4月1日より特許法が一部改正され、職務発明の取扱が変更されました。
従来は、発明者である社員が会社に権利を譲渡した場合の「相当の対価」の算定基準が明確でなく、最終的には裁判所が判断していましたが、改正された新職務発明制度の下では、発明譲渡の対価を原則として当事者(会社と従業者)の自主的な取決めに委ねることとしました。ただし、この取決めは合理的な手続を踏んで定められなければなりません。
職務発明における「相当の対価」の認定については「青色ダイオード事件」が世間の注目を浴びました。この事件では、地裁においては404特許と呼ばれる単一の特許発明の「相当の対価」を約200億円と認定したのに対し、控訴審では404特許を含む合計約300件の特許譲渡対価を約6億円として和解で決着しました。いずれが妥当であったかの議論はさておき、このことは「相当の対価」の算定がきわめて困難であることを示すものと言えるでしょう。
発明者の利益を尊重することは勿論重要なことですが、青色ダイオード事件のように第一審と控訴審とで極端に対価認定額が異なってしまうと予測がつかず企業経営が成り立たないと言う会社側の理論も無視できません。このような背景の下で、会社と発明者の利益調和を図る趣旨で新職務発明制度が採用されました。 |