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■□水処理倶楽部通信■□第238号 2006/5/1(月)■□
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△△水処理の情報交換と交流誌△△編集発行:通信編集委員会
 【発行ページ】http://homepage2.nifty.com/watertreatment-club/
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    目  次
      ★ お知らせ
      ★ 本の紹介
      ★ 短信

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■■ お知らせ ■■
●本の紹介は、山下亨氏の最新本『阪神・淡路大震災と新潟県中越大震災の教訓
「トイレが大変!」災害時にトイレ権をどう保障するか』です。とても重要なテ
ーマなので、皆様からのご意見をお寄せください。

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■■ 本の紹介 ■■
『阪神・淡路大震災と新潟県中越大震災の教訓「トイレが大変!」災害時にトイ
レ権をどう保障するか』
山下亨編著、近代消防社刊 2005年8月初版 1,600円+税
               by へちまや
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《はじめに》

 人間とはなにか、という回答がここにはあります。排泄行為の大事さ。食べる
よりも、飲むよりも、まずはトイレをどう確保するかが問題になった災害時。発
想をここからスタートさせることをこの本は語っています。

 前著、山下亨著「現代のトイレ事情〜災害・イベント編」をさらに深めていま
す。前著について、水処理倶楽部通信で1年前に論議しました。私も感想を書き
ました。今度の本では、さらに多くを学びました。こんなすばらしい本は、めっ
たにあるものではないでしょう。必読書です。大げさでなくてどう生きるかもつ
かめます。

 一体何のこと?
という方は、水処理倶楽部通信185号をご覧ください。あと185〜187号、
189〜190号、194〜195号、197号(まとめ)に掲載しています。


《まずは簡単なトイレグッズから》

 震災時の48時間で問題になることが、この本で幾度となく考察されています。
今までの常識では、飲み水が大事、食事も大事。したがって、備蓄品に水や乾パ
ンなどを入れておくようにするという考えでした。でも、本当に大事なのはトイ
レグッズ、排泄にかかわるものだったのです。

 本書177ページに医師田村康二先生の言葉が紹介されています。「・・慌て
ることはない、普通の人は48時間程度なら、飲み食いしなくても問題ない。し
たがって、非常用の食料・飲料を備蓄する必要はない。備蓄に費やすお金があれ
ば、それを何か他の地震グッズに回す、たとえばポータブルトイレを購入するほ
うが実用的である。飢えは我慢できても排泄行為は我慢できないからである。」

 阪神淡路大震災は、早朝の地震でした。多くの人のトイレタイムは起床直後ま
たは朝食後です。避難所は、トイレの利用者で列がすぐにでき、糞尿てんこ盛り
になったことが、報告されています。「壁に指で糞尿の跡ができた」という記述
など「我慢できない実態」が、記録されています。田村医師の言葉は多くの人に
よって実証されています。

 食べること、飲むことは辛抱しても、一度便意尿意を催すと抑えることができ
なくなります。副交感神経の働きは、制御できなくなります。反対に、トイレに
行けないから(行きたくないから)「食事や水をとることを減らす」という現実
になっています。排泄をきちんと行わないと、摂取は不可能なんだということで
すね。人間にとって、排泄行為がいかに大事なものであるか。普段はみえなかっ
た大切な事柄が、災害という極限の事態の中であらわに見えるようになったと考
えることができます。

 トイレにかかわる安心グッズを用意することが、単純だけど一番実際的である
こと、不安解消になるということですね。


《中山間地の水処理のあり方(都市型下水道の脆弱性)》

 マンホールトイレが、一時、災害時トイレの決定打あるかのように期待された
ことがあります。「トイレが大変」では、その検証と工夫が書かれています。マ
ンホールトイレとは、平時では、天安門広場でイベントのときに使われているも
のです。マンホールの蓋をはぐって、下水道に糞尿を合流させる、そのためにマ
ンホールの上に組立てトイレをおけば、立派に公衆トイレになるものです。災害
時にこの方法を用いればよいということで、新潟県中越大震災で配置され、その
検証が本書に掲載されています。
「マンホールが隆起していた」(写真が、掲載されています)
「すぐに下水道管自体も、てんこ盛りになった」(水が流れなくてすぐにつまっ
てしまった)
「マンホールの蓋をあける方法が、わからなかった」
等の問題点・改善法が指摘されています。

 新潟の震災では、中山間地の災害が焦点になりました。本で指摘されていない
ことですが、中山間地の配管、集落排水や流域下水道の損壊被害を考えると、都
市型の下水道配管方式は、中山間地では、これ以上増やさない方向を真剣に検討
すべきではないのかと思います。都市での都市型の配管の集中は、今の技術水準
ではやむをえない側面があります。その脆弱性はつとに指摘され、阪神淡路大震
災以降、耐震性の向上にめざして開発がすすめられていることは、よく知られて
います。でも、はたしてその延長に解決の道が本当にあるのか。

 とくに中山間地に、問題の多い都市型方式を推進する必要があるのでしょうか。
集落と集落を結び、一ヶ所の集中処理センターに運ぶ。中継ポンプを何ヶ所も設
置しなければならない。そのひとつひとつが、災害に対する「弱いポイント」に
なり、震災に対してひとたまりもありません。復旧工事も時間がかかります。

 管渠は、できるだけ短く。リスクは少なく。復旧は迅速に。災害時の安全安心
な生活を考えると「のび過ぎた配管」は、いかに不合理かがわかります。もとも
と、この問題は、合併浄化槽や自己完結型汚水処理システムをすすめる立場から、
「発生源処理を原則とする」として、提唱されていたことです。農村山村には、
それにふさわしい水処理システム、まさに「適時適材適所の考え方」が必要です。
そこから都市集積や都市型下水道も見直しをはかるべきでしょう。

 あらためて災害時の中山間地の水処理のあり方として検討する必要があると考
えます。本書は、(新潟の項は)その好個な材料です。まさか、マンホールトイ
レのために配管を長くするわけでないですからね。


《多くの研究課題》

 さらに本書では、

1、オストメイトのトイレ対応(第2章)、保育園や学校などの子ども達の災害
時の対応(第4章)等に書かれている「災害弱者」「トイレ弱者」の問題が、深
められています。基本的人権としての「トイレ権」という視点が貫かれています。
実際、車椅子生活者にとっては、震災のとき、どのようなトイレが必要なのか。
もっと検証が求められると思いました。化学傷害者(「化学物質過敏症」)にとっ
ても、平時でも耐えがたい環境が、さらに苦しい状況になることは、想像できま
す。

2、震災対応のグッズ、特に仮設トイレの研究と備蓄や配置の問題、前述したマ
ンホールトイレの検証など技術的な対応進歩、商品の開発など、専門の人々にと
っては欠かせない分野が詳述されています。

3、行政のトイレ対応ヘの提言が行われています。おざなりの形だけの対応が、
如何に危険なことか。いまだに残るトイレ蔑視ヘの熱い批判もあります。地域や
社会システムの中にどのように災害時トイレ対策を組み込むのかの問題が前著に
ひきつづいて深められています。


 それにしても、このようなテーマと持続的に、実証的に格闘して、行動と提言
を続ける人がいることは本当に心強いことですね。水処理通信の読者のみなさん
に是非一読をおすすめします。そして、感想とご意見をお寄せいただければ幸い
です。

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へちまや
山口の田舎暮らし(山羊と遊ぶ)http://atta-an.seesaa.net/


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■■ 短信  ■■
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下水処理施設構造基準への追加を希望する新下水処理技術の評価申請受付開始
http://www.eic.or.jp/news/?act=view&serial=13020&oversea=0

 下水処理施設構造基準への追加を希望する新下水処理技術というのがありまし
た。ふと傾斜土壌法も・・・と思った次第です。想定の規模がかなり違っている
かもしれないですが。
(須)

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東京都水道局朝霞浄水場見学会
http://www.mmjp.or.jp/STF/sisatsu/2006/asaka-060526.htm

平成18年5月26日(金) 14:00〜16:30
定員:50名 
参加費:STF正会員1000円、BCC会員1500円、一般2000円

科学技術者フォーラム
http://www.mmjp.or.jp/STF/

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はてなダイアリー 「龍谷の森」の生き物たち
バイオトイレのバクテリア
http://d.hatena.ne.jp/kheperer/20060421

>大腸菌以外にどんな菌がでるのだろうか。結果が楽しみだ。
続報に期待です。
(さがわ)

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イカダモがイカダを作るミジンコが出す成分
http://www.ph.tokushima-u.ac.jp/?&rf=439

 ミジンコがいるとイカダモがくっついて、イカダ状になるそうです。この原因
となっているミジンコが出している成分が、洗剤等に使われているアルキル硫酸
塩だったそうです。炭素鎖10のものだと0.1ppmで作用するそうです。合成洗剤に
使われているものだと100ppm必要だそうです。ミジンコがそんな物質を出してい
るなんて、そして、イカダモはそれを感じてミジンコに食べられないようにして
いるなんて面白いですね。
(な)

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里山シンポジウム2006
http://www.jgoose.jp/satochiba/2006/pdf/panfu.pdf

全体会
 5月20日(土)13:00〜
 千葉県八千代市市民会館
分科会
 18の分科会が各地で開催中。

里山シンポジウム
http://www.jgoose.jp/satochiba/

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シンポジウム「自然再生がめざすもの」
http://www.ajass.jp/image/leaflet_06.05.13.pdf

日時:平成18年5月13日 13:30〜17:00
場所:東京大学農学部 1号館 8番教室  農学部内 

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■□水処理倶楽部通信 ■□水処理の情報交換と交流誌■□
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◆発行:水処理倶楽部通信編集委員会
 連絡・投稿先:長峰 mizusyori@mac.com
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【編集後記】家族と那須のロープウェィに乗ってきました。
http://www.toya108.com/1kou/ropu.htm
乗り場付近は、残雪と新緑が尾根に沿って幾筋も走っており、この季節ならでは
の風景です。ゴールデンウィークなので込んでいるかと思いきや、オフシーズン
なのか、111人乗りのゴンドラは広々です。空いていたから良かったけれど、込
んでいる時は、外の景色を見ることができない人が、たくさんいることでしょう。
到着すると、そこは、まさに絶景!です。駅の施設も新しいらしく、トイレも水
洗できれいです。帰りのロープウェィで、上の駅から1本のφ10mmの配管が、山
の斜面に沿って下に降りているのが見えました。上水は凍結対策で地中でしょう。
まさかトイレや食堂の排水管? もしそうだとすると、111人乗りの豪華ゴンド
ラと、それが運ぶ人たちを支えるたった1本のむき出しのφ10mmということにな
ります。ふと周りを見ると、若いカップルが多く、男性が女性になんとか窓際を
確保してあげている姿があります。ゴンドラから見える美しい風景の中、私が
(おそらく彼らも)先ほど出したものが、そこを走ったのだと思うと、可笑しい
やら、切ないやらでした。(長)





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