1. こんな法律をつくりたい

    20世紀の産業社会は効率と利潤追及の男性中心の働き方によって、多くの環境破壊
    とリスクを次世代に残しました。21世紀の社会は、生命と環境を最優先した
    循環型自立社会づくりにむけ、生き方を変え、働き方を変えることが問われています。
    ワーカーズ・コレクティブのさまざまな事業は、そのような「働き方」を創り変え
    地域の中から、女性が中心になってつくりだしてきました。
    そのキーワードは、自由な労働の自治です。「雇う・雇われる」の関係を越えた、
    事業を協同で企画し労働する仕組みです。

    私達がワーカーズ・コレクティブ法に盛り込みたい項目は下記の通りです。

    1. 自分達が出資をし、雇われないで働く平等な組織である。
    2. 非営利団体である。
    3. 相互扶助の精神で地域社会に貢献する事業を行う。
    4. 税制の優遇措置がある。
    5. 届け出により成立する。

    世界に例を見ない早さで日本の高齢化はすすんでおり、これから約20年後にそのピークを
    迎えるとされています。常に右肩上がりであった経済成長はもはや望めず、税金や行政に
    すべてを期待することは難しく、企業も生き残りのためのリストラに奔走するのが精一杯です。
    経済性や効率を優先するために失われた自然環境や食べ物の安全性。処分しきれないゴミ、
    希薄になった人と人との繋がり...21世紀のイメージは決して明るくありません。
    しかし、非営利の協同組合の精神に基づいて市民が地域で興す事業は、まちを明るく
    元気にする手段の一つです。ワーカーズ・コレクティブを法律で位置づけることは、
    その力の拡大につながります。
  2. ワーカーズ・コレクティブ法研究会 

    市民運動を共に行っている「市民セクター政策機構」の協力と各分野における多くの
    方々の参加を得て、2000年9月に発足し、2001年の5月まで5回開催し、研究会の成果を
    まとめていきます。会長お茶の水女子大教授の天野正子さん、副会長 衆議院議員 石毛えい子
    さん、副会長武蔵野女子大教授里深文彦さん他13名に、W.N.J.のメンバー11名、市民セクター
    政策機構より3名の計30名の構成です。

    ワーカーズ・コレクティブを研究テーマに取り上げてきた天野正子さんは
    「ワーカーズ・コレクティブの社会への挑戦にいつも注目してきました.地域での仕事起こし、社会
    への主張、新しい労働という点で共感しています。ワーカーズ・コレクティブの法制化は時機に
    適していると思い会長を引受けました。今、若者、とくに女子学生は大変な就職難です。数年前
    フリーターは高卒者の問題でしたが、今や大学に波及しています。しかしその状況下でも彼女らは
    会社というものに不信感を持っていて、社会的責任について阪神・淡路大震災の際に湧きあがった
    ボランティア活動のように敏感に反応しています。”豊かな社会”での自分探しに真剣であり、背後
    には今の企業社会への異議申し立てがあるのではないでしょうか。日本では女性の働き方が、
    『性別役割分業』と不況によって狭い働き方しかない中で、ワーカーズ・コレクティブは新たな
    働き方の選択肢をつくってきました。地域に根付き、非営利で、見ら出資し、企画・運営し、かつ
    働くという仕組みは労働観としても21世紀を切り拓くもので、この研究会がワーカーズ・コレクテ
    ィブの経験を総括する意義は大きいと思います。ワーコレの18年間の経験の持つ意味は重い。夢の
    ない時代に大きな存在です。なぜなら、今の女性の働き方は、まだまだ男性の働き方に留まってい
    ます。若い人たちの不満はそこにあるし、そうした人たちにもワーカーズ・コレクティブ法が
    <新しい仕事>を自ら創り出す道を、手の届くような内容となるような法制化運動を進めたいと
    思います。」と会長就任の挨拶を述べました。        

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