ウンチク?
(随時更新かな?)


このページでは、私が機械式時計を長年コレクションして、得られたウンチク?を紹介
しますので、皆さんのコレクション活動の上で少しでもお役に立てば…と思っています。
但し、あくまで参考程度にお願いします〜 ←(くどい&笑)

1.無銘モノの良さとは?
機械式時計(特に懐中時計)は、銘で判断するのは難しいです。と言いますのは、
1800年代以前になりますと、メーカーというのが存在しなかったからです。かろうじて
バセロンがありますが、それも今のようなものではなく、小さな工房といったものでした。

当時の時計師は、ダイヤルや機械、またはケースに銘を入れていたこともありましたが、
それも長年の間にOHや修理などで消えてしまっているのが多いです。また、歴史書に
名前を残していない時計師もかなりいます。これが今で言う「無銘モノ」ですね。

腕に覚えのある時計師は、生活のために普及品を作る一方、わずかながら手間の
かかった逸品も作っていましたから、無銘モノは逸品を安く手にするチャンスでもあると
思うのです。それには機械中心で判断しなければならなく、ある程度の知識を必要と
しますが…

実際、外国の著名なオークションハウスは機械中心の評価付けをしますので、
無銘モノの逸品が高いスタートプライスをつけられているのが結構あります。銘があれば、
当然スタートプライスは上がりますが、それは銘自体にではなく、オリジナル性に価値を
つけているといった感じです(パテックやバセロンのように銘があっても、逸品から
普及品までピンキリですから)

日本では、無銘モノは逸品でも安く買い叩かれますので、辛い立場にありますが、
いずれは、時計師の手間が認められる時が来るかも知れませんね。
2.品定めのチェックポイントとは?
私が品定めする際のチェックポイントらしきものをまとめてみました。ですが、価値観という
のは人によってバラバラですので、ここでは必要最低限のみに絞ってあります。

ショップやネットフリマでチェックするには、時間やコミュニケーションなどの制限があって、
なかなか思うように行かないのが殆どです。その困難を各自工夫しながら乗り切ってこそ、
宝捜しの面白味があるというものですね。

(1)外見を見る。
@文字盤について
・亀裂や錆、傷が無いか?
 文字盤に亀裂や錆、傷がないかを見ます。文字盤は主にホウロウ製と金属製が
 あります。前者は、落としたりで亀裂が入りやすく、いったん割れると修理不可能な
 ケースが多いです。後者はホウロウ製と違って割れる心配がありませんが、経年変化の
 影響(錆やシミ)を受けやすいです。また、文字盤は、今までどのように使われていた
 かを忠実に再現していますので、大きな損傷があれば、機械にもそれなりのダメージを
 受けていると考えた方がいいでしょう。

・各針(時分秒)は?
 針先が、時間や秒の目盛りをキチンとさしているかを見ます。また、年代が古ければ、
 針の一部が修理とかで交換されているのが多く、時針と分針のタイプが一致していない
 のも見かけます。これはオリジナル性は別として、似たようなタイプを他から流用出来る
 場合がありますので、特に気にする必要はないでしょう。

Aケースについて
・大きな歪みがないか?
 ケースに歪みがないかを見ます。大きな歪みや窪みがあれば、落下した可能性があり
 ますので、機械にもそれなりのダメージを受けていると考えた方がいいでしょう。 また、
 ケースも文字盤同様に、今までどのように使われていたかを忠実に再現していますが、
 文字盤と違って交換されているのが多いので、あまり参考にならないかもです。

・鍵穴について(鍵巻きタイプのみ)
 ケース側の鍵穴と、機械側の鍵を巻く位置が一致しているかを見ます。ケースが交換
 されていると、鍵穴が機械側と一致していなく、中蓋を開けないと鍵が巻けないのを
 たまに見かけます。

・ベセルと文字盤周辺の雰囲気は?
 ベセルと文字盤周辺の目盛りとのクリアランスを見ます。ベセル周辺と目盛りの間が
 あまり開いているか、文字盤周辺のエッジが見えるようでしたら、文字盤が交換されて
 いる可能性があります。また、文字盤が交換されている場合、接着剤を使ってとめて
 いる場合が多いので、避けた方が無難でしょう。

Bリュウズについて
・リュウズまわりは?
 リュウズとリュウズ下のクリアランスを見ます。仮にリュウズ下のクリアランスが大きければ、
 巻き芯がオリジナルではないか、リュウズが交換されていると見ていいでしょう。リュウズ
 の頭は他から流用が出来ますが、巻き芯は難しいです。 

(2)機械を見る。
@各部品について
・修理跡は?
 機械に修理跡がないかを見ます。ネジや各部品に目立つような傷があったり、一部分が
 他と違うような雰囲気をしていれば、過去に部品交換を伴う修理をされた可能性があり、
 機械の調子が悪いのを結構見かけます。

A脱進機まわりについて
・欠品はないか?
 脱進機まわりに欠品がないかを見ます。ここで、スワンネックのような緩急針を微調整
 する機構の一部が折れていたり、機構そのものが外されていてネジ跡しかないのもよく
 見かけます。また、ガンキ車を受ける金属プレートがあるタイプでしたら、金属プレートが
 紛失していないかも見ます(ヒゲぜんまいをとめるネジも同様です)

B歯車について
・欠けや、損傷は? 
 歯車の歯がちゃんと揃っているかを見ます。特にゼンマイに近いところに歯欠けや、
 無理な修理のために損傷を起こしているのを見かけます。また、クロノグラフでしたら、
 歯が非常に細かい場合がありますので、要注意です。

C受け石について
・受け石の割れや紛失は?
 ガンキ車受けなどの石に、割れや紛失がないかを見ます。仮に割れてましたら、
 歯車のホゾが磨耗しやすくなりますので、交換が必要になります。また、石の変わりに
 金属が入っているのも見かけます。おそらく、過去の修理で合う石が無かったので、
 加工しやすい金属を入れたのでしょう。

D文字盤とめについて
・文字盤とめは?
 文字盤裏からピンが出ていて、ネジかクサビでとめるタイプでしたら、ピンとネジ、
 またはクサビがちゃんと揃っているかを見ます(このタイプは1800年代以前に多く
 見られました) 文字盤のピンを通す穴らしきのがあって、ネジしかなかったり、
 穴だけでしたら、文字盤を接着剤でとめている可能性があります。
 
(3)実際に操作する。
@リュウズ巻きについて
・スムーズに巻けるか?
 リュウズがスムーズに巻けるかを見ます。仮に途中で引っ掛かかったり、スリップする
 ような感触がありましたら、リュウズ機構が磨耗、または巻き芯がオリジナルではないか、
 ケースがガッチャマンで合っていない可能性があります。鍵巻きからリュウズ巻きへの
 移行期に作られたものは、リュウズまわりの機構(オシドリや巻き芯など)の作りが非常
 にデリケートな寸法で作られているのが多く、ガタが来やすいところがあります。

A針の動作について
・スムーズに回るか?
 針を回して、引っ掛かるところがないかを見ます。仮に途中でかなり力を入れないと
 回らないようでしたら、2番中芯が曲がっていて、修理に手間どることがあります。

B脱進機まわりについて
・きちんと動いているか?
 ぜんまいを巻いて、テンプが回転しましたら、規則正しく動いているかを見ます。仮に
 規則正しく動きませんでしたら、脱進機まわりに何か致命的なところがあると見ていい
 でしょう。

・姿勢変更しても動くか?
 テンプが回転した状態のまま、姿勢を変えてみます。ここで、回転の速さが変化したり、
 止まるようでしたら、天真が磨耗しているか、曲がっている可能性があります。この場合、
 天真の再作成が必要なこともあります。

Cケースについて
・蓋の開き具合は?
 表蓋や中蓋、裏蓋がどこまで開くかを見ます。大体は、開いて90度以内に収まるのが
 普通です。仮に90度以上も開くのでしたら、荒っぽい使われ方をされ、ヒンジ部分に
 ダメージが入り、蓋が外れることもあります。これは修理が難しいですので、フルハンター
 は表蓋、鍵巻きは裏蓋をチェックした方がいいでしょいう。

D特殊機能について
・各機能がきちんと動いているか?
 例えばクロノグラフでしたら、スタートやリセット、リピーターだと音鳴り、カレンダーだと
 日送りなどが正常に動くかを見ます。正常に動かなければ、修理が大変な場合が
 あります。

(4)その他<時計師でしたら、ここまで見ます>
・テンプを外して、天真の磨耗をチェック
・テン輪まわりのネジ並びをチェック
・ヒゲぜんまいの渦巻き具合をチェック
・脱進機全ての石や、受けをチェック
・ガンキ車のえぐりやカナ、ホゾの磨耗をチェック
・4〜2番車の歯並びやカナ、ホゾの磨耗をチェックetc・・・
3.今まで見たヤバイものとは?
私が今まで物色した中で、「ヤバイっ!!」と感じたものを幾つかまとめてみました。
但し、売り手の立場もありますので、具体的な名前は控えてあります〜(汗)

(1)ランゲパワーリザーブ付きミリタリー(2001年3月、海外ネットフリマにて)
ドイツのセーラーで、少々顔の知れている方が、ランゲのパワーリザーブ付きミリタリー
を出して来ましたね。
このタイプは、私のランゲと同じで、ドイツ第3帝国海軍向けに作られたデッキ・ウオッチ
です。機械はDUFクラス同様に普通レベルですが、パワーリザーブ付きという希少価値
で、かなり高目になっています。
それなのに、このネットフリマへ!?普通でしたら、ドクタークロットというドイツのオーク
ションハウス向けなんですけどねぇ…

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これ、他メーカーの同型タイプで、ダイヤルにランゲと入れただけじゃん…(このタイプは、
同じグラスヒュッテの他メーカーからも出ていて、中身は全く同じです。メーカーの区別は
機械に彫られている銘で判断します)

ちなみに、日本人(?)ビッターが、US$2000以上で落札〜

(2)ウオルサム18サイズレイルロードキング(2001年5月、海外ネットフリマにて)
米国のフィードバックが1000以上もあるセーラーが、ウオルサムのペットネーム、
レイルロードキングを出しましたね。
このタイプは、ウオルサム18サイズの中で、限定版に近く、生産数が非常に少ないです。
ネジも金色で、機械の装飾もなかなか仕上げが光っています!!う〜ん、素晴らしい…
あれ?何だか、機械の半分が少々雰囲気が違うような?ちょいとシリアルナンバーで
調べて見ますか(昔のウオルサムは機械のシリアルナンバーで、モデルや年代が判明
出来ます)

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これ、バートレットじゃん…(当時は、規格化が進んでいましたから、同じベースのパーツ
が多く、おそらく銘が彫られていない受け板を他から流用して、レイルロードキング仕様に
したのでしょう)

ちなみに、米国人ビッターが、US$1500以上で落札〜

(3)ティファニーパテックタブルネーム(2001年8月、海外ネットフリマにて)
米国のセーラーが、ティファニーパテックタブルネームを出しましたね。2番車受けにネジ
止めがあって、なんと!特別調整を示すEXTRA表示があるではありませんかーー!!
あれ?EXTRA表示なのに、18石で(普通だったら20石以上が多い)スワンネックのような
マイクロレギュレーターがない…

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これ、脱進機まわりと、香箱受けのプレートを単なるティファニー仕様の18石パテックと
交換しとるやんけ…(おそらく、程度の悪いEXTRA仕様パテックと普通レベルのティファ
ニーパテックを組み合わせて、グレードの高い仕様に見せかけたものですね)

ちなみに、US$2000近くになってもリザーブに達せず終了。このセーラーは、リザーブ
に達しなかったら、少々上乗せして、ハイビッターと裏取引するのが多いので、再出品
することはないようです〜(汗)

(4)バセロン装飾ダイヤル初期腕時計(2001年9月、海外ネットフリマにて)
米国のセーラーがバセロンの初期腕時計を出しましたね。私のテイファニーのように、
婦人用懐中時計の機械を流用する初期の腕時計に見られる特徴が出ています。しかも
ムスターシュ脱進機ではありませんか!!エナメルの装飾ダイヤルも凝っていますし…
あれ?ダイヤルのバセロンの銘に「&」が無い?(当時のバセロンは、コンスタンチン
との間に「&」がついています)

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これ、エルジンとかのアメリカ婦人用懐中時計に多かったエナメル装飾ダイヤルを
接着剤でつけてるじゃん…しかも、ご丁寧に前のメーカー銘を、濃い赤バラの印刷で
消してますし、サクラのビッターも多そうです(汗)

ちなみに、経験の浅そうなビッターが、US$1700以上で落札〜