腹巻き、レバー、戸締まり
植村氏が存命の頃、氏の著書を何冊か読んでいたが、
本書はそれらと全く質の違う著書です。
夫人が「ひとつ位私の我が儘を通しても好いでしょ。」と
世に送り出した他人へ読まれることを全く想定していない
植村直己の体裁のない生の文章です。
私が今年読んだ本の中で最も迫る読み物でした。
表題は氏がほとんどの手紙の文末に書いていた夫人への
「命令」です。
今頃になって本書の存在を知り、読んだことが
遅すぎたと悔やまれる程、素晴らしい書籍です。
文化としての冒険がよく見える書籍です。
巻末の植村公子氏の一文は強烈でした。
また、ビジネス書としても価値のある一冊です。
夢中になって、一気に読みきった!
他人宛の手紙っておもしろいものなのか。最初はどうなのかなと思って、読み出しました。ところが、犬ぞりをしながら手紙を書いている部分、かなりおもしろくって、どんどんハマってしまいました。本では決して書かないような、植村直己さんの本音の部分もたくさんあって、ああ同じ人間だなーみたいな感じがして。公子夫人にしか吐露できない真情ってやつです。植村さん独自の口調が、これまた味があって良いです。巻末にある公子夫人の言葉どおり、確かに、こういう手紙を人に見せられたら、恥ずかしいだろうなって思いました。
本人が観たら赤面してしまうだろう
表には決して出さない。身内にしか見せない顔は誰しもあると思う。しかもそれが妻ならば、なおさらだ。本人がこの本を観たら赤面してひっくり返るだろう・・・。私も後世に何か残す時はよくよく注意しなければと余計な心配をしてしまった。だが、ファンにとってはこれほど読みたいものはないだろう。手紙がそのまま載っていて、誤字脱字の多いのも場所が場所だけにしょうがないと思いながらも、植村さんを思い浮かべるとニコッと頷けてしまう。こんなにも貴重なものを!!公子さんに感謝だ。
冒険家 植村さんの温かな魅力が溢れています。
この本は、私が初めてふれた植村直己作品です。 世界的な冒険家として名を馳せている植村さんが、各地から奥様に送られたお手紙をまとめた本です。 過酷な冒険を成すその裏側で、奥様だけに見せる人間らしい弱さ、そして強さに裏づけされた優しさが、随所に滲んでいます。 その純粋で素直なお手紙の内容は、読んでいて、時に微笑みをさそいます。 そして最後には、女性としてこのように愛された奥様は、やはりお幸せであったのではないかと思いました。 数々の植村作品を読まれている方にも、ほかの著書ではみられない氏の一面にふれられる素敵な一冊だと思います。
思わぬ収穫
はっきり言って、まるっきり期待しないで手に取ったこの本。予想以上の満足感を与えてくれました。 内容は、世界各地の冒険の地から妻に当てた手紙を集めたもの。その文面の端々に「私のようなもののために苦労をかけてすまない」という自責にも似た植村氏の思いを感じました。この本を読む前に「極北に駆ける」など、彼の冒険本を読んでいましたが、その著書の中では、悩む姿は描かれていながらも、それは冒険を完遂するための悩みや苦しみであって、手紙での苦しみは、まさに人間・植村としての苦しみであるように思います。 彼の冒険本を読んだ方は、ぜひ読んでみてください。また違った植村氏の視点が見えることと思います。
文藝春秋
植村直己、挑戦を語る (文春新書) 青春を山に賭けて (文春文庫 う 1-1) 極北に駆ける (文春文庫 う 1-2) 植村直己 (KAWADE夢ムック) エベレストを越えて (文春文庫 (178‐5))
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