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名作落語大全集
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■マガジンの説明
古典の名作や新作はもちろん、怪談噺等の連続もの、艶笑噺、
現在誰も演じなくなったもの、取るに足らないもの……
とにかく全て紹介しようというのが目的です。
粗筋・成立(原作や歴史)・一言(芸談や識者の感想)・薀蓄という
4項目を毎週配信。手元のメモでは千話以上入れる予定ですので、
週刊だと二十年はかかる……もう目の前が真っ暗になっていますが、
長い目で見て期待していて下さい。
■発行周期
週刊
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■発行者
このメルマガはメルマガ発行代行システムを利用しています。
発行者は、著者ではありません。
E-mail: yah@hicat.ne.jp です。
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名作落語大全集 発行者:とっとう
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当メールマガジンでは、とにかく寄席演じられる(演じられた過去を持つ)落語を全て
紹介しようと思います。現在手元のメモでは正規の落語が約千話、艶笑噺や小噺まで
入れると、完成するまで生きていられるかどうか……落語は本物を聴くのが一番面白い
のですから、資料として下さい。
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明烏(あけがらす)
【粗筋】堅物の若旦那、時次郎を観音様のお籠もりと騙して吉原へさそう。親も堅い
ばかりでは仕方がないと、承知の上で送り出した。茶屋のおばさんをお巫女頭だとか
何とかいい加減なことを言って誤魔化したが、いよいよ廓へ上がると、若旦那の様な
世間知らずでもどういう場所か気付き、帰ると泣き出してしまう。手を焼いた連れが、
「大門に男がいたでしょう。あれは入ってくる人の人相や風体を調べている。三人で
入った者が一人で出ていこうとしたら、止められてしまう」
と騙してようやく収めた。そんな初な若旦那ならこちらで出たいと、浦里という
花魁の方からのお見立てで相方になる。
さて、朝になって起こしに行くと、何と、若旦那は布団の中で花魁と手を握りあって
いて起きて来ない。馬鹿馬鹿しくなった連れ、
「じゃあ、若旦那は置いて帰りますよ」
「帰れるもんなら帰ってごらんなさい。大門で止められちまいますから」
******<解説>*********************************************
【成立】新内「明烏夢泡雪」、人情噺「明烏後正夢」から独立させたもので、若旦那の
時次郎、花魁の浦里等登場人物も同じ名が用いられている。
桂文楽8が前半の親の情愛などを演出し、他に演り手がないというほどに練りに練って
作り上げた。昔は客も自分の初体験を思い出したりして聞いたという。この雰囲気の分かる
演者も聞き手もいなくなってしまう(もうなってしまったのだろうか)、誠に残念。
昔の速記本を読むと、「起きたいけれど花魁が両足で挟んで起きられない」と言っているが、文楽の演じている「花魁が手を握って離さない」の方が初な若旦那らしい演出であると
いうのが定説。三遊亭遊次郎が古い演出を試みているが、振られた二人の間抜けぶりを
見事に描いておかしかった。
【一言】特に演出に苦労したのは、時次郎を仲ノ町の引手茶屋から送り出す所。茶屋の
女将の仕草。翌朝、源兵衛と太助が時次郎を起こしに行く所。甘納豆を食べる所など。
そして最も楽しく演れる所は、酸いも甘いもかみ分けた父親が、跡取息子があまり堅くては
商売上困るし、といって道楽者になってはそれこそ大変だと、あれこれ心配しながらも
時次郎を出す所。(桂文楽8)
【蘊蓄】大門は見返り柳から五十間町を抜けた所にあった、吉原一廓に出入りできる唯一の
門。1881年(明治14)に鉄製に改められ、門柱の左右には「春夢正濃満開桜雲」「秋信先通
両行燈影」という福地櫻痴の漢詩が自らの揮毫で彫られていたが、1923年(大正12)の関東
大震災で姿を消した。