今、猫以外で私が夢中になっているのはフライフィシング、けれども、この繊細な魚とのやり取りの魅力は又の機会ということにして、もう1つ夢中になっている、すずめのチュンちゃんから始まった鳥達とのふれあいをつづってみます。
今から4年前の春,庭先の車庫に置いてあったドックフードをついばむスズメ達がいました。お腹をすかせた風なそのスズメ達に、パンを置いてみると,あっという間にそのパンがなくなります。「あら、そんなにお腹を空かせていたのかしら」と、置くパンの量が増えると、スズメの数も増える。そんなこんなで、数日が経ちました。
ある時、洗濯物を干していると、1羽のすずめが目の前の木の枝に止まりました。偶然だと思っていたのですが、家に入ろうとすると、先回りして、ポストの上に止まります。「あら、追いかけて来ているの? まさかパンのおねだり?」そう思って、ためしにパンを一切れ投げると、くわえて行ってしまいました。この子がチュンちゃんです。
その行動は毎日続き、2、3日してチュンちゃんはママで、雛に餌を運んでいるのだと気がつきました。雛鳥の為に何度も我が家におねだりに来るチュンちゃんが愛らしく、わざと日に何度も庭に出てはパンをあげる、そんな事がしばらく続いたある日、感動でした!!! チュンちゃんが巣立ちの雛を連れて来たのです。嬉しさと、これでお別れねという寂しい思いが入り交じった、なんともいえない気持ちでした。
けれども、実はチュンちゃんの訪問はそれで終わりではありませんでした。その後、しばらくは姿を見せなくなりましたが、チュンちゃんは間をおいて再び姿を現わし、またパンをねだるようになったのです。そして、前と同じようにせっせとパンを運び、今度は2羽の巣立ち雛を連れて来のです。この時私は、短い春の間にスズメ達が2度子育てする事を知りました。そして次の年、同じようにチュンちゃんが顔を見せてくれた時は本当に嬉しかった!!
3年目の昨年はもう大変でした。集まるスズメ達も半端でない数になり、その餌に他の鳥達もつられて集まり、オナガ、ヒヨドリ、ムクドリ、キジバト、と驚くばかりの数になってしまいました。特にムクドリは、始め私にとってはチョット迷惑でした。大きな体ですずめ達を追い払い、我が物顔で餌を食べるのですから。
でも、その考えが変わる出来事がありました。2羽で現われたムクドリ、1羽が食べているのを、もう1羽が回りにいる鳥を追い払いながら守っているのに気がついたのです。良く見ると食べている方の鳥の片足の爪が、まるで無く、びっこを引いているのです。その子は、いつでも1羽のボディガードに守られ、お腹いっぱいにして帰っていきます。その様子を見ていると、生き物って素晴らしいと思いました。
今年は年明けからムクドリの大群が来ています。
メジロ、ツグミと新顔も登場して、ますますにぎやかになった庭に、ある日突然現われた大きな鳥、これにはビックリしました。
その鳥は急降下してパンを取ろうとするものですから、他の鳥達が避難して、庭先に降りてこれなくなったのです。どう見てもカモメ、海から遠いこんな所になぜ?と不思議に思いました。それに、他の鳥達が可愛そうではありますし、カモメにしても、急降下するばかりで、地面に降り立つ訳ではなので、パンが取りにくそうです。本来水辺に浮かぶ鳥だろうからと思いつき、試みに、家の前の川にパンを投げてみました。
思ったとおり、その鳥は水面に浮かびながら、パンを嬉しそうに食べています。そして、数日後には、それを見つけてなのか、あっという間に十数羽のカモメ達が集まって来るようになりました。今では、私が外にでる時間帯を覚えたらしく、毎日午前と午後の二回集まって来ます。
二月始めに遅い新年会を友人達としましたが、その時バードウォッチングが趣味のS夫妻に一緒にカモメの餌付けを楽しんでいただきました。ご夫妻のお話によると、このカモメ達はユリカモメという種類で、東京都の鳥だそうです。
今ではすっかり慣れて、空中に投げ上げたパンを上手に嘴でキャッチして、頭上を飛び回る様は圧巻です。雪の日などは、他で餌を取りにくいのか、集まるユリカモメ達は4、50羽にもなり、まるでヒッチコックの鳥のようです。
ユリカモメは渡り鳥で春にはシベリアに帰るそうですから、この子達を見送った頃には、また、チュンちゃんが現われる事でしょう。毎年春先にチュンちゃんと会えるのをとても楽しみにしています。
そして今、もう1つ、春の楽しみにしている事があります。
玄関脇のモッコクの大木に巣を作るようになったキジバトが、次の春には何羽の雛をかえすのでしょうか。去年の春は2羽の雛鳥達が元気に巣だって行きました。
今年はますます鳥達とのかかわり合いが増えた楽しい年になりそうです。そして、また次の冬にはユリカモメ達がちゃんと覚えてくれていて、わが家を訪れてくれるのでしょうか。
(2001年3月1日 記)
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