生まれて間もない、小さな馬。
その仔馬の、毛なみは金色です。
「お前…!?お前、来てくれたんだね。」
「ああ、そうだ。待たせたな。
さぁ、一緒に魔物をやっつけようじゃないか!
この弓の弦は、お前の母親と姉達が自分達の髪の毛でつくった。
この矢はお前の父が削り、矢じりには血を降り注いだ。
これで、魔物の額の目を射ぬけ!」
男の子は弓矢をしっかり握りしめました。
その時、魔物の寝ぼけた声が、ゲルの中から聞こえてきました。
「なんだね?やかましいよ」
「馬だよ、仔馬がいるんだ」
「馬?」
魔物がふらりとゲルの入り口から顔を出した、その時…
バシッ!
男の子の放った矢は、魔物の眉間を射ぬいたのです。
ぎゃあああっ!
すさまじい悲鳴をあげて、魔物はゲルの中を転げ回り、ストーブを蹴り倒したので、火が魔物の服に燃え移りました。
熱くて魔物が転げ回るので、火はゲルのフェルトに、男の子が集めた枯れ草に、アルガルに燃え移り、とうとう魔物はゲルと一緒に焼けてしまったのです。
こうして、人喰い魔物が死んだので、男の子と、金色の仔馬は家族の元に帰り、皆で一緒に羊を追い、馬を追いながら草原を旅して暮しましたとさ。
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