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歯科医師 みわこのスマイル相談室 第13号

平成15年1月19日号です

明けまして おめでとうございます、松本 みわこ です。

と言っても、すでに、1月の半ばも過ぎようとしておりますが・・・、
皆さん、今年も「みわこのスマイル相談室」気長に、お付き合い頂けますよう
お願い申し上げます。

さて、前回は、「唾液は働きもの」と題して、唾液の持つたくさんの働き
についてご紹介致しました。

今回は、この唾液を使っておこなう『虫歯のなりやすさチェック』
(サリバテスト)ついてお送り致します。

虫歯で苦労されている方、だけでなく、虫歯になりたくない皆さん、
「虫歯になりやすさチェック」で、ご自分のお口の中の状態を
しっかりと把握しましょう。

それが、虫歯予防につながるのですよ。

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筆者の紹介

松本 みわこ

現在、銀座アベニュー矯正歯科にて勤務
http://www.ginza-avenue.jp/  )

ご質問等は
mailto: miwako@ginza-avenue.jp 

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目次 ≪虫歯のなりやすさチェック(カリエスリスクテスト)≫
    ◇カリエス リスク テストで何がわかるの?
    ◇実際のカリエス リスク テスト    
    ◇カリエス リスク テストの判定  
    ◇虫歯になりやすさ総合判定
    ◇次回のメルマガ

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------≫ 唾液で、虫歯のなりやすさをチェック ≪------
      (カリエス リスク テスト)

ほとんどの人が、今までに、虫歯を経験したことがあると思います。
また、虫歯になりやすく、悩まされている人も多いかと思います。

「わたしは虫歯になりやすいから・・・」と諦めていませんか?

それでは、「どうして、私は虫歯になりやすいのか」知りたいと
思いませんか?

実は、唾液を使った簡単な検査で「どうして虫歯になりやすいか」
具体的に知ることができるのです。

この検査を『カリエス リスク テスト(サリバテスト)』といいます。

 ★カリエス(caries):虫歯
  リスク(risk):危険度
  テスト(test):検査


▼ カリエス リスク テストで何がわかるの? 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
虫歯は、お口の中にいる虫歯菌(ミュータンス菌など)がお口の中に入って
きた食べ物の糖類を餌にして作り出された酸性物が原因で虫歯になります。

この「虫歯の出来かた」についてのお話は、以前、メルマガ第7号でご紹介
致しました。復習してみて下さいね。
(メルマガ第7号: http://homepage2.nifty.com/webnavi/miwako/melma007.htm  )

でも、実際には、この酸性物が出来たからといって必ず、全ての人の歯が
虫歯になるわけではありません。

虫歯は、さまざまな原因因子が重なり、歯からカルシウムなどが溶け出す脱灰
(初期虫歯)と修復(再石灰化)とを繰り返すのです。そして、そのバランス
が崩れた時に虫歯といわれるものになるのです。

その原因因子(誘因)とは、
●細菌の数 1.ミュータンス菌の数(Streptococcus mutans)
      2.ラクトバチラス菌の数(Lactobacillus)
●生活習慣の因子
      3.飲食回数
      4.食べ物の糖分・粘着性
      5.プラークコントロール(plaque control)
●その人の体質の因子
      6.唾液分泌量
      7.唾液緩衝能
      8.歯の質(組成・構造・形態)    などがあげられます。

これらの原因因子の程度は、個人個人で全く異なります。
そこで、個人個人の原因因子のリスクの程度を調べるのが
「カリエス リスク テスト」です。

この程度が高ければ高いほど、虫歯になりやすいのです。

つまり、「虫歯になりやすい人」は、「虫歯になりにくい人」に比べて、
これらの原因因子に問題があり、結果として虫歯が多発していると
考えられます。


▼ 実際のカリエス リスク テスト
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
実際のカリエスリスクテストでは、上にあげた原因因子のうち以下の項目
について検査を行います。

《検査方法》
@ パラフィンワックスを一定時間、ガムのように噛んでもらい、唾液の
分泌を促す。
出てきた唾液を計測容器に吐き出しながら、5分間に分泌した唾液の量を
測定する。
  ―→唾液分泌量を計測

A 採取した唾液を試験紙に滴下し、5分後、色の変化にて唾液緩衝能を
判定します。
  ―→唾液緩衝能の判定

B ミュータンス菌の培養地に唾液を1滴落とす。35〜37℃(お口の中と
同じ環境)の培養器で培養し、2日後に培養したミュータンス菌の数を
判定する。
  ―→ミュータンス菌数の判定

C ラクトバチラス菌の培養地に唾液を1滴落とす。培養器で培養し、
2〜4日後に培養したラクトバチラス菌の数を判定する。(使用する
培地の種類、メーカーにより培養日数が異なる。)
  ―→ラクトバチラス菌数の判定


▼カリエス リスク テストの判定 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 [細菌の数]
1.ミュータンス菌の数:初期の虫歯に大きく関係する細菌です。
            糖分の高い食品を食べる回数が多いほど、また、
            部分的な入れ歯や矯正装置などの凹凸物が口の中
            に多いほど、細菌数が多いといわれています。
―→ 多い:虫歯になりやすい
      
2.ラクトバチラス菌の数:虫歯の進行に大きく関係する細菌です。
            現在、虫歯の穴がそのままであったり、サイズの
            合わない銀歯などがあるとそこが細菌の住みかと
            なり、細菌が繁殖するのです。
            また、飲食回数が多く、歯磨きが上手に出来てい
            ないと更に細菌が増殖しやすいといわれています。
―→ 多い:虫歯になりやすい


[その人の体質の因子]
3.唾液分泌量   :唾液腺は15歳前後で成熟し、唾液の分泌量が増加します。
          唾液は、細菌を洗い流す効果、抗菌効果、初期虫歯を修復
          する効果など虫歯の発生予防に大きく関係しています。
         (唾液は長期的に服用している薬剤に影響されやすいので、
          薬剤の服用についても確認します。)
―→少ない:虫歯になりやすい          
      
4.唾液緩衝能   :さらに、唾液には、酸性になった口の中の環境を中性に
          もどす効果があり、虫歯の発生予防に最も関係しています。
          唾液の分泌量が少ないと緩衝能も弱い傾向にあります。
―→弱い:虫歯になりやすい


 [生活習慣の因子]
5.飲食回数や食べ物の糖分・粘着性
           :1日においてお口の中に入れる食べ物や飲み物の回数、
           好みの味付け(濃薄・甘辛)、おやつの種類(粘着性・
           糖度)などを詳しく、問診します。 
―→ 多い、糖度の高い食物:虫歯になりやすい

6.プラークコントロール
           :お口の中の清掃状態を判定します。検査をする直前には
           歯磨きをせずに来院してもらい、通常の歯磨きの回数で
           どれくらい歯のお掃除が出来ているかを確認します。
           
           清掃状態を肉眼的に判定する方法には、「歯垢染色剤」が
           あります。歯に付着した歯垢を色によって染め出すもの
           ですが、長時間、歯に付着したままだった歯垢を青く、
           新しい歯垢を赤く染めるという二色性の歯垢染色剤も
           あります。
―→ 悪い:虫歯になりやすい
           
7.フッ素の使用状況:フッ素は、虫歯を抑制し、初期虫歯を修復するという重要
          な働きを持っています。さらに、細菌に対しても阻害作用を
          示し、歯質の強化など虫歯予防に非常に有効といえます。
          フッ素入りの歯磨き粉や洗口剤などの使用状態を問診します。
―→ 不使用:虫歯になりやすい

8.過去の虫歯経験:過去に、虫歯の処置をどのくらい行っているかを確認します。
         虫歯の処置の経験が多いということは、過去においてお口の中
         の清掃状態、生活習慣などに問題があったと考えられます。
―→ 多い:虫歯になりやすい環境であった          


▼ 虫歯になりやすさ総合判定
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
以上の項目をそれぞれ、0〜3のレベルに判定し、その結果をグラフに表します。
(Aさんの虫歯になりやすさ総合判定 
グラフ1: )


グラフの赤い線で結ばれた八角形がその人のお口の中の環境を示しています。

この八角形が小さいほど、虫歯になりやすく、大きいほど虫歯になりにくいと
判断できます。
八角形が小さい状態とは、リスクレベルの高い項目(原因因子)があり、
それが問題となり、虫歯が多発していると考えられます。

しかし、ひとりひとり、持っているお口の中の環境は、異なります。
(Bさんの虫歯になりやすさ総合判定
 グラフ2: )
 

たとえば、AさんとBさんのグラフの八角形は、どちらも小さく、虫歯に
なりやすいのですが、どういった原因因子が強くて、虫歯になりやすい
のかは、個人個人で全く異なるのです。


▼ 次回のメルマガ
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
同じように、「虫歯になりやすい人」でも、個人個人で原因因子が違う
ことは、ご理解いただけたと思います。

自分の持つ、問題となる虫歯の原因因子を具体的に把握することは
虫歯を予防する上で、とても大切なことなのです。

では、次回は引き続き、カリエス リスク テストの総合判定からわかる、
個人個人で異なる虫歯予防法を考えてみたいと思います。
                        
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 電子メールマガジン「歯科医師 みわこのスマイル相談室」 15/1/19
 編集責任者:松本 みわこ ( mailto:miwako@ginza-avenue.jp  )
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