は、適当な高さにする
ことで、流水量を調節します。中本先生が、多少詰まり気味で水量が少なくなっ
ても、排水側の調節はいじらない方が良いと言っていたので、ある程度安定して
きたら、なるべく変更しないようにしたほうがいいと思います。

 この装置に使っているホースは、内径が5mm程度のものです。宮嶋氏によると、
詰まるトラブルが起こるので、もっと太い方がよいとのことでした。16mmとかの、
庭で水まきなどに使うようなホースでいいのかもしれません。ただ、プランター
の底を通す方法や、ホースの固定方法に工夫が必要になりそうです。また、折れ
て閉塞する可能性がありますから、そうなりにくいホースを選ぶようにするとい
いと思います。


 さて、この装置でできた水は、どんな水でしょうか。

 コップに水を汲んでいただいたので、一口飲んだところ、むちゃくちゃ不味
い・・・。色はとれていましたが、原水由来か藻由来かの鉄っぽいような味が強
くて、とても飲めるものではありませんでした。

 「見学に来るということで、定期的にやっている砂ろ過槽の藻の除去作業をし
ないようにしていたのです」そう言うと、宮嶋氏は、除去作業を始めました。1m
ほどのホースの中を水で満たして、指で塞いで水が漏れないようにしながら、片
側を砂ろ過槽の水の中へ、もう片方は槽の外側にたらします。こうすると、サイ
ホンの原理で、砂ろ過槽に溜まった水が吸い出されます。この勢いを利用して、
砂の表面の藻を排出します。ほんの数分で作業は終了です。しかも、除去するの
は、表面に厚く溜まった藻だけで、砂までは吸い出す必要はありません。

 この後、1時間ほど経ったころに、再度、飲んだ処理水の味には、本当に驚きま
した。おいしいです。一気にコップ一杯を飲み干してしまいました。

 宮嶋氏から、今年の9月に、1日から30日まで毎日の、天候、気温、pH、色度、
濁度を記録したデータをいただきました。これによると、以下の結果でした。
    平均(最低〜最高)
【pH】
第一原水 6.7(6.6〜6.9)
第二原水 7.0(6.8〜7.3)
処理水  6.9(6.8〜7.2)
【色度】
第一原水 37.2(25.7〜49.8)
第二原水 17.7(10.3〜64.0)
処理水  3.0(1.5〜6.2)
【濁度】
第一原水 12.941(4.945〜21.435)
第二原水 12.018(4.706〜32.690)
処理水  0.036(0.000〜0.528)

2つの水源がどの程度の割合で混ざっているのか分かりませんが、色度と濁度が落
ちていることが分かります。水道水質基準では、pH5.8〜8.9、色度5度以下、濁
度2度以下となっています。処理水は、1日だけ色度が6.2度になりましたが、他
は基準値内です。濁度の除去は驚異的で、0.1を上回る日が2日あっただけで、他
はそれ以下です。浄水場の急速ろ過処理した水の値もあると、良い比較データに
なりそうだと思いました。

 宮嶋氏は、今後も試験を続けていくとのことでした。

 当日に対応していただきました宮嶋氏、S氏、浄水施設管理会社の方々には、お
忙しいところ、しかも、せっかくの3連休の初日だというのに、お時間を割いて
いただき、誠にありがとうございました。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■□水処理倶楽部通信 ■□水処理の情報交換と交流誌■□
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【お断り】このマガジンは正確さ・完璧さなど保証致しかねますので各自の
 責任で確認のうえ、ご利用下さい。また本誌で知りえた情報による損害・
 紛争について一切関知しませんのであらかじめご承知下さい。
◆配信所:まぐまぐID=0000019863  melma!ID=m00010669
 その他の配信所は、配信を停止しました。
◆登録・変更・解除、バックナンバー、ML、読者掲示板
 http://homepage2.nifty.com/watertreatment-club/
◆発行:水処理倶楽部通信編集委員会
 連絡・投稿先:長峰 nagt@shirakawa.ne.jp
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【編集後記】見学に行ったついでに、土湯温泉の不動湯に行きました。温泉街か
ら細い山道を2kmほど行き、さらに未舗装の山道を2km行ったところにある、ま
さに秘湯でした。浴室や、そこまでの長い階段などは、ご主人の手作り?みたい
な感じで、子供らは大喜びでした。4つの泉質が違う湯を楽しめます(うち1つは
女性専用)。
http://www.tsuchiyu.gr.jp/ryokankumiai/ryokanmei/fudouyu.htm
男性専用はなく、混浴になっています。たまたま雑誌の取材で湯船につかるお姉
さんの撮影をやっていたので、目の保養もできました(^o^)V。浴室にボディーシ
ャンプーが置いてありましたが、排水は処理しているのかなぁ〜という感じだっ
たので、使いませんでした。今度は、泊まりで行きたいな。(長)
 



BACK|NEXT
HOME|バックナンバー| 広場|リンク| メール