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日本野鳥の会 諏訪

 支部報「いわすずめ」No.80 (2001年9-10月号) 「そまびとの双眼鏡」No.18

そまびとの双眼鏡
No.18
杉山 要(kaname@avis.ne.jp

間 伐

 山仕事はお天気の影響をまともに受けます。そして今春のような大雪に遭うと、仕事の予定はガタガタに狂い、けっきょく、春の内に終わるはずだった仕事を、鳥達の繁殖期まで持ち越すハメになってしまいました。

 山に植えた木が成長するにしたがい、木をより太らせ、林内を明るい健全な状態に保つ為に間引き(=間伐)を行わなければなりません。「ならば、最初から間をあけて植えれば良いではないか」と言われてしまいそうですが、植えた木すべてが健全に育つとも限りませんし、木の良否にも遺伝的要素があり、木がある程度育ってみないと形として現れてこない場合が多いのです。現在の人工林は、とにかく手間をかけなければならないようにできているのです。そして、最大の問題はこの人工林が生き物達にとっても大切な棲家であるという点ではないでしょうか。

 間伐は通常、木が水を上げていない時期、つまり冬に行うのが良いとされています。ところが、最初に書いた事情から囀りのシャワーが一段落した営巣期の真っ只中に木をバタバタと倒さなければならなくなってしました。恐る恐る仕事にかかってみると、案の定、私が伐採を受け持つ範囲ではアカハラとメジロが巣を構え、子育ての最中です。さらに運の悪いことに、長さ30mほどのカラマツを、効率よく倒して引き出す為には、どちらの巣も直撃することになってしまうのです。

 このことをある人に話したところ、「あなたのように鳥を見ている人が、林業に出会ったことは不幸ですよ」と言われました。なるほど仰る通りかもしれません。自分自身、これまで何回そのように考えたことでしょう。しかし、もうひと踏ん張りしてこのように考えることはできないでしょうか。「林業がこれまで、私のような者に出会えなかったとすると、それは林業にとっての不幸ではないか?」。この勝手な解釈に基づき、とうとう私は巣を直撃するであろう木を倒すことを放棄してしまいました。(つづく)

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