出 版 物 紹 介

 
「マーケティングからの発想」

 目 次
 
 第一章 時計業界と私
 
 第二章 マーケティングの現在

 第三章 マーケティングにおける価格理論

 第四章 消費者にとってのチェーン店

 第五章 賢明な消費者への脱皮

 第六章 卸売業とeビジネス展開の可能性

 第七章 コンサルティング領域の理念

 第八章 資格者とネットワークのあり方

 第九章 個人主義への変容とリスクテイカーの誕生

 第十章 経済政策とマーケティング理念

この書籍はWEB上の「万能書店」で販売されています。その購入のためには、 「万能書店」をクリックし、書籍リストの中から『マーケティングからの発想』の欄のJUMPをクリックすると購入が出来ます。

 まえがき

 一九九九年八月、私は二十八歳から二十二年間勤務した業界新聞二紙を発行する会社を退職した。その会社は、事務機(電卓、複写機、ファクシミリ、シュレッダー、レジスター、パソコンなど)の業界新聞の発行をメイン業務としていた。これは週刊で発行しており、社内では「本紙」と呼ばれるべき媒体であった。もう一つは私が入社する約一年前から発行を立ち上げていた時計の業界新聞である。私は入社当時から、本紙ではなく、時計のほうに配属され、それは退職するまで続けられた。

また、私は一九九一年に中小企業診断士という資格を取得する。この試験は、経営学、マーケティング、流通といった私の本業と密接に関係するものであり、それらを体系的な知識にしたいというのが資格取得の動機であった。

 会社を退職して雇用保険の支給を受けているうちに、二十二年間にわたる私の仕事をまとめておきたいという思いが強くなった。退職以後の約二年間、徐々に書き溜めて、それを数回にわたって推敲したのが本書である。そして、業界新聞編集の仕事と中小企業診断士の仕事を貫くキーワードが「マーケティング」であるように考え、書名に「マーケティング」という基軸としての用語を選ぶことにした。いわば、私の仕事の総括をしたのが本書であり、「私史」という性格を一面でもっている。

 一方、本書は、中小企業診断士の受験生時代から資格取得した以後までに得たマーケティングに関する知識を基点にして、時代と向き合いながら、その延長上にどのような思考ができるかを、自分なりに試してみたという性格をもっている。そのため、中小企業診断士になろうとする人々、またすでに資格を取得した人々に本書が参考になれば幸いである。マーケティングに関する知識は、実践にしか役立たないと考えがちだが、思考として、現代社会においての一つの示唆を与えることができると考えられた。それが上手くできたかどうかは、読者の評価を待つまでである。

 本書を書くうえで心がけたことの一つは、自由な立場からの視点を大事にすることである。私は時計業界で仕事をしてきた。業界のしがらみをもった人間である。また中小企業診断士としては、所属する協会や区役所などの制約の中で活動している。しかし、それらのしがらみや制約に縛られないように、できるだけ自由な立場を堅持したつもりである。日本の現状は、そうした自由なポジションが危うくなっているように感じられ、敢えてそうした立場を取ることにした。そのため、これまで一緒に仕事をしてきた方々に失礼な対応になっているところが一部にあることをご容赦願いたい。

 また本書は、エッセイでもなければ、論文でもない。もちろん小説でもない。そういう意味ではジャンルに属さない私的な書き方がされている。テーマを与えられてそれに即して書いていくことをもちろん否定するものではない。そのほうが、結果として良い内容の書籍になることも多いと考えている。しかし、本書に限っては、私的な書き方と文体を貫くことにした。それがどこまで達成され、成功しているかは、これも読者の評価を待つまでである。

 また出版不況と言われる現在、オンデマンド出版で本書を発行することにしたのも、私としては一つの選択であった。出版不況は、いくつかの原因があると考えられるが、その一つが、再販売価格維持を基本とする書籍の流通構造にあると思う。そのため、流通に対して自覚的でなくてはならない私としては、現状において、オンデマンド出版することが最適な選択のように思われた。本書がどれだけ販売できるかどうかは未知数だが、本格的な出版をして返本の山に囲まれる事態だけは避けたかった。またコストパフォーマンスから言っても、それは許されなかった。それではまさに「資源の無駄遣い」になってしまう。

 約二年間にわたって一人だけで書いてきた本書が、読者の仕事に少しでも役立ち、参考になれば幸いである。

二〇〇一年九月一日・記  

ホームへ戻る